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久々都の名義を考ふるに、日本紀に木祖きのそや久久能智とある久々は茎にて、草木の幹をいふ。は男を尊む称なり。と通音なり。
三人寄れば文殊もんじゅというが、それは少なくとも一と一とが寄った場合のことで、零と零との会合は百人集まっても零に過ぎない。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思兼神というのは、天照大御神あまてらすおおみかみが岩戸へ隠れたとき、岩戸開きの総計画をお考えになった神様で、「数人の思慮おもいはかを一つの心に兼もてる意なり」
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「果断より来たる者あり、より来たる者あり、勇より来たる者あり。義と智をあわせてしかして来たる者あるは上なり。いたずらに勇のみなる者し」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
〔譯〕果斷くわだんは、より來るもの有り。より來るもの有り。ゆうより來るもの有り。義と智とをあはせて來るもの有り、じやうなり。たゞゆうのみなるはあやふし。
せんがんずといえども、一雁を失わず、一計双功を収めずと雖も、一功を得る有り。永楽帝のあにあえて建文をもとむるを名として使つかいを発するをさんや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
に働けばかどが立つ。じょうさおさせば流される。意地をとおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たゞッきりといふのが分別智ふんべつちぢゃが、意味いみことになら、分別智ふんべつちつねに五はたらく。
すな小礫こじやりまじりたる所にあらざればうまずと漁師れふしがいへり。その所為しわざ人のにをさ/\おとらず。
龐涓はうけんみづから・きはまりへいやぶるるをり、すなは(五七)自剄じけいしていはく、『つひ(五八)豎子じゆしせり』と。せいつてかちじようじてことごと其軍そのぐんやぶり、太子たいししんとりこにし(五九)かへる。
「馬鹿野郎! 七輪じゃアねえ。五とくだ。じんれいしん、これを五徳といってナ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おそれ我方非分ひぶんと知りながら是をさばく事遠慮ゑんりよする所かの越前守は奉行ぶぎやうとなつてたちまち一時に是非ぜひたゞ我領分わがりやうぶんをまけになしたるだんあつぱれ器量きりやう格別かくべつにしてじんゆうとく兼備けんび大丈夫だいぢやうふなりかれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人のは限りあるを、限りなきよろづの物のことわりを考へきわめんとするにつけては、ひたる説多く、元よりさかしらなる国風くにぶりなるゆえに、現在の小理にかかはつて、かへつて幽神の大義を悟らず。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その間に大いに勉強して身を修め、徳を積み、みがき、人のためにくし、国のためにつとめ、ないしはまた自分のために楽しみ、善人として一生を幸福に送ることは人間として大いに意義がある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
顔全体には、爛熟らんじゅくした文明の婦人に特有な、的な輝きがあった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
またしんと名のりつつ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そが王の才とを。
一新いつしんはじめ、大久保公遷都せんとけんじて曰ふ、官軍已につと雖、東賊とうぞく猶未だほろびず、宜しく非常ひじやうだんを以て非常の事を行ふべしと。先見の明と謂ふ可し。
万里小路宣房までのこうじのぶふさ、北畠親房の三卿を登用召され、世間ではそれを“三ぼう”と申したりしておりますそうな
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかれども熊はたけく、かつありてるにやすからず。雪中の熊はかはきもも常にばいす、ゆゑに雪に穴居けつきよするをたづさがし、猟師れふしどもちからあはせてこれをるに種々しゆ/″\じゆつある事初編しよへんしるせり。
これたまたまもって軍旅のえいぎ、貔貅ひきゅうたんを小にするに過ぎざるのみ、なりというからず。燕王と戦うに及びて、官軍時にあるいは勝つあるも、この令あるをもって、飛箭ひせん長槍ちょうそう、燕王をたおすに至らず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さんじ大いによろこび越前守の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いや小勢とはいいながら、かれはありじんあり勇ある者ども。平野のいくさはあやうし、あやうし」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかれども熊はたけく、かつありてるにやすからず。雪中の熊はかはきもも常にばいす、ゆゑに雪に穴居けつきよするをたづさがし、猟師れふしどもちからあはせてこれをるに種々しゆ/″\じゆつある事初編しよへんしるせり。
さて象の代りに石を積みて先の印のところまで船の水に没るるを見計らひ、一々石の量目めかたを量り集めなばすなわち象の斤両を得べしと教へられ、道理もっともなりと合点がてんしてこのをもつて天神に答へける。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雁もたび/\とられてこれをしるにや、人にしらせじとてふんに土をかけてかくしおく也。代見立あしくさまで食なかりし処へは、ふんに土をかけずふたゝびきたらず、そのある事人におなじ。