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寝床
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ねどこ
ふりがな文庫
“
寝床
(
ねどこ
)” の例文
旧字:
寢床
会議が終ると、
女体
(
じょたい
)
の山形警部は、食事をとってそのあと、ねむいねむいといって、
寝床
(
ねどこ
)
をとってもらって、その中にもぐりこんだ。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
木こりは、
晩
(
ばん
)
に
寝床
(
ねどこ
)
へはいってからも、あれやこれやと考えると、
心配
(
しんぱい
)
で心配でねむることもできず、ねがえりばかりうっていました。
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
もう何度も、
寝床
(
ねどこ
)
のことで不幸な出来事が起こったので、にんじんは、毎晩、警戒を
怠
(
おこた
)
らないようにしている。夏は、楽なもんだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
身繕
(
みづくろ
)
いしてやゝしばし
寝床
(
ねどこ
)
に
突立
(
つった
)
って居ると、忍び込んだと思った人の
容子
(
ようす
)
は無くて、戸の
外
(
そと
)
にサラ/\サラ/\忍びやかな音がする。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
生徒は
鬼魅
(
きみ
)
が悪くなったので、
寝床
(
ねどこ
)
を飛びだして二階へあがり、
洋燈
(
ランプ
)
の
燈
(
ひ
)
を明るくして
顫
(
ふる
)
えていると、間もなく二人の生徒が帰って来た。
女の姿
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
かれは朝に目をさますと
寝床
(
ねどこ
)
の中で校歌を一つうたう、それから
床
(
とこ
)
をでて
手水
(
ちょうず
)
をつかい茶の間へゆくと父と母と妹が待っている。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
ニールスははね毛の中に
埋
(
うず
)
まっているので、返事をすることができません。でも、これは、あたたかくて、すてきな
寝床
(
ねどこ
)
です。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
菊富士ホテルにいられた
宇野浩二
(
うのこうじ
)
氏をたずねて、教えを乞うたことがありましたが、宇野氏は
寝床
(
ねどこ
)
の中から、キチンと小さく坐っている私に
文学的自叙伝
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その結果、ひる間は一つの
卓
(
たく
)
を
囲
(
かこ
)
んで食事もし、本も読み、事務もとり、夜は卓を
縁側
(
えんがわ
)
に出して三人の
寝床
(
ねどこ
)
をのべるといったぐあいであった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
(わたしは
寝床
(
ねどこ
)
に入る前には、必ず母にお休みを言い、祝福してもらうことにしていた)が、こうなってはもう仕方がない!
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そこはむろん土間で、南側と北側とには日本の床よりも少し高い
寝床
(
ねどこ
)
が設けられて、その上には古びた
筵
(
むしろ
)
が敷いてあった。
雪女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
漸
(
ようや
)
く
寝床
(
ねどこ
)
を
離
(
はな
)
れたと
思
(
おも
)
えば、モーすぐこのようなきびしい
修行
(
しゅぎょう
)
のお
催促
(
さいそく
)
で、その
時
(
とき
)
の
私
(
わたくし
)
は
随分
(
ずいぶん
)
辛
(
つら
)
いことだ、と
思
(
おも
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
我が胸板の上に
載
(
の
)
せたが胸が氷のごとく冷えるのに反し顔は
寝床
(
ねどこ
)
のいきれのためにかっかっと
火照
(
ほて
)
って歯痛がいよいよ
激
(
はげ
)
しくなるのに
溜
(
たま
)
りかね
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
おどろいたことには、こまかいことまで、とてもはっきりと、
浮
(
う
)
かんできたのです。わたしは、
急
(
きゅう
)
にはっとして、
板
(
いた
)
の
寝床
(
ねどこ
)
の上に起きなおりました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
あくる日の
晩
(
ばん
)
、また一人のお客が、この宿に
泊
(
と
)
まりました。このお客も前夜のお客と同じように親切にもてなされて、いい気持ちで
寝床
(
ねどこ
)
につきました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
藤田老人は
寝床
(
ねどこ
)
から
夜半
(
よなか
)
に起きて自殺したものらしく、警察医の死後の経過時間の鑑定と比較して考えても、別に怪しむべきところはありませんでした。
自殺か他殺か
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ちっぽけな、みにくい
魔物
(
まもの
)
の姿になって、
寝床
(
ねどこ
)
のはしにすわり、熱い湯をおれたちにひっかけるんです。どうか、きて、そいつらを追っぱらってください。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あるとき天皇は、お
昼寝
(
ひるね
)
をなさろうとして、お
寝床
(
ねどこ
)
におよこたわりになりながら、おそばにいらしった皇后に
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
やわらかいぞやわらかいぞ、お
大名
(
だいみょう
)
の
寝床
(
ねどこ
)
だって、こんなに
上等
(
じょうとう
)
じゃああるまいなあ、などと
牧
(
まき
)
をとかれた
山羊
(
やぎ
)
みたいに、ワザとごろごろころがってみた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
学士は昨夜、
礫川
(
こいしかわ
)
なるその
邸
(
やしき
)
で、
確
(
たしか
)
に
寝床
(
ねどこ
)
に入ったことを知って、あとは恰も夢のよう。今を
現
(
うつつ
)
とも覚えず。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
掛布団
(
かけぶとん
)
の
端
(
はし
)
で
撥
(
は
)
ねられた
寝床
(
ねどこ
)
人形が
床
(
ゆか
)
に落ちて
俯向
(
うつむ
)
きになっていた。鼻を床につけて正直にうつ向きになっていた。ただそれだけが彼女を一時間も悲しく泣かした。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「あの時は実際弱りました。
唐紙
(
からかみ
)
の
開閉
(
あけたて
)
が局部に
応
(
こた
)
えて、そのたんびにぴくんぴくんと
身体
(
からだ
)
全体が
寝床
(
ねどこ
)
の上で飛び上ったくらいなんですから。しかし
今度
(
こんだ
)
は大丈夫です」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういう時、妻はわざわざ私の所へやって来て、『
遅
(
おそ
)
くなりますから、お先へ休ませて
戴
(
いただ
)
きます』と言う、
丁寧
(
ていねい
)
に三つ指をついてお辞儀をし、それから自分の
寝床
(
ねどこ
)
へ入る。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
もうお日様がずっと高くなってからやっと目を
醒
(
さ
)
ましまして、仕方がないのでやっと
寝床
(
ねどこ
)
から起き出したのですが、不断からの心がけが悪いので食べ物が少しもないのです。
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
良吉
(
りょうきち
)
は、
毎晩
(
まいばん
)
、
寝床
(
ねどこ
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
ると、
窓
(
まど
)
からもれる
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
ていろいろのことを
考
(
かんが
)
えていました。——すると、ある
晩
(
ばん
)
のこと、
不思議
(
ふしぎ
)
にも
窓
(
まど
)
から、
彼
(
かれ
)
を
手招
(
てまね
)
ぐものがあります。
星の世界から
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
からだをすっかりふいてやったおとうさんが、けががひどいから犬の医者をよんで来るといって出かけて行ったるすに、ぼくは妹たちに手伝ってもらって、
藁
(
わら
)
で
寝床
(
ねどこ
)
を作ってやった。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
私が
寝床
(
ねどこ
)
のなかで雨音かと思っていたのは、それ等の落葉松の細かい葉に
溜
(
たま
)
っていた雨滴が絶えず屋根の上に落ちる音だったのだ。私はさて、まぶしそうな眼つきで青空を見上げた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
父親は柳吉の姿を見るなり、
寝床
(
ねどこ
)
の中で、何しに来たと
呶鳴
(
どな
)
りつけたそうである。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
寝床
(
ねどこ
)
の中でいろいろ考えつづけていた大石先生は、茶の間にむかって呼びかけた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
身仕度が終ると家を出て
宵
(
よい
)
の六時まで散歩し六時に外で
中食
(
ちゅうじき
)
を済せ、夫から多くはゲルボアの珈琲館に入り昔友達と珈琲を
呑
(
のん
)
だり
歌牌
(
かるた
)
を仕たりして遅くも夜の十一時には帰て来て
寝床
(
ねどこ
)
に就きました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
しまいに、彼は
寝床
(
ねどこ
)
を指して言った。
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そこで、
狩人
(
かりゅうど
)
は、へやのなかへはいりました。そして、
寝床
(
ねどこ
)
のまえまでいってみますと、そこにはオオカミがねているではありませんか。
赤ずきん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それからお
三根
(
みね
)
さんの部屋へはいりこんだ。めずらしい部屋なので、Qはよろこんで踊りまわっていると、お三根が
寝床
(
ねどこ
)
から起きあがった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
穏
(
おだや
)
かに、寛大に、母親らしく、始末をしてやる。そればかりか、翌朝は、甘ったれた小僧のように、にんじんは、
寝床
(
ねどこ
)
を離れる前に食事をする。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
また
竈
(
かまど
)
に
蛭
(
ひる
)
這
(
は
)
い
蛇
(
へび
)
寝床
(
ねどこ
)
に
潜
(
もぐ
)
る
水国
(
すいごく
)
卑湿
(
ひしつ
)
の地に住まねばならぬとなったら如何であろう。中庸は平凡である。然し平凡には平凡の意味があり
強味
(
つよみ
)
がある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そしてその夜は、しろ公の
寝床
(
ねどこ
)
を土間のすみへわらでつくってやって、自分はおじいさんといっしょにねました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
額堂
(
がくどう
)
は吹きさらしだし、
拝殿
(
はいでん
)
の
廊下
(
ろうか
)
へねては
神主
(
かんぬし
)
が
怒
(
おこ
)
るだろうし、と、しきりに
寝床
(
ねどこ
)
を
物色
(
ぶっしょく
)
してきた
蛾次郎
(
がじろう
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、手に
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかけて、かじかんだ
指
(
ゆび
)
を
暖
(
あたた
)
めると、いきなり、
寝床
(
ねどこ
)
の
板
(
いた
)
の上にあった自分の
帽子
(
ぼうし
)
をつかんで、そっと手さぐりで、
地下室
(
ちかしつ
)
からぬけだした。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
天皇は非常にお
嘆
(
なげ
)
きになって、どうしたらよいか、神のお告げをいただこうとおぼしめして、
御身
(
おんみ
)
を
潔
(
きよ
)
めて、
慎
(
つつし
)
んでお
寝床
(
ねどこ
)
の上にすわっておいでになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
わたしは、帰ろうとしては
佇
(
たたず
)
み、帰ろうとしては佇みしていたが、やがて自分の部屋へ、自分の冷えはてた
寝床
(
ねどこ
)
へ帰った。わたしは、異常な興奮を感じていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
かれはがっかりして家へ帰った、かれは
黙々
(
もくもく
)
先生の夜学を休んで早く
寝床
(
ねどこ
)
にはいった。翌朝起きて町へでた。もうかれの考えは全然いままでとかわってしまった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
東の六
畳
(
じょう
)
に始め、千穂子たちは寝ていたのだけれども、朝晩の
寝床
(
ねどこ
)
のあげおろしに時間がとれるので、いつの間にか、千穂子達は万年床のままで置くにふさわしい
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そのため母親は、毎晩その子の
寝床
(
ねどこ
)
のそばにすわって、その子が『主の祈り』をとなえるのを聞いてやるのでした。そのあとで、その子はキスをしてもらうのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
やがて二階に
寝床
(
ねどこ
)
を
拵
(
こしら
)
えてくれた、
天井
(
てんじょう
)
は低いが、
梁
(
うつばり
)
は丸太で
二抱
(
ふたかかえ
)
もあろう、屋の
棟
(
むね
)
から
斜
(
ななめ
)
に
渡
(
わた
)
って座敷の
果
(
はて
)
の
廂
(
ひさし
)
の処では
天窓
(
あたま
)
に
支
(
つか
)
えそうになっている、
巌乗
(
がんじょう
)
な
屋造
(
やづくり
)
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたくし
)
はその
瞬間
(
しゅんかん
)
から
現在
(
げんざい
)
に
至
(
いた
)
るまで、ただの一
度
(
ど
)
も
寝床
(
ねどこ
)
の
上
(
うえ
)
に
臥
(
ね
)
たいと
思
(
おも
)
った
覚
(
おぼ
)
えはございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ともしてその
行燈
(
あんどん
)
を提げたまま
屏風
(
びょうぶ
)
の向うに
敷
(
し
)
いてある春琴の
寝床
(
ねどこ
)
の方へ行ったそしてぼんやりした行燈の
灯影
(
ほかげ
)
が屏風の金地に反射する
覚束
(
おぼつか
)
ない明りの中で部屋の様子を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
木村さんが
寝床
(
ねどこ
)
へ入って、うとうととしたかと思うと、何か工場の方から異様な物音がしてきたので、早速とび起きて、工場の扉をあけて見ると、中は真っ暗であったが
暗夜の格闘
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
君らにとっては、その誠意よりも、
寝床
(
ねどこ
)
の中のぬくもりのほうがはるかにたいせつだったのだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そうしてみると、
床
(
ゆか
)
の上にたおれているおばあさんは、きっと死んでいるのにちがいありません。おそらく、
寝床
(
ねどこ
)
にはいるひまもなく、急にたおれてしまったものでしょう。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
朝日が強く差し込む
室
(
へや
)
なので、看護婦を相手に、
寝床
(
ねどこ
)
を影の方へ移す手伝もさせられた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“寝床”の解説
寝床(ねどこ)は古典落語の演目。別題に寝床義太夫(ねどこぎだゆう)、寝床浄瑠璃(ねどこじょうるり)、素人義太夫(しろうとぎだゆう)、素人浄瑠璃(しろうとじょうるり)。原話は、嘉永5年板の『醒睡笑』や安永4年の笑話本『和漢咄会』の一遍『日待』など、多くの江戸小咄に見られる。元々は『寝床浄瑠璃』という上方落語の演目で、明治中期に東京へ移入された。
(出典:Wikipedia)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
床
常用漢字
中学
部首:⼴
7画
“寝床”で始まる語句
寝床の朝飯