“椽先”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゑんさき50.0%
えんさき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父は間もなく用事が出来て行つてしまひ、私も子供心にうれひを長く覚えては居ず、椽先ゑんさき手鞠てまりをついて居り升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
通らでも事は済めども言はば近道の土手々前どてでまへに、仮初かりそめ格子門かうしもん、のぞけば鞍馬くらま石燈籠いしどうろはぎ袖垣そでがきしをらしう見えて、椽先ゑんさきに巻きたるすだれのさまもなつかしう
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「家の光」の編輯者へんしゅうしゃから、何か夏の晩の椽先えんさきなどで、子供や女たちといっしょに読んで面白いような、話はないかという相談を受けた、それは幾らでも捜したらあると思う。
折ふし徳蔵おじは椽先えんさきで、しもしらんだもみの木の上に、大きな星が二つ三つ光っている寒空をながめて、いつもになく、ひどく心配そうな、いかにも沈んだ顔付かおつきをしていましたッけが
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)