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先
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まず
ふりがな文庫
“
先
(
まず
)” の例文
どういう訳か分らぬが
何
(
なん
)
でも怪しいから
取
(
とっ
)
て押えんければならぬが、それには
先
(
まず
)
第一富五郎をどうかして押えなければならぬと心得
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此頃ハ天下無二の軍学者勝麟太郎という大先生に門人となり、ことの外かはいがられ候て、
先
(
まず
)
きやく
(
客
)
ぶんのよふなものになり申候。
手紙:008 文久三年五月十七日 坂本乙女あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
先
(
まず
)
下々
(
しもじも
)
の者が
御挨拶
(
ごあいさつ
)
を申上ると、一々しとやかにお
請
(
うけ
)
をなさる、その柔和でどこか悲しそうな
眼付
(
めつき
)
は夏の夜の星とでもいいそうで
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
だから余程史料の取捨を
慎
(
つつし
)
まないと、思いもよらない誤謬を犯すような事になる。君も第一に
先
(
まず
)
、そこへ気をつけた方が
好
(
い
)
いでしょう。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
でも
先
(
まず
)
差当
(
さしあた
)
り牛込と浅草とを目差して先ず牛込へ行き
夫々
(
それ/″\
)
探りを入て置て
直
(
すぐ
)
又
(
また
)
車で浅草へ引返しました、何うも
汗水垢
(
あせみずく
)
に成て働きましたぜ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
『枕山詩鈔』に「観蓮ノ節前二日梁川星巌翁ヲ招キ、宮沢竹堂、比志島文軒、
嶺田
(
みねた
)
士徳ト同ジク小西湖ノ分香亭ニ飲ム。星巌翁詩
先
(
まず
)
成ル。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
先
(
まず
)
すぐれたるびなん(美男)は知らず、よき程の人も、ひためん(直面)の
申楽
(
さるがく
)
は、年よりては見えぬ物なり。さるほどに
此
(
この
)
一方は欠けたり。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は
遽
(
あわ
)
てず騒がず悠々と芝生を歩んで、甕の傍に立つ。
先
(
まず
)
眼鏡
(
めがね
)
をとって、ドウダンの枝にのせる。次ぎに
褌
(
したおび
)
をとって、春モミジの枝にかける。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「受送達者支倉喜平を市ヶ谷刑務所につき取調べたるに別紙符箋之通り死亡せし旨田辺看守長より申出につき送達不能、依って一
先
(
まず
)
及返還候
也
(
なり
)
」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
もっともその奥には玉江嬢のために
婿君
(
むこぎみ
)
の候補者を捜し出そうという特別の意味もあるが
先
(
まず
)
大主意は食物研究のため家族的の交際会を開くのだ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その時に当ッて
能
(
よく
)
心を養うものは何かというと、
先
(
まず
)
耶蘇教
(
ヤソきょう
)
の人ならばバイブル、耶蘇教でない人ならば、これは卒業なさる方々に言うのであるが
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
本人身の上に別状なきことは武士の
誓言
(
せいごん
)
相違あるまじく候、菊園一家の者に心配無用と御伝え
被下度
(
くだされたく
)
、貴殿にも御探索御見合せ被下度候、
先
(
まず
)
は右申入度、早々。
半七捕物帳:56 河豚太鼓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何とぞ、以後は又八どのの事、御わすれくだされたく
先
(
まず
)
は
斯
(
か
)
ように迄、一筆しめし参らせ
申
(
もうし
)
そろ。かしこ。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また私のここにいわゆる文芸は文学である、日本における文学といえば
先
(
まず
)
小説
戯曲
(
ぎきょく
)
であると思います。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
過日
御示
(
おしめし
)
被下
(
くだされ
)
候
(
そうろう
)
貴著
瘠我慢中
(
やせがまんちゅう
)
、
事実
(
じじつ
)
相違之廉
(
そういのかど
)
並
(
ならぴ
)
に
小生之
(
しょうせいの
)
所見
(
しょけん
)
もあらば云々との
御意
(
ぎょい
)
致拝承
(
はいしょういたし
)
候
(
そうろう
)
。昨今
別而
(
べっして
)
多忙
(
たぼう
)
に
付
(
つき
)
いずれ
其中
(
そのうち
)
愚見
(
ぐけん
)
可申述
(
もうしのぶべく
)
候
(
そうろう
)
。
先
(
まず
)
は
不取敢
(
とりあえず
)
回音
(
かいおん
)
如此
(
かくのごとく
)
に候也。
瘠我慢の説:03 書簡
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
、
勝海舟
、
榎本武揚
(著)
老人は、何をおいても
先
(
まず
)
、慾を知らなければ一生の損だということをお島にくどくど
言聴
(
いいきか
)
した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
尚々
(
なおなお
)
明日にも
御入洛
(
ごじゅらく
)
待上候。
先
(
まず
)
それ
迄
(
まで
)
は現状を維持
被成候様
(
なされそうろうよう
)
、此儀くれぐれも御願申上候。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
先
(
まず
)
は大身の家柄の、御曹司である品位は落とさず、浪之助には慕わしくてならなかった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
先
(
まず
)
第一に何を
可愛
(
かわゆ
)
がって
誰
(
たれ
)
を
慕
(
した
)
うのやら、調べて見ると余程おかしな者、爺の
考
(
かんがえ
)
では恐らく女に
溺
(
おぼ
)
れる男も男に
眩
(
くら
)
む女もなし、皆々手製の影法師に
惚
(
ほれ
)
るらしい、
普通
(
なみなみ
)
の人の恋の
初幕
(
しょまく
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
先
(
まず
)
は天下ひらける前祝い、雁の汁に鶴の刺身、長臣五名をよんで酒宴をひらく。
織田信長
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
尊大人
(
そんたいじん
)
様、大
孺人
(
じゅじん
)
様を初め御満堂よろしく御
超歳
(
ちょうさい
)
大賀
奉
(
たてまつ
)
り候。獄中も一夜明け候えば春めき申し候。別紙二、
書初
(
かきぞめ
)
、蕪詞、御笑正
希
(
ねが
)
い奉り候。
先
(
まず
)
は
新禧
(
しんき
)
拝賀のためかくの如くに御坐候。
恐惶
(
きょうこう
)
謹言。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
さ候はゞ及ばずながら
奈何様
(
いかよう
)
にも
御
(
ご
)
都合宜敷様
可致候
(
いたすべくそろ
)
。
先
(
まず
)
は右
申入
(
もうしいれ
)
候。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
まあ/\、これは急ぐこともない。今度の日曜までに策を考えて置く。その折チョコレートを一箱御携帯を頼む。矢張り十円で宜しい。矢張り不二家がお互の負担にならなくて宜しい。
先
(
まず
)
は右まで。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そして人が来るのを知れば、熊の方で
先
(
まず
)
逃げてくれるのです。
熊
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
福子へも
宜敷
(
よろしく
)
御伝え下されたく候。
先
(
まず
)
は、あらあら。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
月に
先
(
まず
)
名をさきだつる今宵かな 同
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
いい夜
先
(
まず
)
幾つかの命ゆがめられ
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
鮓
(
すし
)
喰
(
くっ
)
て
先
(
まず
)
おちつくや祭顔 蒙野
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
そして
一
(
ひ
)
と
先
(
まず
)
二階へ戻った。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「と
先
(
まず
)
言ッて
置
(
お
)
くさ。」
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
へえ……
先
(
まず
)
此方
(
こちら
)
へお上りなさいまし、一切親類付合で、今ちょいとお酒が始まった処で、これから美代ちゃんのお
兄
(
あにい
)
さまになるお方で
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は博文館で懲り懲りしていますから早速弁護士を頼んで掛合って貰い
先
(
まず
)
今日までのところでは別に損害は受けていません。
出版屋惣まくり
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
外に何の道具もないという片田舎でも出来ます。メリケン粉もない
焼粉
(
やきこ
)
もない玉子廻しもないという処でも出来ます。
先
(
まず
)
七、八寸の玉子焼鍋が一つあるとしましょう。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「いや、解りました。よく解りました。」と、塚田巡査が
先
(
まず
)
第一に降伏した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先
(
まず
)
書物を読む力があれば、世の中の事は大概間に合ッて行く。
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
談合のうえ、とりあえず
先
(
まず
)
は飛札かくの如くにござ候
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先
(
まず
)
ふるは雪女もや北の
方
(
かた
)
重頼
(
しげより
)
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
先
(
まず
)
は右まで草々頓首。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「いや、
先
(
まず
)
ないな」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
兎に角自分の
宅
(
うち
)
には羅紗緬類似の女は一人も居ません(荻)イヤサ家に居無くとも外へ
囲
(
かこ
)
って有れば同じ事では無いか(大)イエ外へ囲って有れば決して此通りの犯罪は出来ません何故と
云
(
いう
)
に
先
(
まず
)
外妾
(
かこいもの
)
ならば其
密夫
(
みっぷ
)
と何所で逢います(荻)何所とも極らぬけれど
爾
(
そう
)
サ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
手「こゝは……其の節置わすれ
候
(
そろ
)
懐中物此のものへ
御
(
おん
)
渡し
被下度候
(
くだされたくそろ
)
、此の品粗まつなれどさし
上候
(
あげそろ
)
先
(
まず
)
は用事のみあら/\※」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
名作なれば一首にても宜しく候得共古今の駄作困り果て候。
先
(
まず
)
ハ右の段まで早々不備。六月十七日。梅痴。枕山雅伯。□□細君へ宜しく御伝言。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
先
(
まず
)
二百五十目位な
雛鶏
(
ひなどり
)
を骨付のまま五分位にブツブツに切ってお米五
勺
(
しゃく
)
水五合とともに塩胡椒を加えて弱い火で気長に二時間ほど煮ます。ちょうど鶏を入れたお
粥
(
かゆ
)
のようなものです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
先
(
まず
)
其
(
そ
)
の綱を
解
(
と
)
いて市郎を抱え
起
(
おこ
)
すと、彼も
所々
(
しょしょ
)
に負傷して、脈は既に
止
(
とま
)
っていた。が、これは
確
(
たしか
)
に
血温
(
けつおん
)
が有る。巡査は少しく安堵の眉を開いて、
取敢
(
とりあえ
)
ず
彼
(
か
)
の綱を強く
曳
(
ひ
)
くと、上では
直
(
すぐ
)
におうと答えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
端折
(
はしょり
)
を高く取って袈裟を掛けさせ、又袈裟文庫を
頭陀袋
(
ずだぶくろ
)
の様にして
頸
(
くび
)
に掛けさせ、
先
(
まず
)
これで宜いと云うので、
俄
(
にわか
)
にお比丘尼様が一人出来ました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
江戸演劇は戯曲よりも
先
(
まず
)
俳優を主とし、俳優の
美貌
(
びぼう
)
風采
(
ふうさい
)
によりて常に観客の好劇心と密接の関係を
保
(
たもた
)
しむるものなれば
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
中川は
先
(
まず
)
クスリと笑い
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
丈「返しても宜しいけれどもそんなに慌てゝ急がんでも
宜
(
い
)
いじゃないか、
先
(
まず
)
其の内千円も持って行ったら
宜
(
よ
)
かろう」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兄エドモン・ド・ゴンクウルは弟ジュウルの
歿後
(
ぼつご
)
その
齢
(
よわい
)
漸
(
ようや
)
く六十に達せんとするの時、
新
(
あらた
)
に日本美術の研究に従事し
先
(
まず
)
歌麿
(
うたまろ
)
北斎
(
ほくさい
)
二家の詳伝を
編纂
(
へんさん
)
せり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
朶雲拝誦
(
だうんはいしょう
)
。老兄
忽然
(
こつぜん
)
ノ御出府、意外驚異
仕
(
つかまつり
)
候。
先
(
まず
)
以テ御壮健ニ御座ナサレ賀シ奉候。
折悪
(
おりあ
)
シク昨年来房州ヘ遊歴留守中早速ニ
拝眉
(
はいび
)
ヲ得ズ、消魂ニ堪ヘズ候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“先”を含む語句
先生
先方
先刻
先達
先日
最先
先頭
先駆
水先案内
真先
先祖
先立
先々
一先
爪先
先登
行先
先月
先驅
切先
...