“蓼:たで” の例文
“蓼:たで”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花7
正岡子規4
宮沢賢治3
与謝野晶子2
小出楢重2
“蓼:たで”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 詩歌0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
半分は水にひたされている大きい石のおもてが秋の日影にきらきらと光って、石の裾にはたでの花が紅く濡れて流れかかっていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「さあ、たでじゃなし、——何と言いますかね。Hさんは知っているでしょう。わたしなぞとは違って土地っ子ですから。」
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「おや、もう帰る。」信也氏が早急に席を出た時、つまのたで真青まっさおんで立ったのがその画伯であった。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かえって羽について来るか、くちばしから落すか、植えないすみれの紫が一本ひともと咲いたり、たでが穂をあからめる。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
柳、たであしなどのように、水辺の植物は水に配合して眺めなければその植物の美的特徴を完全に受け取ることは不可能と言っていい。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
蒟蒻こんにやくあざけるとき冷奴豆腐ひややつこたではじめてすゞしく、爪紅つまくれなゐなるかにむれ
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
せきの水は濁って大へんに増し、幾本ものたでやつゆくさは、すっかり水の中になりました、飛び込むのは一寸ちょっとこはいくらゐです。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
学校からの帰途には、路傍の尾花おばなに夕日が力弱くさして、たでの花の白い小川に色ある雲がうつった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
草が青う浮出しそうな月でしょう——蚊帳釣草かやつりぐさにも、たでの葉にも、萌黄もえぎあい紅麻こうあさの絹の影がして
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たでに似て非なるものを犬蓼いぬたでというように、神人に似て非なる故に犬神人と云ったとの古い説があるが、これは妥当であるとは思われない。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
せきの水は濁って大へんに増し、幾本いくほんものたでやつゆくさは、すっかり水の中になりました。
蛙のゴム靴 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
勝手口の小さな圃に、風にでも吹かれて飛んで来たらしい小さな種子が、芽を出し、幾つかの葉をひらいてたでとなつたのは、夏の日のことだつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
たでむし」以後の谷崎君の作品は、残りなく通読しているつもりでいたが、この「武州公秘話」だけにはまだ目を触れていないのであった。
武州公秘話:02 跋 (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
たでむし」以後の谷崎君の作品は、残りなく通読しているつもりでいたが、この「武州公秘話」だけにはまだ目を触れていないのであった。
細かに見ればたでの花は白混りの薄紅であるが、受ける感じは白がちの時色ときいろである。
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
青い魚籠びくたでを添へる、笹を置く、よしを敷く、それで一幅の水墨画になる。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
始めはたでの種類かと思って、橋本に聞いて見たら橋本はすぐかむりを横に振った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紫蘇しそたでのたぐひは黒き猫の子のひたひがほどのつちに植ゑたり
せりんでいるのじゃがよ、この辺りにはたでばかりじゃい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこにて鳥兜とりかぶと野菊のきくと赤きたでとを摘まばや。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たで喰う虫も何とやらさ」とフォン・コーレンが一言を加える。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
外庭そとにはのかの夕光にさくたでの紅きを見れば風出でぬらし
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たでは細いちょろちょろの路をあけて、砂利の上にまで繁った。
都会地図の膨脹 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
たでう虫もある世の中にはまったくてる物はない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
たでの穂にひしおかびをかき分けて 岱水たいすい
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
田の中の小道を行けば冬の溝川水少く草は大方に枯れ尽したる中にたでばかりのあこう残りたる、とある処に古池のはちす枯れてがんかも蘆間あしまがくれにさわぎたる
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
夕暮にそれかと思うたでの花の、白きを人は潜むと云った。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから谷崎潤一郎たにざきじゅんいちろう氏の「たでう虫」だが、これは谷崎氏が私の家から近いのと、背景が主として阪神地方に限られている点から私は引受けても大丈夫だと考えた。
畑の次手ついでに、目の覚めるような真紅まっかたでの花と、かやつりそうと、豆粒ほどな青い桔梗ききょうとを摘んで帰って、硝子杯コップを借りて卓子台ちゃぶだいに活けた。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藍というのは一年生草本でたで科に属する植物であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それから現在の谷崎潤一郎たにざきじゅんいちろう氏の「たでう虫」だが、これは谷崎氏が私の家から近いのと、背景が主として阪神地方に限られている点から私は引受けても大丈夫だと考えた。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
鄙振ひなぶりたでを刻みてすしの中に 梅影
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
三径さんけい十歩じっぽに尽きてたでの花
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
水かれ/″\たでかあらぬか蕎麦そばか否か
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
款冬ふきせりたでねぎいちご薑荷しょうが独活うど、芋、百合、紫蘇しそ山椒さんしょ枸杞くこたぐい時に従つて皆厨房ちゅうぼうりょうとなすに足る。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
たでう虫も好ききである。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
水かれ/″\たでかあらぬか蕎麦か否か
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
水かれ/″\たでかあらぬか蕎麦か否か
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
水かれ/″\たでかあらぬか蕎麦か否か
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
——その絵の中に一本のたでがある。
蓮花図 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
たで枯れて茎なほあかし、
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼等は谷川のふちに毒流しをしてうおるために、朝早くからしもの村から登って来て山椒さんしょうの樹の皮を剥ぎ、しきみの実やたでなどといっしょに潰して毒流しの材料を作っているところであった。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
前の空家の庭のたでの花
赤いたでの花もうごく
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
それもたで食う虫が好いて、ひょんなまちがいからお前に惚れたとか言うのなら、まだしも、れいの美人投票で、あんたを一等にしてやるからというお前の甘言に、うかうか乗ってしまったのだ……と、判った時は、おれは随分口惜しかった。
勧善懲悪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
たでの穂に咲く
野口雨情民謡叢書 第一篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
宮城野みやぎのの萩、末の松山まつやまの松、実方さねかた中将の墓にうる片葉のすすき野田のだ玉川たまがわよし名取なとりのたで、この五種を軸としたもので、今では一年の産額十万円に達していると云う。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
たでの味
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河楊かはやなぎせて、あかかくした枸杞くこえだがぽつさりとれて、おほきなたで黄色きいろくなつてきしふねはがさりとへさきんだのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのうへ個人こじんには特殊とくしゆ性癖せいへきがあつて、所謂いはゆるきらひがあり、かふこのところおつきらところであり、所謂いはゆるたでむしきである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
この二度目の月と醤油しょうゆとの会合ははなはだ解決困難であるが、前の巻の初めに、史邦の「帷子かたびら」の発句と芭蕉のわきもみ一升を稲のこぎ賃」との次に岱水が付けた「たでの穂にもろみのかびをかき分けて」を付けているところを見ると
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
文吾は漸く駈け出して行つたが、覺え込んだ忍び足の法で、煑賣屋の人々の眼を晦ましつゝ、背戸へ𢌞つて、繁つたたでのそろ/\枯れかけてゐる上へぬツと出てゐる竹の筒の栓を拔くと、後の世には自分が大人になつてからの名で呼ばるゝ五右衞門風呂の湯が、じやアと噴き出した。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
この景色は荒れた寺の門とそのへんの貧しい人家などに対照して、私は俳人其角きかく茅場町薬師堂かやばちょうやくしどうのほとりなる草庵の裏手、たで花穂はなほに出でたる閑地に、文七ぶんしちというものが元結こぐ車の響をば昼もひぐらしに聞きまじえてまた殊更の心地し、
隠元いんげん藤豆ふぢまめたで茘枝れいし唐辛たうがらし、所帯のたしのゝしりたまひそ、苗売の若衆一々名に花を添へていふにこそ、北海道の花茘枝、鷹の爪の唐辛、千成せんなりの酸漿ほうづき、蔓なし隠元、よしあしの大蓼、手前商ひまするものは、皆玉揃ひの唐黍たうもろこし云々うんぬん
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
音が通い、しずくを帯びて、人待石——巨石の割目に茂った、露草の花、たでくれないも、ここに腰掛けたという判官のその山伏の姿よりは、さわやかによろうたる、色よき縅毛おどしげを思わせて、黄金こがねの太刀も草摺くさずりも鳴るよ、とばかり、松のこずえ颯々さつさつと、清水の音に通って涼しい。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)