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使
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つかい
ふりがな文庫
“
使
(
つかい
)” の例文
傷ついている少年から、町へ
使
(
つかい
)
を出すにはどうするのが一ばん早いかと、聞かれた炭やき爺さんは、少年の顔をつくづく見やりつつ
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先ず明智小五郎の事務所へ
使
(
つかい
)
を出したが、明智氏はある重大犯罪事件の
為
(
ため
)
に、
朝鮮
(
ちょうせん
)
に出張中で、急に帰らないという返事であった。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今宵も
廓
(
くるわ
)
の小春屋より是非一くさり舞うてよとの
使
(
つかい
)
をうけながら、かぶりを振って答えもないので使はむくれて帰ってゆきました。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「
後
(
あと
)
で泥棒が贋銭と気がついて、あすこの亭主は贋銭
使
(
つかい
)
だ贋銭使だって方々振れて歩くんだ。
常公
(
つねこう
)
の
前
(
めえ
)
だが、どっちが罪が重いと思う」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
、
几帳
(
きちょう
)
の陰に
草紙
(
そうし
)
を読んでいる。そこへ突然
黄泉
(
よみ
)
の
使
(
つかい
)
が現れる。黄泉の使は色の黒い若者。しかも耳は
兎
(
うさぎ
)
の耳である。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
一日、空が暗く掻き曇った日にこの町で信者の牛肉屋の娘が
死
(
しん
)
だ。——急に
病
(
や
)
んで死んだのだ——翁は
使
(
つかい
)
をうけて早速出掛けた。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼は我が児以上に春琴の身を案じたまたま
微恙
(
びよう
)
で欠席する等のことがあれば直ちに
使
(
つかい
)
を道修町に走らせあるいは自ら
杖
(
つえ
)
を
曳
(
ひ
)
いて
見舞
(
みま
)
った。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
大岡越前守の手の紀州調べの
使
(
つかい
)
として、同心
平田三五郎
(
ひらたさんごろう
)
、
外
(
ほか
)
一人の者が、平沢村へきた。そして、第一番に、
郡
(
こおり
)
奉行の所へくると
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「
一昨日
(
おととい
)
の晩から
行
(
ゆ
)
きッ切り、おなじく、」と鼻を指して、「ね、さっき
使
(
つかい
)
が来て、今夜は遅くとも帰るッていうんだ、ねえ、
升
(
ます
)
どん。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
或日の事文治郎は森松を
使
(
つかい
)
に出して独りで居りますと、空はどんよりとして、梅も
最
(
も
)
う散り掛って
暖
(
あった
)
かい陽気になって来ました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして「わたしは知らないが裏の子供にきいて上げよう。あの子がメレリさんの
使
(
つかい
)
をしたことがあるかもしれないから——、」
母を尋ねて三千里
(新字新仮名)
/
エドモンド・デ・アミーチス
(著)
実は先刻わたしが
使
(
つかい
)
からかえると、一人の武士に途中であいました。そして御門から這入って縁側へぬけようとするところを
ゆめの話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
念の
為
(
た
)
め、行人をとらえてその
使
(
つかい
)
すべき家がそれであることを確めると、彼は勇敢にも、その式幕を潜って表玄関に達した。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
例えば、瑣末な例であるが『武道伝来記』一の四に、女に変装させて送り出す際に「風俗を
使
(
つかい
)
やくの女に作り、
真紅
(
しんく
)
の網袋に葉付の蜜柑を入」
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
で、一旦は
其奇遇
(
そのきぐう
)
に驚いたが、今は
其
(
そ
)
んなことを詮議する場合でない。彼は頼まるるままに角川家へ
使
(
つかい
)
する
意
(
つもり
)
で、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も窟の外へ走り出た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
椙原家の
作男
(
さくおとこ
)
で吾平というのが、
使
(
つかい
)
を命ぜられて西の家へ行った。——西の家とは、敦夫の父の弟で、敦夫たちには
叔父
(
おじ
)
に当る源治の
住居
(
すまい
)
である。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
台所口から家の
使
(
つかい
)
が、お盆へ乗せてふくさをかけたものを持って来ていたが、
厳
(
きび
)
しくしてくれと頼んでいる様子だった。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
外村へ
使
(
つかい
)
などにゆく犬の奴が意地悪く森の
蔭
(
かげ
)
などからいつでも出てくるもうそれが
恐
(
おそろ
)
しくてたまらなかった、十五、六歳の頃までも犬を恐れました
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
夜になって、息子が山荘庵の地主から
使
(
つかい
)
が来て、呼び出されて行ったが、二時間ばかりすると
打悄
(
うちしお
)
れて帰って来た。
麦の芽
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
そうしてその脅迫状が偽である事は彼自身が出した覚えがないのに
徴
(
ちょう
)
して
明
(
あきら
)
かですから、その
使
(
つかい
)
であるここに居られる方に再び脅迫状を送ったのです。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
一
箭
(
せん
)
二
雁
(
がん
)
を
獲
(
え
)
ずと
雖
(
いえど
)
も、一雁を失わず、一計双功を収めずと雖も、一功を得る有り。永楽帝の
智
(
ち
)
、
豈
(
あに
)
敢
(
あえ
)
て建文を
索
(
もと
)
むるを名として
使
(
つかい
)
を発するを
為
(
な
)
さんや。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さっそく
使
(
つかい
)
をやって呼び戻しましたがね。お万という女はまた、妾の
癖
(
くせ
)
に女房気取りで、途方もない焼餅ですね
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
此の手紙には、
詳
(
くわ
)
しい事は、
使
(
つかい
)
の口から聞いてくれとあるだけだが、
先刻
(
さっき
)
は、藪から棒の話なので、半信半疑に聞いていたのだが、一体、小判で七百両の金を
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老宰相は
使
(
つかい
)
をやって夫人の父と兄を呼んでその
面前
(
めんぜん
)
で夫人を
鞠問
(
きくもん
)
した。夫人は罪悪を包みかくさず自白した。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
次の日の朝、重吉は
小女
(
こおんな
)
を
使
(
つかい
)
に出した
後
(
あと
)
、死んだ種子の衣類を入れた
箪笥
(
たんす
)
の扉や
抽斗
(
ひきだし
)
をお千代にあけさせた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
睡
(
ねむ
)
る。目さませば九時半頃なりき。やや心地よし。ほととぎすの歌十首に詠み足し、明日の俳句欄にのるべき俳句と共に封じて、
使
(
つかい
)
して神田に持ちやらしむ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
みんな、れいの商人の
家
(
うち
)
の池を掘りに行っていました。冬が来て、タラス王は、新しい外套につける
黒貂
(
くろてん
)
の皮が欲しくなったので、
使
(
つかい
)
の者に買わせにやりました。
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
その日の午後、女どもが肉を運んで来る間に、男たちは
寄合
(
よりあ
)
って相談していました。キーシュが家へ帰るとすぐ
使
(
つかい
)
が来て、寄合の席へ出て来いといういいつけでした。
負けない少年
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
あの四方に
使
(
つかい
)
して君命を
辱
(
はずかし
)
めずということがございましたね。あれを一つお講じ下さいますまいか。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
是
(
こ
)
れも病後のヒョロ/\と云うその人数を留めて置いて、宿の奴が中津の同志者に
使
(
つかい
)
を走らして
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
... 二重に入れられますが今まで先生は一度も二重の皿をお
使
(
つかい
)
になった事がありませんね」お登和嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
きっと明日の朝になるとブルックストリートから何か云って
使
(
つかい
)
が迎えにやって来るから………
入院患者
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
その日の夕方、森先生の
使
(
つかい
)
が、葉子の
許
(
もと
)
へ一つの包を届けた。葉子は何事かと思いつつ包をとくと中からいつぞやのノートが一冊出てきた。葉子は恐る恐るノートをあけた。
先生の顔
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
翌年、
監察御史
(
かんさつぎょし
)
、
陳郡
(
ちんぐん
)
の
袁傪
(
えんさん
)
という者、勅命を奉じて
嶺南
(
れいなん
)
に
使
(
つかい
)
し、
途
(
みち
)
に
商於
(
しょうお
)
の地に宿った。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
犬はきゃんきゃんなきなきていこうしましたが、くびに綱を引っかけられて、ぐんぐん引っぱられるのですからかないません。馬車
使
(
つかい
)
は、すばやく鉄ごうしの戸をあけました。
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
当家
(
こちら
)
のお弟子さんが危篤ゆえ
知
(
しら
)
せると
云
(
いわ
)
れ、妻女は
偖
(
さて
)
はそれ
故
(
ゆえ
)
姿を
現
(
あらわ
)
したかと
一層
(
いっそう
)
不便
(
ふびん
)
に思い、その
使
(
つかい
)
と
倶
(
とも
)
に病院へ車を
飛
(
とば
)
したが
最
(
も
)
う間に
合
(
あわ
)
ず、彼は死んで
横倒
(
よこたわ
)
っていたのである
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
Aが
使
(
つかい
)
から帰って来てからは皆の話も変って
専
(
もっぱ
)
ら来年の計画の上に落ちました。Rのつけた雑誌の名前を繰り返し繰り返し喜び、それと定まるまでの苦心を滑稽化して笑いました。
橡の花
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
間もなく二人は帰って
吃驚
(
びっくり
)
したがそれ程にも悲しい様子でもない、
早速
(
さっそく
)
実家の父親へ
使
(
つかい
)
を走らして、飛んで来た父親だけはさすが親子の情ですくなからず、悲歎の涙にくれていた
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
プリンセス・セエラとして馬車に乗り、女中を従えていた時には、よく通りがかりの人が振り返って見たものでしたが、今は、
使
(
つかい
)
に出歩くセエラを、眼にとめるものもありませんでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
聖
(
きよ
)
き
京
(
みやこ
)
に携えゆき
殿
(
みや
)
の
頂上
(
いただき
)
に立たせていいけるは爾もし神の子ならば
己
(
おの
)
が身を下へ
投
(
なげ
)
よ
蓋
(
そは
)
なんじがために神その
使
(
つかい
)
たちに命ぜん彼ら手にて支え爾が足の石に触れざるようすべしと録されたり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
自分も引返して来たいとは思うけれどもあるいは
使
(
つかい
)
だけよこすかも知れぬ。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そっちの
方
(
ほう
)
が本当の魔法
使
(
つかい
)
だ。なぜと云って見ろ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「はあ、
貴方
(
あなた
)
がその勝山さんのお
使
(
つかい
)
?」と
大人
(
うし
)
は
紅革
(
べにかわ
)
の
夏蒲団
(
なつぶとん
)
の上に泰悠におわす。
此方
(
こなた
)
は五ツ紋の肩をすぼめるまで謹んで
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
コリャうっかりした事は出来ないと思案にくれている処へ、先程幸手へ
使
(
つかい
)
に
遣
(
や
)
りました下男の
仲助
(
なかすけ
)
が、医者同道で帰って来て
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昼すぎから午後四時半頃まで遠方の化粧品店と呉服屋とへ
使
(
つかい
)
に出ていたので、その留守の間夫人は全く一人ぼっちであった。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
晴の
使
(
つかい
)
として鳩の群が桜の若葉をくぐって飛んで来る日には、例の「どうも困ります」が
暫
(
しば
)
らく取払われるのである。その使も今日は見えない。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まだ四つか五つの時分、母が
使
(
つかい
)
にでも行って居なくなった時分がふらふらと浮んだ。ちょうどその時のような
怨
(
うら
)
めしい、やるせない思いがした。
過ぎた春の記憶
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二年前ある人の
使
(
つかい
)
に
帝国
(
ていこく
)
ホテルへ行った時は
錠前
(
じょうまえ
)
直しと
間違
(
まちが
)
えられた事がある。ケットを
被
(
かぶ
)
って、
鎌倉
(
かまくら
)
の大仏を見物した時は車屋から親方と云われた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それから、帆村君を、われわれの連絡係として、ときおりあなたの工場へ、
使
(
つかい
)
してもらいますから、よろしく」
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鄭和
(
ていか
)
は
王景弘
(
おうけいこう
)
等
(
ら
)
と共に
出
(
いで
)
て
使
(
つかい
)
しぬ。和の
出
(
い
)
づるや、帝、
袁柳荘
(
えんりゅうそう
)
の子の
袁忠徹
(
えんちゅうてつ
)
をして
相
(
そう
)
せしむ、忠徹
曰
(
いわ
)
く可なりと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“使”の意味
《名詞》
(シ)使者。
(シ)(仏教)煩悩。
(シ)検非違使、奉幣使などの略。
(出典:Wiktionary)
“使(
検非違使
)”の解説
検非違使(けびいし、けんびいし)は、日本の律令制下の令外官の役職である。「非違(不法、違法)を検察する天皇の使者」の意。検非違使庁の官人。佐と尉の唐名は廷尉。京都の治安維持と民政を所管した。また、平安時代後期には令制国にも置かれるようになった。
(出典:Wikipedia)
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
“使”を含む語句
使者
天使
召使
御使
小使
小間使
使用
魔法使
駆使
文使
使命
使童
神使
使役
御使者
使女
急使
使嗾
使僕
酷使
...