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土
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ど
ふりがな文庫
“
土
(
ど
)” の例文
そこで、まえに
腸
(
ちょう
)
づめがやったように、
土
(
ど
)
なべのなかにはいって、おかゆのなかをころがりまわって、
味
(
あじ
)
をつけようと思ったのです。
ハツカネズミと小鳥と腸づめの話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「うそでしょう。……おやおや、
妙
(
みょう
)
な
塔
(
とう
)
がある。それから
土
(
ど
)
まんじゅうみたいなものが、あちこちにありますね。あれは何ですか」
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
薄暗い中に、紋附きの羽織を着た、斬髪の伸びた村上先生がいた。
御新
(
ごしん
)
さんは庭で——空地で、粗末な
土
(
ど
)
べっついで御飯を
焚
(
た
)
いている。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その
土
(
ど
)
を破りて芽ぐみ長じ花さき実るにいたるはただ時日の問題にして、その時日も勢いはなはだ長からざるべきを悟りしなりき。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その
土
(
ど
)
まんじゅうの上にのせてある一ツの石こそ、前の年、この禅定寺峠で、犠牲的な死をとげた唐草銀五郎の
空骸
(
むくろ
)
を
埋
(
い
)
けた跡の目じるし。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
おのおの方、その番付の文字をよく御覧なさるがよい、その
海老
(
えび
)
の
老
(
び
)
という字は
土
(
ど
)
という字だ、エビ蔵ではない。エド蔵だ。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
偶
(
たま
)
にはくるが、もう
以前
(
いぜん
)
のやうに
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
邸町
(
やしきまち
)
、
土
(
ど
)
べい、
黒
(
くろ
)
べい、
幾曲
(
いくまが
)
りを
一聲
(
ひとこゑ
)
にめぐつて、
透
(
とほ
)
つて、
山王樣
(
さんわうさま
)
の
森
(
もり
)
に
響
(
ひゞ
)
くやうなのは
聞
(
き
)
かれない。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
予が眼に入れる小説絵画、共に未だ談ずるに足らず。然れども支那の現状を見れば、この
土
(
ど
)
に芸術の興隆を期する、期するの
寧
(
むし
)
ろ誤れるに似たり。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生をこの
土
(
ど
)
に得しにより、この土の
外
(
ほか
)
に国なしと思いし狭隘なる思想は、今は全く消失せて、小さきながらも世界の市民、宇宙の人と成るを得しは
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
三
韓
(
かん
)
支那
(
しな
)
の
建築
(
けんちく
)
は
木材
(
もくざい
)
と
甎
(
せん
)
と
石
(
いし
)
との
混用
(
こんよう
)
であるが、これも
彼
(
か
)
の
土
(
ど
)
における
木材
(
もくざい
)
が
比較的
(
ひかくてき
)
貧少
(
ひんせう
)
であるのと、
石材
(
せきざい
)
及
(
およ
)
び
甎
(
せん
)
に
適
(
てき
)
する
材料
(
ざいれう
)
が
豊富
(
ほうふ
)
であるがためである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
世中
(
よのなか
)
そむかせたまふ
御便宜
(
おんたより
)
として、いよ/\法海の深みへ
渓河
(
たにがは
)
の浅きに騒ぐ御心を注がせたまひ、彼岸の遠きへ此
土
(
ど
)
の汀去りかぬる御迷を船出せさせ玉ひて
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
衣がすっかり
練
(
ね
)
れると、
土
(
ど
)
なべのまま、
熱灰
(
あつばい
)
の上にのせた。それでどら
焼
(
や
)
きが焼け、
揚
(
あ
)
げりんごが揚がるまでには、
晩食
(
ばんしょく
)
のときまで待たなければならなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
寝られぬままに夢然かたりていふ。そもそも大師の
四〇
神化
(
じんくわ
)
、
土
(
ど
)
石
草
(
さう
)
木も
四一
霊
(
れい
)
を
啓
(
ひら
)
きて、
四二
八百
(
やほ
)
とせあまりの今にいたりて、
四三
いよよあらたに、いよよたふとし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
『いいえ、あたしは、自分のことを話すのなんか、いやですわ』と、
土
(
ど
)
なべが言いました。
空とぶトランク
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
流れる
椰子
(
やし
)
の実のやうに、何処へでも遠く漂流して行く、昔の日本人の情熱を、ゆき子はひどく勇気のあるものに思ひ、
土
(
ど
)
まんぢゆうの
墓碑
(
ぼひ
)
にも、はな子之墓なぞとあるのに
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
それゆえこの四つに帰る道があるので、
土
(
ど
)
に帰るのは
地
(
ち
)
それから
水
(
すい
)
、
火
(
か
)
として鳥に食わすのがすなわち
風
(
ふう
)
に帰るのであるという説明なんです。大抵まあ僧侶は皆鳥に食わせる。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
五行とは
木
(
もく
)
、
火
(
か
)
、
土
(
ど
)
、
金
(
きん
)
、
水
(
すい
)
の五種にて、その名目は『書経』の中に出てあるけれど、これを一般に吉凶禍福の判断に用うるようになりたるは、秦漢の時代より後ならんと思う。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
もし人生を
汚濁穢染
(
をぢよくゑせん
)
の
土
(
ど
)
とせば、処女の純潔は燈明の暗牢に向ふが如しと言はむ、もし世路を
荊棘
(
けいきよく
)
の埋むところとせば、処女の純潔は無害
無痍
(
むい
)
にして荊中に点ずる百合花とや言はむ
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
窯はわずか一個よりないが、年に五、六回は焼くというから、相当地方的需要があることが分る。長型丸型の水甕、片口、
飯鉢
(
めしばち
)
、平鉢、
土
(
ど
)
だらい、
切立
(
きったて
)
等いう名は地方窯に
相応
(
ふさ
)
わしい。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
脊
(
せ
)
が
低
(
ひく
)
くて、
丸顔
(
まるがお
)
でした。
白
(
しろ
)
い
仕事服
(
しごとふく
)
を
着
(
き
)
て、お
客
(
きゃく
)
の
頭
(
あたま
)
を
刈
(
か
)
っていましたが、それが
終
(
お
)
わったとみえて、
二人
(
ふたり
)
の
遊
(
あそ
)
んでいるへやへ
塩
(
しお
)
せんべいの
盆
(
ぼん
)
と、お
茶
(
ちゃ
)
のはいった
土
(
ど
)
びんと
持
(
も
)
ってきて
すいれんは咲いたが
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しづけくも畏き
相
(
すがた
)
、畏くも安けきこの
土
(
ど
)
、この殿の青き
甍
(
いらか
)
の、あやに
清
(
すが
)
しも。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
で、古藤の黙ってしまったのをいい事に、倉地と古藤とを引き合わせる事もせずに自分も黙ったまま静かに鉄びんの湯を
土
(
ど
)
びんに移して、茶を
二人
(
ふたり
)
に勧めて自分も
悠々
(
ゆうゆう
)
と飲んだりしていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
かの
土
(
ど
)
は、やがてぞ我が手に瓦解しゆかん。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
「
土
(
ど
)
、
日
(
にち
)
は、どうもやむを得ないので」
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
サタデー
土
(
ど
)
曜日
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
竹童
(
ちくどう
)
と
蚕婆
(
かいこばばあ
)
の
問答
(
もんどう
)
をよそに
土
(
ど
)
べっついの火にむかって
煙草
(
たばこ
)
をくゆらしていた
脚絆
(
きゃはん
)
わらじの男が、ふいに
戸外
(
おもて
)
へ飛びだしてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そりゃ、この世へ戻って来ることもある、
魂魄
(
こんぱく
)
この
土
(
ど
)
にとどまって、恨みを晴らさないでおくべきか……」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
誰
(
たれ
)
か
奸賊
(
かんぞく
)
の富国策を聴かんや、余の教育上の主義ならびに経験は何かある、誰か子弟を不忠の臣に委ぬるものあらんや、余はこの
土
(
ど
)
に
在
(
あり
)
てこの土のものにあらず
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
魂魄
(
こんぱく
)
この
土
(
ど
)
に
留
(
とど
)
まって、浄閑寺にお
参詣
(
まいり
)
をする
私
(
わし
)
への礼心、無縁の信女達の総代に麹町の宝物を稲荷町までお遣わしで、
私
(
わし
)
に一杯振舞うてくれる気、と、早や、手前勝手。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あら情無や勿体なしや、さては院の
御霊
(
みたま
)
の猶此
土
(
ど
)
をば捨てさせ玉はで、妄執の闇に
漂泊
(
さすら
)
ひあくがれ、こゝにあらはれ玉ひし歟、あら悲しや、と地に伏して西行涙をとゞめあへず。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
腸
(
ちょう
)
づめは
土
(
ど
)
なべのそばにいて、食べものの
煮
(
に
)
えぐあいを見ていればいいのです。
ハツカネズミと小鳥と腸づめの話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
しづけくも
畏
(
かしこ
)
き
相
(
すがた
)
、
畏
(
かしこ
)
くも
安
(
やす
)
けき此の
土
(
ど
)
、この殿の青き
甍
(
いらか
)
のあやに
清
(
すが
)
しも。
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おっかあは大きな
土
(
ど
)
なべにパン
粉
(
こ
)
をあけていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
わしたちは、そうした宿縁宿命の下に、この
土
(
ど
)
に生れ合せた者どもであったとみえる。……では行こう。尊氏の陣中まで。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
持って来た番付を押開いて、高く掲げて
看客
(
かんきゃく
)
に警告したのは大いに
利
(
き
)
き目があって、すべての看客がおのおの携帯の番付を照らし合わせて見ると、なるほど、
老
(
び
)
と
土
(
ど
)
の違いがある。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この
土
(
ど
)
の善美は今日まで余の眼を
睧
(
くら
)
ませり、
如何
(
いか
)
にしてその富源を開かんか、如何なる国民教育の方針を取らんか、如何なる政略を以て海外に当らんか、その世界に負う義務と天職とは
如何
(
いかん
)
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
これや後々になって思えば、すべて天地の不可思議というしかなく、百八の宿業星が、自然この
土
(
ど
)
に生れて相会す
奇縁
(
えにし
)
というしかないものだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甚内が鳥越橋でお
処刑
(
しおき
)
になる最後の時の言葉に、
瘧
(
おこり
)
さえ患わなければ、召捕られるようなことはなかったのだ、我れ死すとも
魂魄
(
こんぱく
)
をこの
土
(
ど
)
に留め、永く瘧に悩む人を助けんと言いながら
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……きのう兵庫の浦で、兄宮(
尊良
(
たかなが
)
)にお別れした時も、身はズタズタな思いでしたのに、明日は父ぎみとも、この
土
(
ど
)
でお別れせねばなりませぬか。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なるほど、今日は朝から陰気臭い
日和
(
ひより
)
であった、関の
小万
(
こまん
)
の
魂魄
(
こんぱく
)
が、いまだにこの
土
(
ど
)
にとどまって気圧を左右するのか知らん、「与作思えば照る日も曇る」の歌が、
陰
(
いん
)
に響けば雨が降る。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「洩れ伺って、われわれ末輩まで、驚倒いたしました。伝統ある都府は、一朝一夕にはできません。いわんや漢室十二代の光輝あるこの
土
(
ど
)
を捨てて」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
米友様、よくあの
幟
(
のぼり
)
の文字をごらん、市川
海老蔵
(
えびぞう
)
——と誰が眼にも、ちょっとはそう読めるだろう。ちょっと見れば市川海老蔵だが、よくよく見ると、海老の
老
(
び
)
という字が
土
(
ど
)
になっていらあ。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
誓いの式がすむと、みな異口同音に、ねがいをともにし、生々世々、生き代り死にかわり、この
土
(
ど
)
の友となって、この再会を、よろこびあわんと言い合った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——松の一むら茂れるほとりに、杭まはしたり、これなん、御墓にや……」とある程度の
土
(
ど
)
まんじゅうがあったのを、後に御陵とされ、今では陵墓管守二、三名も詰めていて
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柿
(
かき
)
の木から飛びおりた
竹童
(
ちくどう
)
は、はじめてそこに人あるのを知って、
軒先
(
のきさき
)
に近より、家の中をのぞいてみると、
奥
(
おく
)
には
雑多
(
ざった
)
な
蚕道具
(
かいこどうぐ
)
がちらかっており、
土間
(
どま
)
のすみの
土
(
ど
)
べっついのまえには
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
地煞星
(
ちさつせい
)
(まがつぼし)はもとより庶民の
土
(
ど
)
を
藉
(
か
)
りて住み、悪行いたらざるなき
悪戯星
(
いたずらぼし
)
の性は持つが、しかし、いささかの道義は知り、相憐れむの仁を抱き、弱きはこれを
虐
(
しいた
)
げず、時に
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で宮方の者は、こんどの改元を無視して、いぜん元の“元弘二年”を通して行ったので、ここに、一
土
(
ど
)
の民に二つの年号があるという畸形な世紀をこの国に以後六十年も見る
端緒
(
たんしょ
)
とはなったのだった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姉妹弟兄、みな
土
(
ど
)
に列す
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“土”を含む語句
土竈
土地
土蔵
土塊
泥土
唐土
土筆
土産
混凝土
土砂
土窖
土俵
土埃
土方
土饅頭
土龍
御土産
赤土
土肥
黄土
...