はづ)” の例文
さしもになかよしなりけれど正太しようたとさへにしたしまず、いつもはづかしかほのみあかめてふでやのみせ手踊てをどり活溌かつぱつさはふたゝるにかたなりける
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はづかしくもなくくこんな莫迦ばかげたことかれたものだ』とグリフォンがしました。彼等かれら雙方さうはうともだまつたまゝすわつてあはれなあいちやんをてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
○一国、一家、一にんを分けてもいはず、金に就て論議の生ずるは、とぼしき時なり、少き時なり、おはづかしくも足らぬ時なり。工夫も然り、有る時にせず、無い時にす。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
ひとまへても、となりへやしのんでゐるときと、あまり區別くべつのないほど落付おちついたをんなだといふこと見出みいだした宗助そうすけは、それからして、御米およねのひつそりしていたのは、穴勝あながちはづかしがつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ほかへはくんぢやねえぞ、えゝか、よきはかさねえやうにしてんだぞ」かれはおつぎへもいつてた。おつぎは其麽そんな注意ちうい人前ひとまへでされることがもうはづかしくいや心持こゝろもちがするやうになつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あはれ、はづかし、このみざま
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
うらはづかしと知りながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たゞ何事なにごとはづかしうのみありけるに、しもあさ水仙すいせんつくばな格子門かうしもんそとよりさしきしものありけり、れの仕業しわざるよしけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らお給仕きふじなくつちやんねえかんねえが、はづかしくつてだな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
日影ひかげよは初冬はつふゆにはまれなるあたゝかさにそろまゝ寒斉かんさいと申すにさへもおはづかしき椽端えんばたでゝ今日こんにちは背をさらそろ所謂いはゆる日向ひなたぼつこにそろ日向ひなたぼつこは今の小生せうせい唯一ゆいいつの楽しみにそろ人知ひとしらぬ楽しみにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
はづかしくもなくけたものですね』とあいちやんがひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
だから横町の野蕃漢じやがたらに馬鹿にされるのだと言ひかけて我が弱いをはづかしさうな顔色かほいろ、何心なく美登利と見合す目つきの可愛かわゆさ。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嫁樣よめさままつとはづかしかつぺな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
又この間のやうに風引かうぞと呼立てられるに、はい今ゆきますと大きく言ひて、その声信如に聞えしをはづかしく、胸はわくわくと上気して
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くるわことばをまちにいふまでりとははづかしからずおもへるもあはれなり、としはやう/\かぞへの十四、人形にんげういてほうずりするこゝろ御華族ごくわぞくのお姫樣ひめさまとてかはりなけれど、修身しうしん講義こうぎ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らねばこそあれ眞實まめやかなることばにうらはづかしく、おもてすこしあかめて、いやとよ病氣びやうきなほりたり、心配しんぱいかけしがどくぞとらずわび言葉ことばに、なにごとのおほせぞ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもひとほどはづかしくおそろしきものはなし、女同志をんなどししたしきにても此人このひとこそとうやまともに、さしむかひてはなにごともはれず、其人そのひと一言ひとこと二言ふたことに、はづかしきはくまではづかしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにかはことごとしてとがめだてなどなさんやは、金村かなむらつまちて、はづかしきことなからずはとおぼせども、さしおきがたき沙汰さたとにかくにかしましく、したしきともなどうちつれての勸告くわんこく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まち人恋ふるねづみなき格子の咒文じゆもん、別れの背中せなに手加減の秘密おくまで、唯おもしろく聞なされて、くるわことばを町にいふまで去りとははづかしからず思へるもあはれなり、年はやうやう数への十四
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
六三ろくさいとまつたくより、こヽろむすぼほれてくることく、さて慈愛じあいふかき兄君あにぎみつみともはでさし置給おきたま勿体もつたいなさ、七万石ひちまんごくすゑうまれておやたまとも愛給めでたまひしに、かはらにおとる淫奔いたづらはづかしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)