谷川たにがわ)” の例文
かえって道々みちみちも、もりの中でかけっくらをしたり、いわの上でおにごっこをしたりしてあそあそくうちに、大きな谷川たにがわのふちへ出ました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こうして、毎日まいにちおなじような谷川たにがわおといていなければなりません。先刻せんこくでしたか、こまどりさんのうたきましたが、いつも、よいこえですね。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
『こんなことでは本当ほんとう修行しゅぎょうにもなんにもなりはしない。気晴きばらしにすこ戸外おもてましょう……。』とうとうわたくし単身ひとりたき修行場しゅぎょうばかけ、あしのまにまに、谷川たにがわつたって
はじめは小川のせせらぎのように、かすかにかすかにりだし、ついで谷川たにがわの岩にくだける水音のようにひびきだして、法師のあわれにも、ほがらかな声が、もれはじめました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「そこで我輩は或日谷川たにがわへ行って、大きなガラマサどんをつかまえて来た」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
むすめはそうくとたいそうどくがって、谷川たにがわみずをしゃくって、保名やすなませてやりました。そしてそのみじめらしい様子ようすをつくづくとながめながら
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
未開みかい温泉宿おんせんやどでは、よる谷川たにがわおとこえてしずかだった。行燈あんどんしたで、ずねをして、おとこどもが、あぐらをんで、したいて将棋しょうぎをさしていた。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、ふもとの谷川たにがわは、こえをかぎりにさけびます。また、もりには、かぜこって、ゴーゴーとります。あるやまは、あかいて、ほし警戒けいかいします。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じめじめとしめっぽいようなかぜいて、しんとしずまりかえったそこから、かすかに谷川たにがわおとひびいてきました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それはこんなさびしいたにあいにもつかない十六七のかわいらしい少女おとめが、谷川たにがわ着物きものあらっているのでした。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ゆきが、そのいただきにかがやき、ふもとに、きよ谷川たにがわながれる、とおやまほうへ、はやくんでいけ!」と、わたしは、とりかごから、いかるがを無理むりおうとしました。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうも、だしぬけに失礼しつれいしました。じつはさっきぼっちゃんが、谷川たにがわのそばで大きなすぎの木をたおしたところをて、おどろいてここまでついてたのです。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
きりのかかったたかねえたり、ザーザーとながれる谷川たにがわをわたって、おくおくへとみちのないところをわけていきますと、ぱらぱらとからだりかかってきました。
猟師と薬屋の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまえは、この青々あおあおとした松林まつばやしきよ谷川たにがわながれよりほかにてはならない。もし、わたしのいうことをまもれば、おまえはいつまでもわかく、うつくしいともうしました。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じょうくらいながさのある、まっくらな岩穴いわあなの中をくぐってそとへ出ますと、さあさあとおとてて、ちいさな谷川たにがわながれているところへ出ました。そのときおじいさんたちはふりいて
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はるかしたほうをのぞくと、おおきな岩石がんせきにくだけながら、谷川たにがわしろくあわだってながれていました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
勇吉ゆうきちは、そのあとからついていきました。しばらくすると、きゅうにながれれがおとをたてている谷川たにがわのほとりにました。バスのまどからしたえたのは、このかわだったのです。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつしか、あたりは、くらくなっていった。そして、谷川たにがわみずが、あいかわらず、単調たんちょううたをうたっているのが、あたりが、しんとすると、いっそうはっきりとこえてきました。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
その翌日よくじつから、かれはまたやまへてつだいにかけました。そして谷川たにがわながれへくれば、いつにわらずよかったし、はやしでなく小鳥ことりこえけば、無条件むじょうけん自然しぜん讃美さんびされるのでした。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、にわはなのおともだちである、うつくしいやまゆりのくところもたかったし、また、おじさんが、谷川たにがわであゆをるのもたかったので、つれていってもらうように約束やくそくしました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いざるは、ふたりに、使つかいをたのみました。きつねは、洞穴ほらあなにいるくまのところへ、そして、りすは、谷川たにがわのところで獲物えものっているであろうおおかみのところへいくことにしました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すでに谷川たにがわみず飛沫ひまつのかかるこずえは紅葉こうようをしてなつはいきかけていました。
谷間のしじゅうから (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふるさとにかえると、すっかりはるになっていて、きよらかな、かおりのたかい、はなが、みなみくにほど、種類しゅるいはたくさんなかったけれど、やまや、はやしに、いて、谷川たにがわみずが、ほがらかにささやいていました。
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみは、あの谷川たにがわのほとりのほおのきをっているだろう。二人ふたりがやまばとのりにいって、もうさきにだれかにられてしまって失望しつぼうしたことがあったね。ぼくは、あのあたりの景色けしききだ。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
はるのころ、一この谷間たにまおとずれたことのあるしじゅうからは、やがて涼風すずかぜのたとうとする今日きょう谷川たにがわきしにあったおないしうえりて、なつかしそうに、あたりの景色けしきをながめていたのであります。
谷間のしじゅうから (新字新仮名) / 小川未明(著)
みずのきれいな谷川たにがわにいって、岩魚いわなったりしたのであります。
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)
谷川たにがわに、やまに、はやし
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)