第一だいゝち)” の例文
それでは、これが短歌たんかかといふと、第一だいゝち片歌かたうた約束やくそくそむきます。片歌かたうたは、片歌かたうたどうしあはせるもので、けっして、短歌たんか一組ひとくみにはなりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
第一だいゝち墜落物ついらくぶつ張壁はりかべ煖爐用煙突だんろようえんとつなど、いづれも重量じゆうりようだいなるものであるから、つくゑ椅子いすではさゝへることが困難こんなんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ラクダルは無言むごんのまゝ手眞似てまね其處そこすわらした。親父おやぢ當前あたりまへすわる、愚息せがれはゴロリころんであし蹈伸ふみのばす、この臥轉ねころかた第一だいゝち上出來じやうできであつた。三人さんにんそのまゝ一言ひとことはつしない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
博物館はくぶつかん優劣ゆうれつをきめることは餘程よほど困難こんなんですが、なんといつてもヨーロッパにおいて有名ゆうめい博物館はくぶつかんは、まづ第一だいゝちにイギリスのロンドンにある大英博物館だいえいはくぶつかんげなければなりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
なにも、やぶがさぐるまほねらせてはこばせずとことよ。平時いつもならかくぢや、おまけ案山子かゝしどもがこゑいて、おむかひ、と世界せかいなら、第一だいゝち前様めえさまざうかついでほふはあるめえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いまふね船體せんたいみとめぬうちから、かゝ心配しんぱいをするのはまつた馬鹿氣ばかげるかもれぬが、先刻せんこくからの奇怪きくわい振舞ふるまひては、どうもこゝろやすくないのである、第一だいゝちはるか/\の闇黒あんこくなる海上かいじやうおい
敕撰集ちよくせんしゆう第一だいゝちのものであるために、古今集こきんしゆううたが、それ以後いごうたうごかすべからざる手本てほんとなつてしまひました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
火山かざん噴火ふんか鳴動めいどう神業かみわざかんがへたのは日本につぽんばかりではないが、とく日本につぽんにおいてはそれがなり徹底てつていしてゐる。まづ第一だいゝちに、噴火口ふんかこうかみたまへる靈場れいじよう心得こゝろえたことである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
各々おの/\その題目だいもくについてほか先生方せんせいがたはなされることになつてをりますから、わたし第一だいゝち美術びじゆつ歴史れきし考古こうこかんする博物館はくぶつかんうち、たゞ考古學こうこがくかんする博物館はくぶつかんのおはなしをこれからいたしませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
第一だいゝち肝要かんえうなはくちくかな、御身おみさくこゑすか、ものをふかな。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところが明治めいじになつて、ふる歴史れきしのある日本につぽん短歌たんか改正かいせいして、新派和歌しんぱわかといふものをとなした一人ひとり正岡子規まさをかしきといふひと第一だいゝちにこのうたわらひました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
噴火ふんかによつてされるものゝ本體ほんたいは、第一だいゝち鎔岩ようがんであり、これが前身ぜんしんたる岩漿がんしようである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
石器せつきには種々しゆ/″\種類しゆるいがありますが、そのたなひとひと品物しなもの種類しゆるいによつて分類ぶんるいしてならべてありますから、これからだん/\それをきませう。まづ第一だいゝちをのかたちをしたものであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかしながらいづれの場合ばあひでもさうであるとはかぎらぬ。屋外おくがいせまくて、もし家屋かおく倒潰とうかいしたならばかへつてそのために壓伏あつぷくされるような危險きけんはなきか。これが第一だいゝち考慮こうりよすべきてんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たゞわれ/\日本人につぽんじんとしてはかような天災てんさいくつすることなく、むし人力じんりよくもつてその災禍さいかをないようにしたいものである。かくするには地震ぢしん火山かざん何物なにものであるかをきはめることが第一だいゝちである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わがくにける地震學ぢしんがく無論むろん第一だいゝち方面ほうめんにはいちじるしい發達はつたつげ、けつしておくれをつたことがないのみならず、今後こんごおいてもやはり其先頭そのせんとうつて進行しんこうすることが出來できるであらうとしんじてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)