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幾日
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いくか
ふりがな文庫
“
幾日
(
いくか
)” の例文
何時
(
いつ
)
幾日
(
いくか
)
にどこでこういう事に出会ったとか、何という書物の中にどういう事があったとか、そういう直接体験の正直な証言の中に
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「うまい、まずいを言うのじゃない。いつの
幾日
(
いくか
)
にも
何時
(
なんどき
)
にも、
洒落
(
しゃれ
)
にもな、生れてからまだ一度も按摩さんの味を知らないんだよ。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
箆棒
(
べらぼう
)
、そんなことされつかえ、
踊
(
をどり
)
なんざあ
後
(
あと
)
幾日
(
いくか
)
だつてあらあ、
今夜
(
こんや
)
らつから
行
(
え
)
かねえつたつてえゝから、
他人
(
ひと
)
に
云
(
ゆ
)
はれつとはあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
平太郎はその御影石が自慢なのだと書いてある。山から切り出すのに
幾日
(
いくか
)
とかかかって、それから石屋に頼んだら十円取られた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
兼「私の方からは、必ず手紙で
何時
(
いつ
)
幾日
(
いくか
)
に何うすると、ちゃんと極めて上げるのに、
稀
(
たま
)
に手紙の返辞の一本ぐらいよこしても
宜
(
い
)
いじゃア無いか」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
もう
幾日
(
いくか
)
も/\形付けをせぬ机の上は、
塵埃
(
ほこり
)
だらけな
種々
(
いろん
)
なものが、重なり放題重なって、何処から手の付けようもない。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
お正月の済んでしまつた頃から、私等はもうお
祓
(
はらひ
)
が幾月と
幾日
(
いくか
)
すれば来ると云ふことを、数へるのを忘れませんでした。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
三日目……まだ
幾日
(
いくか
)
苦しむ事であろう? もう永くはあるまい。大層弱ったからな。此
塩梅
(
あんばい
)
では死骸の
側
(
そば
)
を離れたくも、もう離れられんも知れぬ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
奥方
(
おくがた
)
はそれを
聞
(
き
)
いておよろこびになりました。そしていつ
幾日
(
いくか
)
にお
嫁合
(
よめあ
)
わせをするからと、おいい
渡
(
わた
)
しになりました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
芝居見物と言えば極りで後に残る名のつけようの無いほど心細い、いやな心持の
幾日
(
いくか
)
も幾日も続いて離れないことは、余計に捨吉をいらいらさせた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
荒いコートに派手な
頸捲
(
えりまき
)
をして、毎日のように朝
夙
(
はや
)
くから出歩いているお島が、掛先から
空手
(
からて
)
でぼんやりして帰って来るような日が、
幾日
(
いくか
)
も続いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
忘れもせぬ、自分の其学校に行つて、頬に
痣
(
あざ
)
のある数学の教師に代数の初歩を学び始めて、まだ
幾日
(
いくか
)
も
経
(
へ
)
ぬ頃に、新に入学して来た二人の学生があつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
其後
幾日
(
いくか
)
も無くて、河内の平野の城へ突として夜打がかかった。城将桃井兵庫、客将一色
何某
(
なにがし
)
は打って取られ、城は遊佐河内守等の拠るところとなった。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
筑摩川春ゆく水はすみにけり消て
幾日
(
いくか
)
の峯の白雪とは
順徳院
(
じゆんとくゐん
)
の
御製
(
ぎよせい
)
とか
大
(
おほい
)
なる石の上にて女
衣
(
きぬ
)
を
濯
(
あら
)
ふ波に捲き
取
(
とら
)
れずやと
氣遣
(
きづかは
)
る向の岸の
方
(
かた
)
に此川へ流れ入る流に
水車
(
みづぐるま
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
貸金の取たて、店への見廻り、法用のあれこれ、月の
幾日
(
いくか
)
は説教日の定めもあり帳面くるやら經よむやら斯くては身躰のつゞき難しと夕暮れの縁先に花むしろを敷かせ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あの家では
幾日
(
いくか
)
立っても
生腥気
(
なまぐさけ
)
も食べぬと云われた事があったので、若し梅なんぞが不満足に思ってはならぬ、それでは手厚くして下さる檀那に済まぬというような心から
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
面憎
(
つらにく
)
いことは、この時分になって雨の
歇
(
や
)
んだ空の一角が破れて、
幾日
(
いくか
)
の月か知らないけれども月の光がそこから洩れて、
強盗提灯
(
がんどうぢょうちん
)
ほどに水の
面
(
おもて
)
を照らしていることであります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何時
(
いつ
)
の
幾日
(
いくか
)
にはお仕舞をつけて待っていますから
屹度
(
きっと
)
ですよとお客に約束して置きながら、
外
(
ほか
)
から口がかかれば、もう前約はがらりと忘れてしまったようにその方へ行ってしまう。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
田鶴見様方
(
たずみさまかた
)
にて
御姿
(
おんすがた
)
を拝し
候後
(
さふらふのち
)
始
(
はじめ
)
て
御噂承
(
おんうはさうけたま
)
はり、私は
幾日
(
いくか
)
も幾日も泣暮し申候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
乳母 ならっしゃりませぬとも、
此
(
この
)
齒
(
は
)
を十四
本
(
ほん
)
賭
(
か
)
けますがな……と
言
(
い
)
うても、
其
(
その
)
十四
本
(
ほん
)
が、ほんに/\、もう
只
(
たった
)
四
本
(
ほん
)
しかござりませぬわい。……
初穗節
(
はつほまつり
)
(八朔)までは
最早
(
もう
)
幾日
(
いくか
)
でござりますえ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
わたしはいつ
幾日
(
いくか
)
と答えました。妻は、旅行用に何かいるものはありませんかと訊ねましたが、わたしは何もいわないで、無言のまま食事を終え、同じく無言のまま書斎へ引っ込んでしまいました。
クロイツェル・ソナタ:01 クロイツェル・ソナタ
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
心細い話だと思つて私は考へたが、二等の
寝台
(
しんだい
)
車を待つために
幾日
(
いくか
)
莫斯科
(
モスコオ
)
に滞在せねば成らぬか知れない様な事も堪へられないと思つて、結局仏貨で三十九円六十銭出してノオルドの
寝台
(
しんだい
)
券を買つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「あなた、この
画
(
ゑ
)
をお仕上げになるのに
幾日
(
いくか
)
程お掛りでしたね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ほととぎす汝は
前
(
さき
)
の世の何なれや
幾日
(
いくか
)
啼くにもあはれと我が聞く
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
荷物? 田崎帰りてまだ
幾日
(
いくか
)
もなきに、たが何を送りしぞ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
幾日
(
いくか
)
たちても哥はきかず、その心
細
(
ほそ
)
き事いはんかたなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
なして
某
(
それが
)
しが宅へ
密
(
こつ
)
そりさし置きなば何時貴君が御出でも
名代床
(
みやうだいどこ
)
の不都合なく御
泊
(
とま
)
り成るも御勝手次第
幾日
(
いくか
)
居續
(
ゐつゞけ
)
し給ひても誰に
遠慮
(
ゑんりよ
)
も内證も入らず
然
(
さう
)
なる時は小夜衣が
命
(
いのち
)
の親とも存じます
何卒
(
なにとぞ
)
五十兩の御
工風
(
くふう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
約束の会は
明日
(
あした
)
だし、
好
(
すき
)
なものは晩に食べさせる、と
従姉
(
いとこ
)
が言った。
差当
(
さしあた
)
り何の用もない。何年にも
幾日
(
いくか
)
にも、こんな
暢気
(
のんき
)
な事は覚えぬ。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平太郎は其御影石が自慢なのだと
書
(
か
)
いてある。山から
切
(
き
)
り出すのに
幾日
(
いくか
)
とか
掛
(
かゝ
)
つて、それから
石屋
(
いしや
)
に
頼
(
たの
)
んだら十円
取
(
と
)
られた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
武「孫右衞門の娘の筆か、此の月の
幾日
(
いくか
)
の晩だ、うむ、成程六日の晩数寄屋河岸の柳番屋の蔭に於いて金子を貰ったのか、其の金子は幾ら有った」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
冬中
閉
(
とざ
)
されてあった
煤
(
すす
)
けた部屋の
隅々
(
すみずみ
)
まで、
東風
(
こち
)
が吹流れて、町に
陽炎
(
かげろう
)
の立つような日が、
幾日
(
いくか
)
となく続いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それをこうして居れば未だ
幾日
(
いくか
)
ごろごろして苦しむことか知れぬ。それにつけても
憶出
(
おもいだ
)
すは母の事。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
貸金の取たて、店への見廻り、法用のあれこれ、月の
幾日
(
いくか
)
は説教日の定めもあり帳面くるやら経よむやらかくては
身躰
(
からだ
)
のつづき難しと夕暮れの
椽先
(
ゑんさき
)
に花むしろを敷かせ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何時
(
いつ
)
の
幾日
(
いくか
)
には遊びに行かんと親しき友より軽き約束
申出
(
もうしい
)
でられてももしやその日に腹痛まば
如何
(
いか
)
にせん、雨降らば
出
(
で
)
にくからんなぞ取越苦労のみ重れば折角の
興
(
きょう
)
もとく消えがちなるこそ悲しけれ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
心細い話だと思つて私は考へたが、二等の寢臺車を待つために
幾日
(
いくか
)
莫斯科に滯在せねば成らぬか知れない樣な事も堪へられないと思つて、結局佛貨で三十九圓六十錢出してノオルドの寢臺券を買つた。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
然
(
しか
)
し、湯治は良いでございませう。
幾日
(
いくか
)
ほど
逗留
(
とうりゆう
)
のお
心算
(
つもり
)
で?」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もう、おっしゃいます通り、こんな山の中で、
幾日
(
いくか
)
も何日もないようですが、確か、あの十三四日の月夜ですのね、里では、お盆でしょう。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は
醋
(
す
)
の臭のする黄色いどろどろしたものを毎日局部に塗って座敷に寐ていた。それが
幾日
(
いくか
)
続いたか彼は知らなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其の替りには貴方
幾日
(
いくか
)
何十日お宅を明けて居らっしゃっても宜しいので、貴方のは
気癪
(
きじゃく
)
でございますよ、それを
癒
(
なお
)
さなければならないと旦那様が仰しゃって
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心のわさわさするような日が、
年暮
(
くれ
)
から春へかけて
幾日
(
いくか
)
となく続いた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
雨の降る日が
幾日
(
いくか
)
も続いた。それがからりと晴れた時、染付けられたような空から深い輝きが大地の上に落ちた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
堪
(
たま
)
らない。
幾日
(
いくか
)
経
(
た
)
ったんだか、べろべろに毛が
剥
(
は
)
げて、羽がぶらぶらとやっと
繋
(
つなが
)
って、
地
(
じ
)
へ
摺
(
す
)
れて下ってさ、頭なんざ
爛
(
ただ
)
れたようにべとべとしている、その
臭気
(
におい
)
だよ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奉「フム、
左様
(
さよう
)
であろう、して、柳は
幾日
(
いくか
)
に出て幾日に帰宅をいたしたか存じて居ろう」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今日は
幾日
(
いくか
)
だと思っているのだい」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
自分ばかりではない、母や嫂に対しても、
機嫌
(
きげん
)
の好い時は馬鹿に好いが、いったん
旋毛
(
つむじ
)
が曲り出すと、
幾日
(
いくか
)
でも苦い顔をして、わざと口を
利
(
き
)
かずにいた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(その梅岡さんに頼んで、いつの
幾日
(
いくか
)
——今日だ。)と愛の野郎がいいました。すなわち
一昨々日
(
さきおととい
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
是
(
これ
)
は
武蔵屋
(
むさしや
)
権
(
ごん
)
三
郎
(
らう
)
を
引掛
(
ひツかけ
)
たのだが
何日
(
なんか
)
とも
日
(
ひ
)
が
認
(
したゝ
)
めてないから、
幾日
(
いくか
)
だらう、不思議な事もあるものだ、
是
(
これ
)
は
落字
(
らくじ
)
をしたのか知ら、忘れたのではないか、と
不審
(
ふしん
)
を打つ者があると
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一昨年
(
いつさくねん
)
の
秋
(
あき
)
九月
(
くぐわつ
)
——
私
(
わたし
)
は
不心得
(
ふこゝろえ
)
で、
日記
(
につき
)
と
言
(
い
)
ふものを
認
(
したゝ
)
めた
事
(
こと
)
がないので
幾日
(
いくか
)
だか
日
(
ひ
)
は
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ないが——
彼岸前
(
ひがんまへ
)
だつただけは
確
(
たしか
)
だから、
十五日
(
じふごにち
)
から
二十日頃
(
はつかごろ
)
までの
事
(
こと
)
である。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まあ
幾日
(
いくか
)
くらい御滞在になれるんですか、それ次第でプログラムの作り方もまたあるんですから。こっちは東京と違ってね、少し市を離れるといくらでも見物する所があるんです」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
マア
貴方
(
あんた
)
考えて見なせえ、御城内の者が百姓の
家
(
うち
)
へ養子に来ても、何月の
幾日
(
いくか
)
に何の種を蒔けば、何月の
幾日
(
いくか
)
に芽をふくという事を知りアしねえ、
其様
(
そん
)
な者を婿に取れば
此
(
こゝ
)
な
家
(
うち
)
は潰れるから駄目だ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“幾日”で始まる語句
幾日目
幾日頃
幾日前
幾日後
幾日振