トップ
>
圍爐裏
>
ゐろり
ふりがな文庫
“
圍爐裏
(
ゐろり
)” の例文
新字:
囲炉裏
見ると驚いた、母とお兼とばかりだらうと想つてゐたのに、お米と千代とが來て居て、千代は
圍爐裏
(
ゐろり
)
近く寄つた母の肩を揉んで居る。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「
盜
(
ぬす
)
んだつち
譯
(
わけ
)
ぢやねえが、
蓋
(
ふた
)
とつて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
なんだよ」さういつて
婆
(
ばあ
)
さん
等
(
ら
)
は
風呂敷
(
ふろしき
)
の
四隅
(
よすみ
)
を
掴
(
つか
)
んで
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
側
(
そば
)
へ
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
行先
(
ゆくさき
)
が
案
(
あん
)
じられて、
我
(
われ
)
にもあらずしよんぼりと、
門
(
と
)
に
彳
(
たゝず
)
んで
入
(
はひ
)
りもやらぬ、
媚
(
なまめか
)
しい
最明寺殿
(
さいみやうじどの
)
を、
手
(
て
)
を
採
(
と
)
つて
招
(
せう
)
じ
入
(
い
)
れて、
舁据
(
かきす
)
ゑるやうに
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
前
(
まへ
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
收めたれば
酒肴
(
しゆかう
)
見立掛り膳部申付役となる火の
熾
(
さか
)
んなる
圍爐裏
(
ゐろり
)
に足踏伸し鉛筆の
後
(
しり
)
にて
寶丹
(
ほうたん
)
と烟草の
吹壳
(
ふきがら
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
切
(
き
)
つてある
所
(
ところ
)
を
出
(
で
)
て、
本堂
(
ほんだう
)
を
横
(
よこ
)
に
拔
(
ぬ
)
けて、
其
(
その
)
外
(
はづ
)
れにある六
疊
(
でふ
)
の
座敷
(
ざしき
)
の
障子
(
しやうじ
)
を
縁
(
えん
)
から
開
(
あ
)
けて、
中
(
なか
)
へ
案内
(
あんない
)
された
時
(
とき
)
、
宗助
(
そうすけ
)
は
始
(
はじ
)
めて
一人
(
ひとり
)
遠
(
とほ
)
くに
來
(
き
)
た
心持
(
こゝろもち
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
翌日の晝には、私は、起きて、着物を着て、ショールにくるまつて、子供部屋の
圍爐裏
(
ゐろり
)
の傍に坐つてゐた。私は自分の
體
(
からだ
)
が弱り、打ちのめされたやうになつてゐるのを感じた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
愛
(
あい
)
ちやんが
此
(
この
)
事
(
こと
)
を
一
(
ひと
)
つ
話
(
はな
)
さうと
定
(
き
)
める
中
(
うち
)
に、
料理人
(
クツク
)
は
圍爐裏
(
ゐろり
)
から
肉汁
(
スープ
)
の
鍋
(
なべ
)
を
取
(
と
)
り
外
(
はづ
)
して、
手當
(
てあた
)
り
次第
(
しだい
)
に
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
投
(
な
)
げ
始
(
はじ
)
めました、
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
に
達
(
とゞ
)
く
程
(
ほど
)
でしたから
無論
(
むろん
)
坊
(
ぼツ
)
ちやんにも
當
(
あた
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
日が暮れるまで大きい
圍爐裏
(
ゐろり
)
の隅に
蹲
(
うづくま
)
つて、浮かぬ顏をして火箸許り
弄
(
いぢ
)
つてゐたので、父は夕飯が濟んでから、黒い羊羹を二本買つて來て呉れて、お前は一番
稚
(
ちいさ
)
いのだからと言つて慰めて呉れた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
尋ねんが爲に所々方々と
駈廻
(
かけめぐり
)
しが不案内と
言
(
いひ
)
殊
(
こと
)
に夜中の事故道に踏迷ひ
難儀
(
なんぎ
)
致す者
也
(
なり
)
何とも申兼たる事ながら湯にても水にても一
椀
(
わん
)
戴
(
いたゞ
)
き度と言ば主の老女は
打合點
(
うちうなづき
)
夫は何とも御氣の毒千萬なり先此所へ上りて
緩々
(
ゆる/\
)
と休み給へとて
圍爐裏
(
ゐろり
)
に掛たる古藥鑵より湯茶を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
村落
(
むら
)
のどの
家
(
うち
)
からか
今日
(
けふ
)
も
念佛衆
(
ねんぶつしう
)
へというて
供
(
そな
)
へられた二
升樽
(
しようだる
)
を
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
側
(
そば
)
へ
引
(
ひ
)
きつけて、
臀
(
しり
)
の
煤
(
すゝ
)
けた
土瓶
(
どびん
)
へごぼ/\と
注
(
つ
)
いで
自在鍵
(
じざいかぎ
)
へ
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
能
(
よ
)
うこそ」と
云
(
い
)
つて、
叮嚀
(
ていねい
)
に
會釋
(
ゑしやく
)
したなり、
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
を
導
(
みちび
)
いた。
二人
(
ふたり
)
は
庫裡
(
くり
)
に
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あけ
)
て
内
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
つた。
其所
(
そこ
)
には
大
(
おほ
)
きな
圍爐裏
(
ゐろり
)
が
切
(
き
)
つてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
忘れたり澤を傳ひ峯に上る隨分
峻
(
さか
)
しき峠なれど馬にまかせて
嶮
(
けは
)
しき事を知らず東もち屋村といふは峠の上にして人家四五軒あり名物の
餡餅
(
あんもち
)
あり
此
(
こゝ
)
にて馬を
下
(
お
)
り
圍爐裏
(
ゐろり
)
の火に
龜
(
かゞ
)
みし手足を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
... そりや
玉
(
たま
)
ちやんは
可愛
(
かあい
)
らしくつて
大人
(
おとな
)
しいわ』と
半
(
なか
)
ば
呟
(
つぶや
)
きながら
涙
(
なみだ
)
の
池
(
いけ
)
を
物憂
(
ものう
)
げに
泳
(
およ
)
ぎ
廻
(
まは
)
りました、『それから、
玉
(
たま
)
ちやんは
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
傍
(
そば
)
にさも
心地好
(
こゝちよ
)
ささうに、
咽喉
(
のど
)
をゴロ/\
云
(
い
)
はせながら
坐
(
すわ
)
つて、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
圍爐裏
(
ゐろり
)
のそばで
小さな鶯
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
流浪
(
るらう
)
致し
居
(
をり
)
不便
(
ふびん
)
に存候故
途中
(
とちう
)
より
連
(
つれ
)
歸
(
かへ
)
り私し
明家
(
あきや
)
へ住居させ候に追々
狂氣
(
きやうき
)
も
治
(
をさま
)
り
正氣
(
しやうき
)
に立歸り以前の如く
渡世
(
とせい
)
致し居候内
享保
(
きやうほ
)
元申年十一月廿八日かと覺え候が其日は
大雪
(
おほゆき
)
にて人通りも
稀
(
まれ
)
なるにお三には酒に
醉
(
ゑ
)
ひ
圍爐裏
(
ゐろり
)
へ
轉
(
まろ
)
び
落
(
おち
)
相果
(
あひはて
)
申候と聞て次右衞門三五郎は
役柄
(
やくがら
)
なれば早くも心付其
死骸
(
しがい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
與吉
(
よきち
)
は
紙包
(
かみづゝ
)
みの
小豆飯
(
あづきめし
)
を
盡
(
つく
)
して
暫
(
しば
)
らく
庭
(
には
)
の
騷
(
さわ
)
ぎを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが
寮
(
れう
)
の
内
(
うち
)
に
㷀然
(
ぽつさり
)
として
居
(
ゐ
)
る
卯平
(
うへい
)
を
見出
(
みいだ
)
して
圍爐裏
(
ゐろり
)
に
近
(
ちか
)
く
迫
(
せま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
御寒
(
おさむ
)
う
御座
(
ござ
)
いませう」と
云
(
い
)
つて、
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
中
(
なか
)
に
深
(
ふか
)
く
埋
(
い
)
けてあつた
炭
(
すみ
)
を
灰
(
はひ
)
の
下
(
した
)
から
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
圍
部首:⼞
12画
爐
部首:⽕
20画
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
“圍爐裏”で始まる語句
圍爐裏端