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碧
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あを
ふりがな文庫
“
碧
(
あを
)” の例文
空のやうに
碧
(
あを
)
いひろい野原のまんなかに、眼のふちの赤い支那人とたつた二人、荷物を間に置いて向ひあつて立つてゐるのでした。
山男の四月
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
殊に驚くべきは、
碧
(
あを
)
い
珊瑚礁
(
リーフ
)
魚よりも更に幾倍か碧い・想像し得る限りの最も明るい瑠璃色をした・長さ二寸許りの小魚の群であつた。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
リヴァズ氏はやがて本を閉ぢて
卓子
(
テエブル
)
に近づくと席に着いて、その
碧
(
あを
)
い、繪に描いたやうな瞳をまともに私に注いだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
エイア・ブウルからは美しい
碧
(
あを
)
い海が見えた。行つても行つても海である。
掀翻
(
きんぽん
)
し、飛躍し、
奔跳
(
ほんてう
)
する海である。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
仰げば
蓋
(
かさ
)
を張つたやうな樹の翠、
俯
(
うつむ
)
けば碧玉を
溶
(
と
)
いたやうな水の
碧
(
あを
)
、吾が身も心も緑化するやうに思はれた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
あらず、
碧
(
あを
)
く
白
(
しろ
)
き
東雲
(
しのゝめ
)
の
陽
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
に
紅
(
くれなゐ
)
に
冴
(
さ
)
えて、
其
(
そ
)
の
眞黒
(
まつくろ
)
な
翼
(
つばさ
)
と
戰
(
たゝか
)
ふ、
緋
(
ひ
)
の
鷄
(
とり
)
のとさかに
似
(
に
)
たのであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は
無造作
(
むざうさ
)
に笑い飛ばして、縁側に
後
(
うし
)
ろ手を突いたまゝ、空の
碧
(
あを
)
さに見入るのでした。
七夕
(
たなばた
)
も近く天氣が定まつて、毎日々々クラクラするやうなお天氣續きです。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにひき
較
(
くら
)
べて、玉島は冬も温いところであつた。海はいつも異人の眼のやうに、やさしく
碧
(
あを
)
くたたへられ、
陽
(
ひ
)
は入江や、入江をとりかこむ丘の上にみち
溢
(
あふ
)
れた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
机の上には大きな
硯
(
すずり
)
や厚い帳簿や筆立てや算盤がごだ/″\と一杯に置かれてあつた。新聞に蔽はれてゐる
碧
(
あを
)
い藥瓶を搜し出しながら、彼れはふと大谷圓三といふ封筒の文字に目を留めた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
権作老人と立ち別れて篠田は、降り積む雪をギイ/\と
鞋下
(
あいか
)
に踏みつゝ、我が伯母の
孤
(
ひと
)
り住む
粟野
(
あはの
)
の谷へと急ぐ、氷の如き月は海の如き
碧
(
あを
)
き空に浮びて、見渡す限り
白銀
(
しろがね
)
を延べたるばかり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
舷下の水は
碧
(
あを
)
くして油の如し。試みに手をもて探れば、手も亦水と共に碧し。舟の影の水に落ちたるは極て濃き青色にして、
艪
(
ろ
)
の影は濃淡の紋理ある青蛇を畫けり。われは聲を放ちて叫びぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
白い猫の包は、
碧
(
あを
)
い堀割の水に浮きつ沈みつ、しばらく流れてゐました。
黒猫
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
露天掘ま澄みか
碧
(
あを
)
き
空際
(
そらぎは
)
を音とどろきてまだ余寒なり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
碧
(
あを
)
い、噴き出す蒸気のやうに。
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
魚
(
な
)
の腹
碧
(
あを
)
き光を
背
(
せ
)
に負ひつつ
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
目の
碧
(
あを
)
いのも、黄いろいのも
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
此の滴るやうな深い
碧
(
あを
)
さ
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
碧
(
あを
)
きをか寫し留めむ
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
金と
紅宝石
(
ルビー
)
を組んだやうな美しい花皿を
捧
(
ささ
)
げて天人たちが一郎たちの頭の上をすぎ大きな
碧
(
あを
)
や黄金のはなびらを落して行きました。
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
時には寒い
碧
(
あを
)
い色をした小さな沼の
畔
(
ほとり
)
の路に見えた。時には
川添
(
かはぞひ
)
の松原のさびしい中に見えた。かと思ふと、ある小さな町の夕日を受けた
家並
(
やなみ
)
の角に見えた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
渠
(
かれ
)
の
前
(
まへ
)
には、
一座
(
いちざ
)
滑
(
なめら
)
かな
盤石
(
ばんじやく
)
の、
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
、
濃
(
こ
)
き
緑
(
みどり
)
に
碧
(
あを
)
を
交
(
まじ
)
へて、
恰
(
あだか
)
も
千尋
(
せんじん
)
の
淵
(
ふち
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
んだ
平
(
たひら
)
かな
巌
(
いは
)
を、
太陽
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
も
白
(
しろ
)
いまで、
霞
(
かすみ
)
の
満
(
み
)
ちた、
一塵
(
いちぢん
)
の
濁
(
にご
)
りもない
蒼空
(
あをぞら
)
に
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
碧
(
あを
)
い
單衣
(
ひとへ
)
に赤い帶も印象的ですが、それよりもほの白く清らかな頬や、霞む眉や、少し脅えてはゐるが、聰明らしい眼が、
咄嗟
(
とつさ
)
の間ながら、平次に素晴らしい印象を與へてくれたのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雲の色は天と同じく
碧
(
あを
)
かりき。四邊
寂
(
せき
)
として音響なく、天地皆墓穴の靜けさを現ず。われは寒氣の骨に徹するを覺えたり。われは
徐
(
しづ
)
かに頭を
擡
(
もた
)
げたり。我衣は青き火の如く、我手は磨ける
銀
(
しろかね
)
の如し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
マツキンレイはある日の
午
(
ひる
)
過ぎ、
例
(
いつも
)
のやうに友達と散歩に出掛けた。
恰
(
ちやう
)
ど秋の
半
(
なかば
)
頃で、空は女のやうな
碧
(
あを
)
い眼をして笑つてゐた。
市街
(
まち
)
を通る人は皆上機嫌で、自分の事を思ふのに忙がしい風であつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
棟瓦
(
むながはら
)
千石船の
朱
(
しゆ
)
と
碧
(
あを
)
は
正目
(
まさめ
)
仰ぎて深き
雑草
(
あらくさ
)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
瑠璃の
端
(
は
)
ひかり、
碧
(
あを
)
よどみ
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
さうかい。ハッハ。まあいゝよ。あの雲はあしたの朝はもう
霽
(
は
)
れてるよ。ヒームカさんがまばゆい新らしい
碧
(
あを
)
いきものを
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
大波
(
おほなみ
)
に
漂
(
たゞよ
)
ふ
小舟
(
こぶね
)
は、
宙天
(
ちうてん
)
に
搖上
(
ゆすりあげ
)
らるゝ
時
(
とき
)
は、
唯
(
たゞ
)
波
(
なみ
)
ばかり、
白
(
しろ
)
き
黒
(
くろ
)
き
雲
(
くも
)
の
一片
(
いつぺん
)
をも
見
(
み
)
ず、
奈落
(
ならく
)
に
揉落
(
もみおと
)
さるゝ
時
(
とき
)
は、
海底
(
かいてい
)
の
巖
(
いは
)
の
根
(
ね
)
なる
藻
(
も
)
の、
紅
(
あか
)
き
碧
(
あを
)
きをさへ
見
(
み
)
ると
言
(
い
)
ひます。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
家の
中
(
ちう
)
二
階
(
かい
)
は川に臨んで居た。
其処
(
そこ
)
にこれから
発
(
た
)
たうとする一家族が船の準備の出来る間を集つて待つて居た。七月の暑い
日影
(
ひかげ
)
は岸の竹藪に
偏
(
かたよ
)
つて流るゝ
碧
(
あを
)
い瀬にキラキラと照つた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
黄なる
羽
(
はね
)
うち、
碧
(
あを
)
き露
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あの眼の
碧
(
あを
)
い
蜂
(
はち
)
の群は野原ぢゅうをもうあちこちにちらばって一つ一つの小さなぼんぼりのやうな花から火でももらふやうにして
蜜
(
みつ
)
を集めて居りました。
洞熊学校を卒業した三人
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
潭
(
ふち
)
のやうです、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つたら
可
(
い
)
いでせう。……
碧
(
あを
)
とも
淺黄
(
あさぎ
)
とも
薄
(
うす
)
い
納戸
(
なんど
)
とも、……」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たくさんのたくさんの眼の
碧
(
あを
)
い
蜂
(
はち
)
の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交ひながら、一つ一つの小さな桃いろの花に
挨拶
(
あいさつ
)
して
蜜
(
みつ
)
や香料を
貰
(
もら
)
ったり
洞熊学校を卒業した三人
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
……
濃
(
こ
)
き
薄
(
うす
)
き、もみぢの
中
(
なか
)
を、
霧
(
きり
)
の
隙
(
ひま
)
を、
次第
(
しだい
)
に
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
が
添
(
そ
)
つて、
雲
(
くも
)
に
吸
(
す
)
はるゝが
如
(
ごと
)
く、
眞蒼
(
まつさを
)
な
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に
常磐木
(
ときはぎ
)
の
碧
(
あを
)
きがあれば、
其處
(
そこ
)
に、すつと
浮立
(
うきた
)
つて、
音
(
おと
)
もなく
玉
(
たま
)
散
(
ちら
)
す。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
はるかの北上の
碧
(
あを
)
い野原は、今泣きやんだやうにまぶしく笑ひ、向ふの栗の木は、青い後光を放ちました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
このときはもう冬のはじまりであの眼の
碧
(
あを
)
い
蜂
(
はち
)
の群はもうみんなめいめいの
蝋
(
らふ
)
でこさへた六角形の巣にはひって次の春の夢を見ながらしづかに
睡
(
ねむ
)
って居りました。
洞熊学校を卒業した三人
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
光ったり陰ったり、幾重にも畳む丘丘の向ふに、北上の野原が夢のやうに
碧
(
あを
)
くまばゆく
湛
(
たた
)
へてゐます。河が、
春日
(
かすが
)
大明神の帯のやうに、きらきら銀色に輝いて流れました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山男は
仰向
(
あふむ
)
けになつて、
碧
(
あを
)
いああをい空をながめました。
山男の四月
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
“碧”を含む語句
碧玉
碧空
碧緑
碧血
碧梧桐
碧々
碧色
深碧
碧海
淡碧
碧藍
碧眼
金碧
碧瑠璃
碧瑠璃海岸
一碧
紅毛碧眼
碧流
碧眼玉
碧波
...