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和睦
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わぼく
ふりがな文庫
“
和睦
(
わぼく
)” の例文
源氏の縁坐で
斯様
(
かやう
)
の事も出来たのであるから、
無暗
(
むやみ
)
に将門を
悪
(
にく
)
むべくも無い、一族の事であるから
寧
(
むし
)
ろ
和睦
(
わぼく
)
しよう、といふのである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「それで、その、わたしの考えではね、どうしてもこれは、その、共同一致、団結、
和睦
(
わぼく
)
の、セイシンで、やらんと、いかんね。」
クねずみ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ベンヺ いや、これは
和睦
(
わぼく
)
させうためにしたことぢゃ。
劍
(
けん
)
を
藏
(
をさ
)
めい、でなくば、
其
(
その
)
劍
(
けん
)
を
以
(
もっ
)
て
予
(
わし
)
と
共
(
とも
)
に、こいつらを
引分
(
ひきわ
)
けておくりゃれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
秀吉は、変を知ると、中国高松城の水攻めを、毛利家との
和睦
(
わぼく
)
に中止して、疾風のごとく陣を返し、山崎の一戦に、光秀を
葬
(
ほうむ
)
り去った。
日本名婦伝:太閤夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛行機は、あのとおり無惨な姿になってしまったから、いくら暴れても、この島を
脱
(
のが
)
れることは出来ないだろう。どうだ。
和睦
(
わぼく
)
せぬか。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
▼ もっと見る
世の中に
活
(
い
)
きながら世の中との縁が切れてしまうのだ。木村との婚約で世の中は葉子に対して最後の
和睦
(
わぼく
)
を示そうとしているのだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
和睦
(
わぼく
)
するときには、ただ握手するのにさえ夢中になりすぎて、今まで争っていたものをすっかり敵にせしめられてしまいがちだ。
ジョン・ブル
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
弾正政高の病死したのを好機会に、室町殿の扱いがあって双方とも永年の意趣を水に流し、
和睦
(
わぼく
)
のしるしとして婚儀が成立したのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
死はいかなる敵をも
和睦
(
わぼく
)
させると言ふではないか。であるのに、死んだ後までも
猶
(
なほ
)
その死骸を葬るのを拒むとは、何たる情ない心であらう。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「いや、こっちへ来ないんだろう。僕の考えでは、むしろ喜んでいて、今に汽笛を鳴らして通ると思うな。
和睦
(
わぼく
)
の汽笛を」
汽笛
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
そのうち合戦も止めになり双方
和睦
(
わぼく
)
ともなったる際には、吾ら必ずそなたを連れて、木曽へ参るでござろうほどに……
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その間もトウルゲネフは、相手の顔色を
窺
(
うかが
)
ひながら、少しでも其処に好意が見えれば、すぐに
和睦
(
わぼく
)
する
心算
(
つもり
)
だつた。
山鴫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この戦は十二月十七日に
和睦
(
わぼく
)
となり、いったん両軍は兵をおさめたけれども、あくる元和元年五月ふたたび開戦となった、すなわち夏の陣がこれである。
青竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
旅宿は狹けれど、猶おん身が憩はん程の
房
(
へや
)
はあるべし。をぢ君の性急なるはおん身も兼ねて知れるならずや。この
和睦
(
わぼく
)
をばわれ誓ひて成し遂ぐべしといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし二人は
直
(
ただち
)
にまた
和睦
(
わぼく
)
する。女道士仲間では、こう云う風に親しくするのを対食と名づけて、
傍
(
かたわら
)
から
揶揄
(
やゆ
)
する。それには
羨
(
せん
)
と
妬
(
と
)
とも
交
(
まじ
)
っているのである。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
きょうはその意地の悪い詞が出ないので、女は感謝しなくてはならないように思った。きょうの男の優しさには、
和睦
(
わぼく
)
するような、恩恵を施すような
趣
(
おもむき
)
があった。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
卯平
(
うへい
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
煙管
(
きせる
)
を
口
(
くち
)
にして
沈默
(
ちんもく
)
した。
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
は
勘次
(
かんじ
)
を
卯平
(
うへい
)
の
狹
(
せま
)
い
戸口
(
とぐち
)
に
導
(
みちび
)
いた。
勘次
(
かんじ
)
は
平常
(
いつも
)
ならば
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
から
決
(
けつ
)
して
形式的
(
けいしきてき
)
な
和睦
(
わぼく
)
を
希望
(
きばう
)
しなかつた
筈
(
はず
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
で、その時始めて確かに各国連合軍が北京を陥れ、皇帝はいずれへか難を避け、やがて
和睦
(
わぼく
)
が
調
(
ととの
)
うたその結果こういう
詔勅
(
しょうちょく
)
を発せられたものであるということが分った。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「シナの時勢にかんがみておたがいに
和睦
(
わぼく
)
したのにきさまはなんだ」と
鹿毛
(
しかげ
)
がいった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
この戦争に、シナで人命を失うもの百万人、シナの港々は言うに及ばず、
南京
(
ナンキン
)
の都まで英国に乗っ取られ、
和睦
(
わぼく
)
を求めるためにシナより英国へ渡した償金は
小判
(
こばん
)
にして五百万枚にも及んだ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「マア、やっと……江戸を出てから今まで、ほんとうに気が気ではございませんでした。でも、丹波と
和睦
(
わぼく
)
をされたとのこと、これからは道場も平穏、こんなうれしいことはございません」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その後、家康が秀吉と
和睦
(
わぼく
)
したので、昌幸も地勢上、家康と和睦した。
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
和睦
(
わぼく
)
が出来るくらいに考えていまして、大谷さんがはじめて私どもの店にあらわれた時にも、たしか、
久留米絣
(
くるめがすり
)
の着流しに二重廻しを引っかけていた筈で、けれども、それは大谷さんだけでなく
ヴィヨンの妻
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
榮燿
(
ええう
)
に
暮
(
くら
)
すやに
相見
(
あひみ
)
え
候
(
さふらふ
)
、さるにても
下男
(
げなん
)
下女
(
げぢよ
)
どもの
主人
(
しゆじん
)
を
惡
(
あし
)
ざまに
申
(
まを
)
し、
蔭言
(
かげごと
)
を
申
(
まを
)
さぬ
家
(
いへ
)
とては
更
(
さら
)
になく、また
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
相親
(
あひしたし
)
み、
上下
(
しやうか
)
和睦
(
わぼく
)
して
家内
(
かない
)
に
波風
(
なみかぜ
)
なく、
平和
(
へいわ
)
に
目出度
(
めでた
)
きところは
稀
(
まれ
)
に
候
(
さふらふ
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ソレで錨は薩摩の手に
這入
(
はいっ
)
たが、二万五千
磅
(
ポンド
)
の金を渡して
和睦
(
わぼく
)
をしたその時に、英人が手軽に錨を
還
(
かえ
)
して貰いたいと云うと、
易
(
やす
)
い事だと
云
(
いっ
)
て何とも思わずに
古鉄
(
ふるがね
)
でも渡す積りで返して
仕舞
(
しまっ
)
た様子だが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
成経 (
和睦
(
わぼく
)
と
愛憐
(
あいれん
)
の表情をもって)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
したが、こゝな
浮氣者
(
うはきもの
)
、ま、
予
(
わし
)
と一しょに
來
(
き
)
やれ、
仔細
(
しさい
)
あって
助力
(
ぢょりき
)
せう、……
此
(
この
)
縁組
(
えんぐみ
)
が
原
(
もと
)
で
兩家
(
りゃうけ
)
の
確執
(
かくしつ
)
を
和睦
(
わぼく
)
に
變
(
か
)
へまいものでもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
愚おもえらく、営中の事は事大小となく、ことごとくこれに
諮
(
はか
)
らば、かならずよく行陣をして
和睦
(
わぼく
)
し、優劣をして、所を得しめん。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「恨みがあると云うではなし、
和睦
(
わぼく
)
しようとならば和睦もしよう。義兄弟の約を結ぶことは、互いに素姓を明かした上で、また改めて致すと致そう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
関白の命を
蒙
(
こうむ
)
って仙道の諸将との争を
和睦
(
わぼく
)
させようと存じたが、承れば今度和議が成就した由、今後
復
(
また
)
合戦沙汰になりませぬよう有り度い、と云って来た。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
村の人々、無情なる村の人々、死しても
猶
(
なほ
)
和睦
(
わぼく
)
する事を
敢
(
あへ
)
てせぬ程の
冷
(
ひやゝ
)
かなる村の人々の心! この冷かなる心に向つて、重右衛門の霊は何うして和睦せられよう。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
武田の
滅
(
ほろ
)
びた天正十年ほど、徳川家の運命の
秤
(
はかり
)
が
乱高下
(
らんこうげ
)
した年はあるまい。
明智光秀
(
あけちみつひで
)
が不意に起って信長を討ち取る。
羽柴秀吉
(
はしばひでよし
)
が
毛利
(
もうり
)
家と
和睦
(
わぼく
)
して
弔合戦
(
とむらいがっせん
)
に取って返す。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
和睦
(
わぼく
)
もへちまもあるものか、きさまはおれの貴重な鼻をガンと打ったね」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
娘は籠の内なる丸の有らん限を我頭に
擲
(
な
)
げ付け、續いて籠を擲げ付けしに、われ驚きて
跳
(
をど
)
り下るれば、車ははや彼方へ進み、
和睦
(
わぼく
)
のしるしなるべし、娘のうしろざまに投じたる花束一つ我掌に留りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
……そして、社長はこんども妻君とうまく
和睦
(
わぼく
)
したらしかった。
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
降伏は受け難いが、
和睦
(
わぼく
)
を結ぶなれば悪しかるまじ、その代りに、自分は
質子
(
ちし
)
として、筒井家に
留
(
とど
)
まる——という存念と相見える
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「飾り玉を百個くれるなら敵の土人と
和睦
(
わぼく
)
して、火事を消し止めてお目にかけるとこの酋長が云っているのです」
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
チッバ
何
(
なん
)
ぢゃ、
拔
(
ぬ
)
いてゐながら、
和睦
(
わぼく
)
ぢゃ!
和睦
(
わぼく
)
といふ
語
(
ことば
)
は
大嫌
(
だいきら
)
ひぢゃ、
地獄
(
ぢごく
)
ほどに、モンタギューの
奴等
(
やつら
)
ほどに、
汝
(
うぬ
)
ほどにぢゃ。
卑怯者
(
ひけふもの
)
め、
覺悟
(
かくご
)
せい!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
戦乱の世というものは何時も其下と其上と
和睦
(
わぼく
)
し難いような事情が起ると、第三者が
窃
(
ひそ
)
かに其下に助力して其主権者を
逐落
(
おいおと
)
し、そして其土地の主人となって
終
(
しま
)
うのである。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
相変わらず小さい争闘と小さい
和睦
(
わぼく
)
との刻々に交代する、にぎやかな生活を続けている。
最後の一句
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
今日、それがしを向けて、あなたに
和睦
(
わぼく
)
を乞わしめようとする曹操の本志は、和議にあらず、ただ民心の
怨嗟
(
えんさ
)
を
転嫁
(
てんか
)
せんための
奸計
(
かんけい
)
です。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿論彼らは丹生川平と、戦いをするために来たのではなくて、
和睦
(
わぼく
)
するために来たのであった。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
是
(
これ
)
皆
一切経
(
いっさいきょう
)
にもなき一体の風流仏、珠運が刻みたると同じ者の千差万別の
化身
(
けしん
)
にして少しも相違なければ、拝みし者
誰
(
たれ
)
も彼も一代の
守本尊
(
まもりほんぞん
)
となし、信仰
篤
(
あつ
)
き時は子孫
繁昌
(
はんじょう
)
家内
和睦
(
わぼく
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
たったいま調印交換をすましたばかりの
和睦
(
わぼく
)
などは、頭のうちから消し飛ばして、陣々の諸士も、
囂々
(
ごうごう
)
と
私議紛説
(
しぎふんせつ
)
を放ちあい
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どんな人物がやって来るか、相手の使者の人物次第で戦いとなるか
和睦
(
わぼく
)
となるか……」
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
秀吉に致されて
直
(
じき
)
に
和睦
(
わぼく
)
して終ったり、又父の本能寺の変を鬼頭内蔵介から聞かされても嘘だろう位に聞いた程のナマヌル魂で、彼の無学文盲の佐々成政にさえ見限られたくらいの者ゆえ
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「先頃から両軍のあいだに、
和睦
(
わぼく
)
の内談がすすめられ、
愚衲
(
ぐのう
)
がその
折衝
(
せっしょう
)
に当って、数次、羽柴方と会見しておりましたが」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……しかし俺はどうあっても一度は
彼奴
(
きゃつ
)
を取って押え、思い知らせてくれなければならない。
和睦
(
わぼく
)
も同盟もその後の事だ。今度の企ては失敗ながら俺にとってはいい経験であった
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
石川数正は、
和睦
(
わぼく
)
成立の祝使として、酒井忠次とともに、桑名へ行った。そして信雄に会い、また、
縄生
(
なおう
)
の秀吉を訪れて
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここにおられるこのお方がきっと俺達二人の者を
和睦
(
わぼく
)
させてくださるに相違ない。——さっき俺達は喧嘩したねえ。そしてもう俺は逢わぬと云ってお前の所から飛び出して行った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“和睦”の意味
《名詞》
和 睦(わぼく)
争いを止め仲直りすること。
(出典:Wiktionary)
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
睦
常用漢字
中学
部首:⽬
13画
“和”で始まる語句
和
和尚
和蘭
和泉
和子
和蘭陀
和歌
和女
和郎
和琴