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商人
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あきうど
ふりがな文庫
“
商人
(
あきうど
)” の例文
そのなかには恥を忍んで、のぼり下だりの旅人や、出船入船の
商人
(
あきうど
)
を相手に、色をあきなうもあると聞く。妹ももしや其のような…。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その證拠には、この間都から参詣に来た
商人
(
あきうど
)
が、うっとりと麿の顔を眺めて、
女子
(
おなご
)
のように愛らしい稚児だと独り語を云うたぞや。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
流石に
商人
(
あきうど
)
は目が
敏捷
(
はや
)
かつた。絵は売る為めに註文したので、
画家
(
ゑかき
)
に会つた為に売値を崩すやうな事があつても詰らなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
衣服
(
いふく
)
調度類
(
ちょうどるい
)
でございますか——
鎌倉
(
かまくら
)
にもそうした
品物
(
しなもの
)
を
売
(
う
)
り
捌
(
さば
)
く
商人
(
あきうど
)
の
店
(
みせ
)
があるにはありましたが、さきほども
申
(
もう
)
した
通
(
とお
)
り、
別
(
べつ
)
に
人目
(
ひとめ
)
を
引
(
ひ
)
くように
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
牛肉や舌を買ってもその通り
商人
(
あきうど
)
に親切気のある者が
滅多
(
めった
)
にありませんから一々よく検査しないと高い代価を払って悪い品物ばかり押付けられます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
「
旦那
(
だんな
)
、」と亭主はそこへ顔を出して、「この辺をよく通る旅の
商人
(
あきうど
)
が
塩烏賊
(
しおいか
)
をかついで来て、
吾家
(
うち
)
へもすこし置いて行った。あれはどうだなし。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
城下の者にて幸助を引取り、ゆくゆくは
商人
(
あきうど
)
に仕立てやらんといいいでしがありしも、
可愛
(
かあい
)
き妻には死別れ、さらに独子と離るるは忍びがたしとて辞しぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
やがて、その
商人
(
あきうど
)
は、やう/\のことで
元
(
もと
)
は
天竺
(
てんじく
)
にあつたのを
求
(
もと
)
めたといふ
手紙
(
てがみ
)
を
添
(
そ
)
へて、
皮衣
(
かはごろも
)
らしいものを
送
(
おく
)
り、
前
(
まへ
)
に
預
(
あづか
)
つた
代金
(
だいきん
)
の
不足
(
ふそく
)
を
請求
(
せいきゆう
)
して
來
(
き
)
ました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
頼まれたのは、
蒲生家
(
がもうけ
)
の浪人で今は
商人
(
あきうど
)
となった、七日町の
植木才蔵
(
うえきさいぞう
)
という人であった。快く
引請
(
ひきう
)
けた。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
だから
柘榴口
(
ざくろぐち
)
の内外は、すべてがまるで戦場のやうに騒々しい。そこへ
暖簾
(
のれん
)
をくぐつて、
商人
(
あきうど
)
が来る。物貰ひが来る。客の出入りは勿論あつた。その混雑の中に——
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その間にはぱたぱたいふ、太鼓の類の音もする。もう
商人
(
あきうど
)
も職人も、仕事がすこしも手につかない。
北守将軍と三人兄弟の医者
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もと相応なる
商人
(
あきうど
)
にて、維新の頃までは、広き江戸の町にても、何町の何屋と少しは人にも知られたるほどの身代にて出入屋敷も数多く有せしかど、維新の瓦解に俄の狼狽
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
何
(
なん
)
の
商人
(
あきうど
)
の
女房
(
にようばう
)
が
店
(
みせ
)
から
車
(
くるま
)
に
乘出
(
のりだ
)
すは
榮耀
(
えいえう
)
の
沙汰
(
さた
)
で
御座
(
ござ
)
ります、
其處
(
そこ
)
らの
角
(
かど
)
から
能
(
よ
)
いほどに
直切
(
ねぎ
)
つて
乘
(
の
)
つて
參
(
まゐ
)
りましよ、これでも
勘定
(
かんぢやう
)
は
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ますに、と
可愛
(
かあい
)
らしい
聲
(
こゑ
)
にて
笑
(
わら
)
へば
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
商人
(
あきうど
)
で此の
節
(
せつ
)
は立派に暮して居るけれど、若いうち
一時
(
ひとしきり
)
困つたことがあつて、
瀬戸
(
せと
)
のしけものを
背負
(
しょ
)
つて、方々国々を売つて
歩行
(
ある
)
いて、此の野に
行暮
(
ゆきく
)
れて、其の時
草
(
くさ
)
茫々
(
ぼうぼう
)
とした中に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
截
(
き
)
り開きたる引き窓より光を取れる室にて、定まりたる
業
(
わざ
)
なき
若人
(
わこうど
)
、多くもあらぬ金を人に
借
(
か
)
して
己
(
おの
)
れは遊び暮らす老人、取引所の業のひまを
偸
(
ぬす
)
みて足を休むる
商人
(
あきうど
)
などと
臂
(
ひじ
)
を並べ
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
総じて
室
(
へや
)
の一体の
装飾
(
かざり
)
が、
極
(
ご
)
く野暮な
商人
(
あきうど
)
らしい好みで、その火鉢の前にはいつもでつぷりと肥つた、大きい頭の、
痘痕面
(
あばたづら
)
の、
大縞
(
おほしま
)
の
褞袍
(
どてら
)
を着た五十ばかりの
中老漢
(
ちゆうおやぢ
)
が
趺坐
(
あぐら
)
をかいて坐つて居るので
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
殺したるは
眞
(
まこと
)
の
大罪
(
だいざい
)
なり因て始終は其身
刀
(
かたな
)
の
刄
(
は
)
くずに懸らん
貴殿
(
おまへ
)
も
堅氣
(
かたぎ
)
の
商人
(
あきうど
)
に
成
(
なら
)
れし上は此後必ず惡事を
爲
(
し
)
給ふことなかれと云ながら金を受取歸りしが是を無心の始めとして其後度々來りては無心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ひとりあやつる
商人
(
あきうど
)
のほそい指さき、舌のさき
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これを飽きずに堪えねば、職人も
商人
(
あきうど
)
も世は渡られぬ。まして三浦介殿が家来の衆と顔馴染みになったは仕合わせじゃ。坂東の衆は気前がよい。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だから
柘榴口
(
ざくろぐち
)
の
内外
(
うちそと
)
は、すべてがまるで戦場のように騒々しい。そこへ
暖簾
(
のれん
)
をくぐって、
商人
(
あきうど
)
が来る。
物貰
(
ものもら
)
いが来る。客の出入りはもちろんあった。その混雑の中に——
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さればこそ
一
(
ひと
)
たび
見
(
み
)
たるは
先
(
ま
)
づ
驚
(
おどろ
)
かれ
再
(
ふたゝ
)
び
見
(
み
)
たるは
頭
(
かしら
)
やましく
駿河臺
(
するがだい
)
の
杏雲堂
(
きやううんだう
)
に
其頃
(
そのころ
)
腦病患者
(
なうびやうくわんじや
)
の
多
(
おほ
)
かりしこと
一
(
ひと
)
つに
此娘
(
このむすめ
)
が
原因
(
もと
)
とは
商人
(
あきうど
)
のする
掛直
(
かけね
)
なるべけれど
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
其美
(
そのび
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わたくしはこれを
記
(
き
)
するに当って、当時の社会が今と
殊
(
こと
)
なることの甚だしきを感ずる。奉公人が臣僕の関係になっていたことは
勿論
(
もちろん
)
であるが、
出入
(
でいり
)
の職人
商人
(
あきうど
)
もまた
情誼
(
じょうぎ
)
が
頗
(
すこぶ
)
る厚かった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
高浜虚子氏が以前
何
(
なん
)
かの用事で大阪に遊びに来た事があつた。その頃
船場
(
せんば
)
辺の
商人
(
あきうど
)
の
坊子連
(
ぼんちれん
)
で、新しい俳句に夢中になつてる連中は、ぞろぞろ一
団
(
かたま
)
りになつて高浜氏をその
旅宿
(
やどや
)
に訪問した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
思ふ人には見棄てられ、
商人
(
あきうど
)
の手にや
彈
(
はぢ
)
かれて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
呼出さねば分らずとて江戸
表
(
おもて
)
へ差出しに相成たり時に石川安五郎廿七歳
江尻宿
(
えじりじゆく
)
商人
(
あきうど
)
巴屋儀
(
ともゑやぎ
)
左衞門三十一歳同人妻粂二十五小松屋小兵衞并
彌勒
(
みろく
)
町々役人江尻宿々役人
差添
(
さしそへ
)
江戸町奉行大岡越前守殿へ差送られしかば
駿府
(
すんぷ
)
町奉行
桑山殿
(
くはやまどの
)
よりの
調書
(
しらべがき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
紅蓮尼は
西行
(
さいぎょう
)
法師が「桜は浪に埋もれて」と歌に詠んだ
出羽国象潟
(
でわのくにきさがた
)
の町に生まれた、
商人
(
あきうど
)
の娘であった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
亀沢町の邸には庭があり池があって、そこに
稲荷
(
いなり
)
と
和合神
(
わごうじん
)
との
祠
(
ほこら
)
があった。稲荷は亀沢稲荷といって、
初午
(
はつうま
)
の日には
参詣人
(
さんけいにん
)
が多く、縁日
商人
(
あきうど
)
が二十
余
(
あまり
)
の
浮舗
(
やたいみせ
)
を門前に出すことになっていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
木原
(
こばら
)
みち、薄ら花踏む里乙女、六部、
商人
(
あきうど
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
船がかりする
商人
(
あきうど
)
の
珍
(
うづ
)
の寶を奪りはすれ
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
呼
(
よび
)
我等が名代に萬八へ行き仲間の者にも
知己
(
ちかづき
)
に成るべしと云ふに千太郎は
畏
(
かしこ
)
まり候と
頓
(
やが
)
て支度に掛りしに持參の衣類は
商人
(
あきうど
)
には立派過ると養父の
差※
(
さしづ
)
に
毎
(
いつ
)
もの
松坂縞
(
まつざかじま
)
の布子に
御納戸木綿
(
おなんどもめん
)
の
羽織
(
はおり
)
何所
(
どこ
)
から見ても大家の養子とは受取兼る樣子なり其時養父五兵衞は千太郎に云ひける樣今日の
馳走
(
ちそう
)
は總て
割合
(
わりあひ
)
勘定
(
かんぢやう
)
なれば
遠慮
(
ゑんりよ
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
秋の露の寒い夕暮れに、陸奥へくだる都の優しい
商人
(
あきうど
)
が、ここの軒にたたずんで
草鞋
(
わらじ
)
の緒を結び直した時、若い尼は甘い酒のほかに何物をも与えたくはなかったであろうか。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この
截
(
き
)
り開きたる引窻より光を取れる室にて、定りたる
業
(
わざ
)
なき
若人
(
わかうど
)
、多くもあらぬ金を人に借して己れは遊び暮す老人、取引所の業の隙を
偸
(
ぬす
)
みて足を休むる
商人
(
あきうど
)
などと
臂
(
ひぢ
)
を並べ、冷なる
石卓
(
いしづくゑ
)
の上にて
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
赤ら顔して
旅
(
たび
)
語る
商人
(
あきうど
)
ふたり。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
京むすめ、難波
商人
(
あきうど
)
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
四十前後の旅びとは
額
(
ひたい
)
を皺めて怖ろしそうに語った。それを黙って聴いている若い旅びとは千枝太郎であった。それを語っている旅びとは
陸奥
(
みちのく
)
から戻って来た
金売
(
かねう
)
りの
商人
(
あきうど
)
であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
商人
(
あきうど
)
は亡き人の名を
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この上は広い都に住むほどの者、
商人
(
あきうど
)
でも職人でも百姓でも身分はかまわぬ。よき歌を作って
奉
(
たてまつ
)
るものには莫大の御褒美を下さるると、
御歌所
(
おうたどころ
)
の大納言のもとから御沙汰があったそうな。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“商人”の意味
《名詞》
商売を営む人。
(出典:Wiktionary)
“商人”の解説
商人(しょうにん、しょうひと、あきびと、あきんど、あきゅうど)
しょうにん。商売を職業としている者。本稿で後述。
*現代と区別して、商売を行っていた歴史上の職業を扱う。商売を商い(あきない)ともいうことから「あきんど」と読むこともあるが、くだけた読みであり、公式の場では用いない。
しょうにん。商法学における基本概念の一つ。商人 (商法)を参照。
(出典:Wikipedia)
商
常用漢字
小3
部首:⼝
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“商人”で始まる語句
商人体
商人衆
商人風
商人家
商人店
商人気質
商人宿
商人魂
商人方
商人連