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寶
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たから
爲遂たし然ども
隱して
遣たる病氣が一日二日の中に起らば
折角なしゝ
婚姻も
破談になりて
寶の山へ入ながらにして手を
天下の
寶といふものは
總てこれを
愛惜するものに
與へるのが
當然じや、
此石も
自ら
能く其
主人を
選んだので
拙者も
喜しく
思ふ、然し此石の出やうが
少し
早すぎる
自分の榮華のために、
紅毛人に御國の
寶をやつて、厄體もない贅澤な品物を買入れ、それを
かれその天の日矛の持ち渡り來つる物は、
玉つ
寶といひて、珠二
貫七、また
浪振る
比禮、
浪切る比禮、風振る比禮、風切る比禮
八、また
奧つ鏡、
邊つ鏡
九、并はせて八種なり。
取たてゝ
何も
斯う
自分ばかり
美事な
寶を
持つて
居るやうに
誇り
顏に
申すことの
可笑しいをお
笑ひに
成りましやう、だから
私は
口に
出して
其樣な
仰山らしい
事は
言ひませぬけれど
目を
失した
男が、
其失した
目といふ
寶をば
忘れぬ
例。
如何な
拔群な
美人をお
見せあっても、それは
只其拔群な
美をも
拔く
拔群な
美人を
思出さす
備忘帳に
過ぎぬであらう。さらば。
(二九)柯の
會に
於て、
(三〇)桓公、
曹沫の
約に
背かんと
欲す、
管仲因つて
之を
信にす。
諸矦是に
由つて
齊に
歸せり。
故に
曰く、
(三一)『
與ふるの
取るたるを
知るは
政の
寶也』
わたしは
藪を
押し
分けながら、
寶は
杉の
下に
埋めてあると、
尤もらしい
譃をつきました。
男はわたしにさう
云はれると、もう
痩せ
杉が
透いて
見える
方へ、一
生懸命に
進んで
行きます。
奇なる
哉、
更に
一時間いくらと
言ふ……
三保の
天女の
羽衣ならねど、
身にお
寶のかゝる
其の
姉さんが、
世話になつた
禮かた/″\、
親類へ
用たしもしたいから、お
差支へなくば
御一所に
諸の「愛」の
寶もほろびけり。
わたしは
藪の
前へ
來ると、
寶はこの
中に
埋めてある、
見に
來てくれと
云ひました。
男は
慾に
渇いてゐますから、
異存のある
筈はありません。が、
女は
馬も
下りずに、
待つていると
云ふのです。
出す事能はざるなり故に三代將軍家光公武運長久を
祈る爲と奏聞有て
草薙の
寶劔を
降借せられ其後返上なく東叡山に納たり
夫寶は一所に在ては寶成ず故に慈眼大師の
御遷座と唱へ毎月
晦日に三十六院を
莊子が
蝶の
夢といふ
世に
義理や
誠は
邪魔くさし
覺め
際まではと
引しむる
利慾の
心の
秤には
黄金といふ
字に
重りつきて
増す
寶なき
子寶のうへも
忘るゝ
小利大損いまに
初めぬ
覆車のそしりも
我が
梶棒には
心もつかず
握つて
放さぬ
熊鷹主義に
理窟はいつも
筋違なる
内神田連雀町とかや