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田畑
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たはた
ふりがな文庫
“
田畑
(
たはた
)” の例文
一
方
(
ぱう
)
が
小高
(
こだか
)
い
土手
(
どて
)
に
成
(
な
)
ると、いまゝで
吹
(
ふ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
風
(
かぜ
)
が
留
(
や
)
むだ。
靄
(
もや
)
も
霞
(
かすみ
)
もないのに、
田畑
(
たはた
)
は一
面
(
めん
)
にぼうとして、
日中
(
ひなか
)
も
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
の
朧
(
おぼろ
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
喧
(
かしま
)
しき
田畑
(
たはた
)
の
人聲
(
ひとごゑ
)
と(
愛
(
あい
)
ちやんの
知
(
し
)
つてる)
變
(
へん
)
じました、——
遠方
(
ゑんぱう
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
家畜
(
かちく
)
の
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
は、
海龜
(
うみがめ
)
の
重々
(
おも/\
)
しき
歔欷
(
すゝりなき
)
であつたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
進みて私し江戸に在りし時は
全盛
(
ぜんせい
)
の
土地柄
(
とちがら
)
故主人の
光
(
ひか
)
りにて百五十兩の金子に有り附き古郷へ歸り
舊
(
もと
)
の
田畑
(
たはた
)
を
受戻
(
うけもど
)
し家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
花を仕入れるため、
多摩川
(
たまがわ
)
の向岸まで行く用があったのである。まだ陽が出たばかりで、
田畑
(
たはた
)
にさえ人影がなかった。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ふたりは、こういましめあって、
里
(
さと
)
の
方
(
ほう
)
へ
出
(
で
)
かけてゆきました。
田畑
(
たはた
)
は、どこを
見
(
み
)
てもきれいに
耕
(
たがや
)
されていました。
ふるさと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
「
大変
(
おっかねえ
)
まだ早ぐ来たで。——どんな風だ大崎の方は? 仕事の早い処だぢ、
田畑
(
たはた
)
の仕事は片付いてしまったがあ。」
蜜柑
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
そして、
變化
(
へんくわ
)
のない
街道
(
かいだう
)
は
相變
(
あいかは
)
らず
小川
(
をがは
)
に
沿
(
そ
)
うて、
平
(
たひら
)
な
田畑
(
たはた
)
の
間
(
あひだ
)
をまつ
直
(
す
)
ぐに
走
(
はし
)
つてゐた。
霧
(
きり
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
霽
(
は
)
れ
上
(
あが
)
つて、
空
(
そら
)
には
星影
(
ほしかげ
)
がキラキラと
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
の
田畑
(
たはた
)
は
晩秋
(
ばんしう
)
の
收穫
(
しうくわく
)
がみじめなものであつた。それは
氣候
(
きこう
)
が
惡
(
わる
)
いのでもなく、
又
(
また
)
土地
(
とち
)
が
惡
(
わる
)
いのでもない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その上いつ
荒
(
あ
)
らされるとなく
田畑
(
たはた
)
を
荒
(
あ
)
らされて、その
年
(
とし
)
の
取
(
と
)
り
入
(
い
)
れをふいにしてしまうものですから、しかたなしに
毎年
(
まいねん
)
人身御供
(
ひとみごくう
)
を
上
(
あ
)
げることにしてあります。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
丁度稲の取入れ時で、附近の
田畑
(
たはた
)
には、鳥おどしの
空
(
から
)
鉄砲があちこちで鳴り響いていた。さっき奥村との対談中、あんなに激している際にも、彼は時々その音を聞いた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼も郷里の九州には父から譲られた少しばかりの
田畑
(
たはた
)
を有って居たが、其土は銭に化けて
追々
(
おいおい
)
消えてしまい、日露戦争終る頃は、最早
一撮
(
ひとつまみ
)
の土も彼の手には残って居なかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
なぜって、水の少ない地方では、
田畑
(
たはた
)
が、かわききった荒れ地のようなありさまで、ほんのちょっとでも、風が吹こうものなら、たちまち土や砂が、もうもうとまきあがってしまうんだもの。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
一千二百五十人
(
いつせんにひやくごじゆうにん
)
の
死人
(
しにん
)
と
二千四百五十人
(
にせんしひやくごじゆうにん
)
の
負傷者
(
ふしようしや
)
を
出
(
だ
)
した
外
(
ほか
)
に、
船
(
ふね
)
の
流失
(
りゆうしつ
)
三千六百八十隻
(
さんぜんろつぴやくはちじつせき
)
、
家
(
いへ
)
の
流
(
なが
)
れたり、こはれたりしたのが
七十二萬九千六百餘棟
(
しちじゆうにまんくせんろつぴやくよむね
)
、
田畑
(
たはた
)
の
荒
(
あら
)
されたこと
七十八萬五千餘町
(
しちじゆうはちまんごせんよちよう
)
に
上
(
のぼ
)
り
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
田畑
(
たはた
)
の
表面
(
ひようめん
)
に
石器
(
せつき
)
や
土器
(
どき
)
の
散亂
(
さんらん
)
してゐる
所
(
ところ
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
田畑
(
たはた
)
がいちめんにつながつてゐる。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
(
田畑
(
たはた
)
の
地味
(
ちみ
)
のお
調
(
しら
)
べですか。)
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
輕便鐵道
(
けいべんてつだう
)
の
線路
(
せんろ
)
を
蜿々
(
うね/\
)
と
通
(
とほ
)
した
左右
(
さいう
)
の
田畑
(
たはた
)
には、ほの
白
(
じろ
)
い
日中
(
ひなか
)
の
蛙
(
かへる
)
が、こと/\、くつ/\、と
忍笑
(
しのびわら
)
ひをするやうに
鳴
(
な
)
いた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かげろうの
上
(
のぼ
)
る、かがやかしい
田畑
(
たはた
)
や、
若草
(
わかくさ
)
の
芽
(
め
)
ぐむ
往来
(
おうらい
)
や、
隣家
(
りんか
)
の
垣根
(
かきね
)
に
咲
(
さ
)
く
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
や、いろいろの
景色
(
けしき
)
が
浮
(
う
)
かんで、なつかしい
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
にふけると
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ねえ区長さん。
田畑
(
たはた
)
や
果樹園
(
かじゅえん
)
はどうなっているのですか。地上を攻撃されるおそれがあるんなら、地上でおちおち畑をつくってもいられないでしょう」
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さうする
内
(
うち
)
に
世間
(
せけん
)
は
復
(
また
)
春
(
はる
)
が
移
(
うつ
)
つて
雨
(
あめ
)
が
忙
(
いそが
)
しく
田畑
(
たはた
)
へ
水
(
みづ
)
を
供給
(
きようきふ
)
した。
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
後
(
うしろ
)
の
田
(
た
)
へ
出
(
で
)
て
刈株
(
かりかぶ
)
を
引
(
ひ
)
つ
返
(
かへ
)
しては
耕
(
たがや
)
した。おつぎも
萬能
(
まんのう
)
を
持
(
も
)
つて
勘次
(
かんじ
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見せず
惡事
(
あくじ
)
の
腰押
(
こしおし
)
或ひは
賭博
(
かけごと
)
の
宿
(
やど
)
などして
食客
(
ゐさふらふ
)
の五六人は
絶
(
たえ
)
す追々
田畑
(
たはた
)
も
賣拂
(
うりはら
)
ひ水呑同樣の
困窮
(
こんきう
)
となり凡十四五年居る中
女房
(
にようばう
)
も
死亡
(
みまかり
)
今では娘と
只
(
たゞ
)
兩人差向ひてに漸々其の日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ねえ区長さん。
田畑
(
たはた
)
や
果樹園
(
かじゅえん
)
はどうなっているのですか。地上を攻撃されるおそれがあるんなら、地上でおちおち畑をつくってもいられないでしょう」
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
只
(
たゞ
)
小
(
ちひ
)
さな
銅貨
(
どうくわ
)
を
持
(
も
)
つて
走
(
はし
)
つて
來
(
く
)
る
村落
(
むら
)
の
子
(
こ
)
を
待
(
ま
)
ちつゝ
誘
(
さそ
)
ひつゝ
歩
(
ある
)
くのである。
女
(
をんな
)
は
何處
(
どこ
)
から
出
(
で
)
てどう
行
(
ゆ
)
くといふことも
忙
(
せは
)
しく
只
(
たゞ
)
田畑
(
たはた
)
に
勞働
(
らうどう
)
して
居
(
ゐ
)
る
百姓
(
ひやくしやう
)
の
間
(
あひだ
)
には
知
(
し
)
られなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
扨て又傳吉は
倩々
(
つら/\
)
思ふに我が家世々村長成しが父の代より
家
(
いへ
)
衰
(
おとろ
)
へ
田畑
(
たはた
)
も失ひ
剩
(
あまつ
)
さへ
從弟
(
いとこ
)
上臺憑司
(
かみだいひようじ
)
に
村長役
(
むらをさやく
)
を
奪
(
うば
)
はれ今では人々にまで見落さるゝ
口惜
(
くちをし
)
さ是も世の有樣と思ひ十六七の時より
何卒
(
なにとぞ
)
再び家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ふもとの
街
(
まち
)
は、
田畑
(
たはた
)
となり、
山
(
やま
)
の
上
(
うえ
)
の
鐘楼
(
しょうろう
)
は、
昔
(
むかし
)
の
形見
(
かたみ
)
として、
半分
(
はんぶん
)
壊
(
こわ
)
れたまま
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
残
(
のこ
)
り、そこには、
青
(
あお
)
さびの
出
(
で
)
た
鐘
(
かね
)
が、
雨風
(
あめかぜ
)
にさらされてかかっていたけれど、だれも、それを
鳴
(
な
)
らすものがない。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“田畑”の意味
《名詞》
田畑(たはた、たはたけ、でんぱた、でんばた)
田と畑。田んぼや畑など作物を育てる耕地。
(出典:Wiktionary)
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
畑
常用漢字
小3
部首:⽥
9画
“田畑”で始まる語句
田畑小兵衛