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邪魔
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じゃま
ふりがな文庫
“
邪魔
(
じゃま
)” の例文
原
(
はら
)
っぱには、
木
(
き
)
がなかったから、
日
(
ひ
)
がよく
当
(
あ
)
たって、そのうえ、
邪魔
(
じゃま
)
になるものもないので、すこしの
風
(
かぜ
)
でもたこはよく
上
(
あ
)
がりました。
西洋だこと六角だこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「はい、あの、私もそれを承りましたので、お帰りになりません
前
(
さき
)
と存じまして、お宿へ、
飛
(
とん
)
だお
邪魔
(
じゃま
)
をいたしましてございますの。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼎造のいわゆるよその雄で鼎造から好意を受けている青年が三人は
確
(
たしか
)
にいて、金
釦
(
ボタン
)
の制服で出入りするのが、復一の眼の
邪魔
(
じゃま
)
になった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
私はその間ここにいては
邪魔
(
じゃま
)
になるから、例の小説の資料を採訪すべく、五六日の予定で
更
(
さら
)
に深く吉野川の源流地方を
究
(
きわ
)
めて来る。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
実にこの歌の通り大小となく仕事するものは、必ず
何人
(
なんぴと
)
かに
怨
(
うら
)
みを受けるものである。いわゆる人から
邪魔
(
じゃま
)
に思われるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
それ等のものはしかし、私にとってはその村の風景のなかに完全に
雑
(
まじ
)
り込んで見えるので、少しも私のそういう思い出を
邪魔
(
じゃま
)
しなかった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
おせい様をたぶらかしつづけて、もっと金を吐き出させることができたのに、途中から
邪魔
(
じゃま
)
がはいって計画がこわれたのが残念であった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
采女という
邪魔
(
じゃま
)
外道
(
げどう
)
をなんとか片付けてしまわなければ、姫と山名との縁談がなめらかに進行しないのは判り切っているので
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ホホホホホ、大きな声をお出しでない、
隣家
(
おとなり
)
の
児
(
こ
)
が起きると
内儀
(
おかみさん
)
の内職の
邪魔
(
じゃま
)
になるわネ。そんならいいよ買って来るから。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いや、いつも余り長く
邪魔
(
じゃま
)
してもすまないから……、それに今日は少し用もあるので、九時ので帰ろうかと思っている。」
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「もう
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
ですね。
邪魔
(
じゃま
)
ものは追っ払ったから」
正
(
まさ
)
しく野だの声である。「強がるばかりで策がないから、仕様がない」これは赤シャツだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雲は大へんきれいだったし
邪魔
(
じゃま
)
もあんまりなかったけれどもほんとうにさびしかったねえ、朝鮮から僕は又東の方へ西風に送られて行ったんだ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
促
(
うなが
)
し「玉江や、モー十二時だよ」玉江「オヤマア、大変にお
邪魔
(
じゃま
)
をしましたね」と遂に両人とも
暇
(
いとま
)
を告げて辞し去りぬ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかるに
彼
(
かれ
)
は
毎晩
(
まいばん
)
眠
(
ねむ
)
らずして、
我儘
(
わがまま
)
を
云
(
い
)
っては
他
(
ほか
)
の
患者等
(
かんじゃら
)
の
邪魔
(
じゃま
)
をするので、
院長
(
いんちょう
)
のアンドレイ、エヒミチは
彼
(
かれ
)
を六
号室
(
ごうしつ
)
の
別室
(
べっしつ
)
へ
移
(
うつ
)
したのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
マシュウ・パッカアという男が
細君
(
さいくん
)
相手に小さく経営している。狭い土間に果実が山のように積んであるので、店へ客がはいってくると
邪魔
(
じゃま
)
になる。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
そのほかの仕事というたら、夫の仕事の助けをするのか
邪魔
(
じゃま
)
をするのか知らんが、
喧
(
やかま
)
しく言立てるのが仕事なんです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「みなさん、お食事中ですが、至急おしらせして置かなければならないことがありますので、お
邪魔
(
じゃま
)
に伺いました」
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お敏さんは神を下された時に、君たち二人の恋の
邪魔
(
じゃま
)
をすれば、あの婆の命に関ると、繰返し繰返し云ったそうだ。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あなたの
事
(
こと
)
はかねて
滝
(
たき
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
さんから
伺
(
うかが
)
って
居
(
お
)
ります……。ではお
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ってこれからお
邪魔
(
じゃま
)
を
致
(
いた
)
そうか……。
雛子
(
ひなこ
)
、この
姨
(
おば
)
さまに
御挨拶
(
ごあいさつ
)
をなさい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
どうかして
夫
(
おっと
)
の
財産
(
ざいさん
)
を
残
(
のこ
)
らず
自分
(
じぶん
)
の
娘
(
むすめ
)
にやりたいものだが、それには、この
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
が
邪魔
(
じゃま
)
になる、というような
考
(
かんが
)
えが、
始終
(
しじゅう
)
女
(
おんな
)
の
心
(
こころ
)
をはなれませんでした。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
こうしてこの
太子
(
たいし
)
のお
力
(
ちから
)
で、いろいろの
邪魔
(
じゃま
)
を
払
(
はら
)
って、
仏
(
ほとけ
)
さまのお
教
(
おし
)
えがずんずんひろまるようになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
負けないまでも裁判事件のために半年位の時間はそのために
邪魔
(
じゃま
)
をされる。フローベルのボワリイ夫人が
仏蘭西
(
フランス
)
で裁判になった時は半年位かかって解決した。
国民性の問題
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「水泳の
達人
(
たつじん
)
は、自由に水の中を泳ぎまわる。水はその人にとって決して
邪魔
(
じゃま
)
ではない。それどころか……」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その時、あの短刀は、ふとんの
襟
(
えり
)
が
邪魔
(
じゃま
)
になって、見えなかったけれど、あたしはもう無我夢中だった。
断崖
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もとより、ほんの小城にすぎないが、清洲と長島との
脈絡
(
みゃくらく
)
を中断するには、いかにも
邪魔
(
じゃま
)
な地点にある。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まあ、
邪魔
(
じゃま
)
しないでちょうだい。とにかく、すばらしい舞踏会なの。お客も
大勢
(
おおぜい
)
いて、それがみんな若くて、立派で、
勇敢
(
ゆうかん
)
で、みんな
夢中
(
むちゅう
)
で女王様に
恋
(
こい
)
しているの
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
壁の石が
湿気
(
しっけ
)
を帯びて光っている。にんじんの髪の毛は、
天井
(
てんじょう
)
をこするのだ。彼はそこにいると自分の
家
(
うち
)
にいる気がし、そこでは
邪魔
(
じゃま
)
っけな
玩具
(
おもちゃ
)
なんかいらない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「わたしも伯母さんに御相談していただきたいことがありますから、お
差支
(
さしつか
)
えなければ、お
邪魔
(
じゃま
)
にあがりましょう。ねえ与八さん、この方はわたしの伯母さんなの」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしてまもなく、
泳
(
およ
)
いだり、
潜
(
くぐ
)
ったり
出来
(
でき
)
る
様
(
よう
)
な
水
(
みず
)
の
辺
(
あた
)
りに
来
(
き
)
ましたが、その
醜
(
みにく
)
い
顔容
(
かおかたち
)
のために
相変
(
あいか
)
らず、
他
(
ほか
)
の
者達
(
ものたち
)
から
邪魔
(
じゃま
)
にされ、はねつけられてしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「松風が
邪魔
(
じゃま
)
をしそうな所で、よくそんなにお
稽古
(
けいこ
)
ができたものですね、うらやましいことですよ」
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「そのような
椋鳥
(
むくどり
)
が飛び込んで参ったとすれば、ほかの女共がいては
邪魔
(
じゃま
)
じゃ。下げい。下げい。残らずいつものあの部屋へ閉じこめて、早うその小娘これへ連れい」
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「そんな事もあるだろうが、本当のところは、あの祝言の
邪魔
(
じゃま
)
をしている人間があるんだ」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
作ってある麦は、墓の向うの
所謂
(
いわゆる
)
賭博
(
とばく
)
の宿の麦であった。彼は其一部を買って、
邪魔
(
じゃま
)
になる部分はドシ/\青麦をぬいてしまい、果物好きだけに何よりも先ず水蜜桃を植えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「いくら今夜が闇の夜でも、誰かその辺に立ち聞きでもしてせっかくの
工夫
(
たくらみ
)
を
邪魔
(
じゃま
)
されては骨折り損でございますゆえ、
穢
(
きたな
)
いけれど私の
住居
(
すまい
)
でお話しようではございませんか」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で主人は、このお客はきっと、自分の
稼業
(
かぎょう
)
の
邪魔
(
じゃま
)
しようとしてこんなことを言うのだろうと思いました。で、やっぱり前夜と同じように腹を立てて、大きな声で言い返しました。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
一男がもう一度、板張の上に帰って来て、「お
邪魔
(
じゃま
)
しました」と挨拶してからまるで
平地
(
へいち
)
を歩くような様子で急な段階を下りて行く姿を、監督は残り惜しそうな眼で見送っていた。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
……なよたけ! もう、僕達の幸福を
邪魔
(
じゃま
)
するものは何ひとつありはしないんだよ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「
邪魔
(
じゃま
)
しよっとじゃなか!
早
(
は
)
よウおッ母さんのところへ、いんじょれ!」
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「ようござんしょう。お
邪魔
(
じゃま
)
するのも、心ない
仕業
(
しわざ
)
だ。またお前さんの折角の保養を、妨げても気の毒だ。伝七は明日の
午
(
うし
)
の刻頃までは、伺いませんから、どうぞゆっくりしておくんなさい」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「おしつまってお
邪魔
(
じゃま
)
でございましょうが、ほんのしばらく」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
埃
(
ほこり
)
に
噎
(
む
)
せるばかりでは、
却
(
かえっ
)
て
邪魔
(
じゃま
)
にしかならぬ
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「でもお
邪魔
(
じゃま
)
ですかしら?」
華やかな罪過
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「
庭
(
にわ
)
のすみに
植
(
う
)
えてやろう。そう
早
(
はや
)
く
大
(
おお
)
きくなりはしないだろうから、
邪魔
(
じゃま
)
になりはしない。」といって、
庭
(
にわ
)
のすみに
植
(
う
)
えました。
いちじゅくの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
否
(
いいえ
)
、まだ出して上げません。……お話を聞かなくツちや……でないと袖を
啣
(
くわ
)
へたり、乗つたり、
悪戯
(
いたずら
)
をして
邪魔
(
じゃま
)
なんですもの。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私が下生えに
邪魔
(
じゃま
)
をされてなかなか其処まで行くことが出来ずにいると、大きい方の子がその実を少しばかり私のために持って来てくれた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
感情を有することの望ましきを
含
(
ふく
)
ましてある積りだが、ただ感情の入って
邪魔
(
じゃま
)
になるところに、感情を
入
(
い
)
るるべからずというに過ぎぬので
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これは御覧のように生物一ついないのですから
邪魔
(
じゃま
)
もはいらぬだろう、と考えて、まあ月の方をえらんだわけです。
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(そしてお家はまだ
建
(
た
)
たなかったんですね、いやお
食事
(
しょくじ
)
のところをお
邪魔
(
じゃま
)
しました。ありがとうございました。)
十六日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それではお
邪魔
(
じゃま
)
を
致
(
いた
)
しましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
汝
(
てめえ
)
が
未来
(
このさき
)
に持っている果報の
邪魔
(
じゃま
)
はおれはしねえ、
辛
(
つら
)
いと汝
が
(
てめえ
)
がおもうなら辛いつきあいはさせたくねえから。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“邪魔”の解説
『邪魔』(じゃま)は、奥田英朗による日本の小説である。2001年4月に講談社より発刊された。第4回大藪春彦賞受賞作品。2015年にテレビ東京よりテレビドラマ化された。
(出典:Wikipedia)
邪
常用漢字
中学
部首:⾢
8画
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
“邪魔”で始まる語句
邪魔者
邪魔視
邪魔物
邪魔払
邪魔扱
邪魔気
邪魔立
邪魔外道