たから)” の例文
新字:
とげたし然どもかくしてやりたる病氣が一日二日の中に起らば折角せつかくなしゝ婚姻こんいん破談はだんになりてたからの山へ入ながらにして手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
天下てんかたからといふものはすべてこれを愛惜あいせきするものにあたへるのが當然たうぜんじや、此石このいしみづかく其主人しゆじんえらんだので拙者せつしやよろこばしくおもふ、然し此石の出やうがすこはやすぎる
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
自分の榮華のために、紅毛人こうまうじんに御國のたからをやつて、厄體もない贅澤な品物を買入れ、それを
かれその天の日矛の持ち渡り來つる物は、たまたからといひて、珠二つら、またなみ比禮ひれなみる比禮、風振る比禮、風切る比禮、またおきつ鏡、つ鏡、并はせて八種なり。
とりたてゝなに自分じぶんばかり美事みごとたからつてるやうにほこがほまをすことの可笑をかしいをおわらひにりましやう、だからわたしくちして其樣そん仰山ぎやうさんらしいことひませぬけれど
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なくしたをとこが、そのなくしたといふたからをばわすれぬためし如何どん拔群ばつくん美人びじんをおせあっても、それはたゞその拔群ばつくんをも拔群ばつくん美人びじん思出おもひださす備忘帳おぼえちゃうぎぬであらう。さらば。
(二九)くわいおいて、(三〇)桓公くわんこう曹沫さうばつやくそむかんとほつす、管仲くわんちうつてこれしんにす。諸矦しよこうこれつてせいせり。ゆゑいはく、(三一)あたふるのるたるをるはまつりごとたからなり
わたしはやぶけながら、たからすぎもとうづめてあると、もつともらしいうそをつきました。をとこはわたしにさうはれると、もうすぎいてえるはうへ、一しやう懸命けんめいすすんできます。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なるかなさら一時間いちじかんいくらとふ……三保みほ天女てんによ羽衣はごろもならねど、におたからのかゝるねえさんが、世話せわになつたれいかた/″\、親類しんるゐようたしもしたいから、お差支さしつかへなくば御一所ごいつしよ
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もろもろの「愛」のたからもほろびけり。
あはれ今 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
たからの胸をひらくべき
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わたしはやぶまへると、たからはこのなかうづめてある、てくれとひました。をとこよくかわいてゐますから、異存いぞんのあるはずはありません。が、をんなうまりずに、つているとふのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
出す事能はざるなり故に三代將軍家光公武運長久をいのる爲と奏聞有て草薙くさなぎ寶劔はうけん降借かうしやくせられ其後返上なく東叡山に納たりそれたからは一所に在ては寶成ず故に慈眼大師の御遷座ごせんざと唱へ毎月晦日つごもりに三十六院を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たからはあはれ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
莊子さうしてふゆめといふ義理ぎりまこと邪魔じやまくさしぎはまではとひきしむる利慾りよくこゝろはかりには黄金こがねといふおもりつきてたからなき子寶こだからのうへもわするゝ小利せうり大損だいそんいまにはじめぬ覆車ふくしやのそしりも梶棒かぢぼうにはこゝろもつかずにぎつてはなさぬ熊鷹主義くまたかしゆぎ理窟りくつはいつも筋違すぢちがひなる内神田うちかんだ連雀町れんじやくちやうとかや
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)