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足場
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あしば
ふりがな文庫
“
足場
(
あしば
)” の例文
この
久能谷
(
くのや
)
の方は、
些
(
ちっ
)
と
足場
(
あしば
)
が遠くなりますから、すべて、
見得装飾
(
みえかざり
)
を向うへ持って参って、
小松橋
(
こまつばし
)
が本宅のようになっております。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
数千年前に
袖
(
そで
)
を分かった
従兄弟
(
いとこ
)
を
捜
(
さが
)
すのに、変ってまた変った現在の言葉を、
足場
(
あしば
)
手がかりにしようとするのはまちがいである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
沫雪
(
あわゆき
)
の
条
(
くだり
)
にいへるごとく、冬の雪は
軟
(
やはら
)
にして
足場
(
あしば
)
あしきゆゑ、熊を
捕
(
とる
)
は雪の
凍
(
こほり
)
たる春の土用まへ、かれが穴よりいでんとする
頃
(
ころ
)
を
程
(
ほど
)
よき
時節
(
じせつ
)
とする也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
のみならず、水門には、
頑丈
(
がんじょう
)
な
鉄柵
(
てつさく
)
が二重になっているうえ、
足場
(
あしば
)
のわるい
狭隘
(
きょうあい
)
な
谿谷
(
けいこく
)
である。おまけに、全身水しぶきをあびての苦戦は
一通
(
ひととお
)
りでない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから
二人
(
ふたり
)
種々
(
いろ/\
)
の
談話
(
はなし
)
をして
居
(
を
)
る
中
(
うち
)
に
懇意
(
こんい
)
になり、ボズさんが
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
によると
僕
(
ぼく
)
の
發見
(
みつけ
)
た
場所
(
ばしよ
)
はボズさんのあじろの
一
(
ひとつ
)
で、
足場
(
あしば
)
はボズさんが
作
(
つく
)
つた
事
(
こと
)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
今三人の男が
立話
(
たちばなし
)
をしている場所は、地上から二十五メートルも離れた空間だ。
足場
(
あしば
)
がわりに鉄骨の
梁
(
はり
)
の上に懸け渡しただけの何枚かの板の上に立っているのだった。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
また
岩
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
に
降
(
お
)
りていたたくさんの
白
(
しろ
)
い
鳥
(
とり
)
は、
波
(
なみ
)
に
足場
(
あしば
)
をさらわれてしまって、あらしの
叫
(
さけ
)
ぶ
空
(
そら
)
の
中
(
なか
)
で、しきりに
悲
(
かな
)
しんで
鳴
(
な
)
いていました。そのうちに、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてしまった。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このあたりで
女達
(
をんなたち
)
の
客引
(
きやくひき
)
に
出
(
で
)
る
場所
(
ばしよ
)
は、
目下
(
もくか
)
足場
(
あしば
)
の
掛
(
かゝ
)
つてゐる
観音堂
(
くわんおんだう
)
の
裏手
(
うらて
)
から三
社権現
(
じやごんげん
)
の
前
(
まへ
)
の
空地
(
あきち
)
、二
天門
(
てんもん
)
の
辺
(
あたり
)
から
鐘撞堂
(
かねつきだう
)
のある
辨天山
(
べんてんやま
)
の
下
(
した
)
で、こゝは
昼間
(
ひるま
)
から
客引
(
きやくひき
)
に
出
(
で
)
る
女
(
をんな
)
がゐる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
家の外では、
左官
(
さかん
)
やペンキ屋が、
足場
(
あしば
)
をきずいて、家のまわりを
塗
(
ぬ
)
っていますし、中では
女中
(
じょちゅう
)
たちが、窓ガラスをきれいにふいています。
港
(
みなと
)
では、
帆船
(
はんせん
)
や
汽船
(
きせん
)
をさかんに
修理
(
しゅうり
)
しています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
足場
(
あしば
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
小石
(
こいし
)
の
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其處
(
そこ
)
で、でこぼこと
足場
(
あしば
)
の
惡
(
わる
)
い、
蒼苔
(
あをごけ
)
と
夜露
(
よつゆ
)
でつる/\と
辷
(
すべ
)
る、
岸
(
きし
)
の
石壇
(
いしだん
)
を
踏
(
ふ
)
んで
下
(
お
)
りて、
笠
(
かさ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
へ、
荷物
(
にもつ
)
を
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
常には見上る
高枝
(
たかきえだ
)
も
埋
(
うづま
)
りたる雪を
天然
(
てんねん
)
の
足場
(
あしば
)
として心の
儘
(
まゝ
)
に
伐
(
きり
)
とり、大かたは六
把
(
は
)
を一人まへとするなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
達吉
(
たつきち
)
は、
人々
(
ひとびと
)
がなんといってもかまわずに、
柵
(
さく
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて、
寂然
(
せきぜん
)
とした
教会堂
(
きょうかいどう
)
の
敷地内
(
しきちない
)
へ
入
(
はい
)
り
込
(
こ
)
み、
窓
(
まど
)
わくを
足場
(
あしば
)
として、さるのごとく、といを
伝
(
つた
)
って、
建物
(
たてもの
)
の
壁
(
かべ
)
を
攀
(
よ
)
じり
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
内
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
ると
足場
(
あしば
)
の悪い
梯子段
(
はしごだん
)
が立つてゐて、
其
(
そ
)
の
中程
(
なかほど
)
から
曲
(
まが
)
るあたりはもう
薄暗
(
うすぐら
)
く、
臭
(
くさ
)
い
生暖
(
なまあたゝか
)
い
人込
(
ひとごみ
)
の
温気
(
うんき
)
が
猶更
(
なほさら
)
暗い上の
方
(
はう
)
から吹き
下
(
お
)
りて来る。
頻
(
しきり
)
に役者の名を呼ぶ
掛声
(
かけごゑ
)
が
聞
(
きこ
)
える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其
(
その
)
場所
(
ばしよ
)
が
全
(
まつ
)
たく
僕
(
ぼく
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つたのである、
後背
(
うしろ
)
の
崕
(
がけ
)
からは
雜木
(
ざふき
)
が
枝
(
えだ
)
を
重
(
かさ
)
ね
葉
(
は
)
を
重
(
かさ
)
ねて
被
(
おほ
)
ひかゝり、
前
(
まへ
)
は
可
(
かな
)
り
廣
(
ひろ
)
い
澱
(
よどみ
)
が
靜
(
しづか
)
に
渦
(
うづ
)
を
卷
(
まい
)
て
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
足場
(
あしば
)
はわざ/\
作
(
つく
)
つた
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれる
程
(
ほど
)
、
具合
(
ぐあひ
)
が
可
(
い
)
い。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ことに、じぶんは下、きゃつは上、
足場
(
あしば
)
において
勝目
(
かちめ
)
がない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
常には見上る
高枝
(
たかきえだ
)
も
埋
(
うづま
)
りたる雪を
天然
(
てんねん
)
の
足場
(
あしば
)
として心の
儘
(
まゝ
)
に
伐
(
きり
)
とり、大かたは六
把
(
は
)
を一人まへとするなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
坂
(
さか
)
の
下
(
した
)
は、
左右
(
さいう
)
の
植木屋
(
うゑきや
)
、
屋外
(
をくぐわい
)
に
足場
(
あしば
)
を
設
(
まう
)
け、
半纏着
(
はんてんぎ
)
の
若衆
(
わかもの
)
蛛手
(
くもで
)
に
搦
(
から
)
んで、
造菊
(
つくりぎく
)
の
支度最中
(
したくさいちう
)
なりけり。
行
(
ゆ
)
く/\フと
古道具屋
(
ふるだうぐや
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つ。
彌次
(
やじ
)
見
(
み
)
て
曰
(
いは
)
く、
茶棚
(
ちやだな
)
はあんなのが
可
(
い
)
いな。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“足場”の解説
足場(あしば)は、もとは「足の場所」「足で踏める場所」あるいは「足で踏んで、そこに立てる場所」「足で踏み、歩ける場所」という意味の言葉であり、具体的には次のようなものを指す。
足で踏み、そこにたてる場所。歩くところ。
建築工事や高所工事などの際、作業の便宜のために、仮に丸太や鋼管などを組んで作ったもの。
(比喩)物事をしようとする時のよりどころ。この意味では「あしがかり」ともいう。
(出典:Wikipedia)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“足”で始まる語句
足
足袋
足許
足下
足音
足掻
足駄
足利
足蹴
足跡