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一碧
読み方 | 割合 |
いっぺき | 75.0% |
いつぺき | 25.0% |
哨兵たちが雑談していた。雲もない
一碧の空に、かさなり合っている山々の
秋色、その裾に見える湖の明るさ、ふとすると、
禽の
音に、
欠伸を誘われそうだった。
と
謂い棄てつ、おもむろに歩を移して浜辺に到れば、
一碧千里
烟帆山に映じて
縹渺画のごとし。
若し、
水天一碧の
地平線上、
團々たる
黒烟先づ
見え、つゞゐて
白色の
新式巡洋艦現はれ、それと
共に、
龍の
如く、
鯱の
如き
怪艇の
水煙を
蹴つて
此方に
向ふを
見ば、
請ふ、
旗ある
人は
旗を
振り
日は
高く、
風は
清しき
軍艦「
日の
出」の
艦上、
縱帆架には
帝國軍艦旗舞ひ、「ブルワーク」の
邊には
克砲、
俄砲、四十七
粍速射砲、
砲門をならべ、
遠く
一碧の
水天を
望み、
近く
破浪の
音を
聽きつゝ