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筒
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つゝ
ふりがな文庫
“
筒
(
つゝ
)” の例文
夜具などの入つてゐる長持に腰かけて、窓の方を向いた孝一は、紺がすりの
筒
(
つゝ
)
つぽの袂をピンとはねて、可憐な眉をひそめた。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
拾得
(
じつとく
)
が
食器
(
しよくき
)
を
滌
(
あら
)
ひます
時
(
とき
)
、
殘
(
のこ
)
つてゐる
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
を
竹
(
たけ
)
の
筒
(
つゝ
)
に
入
(
い
)
れて
取
(
と
)
つて
置
(
お
)
きますと、
寒山
(
かんざん
)
はそれを
貰
(
もら
)
ひに
參
(
まゐ
)
るのでございます。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『いろ/\
委
(
くわ
)
しい
事
(
こと
)
を
承
(
うけたまは
)
りたいが、
最早
(
もはや
)
暮
(
く
)
るゝにも
近
(
ちか
)
く、
此邊
(
このへん
)
は
猛獸
(
まうじう
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
ともいふ
可
(
べ
)
き
處
(
ところ
)
ですから、
一先
(
ひとま
)
づ
我
(
わ
)
が
住家
(
すみか
)
へ。』と
銃
(
じう
)
の
筒
(
つゝ
)
を
擡
(
もた
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
鮏入らんとすれば口
広
(
ひろ
)
がるやうにいかにも
巧
(
たくみ
)
に作りたるもの也。これをつゞといふは
筒
(
つゝ
)
といふべきを
濁
(
にご
)
り
訛
(
なま
)
れるならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つて
近寄
(
ちかよ
)
つて、そっと
切
(
き
)
つて
見
(
み
)
ると、その
切
(
き
)
つた
筒
(
つゝ
)
の
中
(
なか
)
に
高
(
たか
)
さ
三寸
(
さんずん
)
ばかりの
美
(
うつく
)
しい
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
がゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
▼ もっと見る
そこへ追つて来たおくまは岩に片足をかけて
狙
(
ねらひ
)
を
定
(
さだ
)
めて
引
(
ひ
)
きがねを引くとズドーンとこだまして
筒
(
つゝ
)
をはなれた
弾丸
(
たま
)
は
旅人
(
たびゞと
)
の
髪
(
かみ
)
をかすつて
向
(
むか
)
うの
岩角
(
いはかど
)
にポーンと
当
(
あた
)
りました。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
樂
(
たのし
)
い
爐邊
(
ろばた
)
には、
長
(
なが
)
い
竹
(
たけ
)
の
筒
(
つゝ
)
とお
魚
(
さかな
)
の
形
(
かた
)
と
繩
(
なは
)
とで
出來
(
でき
)
た
煤
(
すゝ
)
けた
自在鍵
(
じざいかぎ
)
が
釣
(
つ
)
るしてありまして、
大
(
おほ
)
きなお
鍋
(
なべ
)
で
物
(
もの
)
を
煮
(
に
)
る
塲所
(
ばしよ
)
でもあり
家中
(
うちぢう
)
集
(
あつ
)
まつて
御飯
(
ごはん
)
を
食
(
た
)
べる
塲所
(
ばしよ
)
でもありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
薄板
(
うすいた
)
を
組合
(
くみあは
)
せて名
刺
(
し
)
形
(
かた
)
の
暗箱
(
あんはこ
)
をこしらへる。内
部
(
ぶ
)
を
墨
(
すみ
)
で
塗
(
ぬ
)
る。
眼
(
め
)
鏡
屋
(
や
)
から十五錢ばかりで
然
(
しか
)
るべき
焦點距離
(
せうてんきより
)
を持つ虫
眼
(
め
)
鏡を
買
(
か
)
つて來て竹
筒
(
つゝ
)
にはめ
込
(
こ
)
んだのを、一方の
面
(
めん
)
にとりつける。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
座
(
ざ
)
にあるもの
二言
(
にごん
)
と
無
(
な
)
い。
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで、
煙管
(
きせる
)
を
筒
(
つゝ
)
にしまふやら、
前垂
(
まへだれ
)
を
拂
(
はた
)
くやら。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「風呂場の障子が開けつ放しになつて居ると、此垣の根からでも流しに立つて居る人間へ吹矢が屆かないことはないでせう、——吹矢を飛ばした上で、
筒
(
つゝ
)
を向うへ放り出すと——丁度あの邊」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
れも
空虚
(
から
)
に
成
(
な
)
つてはくた/\として
力
(
ちから
)
のない
革
(
かは
)
の
筒
(
つゝ
)
には
潰
(
つぶ
)
れた
儘
(
まゝ
)
の
煙管
(
きせる
)
を
揷
(
さ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
は
暫
(
しばら
)
くさうして
居
(
ゐ
)
たがどうかしては
忘
(
わす
)
れて
癖
(
くせ
)
づけられた
手先
(
てさき
)
が
不用
(
ふよう
)
な
煙草入
(
たばこいれ
)
を
探
(
さぐ
)
らせるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何時
(
いつ
)
までも
木綿
(
もめん
)
の
筒
(
つゝ
)
ツぽでは
可笑
(
をか
)
しいから、これを着て下さいと
云
(
い
)
つて、
其
(
そ
)
の
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
の着物を出したところが、こんな物を着るやうで、
商人
(
あきんど
)
の
身代
(
しんだい
)
が
上
(
あが
)
るものかと
云
(
い
)
つて
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
英二もみよ子も、今日の祝ひにわざ/\加賀から取り寄せられた『森八』の紅い
蒸菓子
(
むしぐわし
)
をつまんだが、孝一だけは
筒
(
つゝ
)
つぽの肩をそびやかし、唇を結んだまゝ、頑として手を出そうとしない。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
と
今
(
いま
)
はたいたまゝで、
元二
(
げんじ
)
が、
財布
(
さいふ
)
の
出入
(
だしい
)
れをする
内
(
うち
)
、
縁側
(
えんがは
)
の
端
(
はし
)
に
置
(
お
)
いた
煙管
(
きせる
)
を
取
(
と
)
つて、
兩提
(
りやうさげ
)
の
筒
(
つゝ
)
へ
突込
(
つゝこ
)
まうとする
時
(
とき
)
、
縁臺
(
えんだい
)
の
下
(
した
)
から、のそ/\と
前脚
(
まへあし
)
を
黒
(
くろ
)
く
這
(
は
)
ひ
出
(
だ
)
した一
疋
(
ぴき
)
の
黒猫
(
くろねこ
)
がある。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ひとゝせ二月のはじめ、用ありて二里ばかりの所へいたらんとす、みな
山道
(
やまみち
)
なり。母いはく、山なかなれば用心なり、
筒
(
つゝ
)
をもてといふ、
実
(
げ
)
にもとて
鉄炮
(
てつはう
)
をもちゆきけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ひとゝせ二月のはじめ、用ありて二里ばかりの所へいたらんとす、みな
山道
(
やまみち
)
なり。母いはく、山なかなれば用心なり、
筒
(
つゝ
)
をもてといふ、
実
(
げ
)
にもとて
鉄炮
(
てつはう
)
をもちゆきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此夜は
山中
(
さんちゆう
)
に一宿の心
得
(
え
)
なれば心用の
為
(
ため
)
に
筒
(
つゝ
)
をも
持
(
もた
)
せしに、
手
(
て
)
たれの上手しかも若ものなりしが光りを
的
(
まと
)
にうたんとするを、老人ありてやれまてとおしとゞめ、あなもつたいなし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“筒”の意味
《名詞》
(つつ)柱状で長軸方向に中空であるもの。
(出典:Wiktionary)
“筒”の解説
筒(つつ)とは、細長い棒状の物体で、中心がくり抜かれているもの。類義語にパイプ、チューブ、管などがあるが、それぞれ指す対象が僅かに異なり、筒といった場合には通常、比較的剛性が高く、自由な変形はしないものをさす。
(出典:Wikipedia)
筒
常用漢字
中学
部首:⽵
12画
“筒”を含む語句
筒袖
煙筒
竹筒
喞筒
吸筒
烟筒
一筒
筒口
井筒
円筒
筒服
筆筒
吹筒
筒切
筒抜
大筒
煙管筒
筒井
花筒
筒先
...