“邸町”の読み方と例文
読み方割合
やしきまち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この足袋屋は人形町のみょうが屋と同じように歴史のある家で、辰井の足袋と云えば、山の手の邸町やしきまちでも相当の信用があったものである。
晩菊 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
たまにはくるが、もう以前いぜんのやうにやま邸町やしきまちべい、くろべい、幾曲いくまがりを一聲ひとこゑにめぐつて、とほつて、山王樣さんわうさまもりひゞくやうなのはかれない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
帰るとたらいを出して水をあびる。どぶに糸みみずのウヨウヨ動いているのを見つけて、家の金魚のおみやげだと掻廻かきまわす。邸町やしきまちの昼は静かで、座敷を大きな揚羽蝶あげはちょうが舞いぬけてゆく。