トップ
>
爾
>
なんじ
ふりがな文庫
“
爾
(
なんじ
)” の例文
金眸も
斜
(
ななめ
)
ならず喜びて、「そは
大
(
おおい
)
なる
功名
(
てがら
)
なりし。さばれ
爾
(
なんじ
)
何とて
他
(
かれ
)
を伴はざる、他に
褒美
(
ほうび
)
を取らせんものを」ト、いへば聴水は
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「ああ、大神はわれの手に触れた。われは大空に昇るであろう。地上の王よ。我れを見よ。我は
爾
(
なんじ
)
らの上に日輪の如く輝くであろう。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
顔淵
季路
(
きろ
)
侍す。子曰く、
盍
(
なん
)
ぞ各
爾
(
なんじ
)
の志を言わざると。子路曰く、願わくは車馬衣
軽裘
(
けいきゅう
)
、朋友と共にし、之を
敝
(
やぶ
)
りて
憾
(
うらみ
)
無からんと。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
かのシェークスピアの句に Woman, Frailty is thy name.(女よ心弱きとは
爾
(
なんじ
)
の名なり)といい
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
爾
(
なんじ
)
の父と母とを尊敬せよ……これは日本人に深く浸み込んだ特性である。子供達は赤坊時代を過ごすと共に、見た所素直げに働き始める。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
▼ もっと見る
悪魔また彼を
最高
(
いとたか
)
き山に携えゆき世界の諸国とその
栄華
(
えいが
)
とを見せて
爾
(
なんじ
)
もし
俯伏
(
ひれふし
)
て我を拝せばこれらをことごとくなんじに与うべしと曰う
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
さらば
爾
(
なんじ
)
は神を見ざりしか? 神は十字の木の上に居たまいぬ、足をたれ手を
釘
(
つ
)
けられ、白き
荊棘
(
いばら
)
の小さき冠を頭にかぶりて居たまいぬ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
亮
猶
(
なお
)
然
(
しか
)
らざるを申せば、帝
旧
(
ふる
)
き事を語りたまいて、
爾
(
なんじ
)
亮に
非
(
あら
)
ずというや、と
仰
(
おお
)
す。亮胸
塞
(
ふさ
)
がりて答うる
能
(
あた
)
わず、
哭
(
こく
)
して地に伏す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
爾
(
なんじ
)
我言に背いて禁菓を食ひたれば、土は爾の為に
咀
(
のろ
)
はる。土は爾の為に
荊棘
(
いばら
)
と
薊
(
あざみ
)
を生ずべし。爾は額に汗して苦しみて爾のパンを
食
(
くら
)
はん」
草とり
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その時かれは「
爾
(
なんじ
)
、幼き第二の国民よ、国家の将来はかかって
汝
(
なんじ
)
らの
双肩
(
そうけん
)
にあるのである。健在なれ、汝ら幼き第二の国民よ」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「
爾
(
なんじ
)
我言に背いて
禁菓
(
きんか
)
を
食
(
く
)
いたれば、土は爾の為に
咀
(
のろ
)
わる。土は爾の為に
荊棘
(
いばら
)
と
薊
(
あざみ
)
を
生
(
しょう
)
ずべし。爾は額に汗して苦しみて爾のパンを
食
(
くら
)
わん」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
今
爾
(
なんじ
)
をして、欧洲立憲各国に至り、其の政府又は
碩学
(
せきがく
)
の士と相接して、其の組織及び実際の情形に至るまで観察して、
余蘊
(
ようん
)
なからしめんとす。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
われ
爾
(
なんじ
)
が冷かにもあらず熱くもあらざることを爾の
行為
(
わざ
)
に由りて知れり我なんじが冷かなるか或は熱からんことを願う
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
本はバイブルで、その人物の右手の指は「
爾
(
なんじ
)
の墓を用意せよ。爾は死すべければなり」と云う章を指さして居ります。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
渤海
奇毒
(
きどく
)
の書、唐朝官家に達す。
爾
(
なんじ
)
、
高麗
(
こうらい
)
を占領せしより、吾国の近辺に迫り、兵
屡
(
しばしば
)
吾
界
(
さかい
)
を犯す。おもうに官家の意に出でむ。
俺
(
われ
)
如今
(
じょこん
)
耐
(
た
)
うべからず。
岷山の隠士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
さすれば、証すべからざることを証せんと求めた
爾
(
なんじ
)
のごときは、これを
至極
(
しごく
)
の増上慢といわずしてなんといおうぞ。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
(二)
顔淵
(
がんえん
)
、
季路
(
きろ
)
侍る。子曰く、なんぞ各
爾
(
なんじ
)
の志を言わざる。子路曰く、願わくは(己れの)車馬
衣裘
(
いきゅう
)
を、朋友とともにして之を
敝
(
やぶ
)
るも
憾
(
うら
)
みなからん。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
ああ、胸よ裂けよ、血よほとばしれ、身体よ冷えよ、吾は
爾
(
なんじ
)
のために血を流した、爾は吾に顔をも見せぬのか。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
都合よく御開帳に出っくわせなかったろう、とこしなえにこのままの姿で置きたいものだ、とかくに浮世の
仮飾
(
かしょく
)
を
蒙
(
こうむ
)
ってない
無垢
(
むく
)
の
爾
(
なんじ
)
を、自分は絶愛する。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
主
(
しゅ
)
に呼ばわれたる
爾
(
なんじ
)
ら、爾らのいかなるものなるやを考えみよ。肉よりすれば、爾らのうち多くの賢き者なく、多くの強き者なく、多くの
尚
(
たか
)
き者あるなし。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
たまたま活動写真弁士試験の一項を目にして
以為
(
おもえ
)
らく警察の弱い者をいじめる事も亦至れり尽せる哉と。試験の科目に曰く
爾
(
なんじ
)
に出るものは爾に反るとは何か。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われ
爾
(
なんじ
)
が
冷
(
ひやや
)
かにもあらず熱くもあらざることを爾のわざによりて知れりわれ爾が冷かなるかあるいは熱からんことを願う——弟はゆうべ床で読んだ聖書の句を
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
地は皆
爾
(
なんじ
)
の前にあるにあらずや。爾もし左にゆかば我右にゆかん。また爾もし右にゆかば我左にゆかん1
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
主
(
しゅ
)
よ
願
(
ねが
)
わくは
御
(
おん
)
眸
(
め
)
を
天
(
てん
)
より
垂
(
た
)
れ
給
(
たま
)
え、
爾
(
なんじ
)
が
右手
(
めて
)
もて
植
(
う
)
え
給
(
たま
)
えるこの
葡萄園
(
ぶどうぞの
)
を
見守
(
みまも
)
らせ
給
(
たま
)
え、
訪
(
おとな
)
い
給
(
たま
)
え。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
媾和の交渉は色々曲折があるが、明使、「
爾
(
なんじ
)
を
封
(
ほう
)
じて日本国王と為す」の国書を
齎
(
もたら
)
した為、秀吉を怒らしむることになり、媾和も全く破れて再度の朝鮮出兵が起る。
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「貧しき者はつねに
爾
(
なんじ
)
らとともにあり」とか、「父たち
酸
(
す
)
きブドウを食いたれば子等の歯うく」
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
子曰く百日の蜡一日の沢、
爾
(
なんじ
)
が知るところにあらざるなり、百日
稼穡
(
かしょく
)
の労に対しこの一日
息
(
やす
)
んで君の恩沢を楽しむ、その休息日に農夫のみか有益禽獣までも饗を
享
(
う
)
けたので
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
いわゆる我の
卑
(
ひく
)
きに非ず
爾
(
なんじ
)
の高きなり、筑波山の低く見ゆるは、
畢竟
(
ひっきょう
)
富士山の高きなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それには
爾
(
なんじ
)
婚姻を問う、只
香勾
(
こうこう
)
を看よ、破鏡重ねて
円
(
まどか
)
なり、
悽惶好仇
(
せいこうこうきゅう
)
と書いてあった。
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あるいは
曰
(
いわく
)
、
爾
(
なんじ
)
この編を
述
(
のぶ
)
る、何ぞ平仮名をもってせざる。曰、
唯々否々
(
いいひひ
)
、わが平仮名の説のごとき、ただ後進の人に便するのみ。この編のごとき、ひとえに学者に謀るものなり。
平仮名の説
(新字新仮名)
/
清水卯三郎
(著)
霊界居住者の主張——
爾
(
なんじ
)
はわれ等の伝達する教訓が、在来の所謂正統派の教条と、相反する箇所の多きを認め、これに反対の態度を執ろうとするが、これは極めて重大事であるから
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
「
爾
(
なんじ
)
自
(
みずか
)
らの信仰、爾を
癒
(
いや
)
せり」というキリストのお言葉は、即ち自業自得を意味して居るのでありますけれども、今はこの自業自得の理は教会的キリスト教の為に甚だ範囲を
狭
(
せば
)
められて
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
もし鬼ありて僕に保証するに、
爾
(
なんじ
)
の妻を与えよ我これを
姦
(
かん
)
せん爾の子を与えよ我これを
喰
(
くら
)
わん
然
(
しか
)
らば我は爾に爾の願を
叶
(
かな
)
わしめんと言えば僕は
雀躍
(
じゃくやく
)
して妻あらば妻、子あらば子を鬼に与えます
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
爾
(
なんじ
)
、
国
(
みくに
)
を来らせ給へ、御心の天に成る如く地にも成らせ給へ。
工場の窓より
(新字旧仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
鉄棒
(
てつのぼう
)
を
賜
(
たま
)
い、
爾
(
なんじ
)
之
(
これ
)
を
以
(
もっ
)
て
桃奴
(
ももめ
)
が腰骨
微塵
(
みじん
)
に砕けよと
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
故に神は爾らの妻を
爾
(
なんじ
)
らの実の母となすことなし。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
爾
(
なんじ
)
らもろもろの臣、
朕
(
ちん
)
を
輔
(
たす
)
けて、政事に忠良なれ
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「神
爾
(
なんじ
)
とともに在れ!」
スモーリヌイに翻る赤旗
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
守れ、ああ
爾
(
なんじ
)
ら忠良なる不弥の宮の臣民よ、二人を守れ、不弥の宮は、爾らの守護の下に、明日の日輪のごとく栄えるであろう。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
げにや悪に強きものは、また善にも強しといふ。
爾
(
なんじ
)
今前非を悔いて、吾
曹
(
ら
)
がために討入りの、
計策
(
はかりごと
)
を教ふること
忠
(
まめ
)
なり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
わが
救主
(
すくいぬし
)
よ、
爾
(
なんじ
)
はこの危険より余を救いたまいたり、人聖書を以て余を責むる時これが防禦に足るの武器は聖書なり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
子、顔淵に
謂
(
かた
)
って曰く、用いらるれば則ち
行
(
すす
)
み、
舎
(
す
)
てらるれば則ち
蔵
(
かく
)
るとは、唯我と
爾
(
なんじ
)
とのみこれあるかな。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
燕王
遂
(
つい
)
に
復
(
また
)
師を
帥
(
ひき
)
いて
出
(
い
)
づ。諸将士を
諭
(
さと
)
して曰く、
戦
(
たたかい
)
の道、死を
懼
(
おそ
)
るゝ者は必ず死し、
生
(
せい
)
を
捐
(
す
)
つる者は必ず生く、
爾
(
なんじ
)
等
(
ら
)
努力せよと。三月、
盛庸
(
せいよう
)
と
來河
(
きょうが
)
に
遇
(
あ
)
う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
陽貨
(
ようか
)
、孔子を見んと欲す。孔子
見
(
まみ
)
えず。孔子に
豚
(
いのこ
)
を
帰
(
おく
)
る。孔子其の亡きを時として、往きて之を拝す。
諸
(
これ
)
に
塗
(
みち
)
に遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、
予
(
われ
)
爾
(
なんじ
)
と言わんと。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
幸徳らは政治上に謀叛して死んだ。死んでもはや復活した。墓は空虚だ。いつまでも墓に
縋
(
すが
)
りついてはならぬ。「もし
爾
(
なんじ
)
の右眼爾を
礙
(
つまず
)
かさば
抽出
(
ぬきだ
)
してこれをすてよ」
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
爾
(
なんじ
)
はかの流動の枢軸の動く音をきかざるか。人生と宇宙との廻転して行く凄じき響を耳にせざるか。
墓の上に墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
天竜
(
てんりゅう
)
・
夜叉
(
やしゃ
)
・
乾闥婆
(
けんだつば
)
より、
阿脩羅
(
あしゅら
)
・
迦楼羅
(
かるら
)
・
緊那羅
(
きんなら
)
・
摩睺羅伽
(
まごらか
)
・人・非人に至るまで等しく
憫
(
あわ
)
れみを垂れさせたもうわが師父には、このたび、
爾
(
なんじ
)
、悟浄が
苦悩
(
くるしみ
)
をみそなわして
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ここにおいて蛇来ってノアに、われ穴を塞いで水を止めたら何をくれるかと問うた。さいう
爾
(
なんじ
)
は何を欲するかと問い返すと、蛇洪水
息
(
や
)
んで後、われと子孫の餌として毎日一人ずつくれと答う。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
元来やせてはいるし、顔色は青白いし、冷たいし、
硬
(
こわ
)
ばってるし、変な
臭
(
にお
)
いがするし、死んだところで大した変わりはないだろう。そこで僕はこう言ってやろう。——
爾
(
なんじ
)
地を裁く者よ思い知れ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
爾
(
なんじ
)
の無限大を以てして
一滴
(
いってき
)
の露に宿るを厭わぬ爾朝日!
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
“爾”を含む語句
莞爾
爾後
徒爾
爾来
爾時
聊爾
哈爾賓
爾々
云爾
卒爾
莞爾々々
率爾
爾今
爾來
蕞爾
自然法爾
爾曹
甘珠爾
爾迦夷
撒里矢爾酸曹達
...