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瞬間
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しゅんかん
ふりがな文庫
“
瞬間
(
しゅんかん
)” の例文
そんな
素直
(
すなお
)
な
考
(
かんが
)
えも
心
(
こころ
)
のどこかに
囁
(
ささや
)
かないでもなかったのですが、
次
(
つ
)
ぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
には
例
(
れい
)
の
負
(
ま
)
けぎらいが
私
(
わたくし
)
の
全身
(
ぜんしん
)
を
包
(
つつ
)
んで
了
(
しま
)
うのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかし、あまり
鳥
(
とり
)
が
美
(
うつく
)
しいので、つかまえる
手
(
て
)
がにぶったか、
指先
(
ゆびさき
)
が、
尾
(
お
)
にふれんとした
瞬間
(
しゅんかん
)
、
急
(
きゅう
)
に
鳥
(
とり
)
は、おどろいて
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
ちました。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は林太郎にみられたと気づいた
瞬間
(
しゅんかん
)
ぬすみの
現行
(
げんこう
)
をおさえられたようにびくっとした。私はとっさのあいだにごまかそうとした。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
つぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
には、もう、いかにも得意らしくあたりを見まわし、自分をみんなに印象づけようとするかのような態度を見せていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
が、
当節
(
とうせつ
)
評判の人物だから、話に聞いて、大体の想像はつく。ハテナ、喬之助ではないかナ——と思った
瞬間
(
しゅんかん
)
、長庵はすぐ思い返した。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
しかし、その
瞬間
(
しゅんかん
)
、ぼくが
唾
(
つば
)
をすると、それは落ちてから
水溜
(
みずたま
)
りでもあったのでしょう。ボチャンという、
微
(
かす
)
かな音がしました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その
瞬間
(
しゅんかん
)
、ネコはいままでのネコとは思えないほど、すっかり
変
(
か
)
わってしまいました。毛をさかだて、せなかをまるめ、足をのばしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
何かしら思い
詰
(
つ
)
めているのか放心して
仮面
(
めん
)
のような虚しさに
蒼
(
あお
)
ざめていた顔が、
瞬間
(
しゅんかん
)
カッと血の色を
泛
(
うか
)
べて、ただごとでない
激
(
はげ
)
しさであった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
富田
(
とみた
)
六
段
(
だん
)
とモンクスがしっかと
握手
(
あくしゅ
)
した。左右七メートルへだててぱッと飛びのいた。その
瞬間
(
しゅんかん
)
に、勇ましい試合開始の
鐘
(
かね
)
!
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
が、その次の
瞬間
(
しゅんかん
)
には、私はその同じ茂みのうちに殆ど二三十ばかりの花と、それと殆ど同数の半ば開きかかった
莟
(
つぼみ
)
とを数えることが出来た。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一
瞬間
(
しゅんかん
)
のうちに、森の
枝葉
(
かれは
)
の茂みの上にぬけ出て、それから空高く舞い上がり、一時間に何百里という早さで、どこともなく飛んで行きました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
その
瞬間
(
しゅんかん
)
、お姫さまは、すっかりうれしくなりました。王子が、海の底の、自分のそばへくるものと思ったからです。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それから手を放そうとした
瞬間
(
しゅんかん
)
です。頭の方がぐらりとゆれたかと思うと、そのまま、サァッ——と落ちて来ました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ワーッという
喊声
(
かんせい
)
が、船をゆるがしたせつな、大鷲はまぢかに腹毛を見せたまま、ななめになってクルクルと海へ落ちてきた——と見えたのは
瞬間
(
しゅんかん
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぎょっとして、目を見はると、ふいに、すみの方でピカッと光ったものがある。自分は
瞬間
(
しゅんかん
)
、ぞおっとして、立ちすくんでしまった。光りものは二つ。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
まるでそれは、
瞬間
(
しゅんかん
)
の
夢
(
ゆめ
)
のように、とぶ鳥のかげのようにすぎた。だが、だれひとり夢と考えるものはいなかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
やがて司会者は
起
(
た
)
って五、六分間、紹介の
辞
(
ことば
)
を述べた。この
間
(
かん
)
は僕にとって、
生涯
(
しょうがい
)
忘れられぬ苦痛の
瞬間
(
しゅんかん
)
である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
わたしの折角の控え目な磊落さも、ものものしい態度も、その
瞬間
(
しゅんかん
)
に消しとんでしまったばかりか、それと
一緒
(
いっしょ
)
に、うじうじした当惑の感じもなくなった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
……みなさん、後にわが人類を救った
種痘法
(
しゅとうほう
)
なるものは、実にこの
瞬間
(
しゅんかん
)
に考えだされたものであります。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
例えば走者第一基にあり、これより第二基に
到
(
いた
)
らんとするには
投者
(
ピッチャー
)
が球を取て本基(の
打者
(
ストライカー
)
)に向って投ずるその
瞬間
(
しゅんかん
)
を待ち合せ球手を離るると見る時走り出すなり。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
ちょうどそのとき、七年という年月のさいごの
瞬間
(
しゅんかん
)
がすぎさったのです。と、空にバタバタという
羽
(
はね
)
の音がして、十二
羽
(
わ
)
のカラスがとんできて、
地面
(
じめん
)
にまいおりました。
十二人兄弟
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
まるでへたへたになった
岩漿
(
がんしょう
)
や、上から
押
(
お
)
しつけられて古綿のようにちぢまった蒸気やらを取って来て、いざという
瞬間
(
しゅんかん
)
には大きな黒い山の
塊
(
かたまり
)
を、まるで粉々に引き
裂
(
さ
)
いて飛び出す。
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
『人生でいちばん楽しい
瞬間
(
しゅんかん
)
は』とゲーテが言ってる。『だれにも解らない二人だけの言葉で、だれにも解らない二人だけの秘密や楽しみやを、愛人同士で語り合っている時である』
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
透明人間がま近にきたな、と感じた
瞬間
(
しゅんかん
)
、ケンプ博士は、したたかに
顎
(
あご
)
に一
撃
(
げき
)
をくらった。倒れたところを
脾腹
(
ひばら
)
をけられ、つづいて胸を重いものがおさえつけ、のどをしめつけられた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
されば佐助は当夜枕元へ駈け付けた
瞬間
(
しゅんかん
)
焼け
爛
(
ただ
)
れた顔をひと眼見たことは見たけれども正視するに
堪
(
た
)
えずしてとっさに面を
背
(
そむ
)
けたので燈明の灯の
揺
(
ゆら
)
めく蔭に何か人間離れのした
怪
(
あや
)
しい
幻影
(
げんえい
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうしてその
考
(
かんが
)
えはただ一
瞬間
(
しゅんかん
)
にして
消
(
き
)
えた。
昨日
(
きのう
)
読
(
よ
)
んだ
書中
(
しょちゅう
)
の
美
(
うつく
)
しい
鹿
(
しか
)
の
群
(
むれ
)
が、
自分
(
じぶん
)
の
側
(
そば
)
を
通
(
とお
)
って
行
(
い
)
ったように
彼
(
かれ
)
には
見
(
み
)
えた。こんどは
農婦
(
ひゃくしょうおんな
)
が
手
(
て
)
に
書留
(
かきとめ
)
の
郵便
(
ゆうびん
)
を
持
(
も
)
って、それを
自分
(
じぶん
)
に
突出
(
つきだ
)
した。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
聖者の顔も一変して、猿の
骸骨
(
がいこつ
)
のようになっていた。聖者の身体はすーッと宙に浮いた。と見る間に、聖者の身体は
瞬間
(
しゅんかん
)
金色に輝いた。が、その直後、聖者の身体は煙のように消え失せてしまった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私はおどろきとおそれと喜びに
瞬間
(
しゅんかん
)
棒立
(
ぼうだ
)
ちになった。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
歩
(
ある
)
いたように
感
(
かん
)
じたのはホンの一
瞬間
(
しゅんかん
)
、
私達
(
わたくしたち
)
はいつしか
電光
(
でんこう
)
のように
途中
(
とちゅう
)
を
飛
(
と
)
ばして、
例
(
れい
)
のお
宮
(
みや
)
の
社頭
(
しゃとう
)
に
立
(
た
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
過去三年の間にどんな進展を見せているかを
暗々裡
(
あんあんり
)
に通告されたような気がして、それを読み終わった
瞬間
(
しゅんかん
)
、頭がかっとなった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
くまは、ザブリと
躍
(
おど
)
り
込
(
こ
)
んで
浸
(
ひた
)
りました。
浸
(
ひた
)
ったかと
思
(
おも
)
うと、また
躍
(
おど
)
り
上
(
あ
)
がりました。ちょっと、その
瞬間
(
しゅんかん
)
だけいい
気持
(
きも
)
ちがしたのでした。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのリズムに乗ってしまえばしめたもので、カタンと足で蹴り身体を
倒
(
たお
)
した
瞬間
(
しゅんかん
)
、もう上半身は起き上がり、スウッと身体は前に出てゆきます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
矢数
(
やかず
)
はひょうひょうと
虹
(
にじ
)
のごとく
放
(
はな
)
たれたが、時間はほんの
瞬間
(
しゅんかん
)
、すでに
大鷲
(
おおわし
)
は町の空を
斜
(
なな
)
めによぎって、その
雄姿
(
ゆうし
)
を
琵琶湖
(
びわこ
)
のほうへかけらせたが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてこの
瞬間
(
しゅんかん
)
の
喝采
(
かっさい
)
のことも、美しい歌姫のことも、その歌声やほほえみのことも、だれひとり知る者もなく、忘れられ、過ぎ去ってしまうのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「あっ」という
恋人
(
こいびと
)
の
叫
(
さけ
)
び声を耳にしたと思ったつぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
、若者は自分の
体
(
からだ
)
が
羽根
(
はね
)
ぶとんのようにかるがると水の上に浮かんでいることに気がついた。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
大迫玄蕃は、
床
(
とこ
)
の間へ行って刀を取り上げながら、自分でもおかしくなって、
瞬間
(
しゅんかん
)
、ふッとせせら笑った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
瞬間
(
しゅんかん
)
、十二人は一つの気持にむすばれ、せまい道ばたの草むらの中に一列によけてバスを
迎
(
むか
)
えた。コトエさえももう泣いてはいず、一心にバスを見まもっていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
我々の入った部屋は、家具も幾分はましで、その並べ方も、前の部屋より
趣味
(
しゅみ
)
があった。もっともその
瞬間
(
しゅんかん
)
、わたしはほとんど何ひとつ目に留める
余裕
(
よゆう
)
がなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ところが、ニールスがあらわれでた
瞬間
(
しゅんかん
)
に、コウノトリは動きだしました。そして、コウノトリがよくやるように、頭をさげ、くちばしを首に
押
(
お
)
しつけて立ちました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
一
瞬間
(
しゅんかん
)
それがきらきらと少女の眼ざしのようにかがやく……家の中からは
夕餉
(
ゆうげ
)
の
支度
(
したく
)
をしている
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
伊藤公が先生に
叱
(
しか
)
られたその
瞬間
(
しゅんかん
)
に起こった一時の感情が同公をして政治家たらしめたかと
質
(
ただ
)
せば、その時始めて「
寝耳
(
ねみみ
)
に水」のごとくこの教訓が公の
耳朶
(
じだ
)
を打ったとは思われぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その
瞬間
(
しゅんかん
)
、ザクンと
一打
(
ひとうち
)
、大きなくまの手が、かれの右の
額
(
ひたい
)
から頭にかけて打ちおろされた。男は、むちゅうでバネ
仕掛
(
じかけ
)
のようにとび上がって、あとはどうしたのか自分にはわからない。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
と、つぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
例
(
れい
)
によりてその
飽気
(
あっけ
)
なさ
加減
(
かげん
)
と
言
(
い
)
ったらありません。
私
(
わたくし
)
はちょっと
心
(
こころ
)
さびしく
感
(
かん
)
じましたが、それはほんの一
瞬間
(
しゅんかん
)
のことでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれど、
哀
(
あわ
)
れな
母親
(
ははおや
)
には、とっくにそれがわかっていて、こうして
休
(
やす
)
んでいる
瞬間
(
しゅんかん
)
にも、
胸
(
むね
)
を
苦
(
くる
)
しめているのでありました。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とりわけ次郎にとっては、それがかれの最も
緊張
(
きんちょう
)
していた
瞬間
(
しゅんかん
)
のできごとであったために、そのおかしみが倍加されていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
手帳は、空中で風を受け、
瞬間
(
しゅんかん
)
止まったようでしたが、ふっと
吹
(
ふ
)
き飛ばされると、もう、
遥
(
はる
)
かの船腹におちていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
焼
(
や
)
け死ぬか、のがれだせるか、人間最高の
努力
(
どりょく
)
をふりしぼる
瞬間
(
しゅんかん
)
には、かれもこれも、おそろしい
無言
(
むごん
)
であった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、その
瞬間
(
しゅんかん
)
、大きなさかながおよいできたかと思うと、ぱっくり、兵隊さんをのみこんでしまいました。
すずの兵隊さん
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
瞬間
(
しゅんかん
)
、絶望的なものが
満
(
み
)
ち
潮
(
しお
)
のように押しよせてきたが、昔のままの教室に、昔どおりに
机
(
つくえ
)
と
椅子
(
いす
)
を窓べりにおき、外を見ているうちに、
背骨
(
せぼね
)
はしゃんとしてきた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
“瞬間”の解説
瞬間(しゅんかん)とは、ごく短い時間の事である。何か物事が起こってその直後の物事までの時間を測定できないくらいの間。
(出典:Wikipedia)
瞬
常用漢字
中学
部首:⽬
18画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“瞬間”で始まる語句
瞬間前
瞬間的
瞬間瞬間