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部落
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ぶらく
ふりがな文庫
“
部落
(
ぶらく
)” の例文
部落
(
ぶらく
)
にはもう
一人
(
ひとり
)
強
(
つよ
)
い
男
(
おとこ
)
がありました。その
男
(
おとこ
)
には、
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
がありました。ある
日
(
ひ
)
のこと、その
男
(
おとこ
)
は
甲
(
こう
)
のもとへやってきました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何
(
ど
)
の家でも、五人六人子供の無い
家
(
うち
)
は無い。この
部落
(
ぶらく
)
でも、
鴫田
(
しぎだ
)
や寺本の様に
屈強
(
くっきょう
)
な
男子
(
おとこのこ
)
の五人三人持て居る
家
(
うち
)
は、
家
(
いえ
)
も
栄
(
さかえ
)
るし、何かにつけて
威勢
(
いせい
)
がよい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
岬
(
みさき
)
の道を出て、いよいよ本村にはいるころから、みんなはしぜんと小声にしゃべっていた。一本松の村までには
幾
(
いく
)
つかの町や村の、たくさんの
部落
(
ぶらく
)
があった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
いままでにも、たくさんの
部落
(
ぶらく
)
を通りすぎてきたのですが、どの家にもよってみようとはしませんでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
緋おどし谷一
帯
(
たい
)
は、ほとんど
山百合
(
やまゆり
)
の花でうまっている。むしろ
百合谷
(
ゆりだに
)
と
呼
(
よ
)
ぶべきところだが、その盆地に
特殊
(
とくしゅ
)
な一
部落
(
ぶらく
)
があって、百合より名をなすゆえんとなっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
高原のへりから、四方に出たいくつかの谷の
底
(
そこ
)
には、ほんの五、六
軒
(
けん
)
ずつの
部落
(
ぶらく
)
があります。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
果
(
はた
)
して
然
(
しか
)
らば、ロアイヤル
港
(
こう
)
や、
昔
(
むかし
)
ベスンバ
族
(
ぞく
)
のゐた
部落
(
ぶらく
)
は
右
(
みぎ
)
の
現象
(
げんしよう
)
を
起
(
おこ
)
すに
最
(
もつと
)
も
適當
(
てきとう
)
な
場所
(
ばしよ
)
であつて、
此等
(
これら
)
の
地方
(
ちほう
)
は
他
(
た
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
によつて
再
(
ふたゝ
)
び
同樣
(
どうよう
)
の
現象
(
げんしよう
)
を
起
(
おこ
)
すこともあるであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
柳屋
(
やなぎや
)
は
土地
(
とち
)
で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、
手廣
(
てびろ
)
く
商
(
あきなひ
)
をするのではなく、八九十
軒
(
けん
)
もあらう百
軒
(
けん
)
足
(
た
)
らずの
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜藏
(
きざう
)
といふ
若
(
わか
)
い
亭主
(
ていしゆ
)
が、
自分
(
じぶん
)
で
賣
(
う
)
りに
𢌞
(
まは
)
るばかりであるから
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一四
部落
(
ぶらく
)
には必ず一戸の旧家ありて、オクナイサマという神を
祀
(
まつ
)
る。その家をば
大同
(
だいどう
)
という。この神の
像
(
ぞう
)
は
桑
(
くわ
)
の木を
削
(
けず
)
りて
顔
(
かお
)
を
描
(
えが
)
き、四角なる
布
(
ぬの
)
の
真中
(
まんなか
)
に穴を
明
(
あ
)
け、これを
上
(
うえ
)
より
通
(
とお
)
して
衣裳
(
いしょう
)
とす。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
移住にも因る可く
部落
(
ぶらく
)
の
散在
(
さんざい
)
にも因る可きなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
ある
夜
(
よ
)
、
二人
(
ふたり
)
は、ひそかに
部落
(
ぶらく
)
から
逃
(
のが
)
れ
出
(
で
)
ました。そして、
谷
(
たに
)
を
伝
(
つた
)
い、
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
えて、
高
(
たか
)
らかに
波
(
なみ
)
の
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せる
海岸
(
かいがん
)
までやってきました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
津軽海峡
(
つがるかいきょう
)
、トラピスト、
函館
(
はこだて
)
、
五稜郭
(
ごりょうかく
)
、えぞ
富士
(
ふじ
)
、
白樺
(
しらかば
)
、
小樽
(
おたる
)
、札幌の大学、
麦酒
(
ビール
)
会社、
博物館
(
はくぶつかん
)
、デンマーク人の
農場
(
のうじょう
)
、
苫小牧
(
とまこまい
)
、
白老
(
しらおい
)
のアイヌ
部落
(
ぶらく
)
、
室蘭
(
むろらん
)
、ああ
僕
(
ぼく
)
は
数
(
かぞ
)
えただけで
胸
(
むね
)
が
踊
(
おど
)
る。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ものの
色
(
いろ
)
もすべて
褪
(
あ
)
せて、
其
(
その
)
灰色
(
はひいろ
)
に
鼠
(
ねずみ
)
をさした
濕地
(
しつち
)
も、
草
(
くさ
)
も、
樹
(
き
)
も、一
部落
(
ぶらく
)
を
蔽包
(
おほひつゝ
)
むだ
夥多
(
おびたゞ
)
しい
材木
(
ざいもく
)
も、
材木
(
ざいもく
)
の
中
(
なか
)
を
見
(
み
)
え
透
(
す
)
く
溜池
(
ためいけ
)
の
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
も、
一切
(
いつさい
)
、
喪服
(
もふく
)
を
着
(
つ
)
けたやうで、
果敢
(
はか
)
なく
哀
(
あはれ
)
である。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とっぱなまで四キロの細長い岬のまん中あたりにも小さな
部落
(
ぶらく
)
がある。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
向こうがわには、
緋
(
ひ
)
おどし谷の
部落
(
ぶらく
)
をながめ、だれか
渓流
(
けいりゅう
)
にくるのを待っていると、やがて二、三人の少女が
染桶
(
そめおけ
)
と糸のたばをかかえて、あかるい笑いをかわしながら、
川床
(
かわどこ
)
へ
下
(
お
)
りてきたようす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
時
(
とき
)
大地
(
だいち
)
の
開閉
(
かいへい
)
によつて
土民
(
どみん
)
は
勿論
(
もちろん
)
、
彼等
(
かれら
)
の
飼
(
か
)
つてゐた
畜類
(
ちくるい
)
は
牛馬
(
ぎゆうば
)
、
駱駝
(
らくだ
)
等
(
とう
)
に
至
(
いた
)
るまで
盡
(
こと/″\
)
くそれに
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
まれ、
八千
(
はつせん
)
乃至
(
ないし
)
一萬
(
いちまん
)
の
人口
(
じんこう
)
を
有
(
ゆう
)
してをつたこの
部落
(
ぶらく
)
は
其
(
その
)
ために
跡方
(
あとかた
)
もなく
失
(
うしな
)
はれたといふ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
二人
(
ふたり
)
のものが、
自分
(
じぶん
)
らの
部落
(
ぶらく
)
に
帰
(
かえ
)
りましたときに、みんなは、どんなにびっくりしたでありましょう。もう
難船
(
なんせん
)
をして
死
(
し
)
んだものと
思
(
おも
)
っていました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
谷の
部落
(
ぶらく
)
がずっと下に見え、
達二
(
たつじ
)
の家の
木小屋
(
きごや
)
の
屋根
(
やね
)
が白く光っています。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
滅
(
ほろ
)
びるといつて、
敢
(
あへ
)
て
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
が
無
(
な
)
くなるといふ
意味
(
いみ
)
ではない、
衰
(
おとろ
)
へるといふ
意味
(
いみ
)
ではない、
人
(
ひと
)
と
家
(
いへ
)
とは
榮
(
さか
)
えるので、
進歩
(
しんぽ
)
するので、
繁昌
(
はんじやう
)
するので、やがて
其
(
その
)
電柱
(
でんちう
)
は
眞直
(
まつすぐ
)
になり、
鋼線
(
はりがね
)
は
張
(
はり
)
を
持
(
も
)
ち
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ついに、
秀吉
(
ひできち
)
の
母親
(
ははおや
)
が、
学校
(
がっこう
)
へ
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
されました。
彼
(
かれ
)
のすんでいる
部落
(
ぶらく
)
は、
貧
(
まず
)
しい
人々
(
ひとびと
)
の
集
(
あつ
)
まりでもありました。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“部落”の意味
《名詞》
部落 (ぶらく)
比較的少数の民家が集まり構成する地域の共同体で、地縁団体として形成される市町村の単位となっている地区。
被差別部落。
(出典:Wiktionary)
部
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“部落”で始まる語句
部落々々
部落中
部落内
部落長
部落全体
部落散在