あら)” の例文
その美しさにおとらざる悦びをあらはしわが方にむかひていふ。われらを第一の星と合せたまひし神に感謝の心をさゝぐべし。 二八—三〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
おつぎのまだみじか身體からだむぎ出揃でそろつたしろからわづかかぶつた手拭てぬぐひかたとがあらはれてる。與吉よきちみちはたこもうへ大人おとなしくしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
明白に、嫌惡、恐怖、憎惡のあらはれた表情が、殆んど面變おもがはりするまでに彼の顏をゆがませた。しかし、彼はたゞかう云つたゞけであつた——
宝蔵院のやり、柳生流の太刀筋たちすじをことに精出して学んだとはいうが、誰も丹後守と試合をした者もなし、表立って手腕をあらわした機会もないから
壮助はそう問い返したが、そのままあわてたように眼をらした。何時のまにか彼等の心のうちに根を張っていた光子の死の予感が、あらわに姿を示した。
生あらば (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
宗助そうすけ昨夕ゆうべ御米およね散藥さんやくんでから以後いご時間じかんゆびつて勘定かんぢやうした。さうしてやうや不安ふあんいろおもてあらはした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あなたが(このあなたがは、とてもではあらはせないけれど、語氣ごきつよめてつているのですよ)兎角とかくまあちやんのこゑ母親はゝおやらしい注意ちういをひかれがちなのを
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そして少年はやっとその数字がア・エ、イ・オ、ウ、の字をあらわしていることを考えついた。つまり数字の1は、最初のア、を差し、2は次のエを指しているのであった。
一つは田舍での器量好きりやうよしであるがためか隨分とその途の情も強い方で現に休暇ごとに歸つて來る私を捉へて、あらはには云ひよらずとも掬んで呉れがしの嬌態をば絶えずあり/\と使つてゐた。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
すなはひといへとは、さかえるので、かゝ景色けしきおもかげがなくならうとする、末路まつろしめして、滅亡めつばうてうあらはすので、せんずるに、へびすゝんでころもぎ、せみさかえてからてる、ひといへとが、みな光榮くわうえいあり
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
汝深く我を愛しき、是またうべなり、我もし下界に長生ながらへたりせば、わが汝にあらはす愛は葉のみにとゞまらざりしなるべし 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あの方は、私と同じなのだ——確かにさうだ——私はあの方に近しいやうな氣がする——私には、あの方の顏色や意向いかうあらはす言葉が解る。
神官等しんくわんらいし華表とりゐつたのちしばらくしてひとつて、華表とりゐそばにはおほきな文字もじあらはした白木綿しろもめん幟旗のぼりばたたかつてばさ/\とつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其上そのうへ御米およねわかをんな有勝ありがち嬌羞けうしうといふものを、初對面しよたいめん宗助そうすけむかつて、あまりおほあらはさなかつた。たゞ普通ふつう人間にんげんしづかにして言葉ことばすくなにめただけえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
太陽たいやうが、朝日あさひが、かれみづからが、やまそらとをかぎつたゆきせんに、そのかゞやおもてあらはしかけてゐた。ひかり直線ちよくせんをなしてその半圓はんゑん周圍しうゐつた。かれようとおもへばわたしをつぶらなければならなかつた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
抑〻そも/\超人の事たるこれを言葉にあらはし難し、是故に恩惠めぐみによりてこれがためしべき者この例をもてれりとすべし 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
考へて、多少理解し得たとしても、子供等は、その順序の結果を言葉で云ひあらはす方法を知らないのだ。
從來これまでばいしてるのとほとんまた拒絶きよぜつされるのではないかといふ懸念けねんいだきつゝある與吉よきち何時いつでもそれ非常ひじやう滿足まんぞくあらはした。その容子ようす卯平うへいいきほこゝろうごかされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
宗助そうすけこの三四分間ふんかんはしたたがひ言葉ことばを、いまだにおぼえてゐた。それはたゞをとこたゞをんなたいして人間にんげんたるしたしみをあらはすために、りする簡略かんりやく言葉ことばぎなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
手紙の文句は、いた人の、いた当時の気分を素直にあらはしたものではあるが、無論ぎてゐる。三四郎は出来る丈の言葉を層々と排列して感謝の意を熱烈に致した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)