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協
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かな
ふりがな文庫
“
協
(
かな
)” の例文
深く且つ
牢
(
かた
)
き基礎を有せり、進歩も若し此れに
協
(
かな
)
はざるものならば進歩にあらず、退守も若し此れに
合
(
あは
)
ざるものならば退守にあらず。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
けれども、まだ初心のこととて、自分の腕に
協
(
かな
)
いそうなものでなければ手が附きません。そこで思い附いて彫り出したのが鼠であった。
幕末維新懐古談:17 猫と鼠のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
それは連絡をとっている松山藩の老職から思わしい知らせがなく、いつになったら望みが
協
(
かな
)
えられるか段だん不安になりだしたからだ。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ああ嬉しや、私は本望が
協
(
かな
)
った。貴下に逢えば
死
(
しん
)
でも
可
(
い
)
い。と握りたる手に力を籠めぬ。何やらん仔細あるべしと、泰助は深切に
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そなたはしきりに
先刻
(
さっき
)
から
現世
(
げんせ
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して、
悲嘆
(
ひたん
)
の
涙
(
なみだ
)
にくれているが、
何事
(
なにごと
)
がありても
再
(
ふたた
)
び
現世
(
げんせ
)
に
戻
(
もど
)
ることだけは
協
(
かな
)
わぬのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
今までのは
忽
(
たちま
)
ちにして起り、忽ちにして消えても、それは音律に
協
(
かな
)
った音調。今度のは市人が路傍でガヤガヤと騒ぎ出したのです。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
又
只管
(
ひたすら
)
彼女に智力と天才とを認むるばかりで女子の天性を覚醒することをあやまるが如き男子も等しく彼女に
協
(
かな
)
はざる者である。
婦人解放の悲劇
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
その望みが
協
(
かな
)
って、此程、僅かな日数ではあったが、其処に滞在して、一種の渇望を満たすことが出来たのは、此上ない幸福でありました。
「奈良」に遊びて
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
殊にお
掛屋
(
かけや
)
の株を買って多年の心願の一端が
協
(
かな
)
ってからは木剣、
刺股
(
さすまた
)
、
袖搦
(
そでがらみ
)
を玄関に飾って威儀堂々と構えて
軒並
(
のきなみ
)
の町家を
下目
(
しため
)
に見ていた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
丸井は火鉢の上に身を
屈
(
かが
)
めつゝ「ぢや、先生、其の
兼吉
(
かねきち
)
と云ふのは、恋の
協
(
かな
)
はぬ意趣晴らしツてわけでは無かつたんでげすナ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ここの人への心づかひのみならば、郵便もあめれど、それすら
独
(
ひとり
)
出づること稀なる身には、
協
(
かな
)
ひがたきをおもひやり玉へ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と詠じし心に
協
(
かな
)
ひしは實に此半四郎のこと成べし茲に
其素性
(
そのすじやう
)
を尋るに
元
(
もと
)
讃州丸龜在高野村の百姓半左衞門と云者二人の
悴
(
せがれ
)
を
持
(
もて
)
り兄を半作と
號
(
よび
)
弟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一 道を
同
(
おなじう
)
し義相
協
(
かな
)
ふを以て
暗
(
あん
)
に集合せり、故に此理を益
研究
(
けんきう
)
して、道義に於ては一身を不
レ
顧
ミ
、必ず
踏
(
ふみ
)
行ふべき事。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
枝のしなやかなる、葉のこは/\しからぬ、花のおもむきに
協
(
かな
)
ひて憎からず。この花を位無しとは我もおもへ、あはれげ無しとは人も云はざらん。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
子遠もし
能
(
よ
)
く同志と
議
(
はか
)
り内外志を
協
(
かな
)
え、この事をして少しく端緒あらしめば、吾の志とする所もまた荒せずというべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
単なるドグマに捕えられず、
飽
(
あく
)
まで合理的に真理を求めんとする
心掛
(
こころがけ
)
——それでなければ
神慮
(
しんりょ
)
には
協
(
かな
)
わない。われ等は心から、そうした態度を歓迎する。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
爾は自己に
協
(
かな
)
へる衣を択び自己の詩想を発揮すべき詩形を択べ、爾自己のを歌へ、古人の蘇言機たること勿れ。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
多少の弊害の出現に逡巡しては進歩発達の事業は何一つ手が出せない。国家社会の発達に必要なりとすれば、ドンドンその目的に
協
(
かな
)
う方法を採るべきである。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
さて、右の如く人民の迷惑も大ならず、且神慮にも
協
(
かな
)
ひさうな地が見たてられて後、第一に起るべき問題は、何を以て神案内の目標とするかと言ふことである。
髯籠の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
然れども思え、いたずらに哭して
慟
(
どう
)
して、墓前の花に
灑
(
そそ
)
ぎ尽したる我が
千行
(
せんこう
)
の
涙
(
なんだ
)
、果して慈父が泉下の心に
協
(
かな
)
うべきか、いわゆる「父の
菩提
(
ぼだい
)
」を
吊
(
とむら
)
い得べきか。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それには
渡左衛門尉
(
わたるさえもんのじょう
)
を、——
袈裟
(
けさ
)
がその愛を
衒
(
てら
)
っていた夫を殺そうと云うくらい、そうしてそれをあの女に
否応
(
いやおう
)
なく承諾させるくらい、目的に
協
(
かな
)
った事はない。
袈裟と盛遠
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されどわが姫を悦ぶ心はこれがために
毫
(
すこ
)
しも減ぜず。この
穉
(
をさな
)
き振舞は
却
(
かへ
)
りてあやしく我心に
協
(
かな
)
ひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何故かといふに彼女の精彩ある眼を見るものは、それをあの好色漢の趣味にのみ
協
(
かな
)
ふ媚を帯びたどんよりとした羚羊の眼に代へたらなどと思ふ筈もあるまいからである。
吸血鬼
(新字旧仮名)
/
ジョン・ウィリアム・ポリドリ
(著)
北村君は又芝公園へ移ったが、
其処
(
そこ
)
は紅葉館の裏手に
方
(
あた
)
る処で、土地が高く樹木が欝蒼とした具合が、北村君の性質によく
協
(
かな
)
ったという事は、書いたものの中にも出ている。
北村透谷の短き一生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
秋宵只一人の為めに長く孤愁は時に甚だ堪ふべからず。つれづれのあまり旧稿を思ひ出でて再び見んことを願へども
協
(
かな
)
はず。
蓋
(
けだ
)
し転々たるわが流寓のうちに失はれたるなり。
我が一九二二年:02 我が一九二二年
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
ふたつながらに師のめがねに
協
(
かな
)
って、やがてその一人むすめを恋妻に、二代法外を名乗って弓削家へ養子にはいろうとしている伴大次郎と、おんなの
誠心
(
まこと
)
のすべてを捧げて
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
もしそういう人があったなら、その人は一つ一つの出来事に、それに
協
(
かな
)
った尺度を持って行って当てるわけではないでしょうか。無意識にそれに協った尺度を当てるのですね。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
そしてそれに
協
(
かな
)
った幾つかの
規矩準繩
(
きくじゅんじょう
)
を作って
只管
(
ひたすら
)
にそれを実行しようとしておる。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
天を敬うのもまた道徳の立場においてである。天を敬いさえすれば福を得る、というのではなく、道に
協
(
かな
)
いさえすれば天に
嘉
(
よみ
)
される、というのである。ここに思想史上の革新がある。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
吁々、
協
(
かな
)
はずば世を捨てんまで我を思ひくれし人の情の程こそ中々に有り難けれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
望みを
協
(
かな
)
えてくれねば重信の一子を殺害するとていい寄った浪人磯貝浪江は思いを遂げてのち正直の下僕正介を脅かして手引きをさせ、ついに落合の蛍狩の夜重信をも暗殺してしまった。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
協
(
かな
)
わぬのぞみを無理に
徹
(
とお
)
そうとしているのでしょうか、開拓使が、もし、夷人のお雇い教師一人に一万ドルを支払うというのならば——ですよ、同じ日本人である身どもらに、一人ではない
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
正当なる結婚の下に夫婦となり、正当なる父母の間に子女を教育してこそ文明人の根本精神に
協
(
かな
)
うのですが、その位の事理は今更識者の注意を受けなくても只今の女子は十分に知っております。
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
基督が「十字架を取りて我に従はざる者は我に
協
(
かな
)
はざる者なり」
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
「どうです、まだ任せられませんか、もう理屈は尽きてるから、理屈は抜きにして、それでも親の
掟
(
おきて
)
に
協
(
かな
)
わない子だから捨てるというなら、この薊に拾わしてください。さあ土屋さん、何とかいうてください」
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
かのハドソンの河口に立つ自由の女神の精神に
協
(
かな
)
う
大大阪のれいめい
(新字新仮名)
/
安西冬衛
(著)
念力
(
ねんりき
)
は
無論
(
むろん
)
大切
(
たいせつ
)
で、
念力
(
ねんりき
)
なしには
小雨
(
こさめ
)
一
(
ひと
)
つ
降
(
ふ
)
らせることもできぬが、しかしその
念力
(
ねんりき
)
は、
何
(
なに
)
は
措
(
お
)
いても
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
さだめ
)
に
協
(
かな
)
うことが
肝要
(
かんよう
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
彼処
(
あそこ
)
へ避難所を
拵
(
こさ
)
いて置いて、
率
(
い
)
ざといえば直ぐ逃げ出す用意はしていた。アナーキストでも地震の威力には
協
(
かな
)
わない、」
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
幼君
(
えうくん
)
其時
(
そのとき
)
「これにてよきか」と
彼
(
か
)
の
者
(
もの
)
に
尋
(
たづ
)
ねたまへり。「
天晴
(
あつぱれ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
く
候
(
さふらふ
)
」と
只管
(
ひたすら
)
に
賞
(
ほ
)
め
稱
(
たゝ
)
へつ。
幼君
(
えうくん
)
かさねて、「いかに
汝
(
なんじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
協
(
かな
)
へるか、」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わが邦にては
旧
(
ふる
)
きよしみある人をとて、
御使
(
おんつかい
)
撰
(
えら
)
ばるるやうなる
例
(
ためし
)
なく、かかる任に当るには、別に履歴なうては
協
(
かな
)
はぬことを、知ろしめさぬなるべし。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
源兵衛はほくほくもので、「その方ほどの婿を持って家中への面目、わしにできる事なれば何でも
協
(
かな
)
えてやるぞ」
入婿十万両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何の御遠慮が御座いませう、
是
(
こ
)
ればかりは御自分の御気に
協
(
かな
)
うたのでなければ
末始終
(
すゑしじゆう
)
の見込が立たぬので御座いますから、——奥様は何と
仰
(
おつ
)
しやらうとも
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼翁汝がおとなしきを見て、娘にも逢はせんをり、汝我がために娘に説かば、我戀何ぞ
協
(
かな
)
はざることを憂へん。されど此手段を行はんには、決して時機を失ふべからず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
という句を得たまいて、ひそかに
御懐
(
ぎょかい
)
に
協
(
かな
)
いたるよう
思
(
おぼ
)
したまいたる時、文時もまた句を得て
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
民本主義の理想には
協
(
かな
)
わないものであるけれども、外に致し方がないから止むを得ずこれによって居るものと見るべきや、あるいはまた他の方面からの証明の結果として
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
当時の急務は外国との交際を講明しないでは
協
(
かな
)
わないとの趣意に出たものであった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小松殿
逝去
(
せいきよ
)
と聞きては、それも
協
(
かな
)
はず、
御名殘
(
おんなごり
)
今更
(
いまさら
)
に
惜
(
を
)
しまれて、其日は一日
坊
(
ばう
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
りて、内府が平生など思ひ出で、
𢌞向三昧
(
ゑかうざんまい
)
に餘念なく、夜に入りては讀經の聲いと
蕭
(
しめ
)
やかなりし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
この時、幕府、夷書を下して言路を開く。余、同志と議し、
苟
(
いやし
)
くも二、三の名侯心を
協
(
かな
)
え力を
戮
(
あわ
)
せ、正義を発し俗説を排するもの有らば、則ち天下の論定まらんと。しばしばこれを政府に
言
(
もう
)
す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
此方
(
こつち
)
からして金まで付
離縁
(
りえん
)
なしたる其
情
(
なさ
)
けは
結句
(
けつく
)
此身の
仇
(
あだ
)
となり役人
衆
(
しう
)
の詞にも
所詮
(
しよせん
)
存命
(
ぞんめい
)
協
(
かな
)
はぬと云れしなれば此
覺悟
(
かくご
)
然
(
され
)
ど其方は此事の御
咎
(
とがめ
)
はよも有まい程に御所刑濟ば
田畑
(
でんばた
)
居屋敷
(
ゐやしき
)
家作
(
かさく
)
家財
(
かざい
)
は其方へ下さるゝで有うゆゑ殘らず其を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
何
(
なん
)
なりとも
氣
(
き
)
に
協
(
かな
)
ひたるを、
飽
(
あく
)
まで
食
(
しよく
)
すべし」と
強附
(
しひつ
)
け/\、
御菓子
(
おんくわし
)
、
濃茶
(
こいちや
)
、
薄茶
(
うすちや
)
、などを
籠中
(
かごのなか
)
所
(
ところ
)
狹
(
せま
)
きまで
給
(
たま
)
はりつ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
協
常用漢字
小4
部首:⼗
8画
“協”を含む語句
協奏曲
協力
妥協
協議
妥協案
妥協的
協同作業
対外文化連絡協会
全露農民作家協会
協力一致
協同
国防飛行協会
赤色陸海軍文学協会
大協奏曲
国際文化連絡協会
和協
国防飛行化学協会
国防科学協会
和衷協同
和合協力
...