“風説:うわさ” の例文
“風説:うわさ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花26
樋口一葉3
三宅花圃1
中里介山1
菊池寛1
“風説:うわさ”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌3.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.0%
文学 > 日本文学 > 戯曲0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
とそこで一つ腰をかがめて、立直った束髪は、前刻さっきから風説うわさのあった、河野の母親と云う女性にょしょう
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一度は、深川さ、私たちも風説うわさに聞いて知っているが、木場一番といわれた御身代がそれで分散をなすったような、丸焼。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄々青柳町に囲ってある、めかけだ妾だという風説うわさなきにしもあらずだったもんですから、多くは知らんにもせい、
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぐらいは云うらしい主税が、風向きの悪い大人の風説うわさを、耳を澄まして聞き取りながら、いたく憂わしげな面色おももちで。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
画家 ああ、そうですか。お縫さん……お妹さんの方ですね。綺麗なお嬢さんがおいでなさるという事を、時々風説うわさに聞きました。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
して見ると、風説うわさを聞いて、風説の通り、御殿女中、と心得たので、その実たしかにどんな姿だか分りませぬ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風説うわさの通り、あの峠茶屋の買主の、どこのか好事ものずきな御令嬢が住居すまいいたさるるでも理は聞える。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、ここの露地口と、分けて稲葉家のその住居すまいとに、少なからず、ものの陰気な風説うわさがある。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
——と才発さいはじけた商人あきんど風のと、でっぷりした金の入歯の、土地の物持とも思われる奴の話したのが、風説うわさの中でも耳に付いた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あ、あ、あ、ひとしきりそんな風説うわさがございましたっけ。有福かねもちの夫婦をり殺したとかいう……その裁判があるのでございますか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちまた風説うわさに耳をそばだて、道く人にもそれとはなく問試むれど手懸り無し。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いやいや、余り山男の風説うわさをすると、天井から毛だらけなのをぶら下げずとも計り難し。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
龍華寺りようげじ信如しんによしゆう修業しゆげうには立出たちいづ風説うわさをも美登利みどりえてかざりき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
黒い外套を来た湯女ゆなが、総湯の前で、殺された、刺された風説うわさは、山中、片山津、粟津、大聖寺だいしょうじまで、電車で人とともに飛んでたちまち響いた。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうでもない、世間じゃ余計な風説うわさをしている折からだから憂慮きづかわしい。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分と露地口まで連立って、一息さきへ駆戻ったお千世をとらえて、面前まのあたり喚くのは、風説うわさに聞いたと違いない、茶の缶をたたく叔母であろう。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっぱら当代の在五中将ざいごちゅうじょうと言ふ風説うわさがある——いや大島守、また相当の色男がりぢやによつて、一つは其ねたみぢや……負けまい気ぢや。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
先生の肖顔にがおだという風説うわさがあって、男振おとこぶりがいかにもいい。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銅像が、城の天守と相対して以来、美術閣上の物干を、人は、物見と風説うわさする。
「畜生。今ごろは風説うわさにも聞かねえが、こんな処さ出おるかなあ。——浜方へ飛ばねえでよかった。——漁場へげりゃ、それ、なかまへ饒舌しゃべる。加勢と来るだ。」
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……もしこれが間違って、たとい不図ふとした記事、また風説うわさのあやまりにもせよ、高尚なり、意気なり、婀娜あだなり、帯、小袖をそのままで、東京をふッと木曾へ行く。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それこそ、徳川の末の末の細流は、よどみつ、濁りつ、消えつつも、風説うわさは二の橋あたりへまで伝わり流れて、土地のおでん屋の耳から口へ、ご新姐であったとも思われる。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かんざしの蒼い光ったたまも、大方蛍であろう、などと、ひそひそ風説うわさをします処へ、芋※ずいきの葉に目口のある、小さいのがふらふら歩行あるいて、そのお前様、
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「や、風説うわさきかぬでもなかったが、それはまことでござるかいの。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東京の何とやら館の壮士が、大勢でこのさきの寺へ避暑に来てでございますが、その風説うわさを聞いて、一番妖物退治をしてやろうというので、小雨の降る夜二人連で出掛けました。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とこの桑名、四日市、亀山と、伊勢路へかかった汽車の中から、おなじ切符のたれかれが——そのもよおしについて名古屋へ行った、私たちの、まあ……興行か……その興行の風説うわさをする。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近頃は風説うわさに立つほど繁昌はんじょうらしい。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われら町人の爺媼じいばば風説うわさであろうが、矯曇弥の呪詛のろいの押絵は、城中の奥のうち、御台、正室ではなく、かえって当時の、側室、愛妾あいしょうの手に成ったのだと言うのである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「御免遊ばせ、勝手にお風説うわさなんかして。」
男振をとこぶりにがみありて利発らしきまなざし、色は黒けれど好き様子ふうとて四隣あたりの娘どもが風説うわさも聞えけれど、ただ乱暴一途いちづに品川へも足は向くれど騒ぎはその座ぎり
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
並木で人の死んだ風説うわさはきかない。……
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが風説うわさの心中仕損しそこない
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いろいろな風説うわさを皆いいますから。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
この山村は代々堅気一方に正直律義を真向まつかうにして、悪い風説うわさを立てられた事も無き筈を、天魔の生れがはりか貴様といふ悪者わるの出来て、無き余りの無分別に人のふところでもねらうやうにならば
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人の風説うわさも聞いているから
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
龍華寺の信如が我が宗の修業の庭に立出たちいづ風説うわさをも美登利は絶えて聞かざりき、有し意地をばそのままに封じ込めて、此処しばらくの怪しの現象さまに我れを我れとも思はれず、唯何事も耻かしうのみ有けるに
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
——うぐいはやごりの類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚いわなは、娘だか、妻女だか、艶色えんしょく懸相けそうして、かわおそくだんの柳の根に、ひれある錦木にしきぎにするのだと風説うわさした。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いささか過激になったがね。……手紙の様子じゃあ、総領の娘というのが、此地ここで縁着いたそうだから、その新婦か、またその新郎なんのッてのが、悪く新聞でも読んでいて——(お風説うわさはかねて)なぞと出て来られた日にゃ大変だ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御存じでございましょうが、胆吹山にこのごろ、例の上平館かみひらやかたの開墾が起りまして、そこに一種の理想を抱く修行者——同志が集まって、一王国の生活を企てている、そういう風説うわさを聞きましたものですから、僕は越前の福井からかけつけて、右の団体へ加入してみたんです。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「半左衛門座では、弥生狂言も『傾城浅間ヶ嶽』を打ち通すそうじゃが、かような例は、玉村千之丞河内かわち通いの狂言に、百五十日打ち続けて以来、絶えて聞かぬ事じゃ。七三郎どのの人気は、前代未聞みもんじゃ」と、ちまた風説うわさは、ただこの沙汰さたばかりのようであった。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さあ、この事が世に聞えて、ぱっと風説うわさたちますため、病人は心が引立ひったち、気の狂ったのも安心して治りますが、のがれられぬ因縁で、その令室おくがたの夫というが、旅行たびさきの海から帰って、その風聞を耳にしますと——これが世にも恐ろしい、嫉妬深い男でござんす。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殊に千破矢様というのがその後へおいでなすったという風説うわさ、白魚の姉御がいった若様なんで、味方の大将を見殺みごろしにはされません。もっとも直ぐにその日、一昨日おとといでござりますな、すくなからぬ係合かかりあいの知事様の嬢さんも、あすこの茶屋まで駈着かけつけましたそうで。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おなじ年、冬のはじめ、霜に緋葉もみじの散る道を、さわやかに故郷から引返ひっかえして、再び上京したのでありますが、福井までには及びません、私の故郷からはそれから七里さきの、丸岡の建場たてばくるまが休んだ時立合せた上下の旅客の口々から、もうお米さんの風説うわさを聞きました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はね、おばあさん、風説うわさを知りつゝうやつて一人で来た位だから、打明けて云ひます、見受けたところ、君は何だ、様子が宛然まるで野のぬしとでもいふべきぢやないか、何の馬鹿々々ばかばかしいと思ふだらうが、好事ものずきです、うぞ一番ひとつ構はず云つて聞かしてくれたまへな。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……だから、私が——じゃあ、その阿武沼、逢魔沼か。そこへ、あの連中は行ったんだろうか、沼には変った……何か、可恐おそろしい、可怪あやしい事でもあるのかね。饂飩酒場の女房が、いいえ、沼には牛鬼が居るとも、大蛇おろちが出るとも、そんな風説うわさは近頃では聞きませんが、いやな事は、このさきの街道——なわての中にあった、というんだよ。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)