特色とくしよく)” の例文
手桶てをけつめたいみづさらした蕎麥そば杉箸すぎはしのやうにふといのに、黄蜀葵ねり特色とくしよくこはさとなめらかさとでわんからをどさうるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
猛虎まうこほふるといふ投鎗なげやりかたち髣髴ほうふつとして、その兩端りようたん一種いつしゆ奇妙きめう鋭角えいかくをなしてる、この鋭角えいかくが、てい速力そくりよくくわんして、きわめて緊要きんえうなる特色とくしよくさうである。
各々おの/\博物館はくぶつかんにはそれ/″\の特色とくしよくがあり、ものがわりあひに粗末そまつでも、陳列品ちんれつひんすぐれたものがおほいとか、陳列ちんれつ方法ほう/\いとか、いろ/\の事情じじようがあつて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其中そのうちには、さすが御大名丈おだいみやうだけあつて、惜氣をしげもなく使つかふのがこの畫家ぐわか特色とくしよくだから、いろ如何いかにも美事みごとであるとやうな、宗助そうすけにはみゝあたらしいけれども
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とく其中そのうち、ゆつくりとした震動しんどうたとへば一分間いつぷんかん一糎いちせんちめーとるほどしづかに往復振動おうふくしんどうするような場合ばあひおいても、これを實際じつさいのまゝに書取かきとらしめることが長週期地震計ちようしゆうきぢしんけいづけるものゝ特色とくしよくである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
A ナニそんなことはどうでもいゝ。計數けいすう正確せいかくところおれはなし特色とくしよくだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
わづかもちはさういふことでいくらもらないのに時間じかんつて、寒冷かんれい空氣くうきため陸稻をかぼ特色とくしよくあらはして切口きりくちからたちまちに罅割ひゞわれになつてかた乾燥かんそうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
西洋各國せいようかつこくにあるいろ/\の博物館はくぶつかんうちで、一風いつぷうかはつた特色とくしよくがあつて非常ひじよう面白おもしろかんじたのは、ヨーロッパのスエーデンこくのストックホルムにある民俗博物館みんぞくはくぶつかんであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
その休息時間きゆうそくじかん長短ちようたんあるひ休眠きゆうみんからめたときの活動かつどうぶりにも各火山かくかざんにめい/\の特色とくしよくがあつて、一概いちがいにはいへないが、平均期間へいきんきかんよりもなが休止きゆうししたのち噴火ふんか平均へいきん場合ばあひよりもつよ
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そのこゑ距離きよりとほいので、はげしく宗助そうすけ鼓膜こまくほどつよくはひゞかなかつたけれども、たしかに精一杯せいいつぱいふるつたものであつた。さうしてたゞ一人いちにん咽喉のどから個人こじん特色とくしよくびてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、この冐險鐵車ぼうけんてつしや特色とくしよく水中すいちうほか如何いかなる險阻けんそみちでも進行しんかうぬといふことはなく、險山けんざんのぼるには通常つうじやう車輪しやりんほか六個ろくこ強堅きようけんなる齒輪車しりんしやと、車室しやしつ前方ぜんぽう裝置さうちされたる螺旋形らせんけい揚上機やうじやうき
またワシントンのフリヤー・ガレリーといふ美術館びじゆつかんは、支那しな古畫こがをもつて特色とくしよくとしてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さうしてほのほちかそびえたすぎこずゑからえだけて爪先つまさきいた。たびすぎ針葉樹しんえふじゆ特色とくしよくあらはして樹脂やにおほがばり/\とすさまじくつてけた。屋根裏やねうらたけ爆破ばくはした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山男やまをとこ特色とくしよく何處どこまで維持ゐぢしてくのは、實際じつさいめづらしいにちがひなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いづれも特色とくしよくある噴火ふんかをなすのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)