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利益
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りやく
ふりがな文庫
“
利益
(
りやく
)” の例文
食物を献ずればかくかくの福徳
利益
(
りやく
)
がある、金銭を差し上ぐれば天国に至ることができるなどの迷信は、すこぶる盛んなものである。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「術、術でありますよ。術というものは、恐しい
利益
(
りやく
)
のあるもんでなあ。ほれね、出ますだろう? なかなかふんだんに出ますわなあ」
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
阿難は、仏のおことばを聞くと、これは彼を救わなければならないと、その
利益
(
りやく
)
を胸にもって、ふたたび王子のもとへ訪れました。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう
聞
(
き
)
かれると、
彼
(
かれ
)
は、おいなりさまの、いろいろのご
利益
(
りやく
)
を
説
(
と
)
いて、
自分
(
じぶん
)
もしあわせにしてもらいたいためだといいました。
きつねをおがんだ人たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腫物
(
はれもの
)
一切
(
いっさい
)
にご
利益
(
りやく
)
があると近所の人に聴いた
生駒
(
いこま
)
の石切まで一代の
腰巻
(
こしまき
)
を持って行き、特等の
祈祷
(
きとう
)
をしてもらった足で、
南無
(
なむ
)
石切大明神様
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
▼ もっと見る
「ハハハハハハハ、神さまでなくって、この岩屋島に住んでいる鬼のご
利益
(
りやく
)
かもしれない。なんにしても首領の運のつよいのにはおどろくよ。」
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三宝の
利益
(
りやく
)
、四方の大慶。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても心祝いに、この
鯉魚
(
こい
)
を
肴
(
さかな
)
に、祝うて一献、心ばかりの粗酒を差上げとう存じまする。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
己は人間に種々の
利益
(
りやく
)
を授けて遣つたやうだが、あんな事をするよりは、難有く思はせようなどと思はずに、水でも一杯人に飲ませた方が増しだつた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「
勝
(
すぐ
)
れた智慧をもっている
菩薩
(
ひと
)
は、
乃
(
いま
)
し生死をつくすに至るまで、
恆
(
つね
)
に衆生の
利益
(
りやく
)
をなして、しかも涅槃に
趣
(
おもむ
)
かず」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
ここに、菩薩の
利益
(
りやく
)
を頼まずば、いかで嶮難の路を歩まん。権現の徳を仰がずんば、何ぞ幽遠の境にましまさん。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
我
(
わ
)
が
通
(
つう
)
仕込
(
じこみ
)
の
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
を
尊崇
(
そんすう
)
し其
利益
(
りやく
)
のいやちこなるを
欽仰
(
きんぎやう
)
し、其
職分
(
しよくぶん
)
をもて
重
(
おも
)
く
且
(
か
)
つ
大
(
だい
)
なりとなすは
能
(
よ
)
く
俗物
(
ぞくぶつ
)
を
教
(
をし
)
え
能
(
よ
)
く
俗物
(
ぞくぶつ
)
に
渇仰
(
かつがう
)
せらるゝが
故
(
ゆゑ
)
なり
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
帳面ヲ出シテ、金五両置イテ、此後ハ加入ノ人々ガ来ルト云ッテ帰ッタ故、全ク妙見ノ
利益
(
りやく
)
ト思ッテ、ソレカラ直グニ刀ノ売買ヲシタラ、ソノ月ノ末ニハ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この家に
鶏
(
とり
)
の声は聞こえないで、現世
利益
(
りやく
)
の
御岳教
(
みたけきょう
)
の信心なのか、老人らしい声で、
起
(
た
)
ったりすわったりして、とても忙しく苦しそうにして祈る声が聞かれた。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
陀羅尼
(
だらに
)
の一遍も
回向
(
えこう
)
しないのは邪慳と云うものだ、その上佛の
利益
(
りやく
)
にも背き、亡者の恨みもあるであろう、これは帰った方がよいと悟って、戻って来て見ましたら
三人法師
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
寂照は「あな、とうと」と云いて
端然
(
たんねん
)
と
食
(
し
)
を
摂
(
と
)
り、自他平等
利益
(
りやく
)
の
讃偈
(
さんげ
)
を唱えて、しずかに其処を去った。戒波羅密や精進波羅密、寂照は
愈々
(
いよいよ
)
道に励むのみであった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
康頼は何でも
願
(
がん
)
さえかければ、
天神地神
(
てんじんちじん
)
諸仏菩薩
(
しょぶつぼさつ
)
、ことごとくあの男の云うなり次第に、
利益
(
りやく
)
を垂れると思うている。つまり康頼の考えでは、神仏も商人と同じなのじゃ。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
国銅を尽して象を
鎔
(
とか
)
し、大山を削りて以て堂を構へ、広く
法界
(
ほつかい
)
に及ぼして朕が
智識
(
ちしき
)
となす、
遂
(
つひ
)
に同じく
利益
(
りやく
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて共に
菩提
(
ぼだい
)
を致さしめん、
夫
(
そ
)
れ天下の富を
有
(
も
)
つ者は朕なり
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
御本堂への御つとめ許し賜はらば格別の御
利益
(
りやく
)
たるべしと、念珠、殊勝
気
(
げ
)
に
爪繰
(
つまぐ
)
りて頼み入りしに
彼
(
か
)
の寺男、わが
面体
(
めんてい
)
の爛れたるをつく/″\見て、まことの非人とや思ひけむ
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
思ひがけなき雪の夜に
御封
(
ごふう
)
と
祖師
(
そし
)
の
利益
(
りやく
)
にて、不思議と
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
かりしは、
妙法蓮華経
(
めうほふれんげきやう
)
の七字より、一
時
(
じ
)
に
落
(
おと
)
す
釜
(
かま
)
ヶ
淵
(
ふち
)
、
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る水より
鉄砲
(
てつぱう
)
の肩を
擦
(
こす
)
つてドツサリと、
岩間
(
いはま
)
に
響
(
ひゞ
)
く
強薬
(
つよぐすり
)
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寒念仏寒大神まゐりの
苦行
(
くぎやう
)
あらまし
件
(
くだん
)
のごとくなれば、他国はしらず、江戸の寒念仏
裸
(
はだか
)
まゐりに
比
(
たぐ
)
ふればはなはだ
異
(
こと
)
也。かゝる
苦行
(
くぎやう
)
をなすゆゑにや、その
利益
(
りやく
)
の
灼然
(
いちじるき
)
事を次にしるしつ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お賽銭の
額
(
たか
)
も多かろうが、私の方の守本尊、孕石様のご
利益
(
りやく
)
と来たら、ずいぶん昔から云い
囃
(
はや
)
され、試しの尽くされたあげくゆえ、今では一向信者もなく、自然お賽銭も上がらぬ始末に
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「野淵君は漫然と英雄のご
利益
(
りやく
)
をといたが、いかなるものがこれ英雄であるかを
説
(
と
)
かない、正しき英雄とよこしまなる英雄とを
一括
(
いっかつ
)
して概念的にその
可
(
か
)
不可を論ずるは論拠においてすでに薄弱である」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
霊験
(
れいげん
)
あらたかな
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の
利益
(
りやく
)
によって——
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
贖罪の
利益
(
りやく
)
を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
それからというもの、どんなひでりつづきで、ほかの
井戸
(
いど
)
が、かれても、この
家
(
いえ
)
の
井戸
(
いど
)
は、ご
利益
(
りやく
)
で、
水
(
みず
)
のつきることは、なかったといいます。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三宝
(
さんぽう
)
の
利益
(
りやく
)
、
四方
(
しほう
)
の
大慶
(
たいけい
)
。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても
心祝
(
こころいわ
)
ひに、此の
鯉魚
(
こい
)
を
肴
(
さかな
)
に、祝うて一
献
(
こん
)
、心ばかりの
粗酒
(
そしゅ
)
を
差上
(
さしあ
)
げたう存じまする。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
よしや一
斗
(
と
)
の「モルヒ子」に
死
(
し
)
なぬ
例
(
ためし
)
ありとも
月夜
(
つきよ
)
に
釜
(
かま
)
を
抜
(
ぬ
)
かれぬ
工風
(
くふう
)
を
廻
(
めぐ
)
らし
得
(
う
)
べしとも、
当世
(
たうせい
)
小説
(
せうせつ
)
の
功徳
(
くどく
)
を
授
(
さづ
)
かり
少
(
すこ
)
しも其
利益
(
りやく
)
を
蒙
(
かうむ
)
らぬ事
曾
(
かつ
)
て
有
(
あ
)
るべしや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
で、般若の真言も、そのわけは知らなくてもよい、ただそのまま唱えていれば功徳があるのだ、
利益
(
りやく
)
があるのだ、といった所でなかなか人間は承知しないのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「念仏いうひまに、縄でもなえば、寝酒の銭ぐらいは
溜
(
たま
)
る。そのほうが、ご
利益
(
りやく
)
があらたかだて」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見廻しけるに首は
落
(
おち
)
ず何事も無
健全
(
まめ
)
息災
(
そくさい
)
なり依て我が家へ立歸りしぞと
物語
(
ものがた
)
りしかば娘は
嬉
(
うれし
)
く是全く
金毘羅樣
(
こんぴらさま
)
の御
利益
(
りやく
)
ならんと早々
嗽
(
うが
)
ひ
手水
(
てうず
)
にて身を
清
(
きよ
)
めて金毘羅の掛物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
皆
(
み
)
な天民の作の観音と薬師如来の
利益
(
りやく
)
であろうと、親子三人夢に夢を見たような
心地
(
こゝち
)
で、其の悦び
一方
(
ひとかた
)
ならず、おいさを
表向
(
おもてむき
)
に重二郎の嫁に致し、江戸屋の清次とは親類の
縁
(
えん
)
を結ぶため
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
弥陀
(
みだ
)
の
利益
(
りやく
)
をさぐるべし
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これまでは罰や、罪業に対する一応の
訓戒
(
いましめ
)
じゃ。そこを助ける、生きながら畜生道に落ちる処を救いたまわる、現当
利益
(
りやく
)
、罰
利生
(
りしょう
)
、弘法様はあらたかやぞ。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まだ
神
(
かみ
)
のご
利益
(
りやく
)
があるものと
信
(
しん
)
じて、
村
(
むら
)
の
知人
(
ちじん
)
をたよって
帰
(
かえ
)
りましたが、もはやだれもふりむくものはなかったので、その
日
(
ひ
)
を
食
(
く
)
うに
困
(
こま
)
り、
星晴
(
ほしば
)
れのしたある
夜
(
よ
)
きつねをおがんだ人たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三十三番の札を打納めさえすれば、大願成就すると云う事は
予
(
かね
)
て聞いて居ますし、観音様の
利益
(
りやく
)
で無理な事も叶うと云う事でございますから、目差す敵は討てようと思って居ますけれども
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
悪業
(
あくごう
)
衆生
(
しゅじょう
)
同
(
どう
)
利益
(
りやく
)
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「
弥陀
(
みだ
)
の
利益
(
りやく
)
」
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
混雑の中だからどんな怪我がないものでもない、さすれば却って不孝になりますよ、
神仏
(
かみほとけ
)
と云うものは
家
(
うち
)
にいて拝んでも
利益
(
りやく
)
のあるものだから、夜中に来てお百度を踏むのは止したほうがよろしい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“利益”の解説
利潤
利益(りえき)とは、よい効果を得ること。また、儲けを得ること。利得とも。この項目では会計および法律における意味について説明する。
利益を得るための活動を「」という(例:営利事業)。
(出典:Wikipedia)
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
益
常用漢字
小5
部首:⽫
10画
“利益”で始まる語句
利益交換
利益配当
利益平等