トップ
>
顔色
>
かほいろ
ふりがな文庫
“
顔色
(
かほいろ
)” の例文
旧字:
顏色
医者と云ふものは、病状の診断を、患者の
顔色
(
かほいろ
)
からも、
拵
(
こしら
)
へるものだからね。それは、君のモラアルも、僕にはよくわかつてゐるさ。
創作
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妻
(
つま
)
の
青
(
あを
)
ざめた
顔色
(
かほいろ
)
は
漸
(
やうや
)
く
花
(
はな
)
のためにやはらぎ出した。しかし、やがて、
秋風
(
あきかぜ
)
が立ち出した。
花
(
はな
)
々は
葉
(
は
)
を落す前に、その
花
(
はな
)
を
散
(
ち
)
らすであらう。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
だから横町の
野蕃漢
(
じやがたら
)
に馬鹿にされるのだと言ひかけて我が弱いを
耻
(
はづ
)
かしさうな
顔色
(
かほいろ
)
、何心なく美登利と見合す目つきの
可愛
(
かわゆ
)
さ。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始めは
秋雨
(
あきさめ
)
に濡れた
冷
(
つめ
)
たい空気に
吹
(
ふ
)
かれ
過
(
す
)
ぎたからの事と思つてゐたが、座に就いて見ると、
悪
(
わる
)
いのは
顔色
(
かほいろ
)
ばかりではない。
珍
(
めづ
)
らしく銷沈してゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
元気の無さ
相
(
さう
)
な
顔色
(
かほいろ
)
をして草履を引きずり乍ら帰つて来た貢さんは、
裏口
(
うらぐち
)
を
入
(
はい
)
つて、
虫
(
むし
)
の
蝕
(
く
)
つた、踏むとみしみしと云ふ板の
間
(
ま
)
で、
雑巾
(
ざふきん
)
を
絞
(
しぼ
)
つて
土埃
(
つちぼこり
)
の着いた足を拭いた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
▼ もっと見る
不安
(
ふあん
)
の
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
は
段々
(
だん/\
)
揚
(
あが
)
つて
来
(
き
)
た。
其
(
それ
)
を
打消
(
うちけ
)
さうとする
傍
(
そば
)
から、「あの
始終
(
しゞう
)
人
(
ひと
)
の
顔色
(
かほいろ
)
を
読
(
よ
)
んでゐるやうな
目
(
め
)
の
底
(
そこ
)
には、
何等
(
なんら
)
かの
秘密
(
ひみつ
)
が
潜
(
ひそ
)
んでゐるに
違
(
ちがひ
)
ない。」と
私語
(
さゝや
)
くものがある。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
顔色
(
かほいろ
)
の
蒼
(
あを
)
ざめた
墨
(
すみ
)
の
法衣
(
ころも
)
の、がんばり
入道
(
にふだう
)
、
影
(
かげ
)
の
薄
(
うす
)
さも
不気味
(
ぶきみ
)
な
和尚
(
をしやう
)
、
鯰
(
なまづ
)
でも
化
(
ば
)
けたか、と
思
(
おも
)
ふたが、——
恁
(
か
)
く/\の
次第
(
しだい
)
ぢや、
御出家
(
ごしゆつけ
)
、……
大方
(
おほかた
)
は
亡霊
(
ばうれい
)
が
廻向
(
えかう
)
を
頼
(
たの
)
むであらうと
思
(
おも
)
ふで、
功徳
(
くどく
)
の
為
(
た
)
め
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから二三年たつた
後
(
のち
)
、彼は何かの話の
次手
(
ついで
)
にふと彼女にこの情事を話した。すると彼女は
顔色
(
かほいろ
)
を変へ、「あなたはあたしを欺ましてゐた」と言つた。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
千代
(
ちい
)
ちやんひどく
不快
(
わるく
)
でもなつたのかい
福
(
ふく
)
や
薬
(
くすり
)
を
飲
(
の
)
まして
呉
(
く
)
れないか
何
(
ど
)
うした
大変
(
たいへん
)
顔色
(
かほいろ
)
がわろくなつて
来
(
き
)
たおばさん
鳥渡
(
ちよつと
)
と
良之助
(
りやうのすけ
)
が
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おど
)
かされて
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
祈念
(
きねん
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
門野
(
かどの
)
は
只
(
たゞ
)
へえゝと云つた
限
(
ぎり
)
、代助の
光沢
(
つや
)
の
好
(
い
)
い
顔色
(
かほいろ
)
や
肉
(
にく
)
の
豊
(
ゆた
)
かな肩のあたりを羽織の上から眺めてゐる。代助はこんな場合になると
何時
(
いつ
)
でも此青年を気の毒に思ふ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
和上の
傷
(
きづ
)
は
二月
(
ふたつき
)
で癒えたが、其の
傷痕
(
きづあと
)
を一目見て
鎌首
(
かまくび
)
を上げた
蛇
(
へび
)
の様だと身を
慄
(
ふる
)
はせたのは、
青褪
(
あをざ
)
めた
顔色
(
かほいろ
)
の奥方ばかりでは無かつた。其頃
在所
(
ざいしよ
)
の
子守唄
(
こもりうた
)
に斯う云ふのが
流行
(
はや
)
つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
小生と同じ宿に十二三歳の少女
有之
(
これあり
)
、
腎臓病
(
じんざうびやう
)
とか申すことにて、
蝋
(
らふ
)
のやうな
顔色
(
かほいろ
)
を致し居り候。付き
添
(
そ
)
ひ居り候は母親にや、但し余り似ても居らぬ五十
恰好
(
がつかう
)
の婦人に御座候。
伊東から
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれども、代助は今相手の
顔色
(
かほいろ
)
如何
(
いかん
)
に拘はらず、手に持つた
賽
(
さい
)
を
投
(
な
)
げなければならなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
少し
御新造
(
ごしんぞ
)
は機嫌かいなれど、目色
顔色
(
かほいろ
)
を
呑
(
の
)
みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る
質
(
たち
)
なれば、
御前
(
おまへ
)
の出様一つで
半襟
(
はんゑり
)
半がけ
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
にも事は欠くまじ、御身代は町内第一にて
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「御
風邪
(
かぜ
)
はもう
好
(
い
)
いの。大事になさらないと、ぶり
返
(
かへ
)
しますよ。まだ
顔色
(
かほいろ
)
が
好
(
よ
)
くない様ね」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは芸者の
顔色
(
かほいろ
)
でも、やはり派手過ぎると思つてゐることは、はつきりお上さんにわかつた為だつた。が、芸者も
亦
(
また
)
何も言はずにその帯を貰つて帰つた
後
(
のち
)
、百二十円の金を届けることにした。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
だとヱ
良
(
りやう
)
さんに
失礼
(
しつれい
)
だがお
帰
(
か
)
へり
遊
(
あそ
)
ばしていたゞきたいとあゝさう
申
(
まを
)
すよ
良
(
りやう
)
さんおきゝの
通
(
とほり
)
ですからとあはれや
母
(
はゝ
)
は
身
(
み
)
も
狂
(
きやう
)
するばかり
娘
(
むすめ
)
は一
語
(
ご
)
一
語
(
ご
)
呼吸
(
こきふ
)
せまりて
見
(
み
)
る/\
顔色
(
かほいろ
)
青
(
あほ
)
み
行
(
ゆ
)
くは
露
(
つゆ
)
の
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
今宵
(
こよひ
)
はよもと
思
(
おも
)
ふに
良之助
(
りやうのすけ
)
起
(
た
)
つべき
心
(
こゝろ
)
はさらにもなけれど
臨終
(
いまは
)
に
迄
(
まで
)
も
心
(
こゝろ
)
づかひさせんことのいとを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
待合所
(
まちあひじよ
)
に
這入
(
はい
)
るや否や、梅子から
顔色
(
かほいろ
)
が
可
(
よ
)
くないと云ふ注意を受けた。代助は
何
(
なん
)
にも答へずに、帽子を
脱
(
ぬ
)
いで、
時々
(
とき/″\
)
濡
(
ぬ
)
れた
頭
(
あたま
)
を抑えた。仕舞には
朝
(
あさ
)
奇麗
(
きれい
)
に
分
(
わ
)
けた
髪
(
かみ
)
がもぢや/\になつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
問
(
と
)
はるゝに
答
(
こた
)
へんとすれば
暁
(
あかつき
)
の
鐘
(
かね
)
枕
(
まくら
)
にひびきて
覚
(
さ
)
むる
外
(
ほか
)
なき
思
(
おも
)
ひ
寐
(
ね
)
の
夢
(
ゆめ
)
鳥
(
とり
)
がねつらきはきぬ/″\の
空
(
そら
)
のみかは
惜
(
を
)
しかりし
名残
(
なごり
)
に
心地
(
こゝち
)
常
(
つね
)
ならず
今朝
(
けさ
)
は
何
(
なん
)
とせしぞ
顔色
(
かほいろ
)
わろしと
尋
(
たづ
)
ぬる
母
(
はゝ
)
はその
事
(
こと
)
さらに
知
(
し
)
るべきならねど
面
(
かほ
)
赤
(
あから
)
むも
心苦
(
こゝろぐる
)
し
昼
(
ひる
)
は
手
(
て
)
ずさびの
針仕事
(
はりしごと
)
にみだれその
乱
(
みだ
)
るゝ
心
(
こゝろ
)
縫
(
ぬ
)
ひとゞめて
今
(
いま
)
は
何事
(
なにごと
)
も
思
(
おも
)
は
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此歯と此
顔色
(
かほいろ
)
とは三四郎に取つて忘るべからざる対照であつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“顔色”の意味
《名詞》
顔 色(がんしょく、かおいろ)
かおいろ。
(出典:Wiktionary)
“顔色”の解説
顔色は『世にも奇妙な物語』で1992年7月23日に放送されたストーリー。同様に『完全犯罪』『DOOR』がある。
(出典:Wikipedia)
顔
常用漢字
小2
部首:⾴
18画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“顔色”で始まる語句
顔色容貌