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赤子
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あかご
ふりがな文庫
“
赤子
(
あかご
)” の例文
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
其
(
その
)
第
(
だい
)
二
節
(
せつ
)
を
唱
(
うた
)
ふ
間
(
ま
)
も、
絶
(
た
)
えず
赤子
(
あかご
)
を
甚
(
ひど
)
く
搖
(
ゆす
)
り
上
(
あ
)
げたり
搖
(
ゆす
)
り
下
(
おろ
)
したりしたものですから、
可哀相
(
かあいさう
)
に
小
(
ちひ
)
さなのが
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶので
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その次に太郎兵衛が娘をよめに出す覚悟で、平野町の女房の
里方
(
さとかた
)
から、
赤子
(
あかご
)
のうちにもらい受けた、
長太郎
(
ちょうたろう
)
という十二歳の男子がある。
最後の一句
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
現在伝わっているのは乳の不足な
赤子
(
あかご
)
などに、布で包んでしゃぶらせるくらいなもので、是にも地方的にいろいろの名がある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そうして泣き入る葉子を大事そうにかかえたまま、倉地は上体を前後に揺すぶって、
赤子
(
あかご
)
でも寝かしつけるようにした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
まだ
乳房
(
ちぶさ
)
にすがってる
赤子
(
あかご
)
を「きょうよりは手放して以後親子の縁はなきものにせい」という
厳敷
(
きびしき
)
お
掛合
(
かけあい
)
があって涙ながらにお請をなさってからは今の通り
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
▼ もっと見る
此
雪吹
(
ふゞき
)
其日の
暮
(
くれ
)
に
止
(
やみ
)
、
次日
(
つぎのひ
)
は
晴天
(
せいてん
)
なりければ
近村
(
きんそん
)
の者四五人此所を
通
(
とほ
)
りかゝりしに、かの
死骸
(
しがい
)
は
雪吹
(
ふゞき
)
に
埋
(
うづめ
)
られて見えざれども
赤子
(
あかご
)
の
啼声
(
なくこゑ
)
を雪の中にきゝければ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
九州の
麒麟児
(
きりんじ
)
とよばれるこの天才少年にかかっては、城代も家老もさながら
赤子
(
あかご
)
にもひとしい存在です。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
……弁当の包みを膝にのせながら、微妙な季節の移り変わりに驚歎している
赤子
(
あかご
)
のような無心な表情。
キャラコさん:10 馬と老人
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その日、
武行者
(
ぶぎょうじゃ
)
は一軒の山里の小酒屋にとびこんで、思わず、
赤子
(
あかご
)
が乳を求めるように呼んでいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ワハハハ……、おかしいですよ。名探偵明智小五郎、ざまはないですね。まるで
赤子
(
あかご
)
の手を
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
病院では腹膜炎で患者が虫の
気息
(
いき
)
を引き取ろうとしている。
露西亜
(
ロシア
)
では
虚無党
(
きょむとう
)
が爆裂弾を投げている。
停車場
(
ステーション
)
では
掏摸
(
すり
)
が
捕
(
つら
)
まっている。火事がある。
赤子
(
あかご
)
が生れかかっている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(指輪の外に、腕時計、ブローチ、コムパクト、
頸飾
(
くびかざり
)
等々があったことは
勿論
(
もちろん
)
である)兎に角、何十年も奥畑家に奉公して、奥畑を
赤子
(
あかご
)
の時から育てている婆やのことであるから
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
赤子
(
あかご
)
や
兒童
(
じどう
)
の
死體
(
したい
)
は、
大
(
おほ
)
きい
土器
(
どき
)
の
壺
(
つぼ
)
に
入
(
い
)
れて
特別
(
とくべつ
)
に
葬
(
はうむ
)
つてある
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
いのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
好
(
え
)
えさ好えさ、
赤子
(
あかご
)
じゃあるまいし。」そういうと男は「どっこいしょ。」と背後へ
反
(
そ
)
り
返
(
かえ
)
った。母は子の頭を膝から起して「待っておい。」といって笑いながら縁側の方へ立った。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
君、怒リ
給
(
たも
)
ウコト
勿
(
なか
)
レ。コノ失礼ヲ許シ給エ。我輩ハアワレナ男デアル。ナゼナラバ、我輩ハ英語ニ
於
(
オ
)
イテ、聞キトルコトモ、言ウコトモ、ソノホカノコトモ、スベテ
赤子
(
あかご
)
ノ
如
(
ごと
)
キデアル。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
五月の末にだれひとり待つ者もないのにやすやすと
赤子
(
あかご
)
は生まれた。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
彼女はまた無心の
赤子
(
あかご
)
に對して自分が堪へがたい愛情を覺えれば覺えるほど、彼女は堪へがたい悲しみに心をうばはれた。そして彼女はその悲しみのうちに、子供に云ひきかせてゐる自分自身を見た。
珠
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
すなわち大人にして
赤子
(
あかご
)
の心を失わない者の
謂
(
いい
)
に外ならぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
赤子
(
あかご
)
らの
眼
(
め
)
のなやみ、
笑
(
わら
)
ふ
黒奴
(
くろんぼ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
知ろしめされ賜うて
後水尾帝
(
ごみづをてい
)
の
御製
(
ぎよせい
)
に「あはれさよ
夜半
(
よは
)
に
捨子
(
すてご
)
の
泣
(
なき
)
やむは母にそへ
乳
(
ぢ
)
の
夢
(
ゆめ
)
や見つらん」とは
夜更
(
よふけ
)
て
外面
(
そとも
)
の方に
赤子
(
あかご
)
の
泣聲
(
なくこゑ
)
の聞えしは捨子にやあらんと最と
哀
(
あは
)
れに聞えたりしが兎角するうちに彼
泣聲
(
なきごゑ
)
の止たりしかば如何せしやらんと思ひぬるうち又もや泣出しける
程
(
ほど
)
に
扨
(
さて
)
は
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
泣止
(
なきやみ
)
しは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ありましたれど
赤子
(
あかご
)
に
着
(
き
)
せる
物
(
もの
)
がないとか
聞
(
き
)
きませば
平常
(
つね
)
の
心
(
こゝろ
)
に
承知
(
しようち
)
がならず
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
通
(
とほ
)
して
針仕事
(
はりしごと
)
着
(
き
)
るもの
二
(
ふた
)
つ
遣
(
つか
)
はしましたと
得意顏
(
とくいがほ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
徳
(
とく
)
は
陰
(
かげ
)
なるこそよけれとか
聞
(
きゝ
)
しが
怪
(
あや
)
しのことよと
疑
(
うたが
)
ふ
胸
(
むね
)
に
相談
(
さうだん
)
せばやの
心
(
こゝろ
)
は
消
(
き
)
えぬ
花子
(
はなこ
)
さま/″\の
患者
(
くわんじや
)
の
話
(
はなし
)
に
昨日
(
きのふ
)
往診
(
みまひ
)
し
同朋町
(
どうぼうちやう
)
とやら
若
(
も
)
しやと
聞
(
き
)
けばつゆ
違
(
たが
)
はぬ
樣子
(
やうす
)
なりそれほどまでには
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すなわちウブメ鳥と名づくる一種の
怪禽
(
かいきん
)
の話を別にして考えると、ウブメは必ず深夜に道の
畔
(
あぜ
)
に出現し
赤子
(
あかご
)
を抱いてくれといって通行人を呼び留める。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
紛
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
なく
其處
(
そこ
)
には、
普通
(
あたりまへ
)
の
鼻
(
はな
)
よりも
獅子
(
しゝ
)
ッ
鼻
(
ぱな
)
に
酷似
(
そつくり
)
の、
甚
(
ひど
)
くそッくり
反
(
かへ
)
つた
鼻
(
はな
)
がありました、
又
(
また
)
其眼
(
そのめ
)
も
赤子
(
あかご
)
にしては
非常
(
ひじよう
)
に
小
(
ちひ
)
さすぎました、
全
(
まつた
)
く
愛
(
あい
)
ちやんは
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
しかも
平生
(
へいぜい
)
の
自分
(
じぶん
)
より
遙
(
はる
)
かに
無力
(
むりよく
)
無能
(
むのう
)
な
赤子
(
あかご
)
であると、
更
(
さら
)
に
自分
(
じぶん
)
を
認
(
みと
)
めざるを
得
(
え
)
なくなつた。
彼
(
かれ
)
に
取
(
と
)
つては
新
(
あた
)
らしい
發見
(
はつけん
)
であつた。
同時
(
どうじ
)
に
自尊心
(
じそんしん
)
を
根絶
(
こんぜつ
)
する
程
(
ほど
)
の
發見
(
はつけん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其次に、太郎兵衞が娘をよめに出す覺悟で、平野町の女房の
里方
(
さとかた
)
から、
赤子
(
あかご
)
のうちに貰ひ受けた、長太郎と云ふ十二歳の男子がある。其次に又生れた太郎兵衞の娘は、とくと云つて八歳になる。
最後の一句
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
夜の一時ごろにしかも軽く
分娩
(
ぶんべん
)
して、
赤子
(
あかご
)
は普通より達者である。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
赤子
(
あかご
)
啼
(
な
)
く
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
医術が大分進んで
赤子
(
あかご
)
が死ななくなったかも知らぬが、永く生きない人が多くなった。急性の飢餓はなくなった代りに、慢性の凶作は常にあるようになった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
赤子
(
あかご
)
が
復
(
ま
)
た
唸
(
うな
)
つたので、
何
(
ど
)
うかしたのではないかと、
愛
(
あい
)
ちやんは
氣遣
(
きづか
)
はしげに
其顏
(
そのかほ
)
を
覘
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
かくすべての人に十の九まで見放された
真中
(
まなか
)
に、何事も知らぬ余は、
曠野
(
こうや
)
に捨てられた
赤子
(
あかご
)
のごとく、ぽかんとしていた。苦痛なき生は余に向って何らの
煩悶
(
はんもん
)
をも与えなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
神さまは
赤子
(
あかご
)
の
初宮参
(
はつみやまい
)
りの日から、もう氏子をごぞんじであって、それが心に何を願っているかもよく知っていられるものと、昔からわたしたちは教えられていたのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
聞達
(
ぶんたつ
)
ほど彼の心に遠いものはなかった。彼はただありのままの彼として、宜道の前に立ったのである。しかも平生の自分より
遥
(
はる
)
かに無力無能な
赤子
(
あかご
)
であると、さらに自分を認めざるを得なくなった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たった一人の村民を
活
(
い
)
かせておきたい、またはたった一人の
赤子
(
あかご
)
を増加したいというような小さな願望にも加担して、その一軒の家を助けて、というよりもむしろそれに代って
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
夜
(
よ
)
は間もなく明けた。
赤子
(
あかご
)
の泣く声が家の中の寒い空気を
顫
(
ふる
)
わせた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“赤子”の意味
《名詞》
(せきし, あかご)乳児、赤ん坊。
(せきし 比喩)人民。
(出典:Wiktionary)
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“赤子”で始まる語句
赤子橋