“邸跡”の読み方と例文
読み方割合
やしきあと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
発見といふのは、寺の敷地が伝説通り新田部にたべ親王の邸跡やしきあとに相違なかつたとか、開基の鑑真がんじん和尚が胃病患者だつたとかいふ、そんな無益な問題では無い。
左側に近頃ちかごろ刈り込んだ事のなさそうな生垣を見て右側に広い邸跡やしきあとを大きい松が一本我物顔に占めている赤土の地盤を見ながら、ここからが坂だと思う辺まで来ると、突然勾配こうばいの強い、狭い
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そんなに茶席が建てたければ、茶屋四郎次郎ちややしらうじらう邸跡やしきあとや何かの麦畑でも、もつと買占めて、むやみに囲ひを並べたらよからう。さうしてその茶席ののきがくでも提灯ちやうちんでもべた一面に懸けるがい。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)