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披露
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ひろう
ふりがな文庫
“
披露
(
ひろう
)” の例文
かの新聞で
披露
(
ひろう
)
する、諸種の
義捐金
(
ぎえんきん
)
や、
建札
(
たてふだ
)
の
表
(
ひょう
)
に掲示する寄附金の署名が写実である時に、これは理想であるといっても
可
(
よ
)
かろう。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
傾けられて大膳は
氣後
(
きおく
)
れし然らば拙者は病氣と
披露
(
ひろう
)
して貴殿面會し給はれと云ふに伊賀亮夫は何より
易
(
やす
)
けれども平石次右衞門と手札を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二号
(
にがう
)
活字
(
くわつじ
)
の
広告
(
くわうこく
)
で
披露
(
ひろう
)
さるゝ
外
(
ほか
)
は
何
(
なん
)
の
慾
(
よく
)
もなき
気楽
(
きらく
)
三
昧
(
まい
)
、あツたら
老先
(
おひさき
)
の
長
(
なが
)
い
青年
(
せいねん
)
男女
(
なんによ
)
を
堕落
(
だらく
)
せしむる事は
露
(
つゆ
)
思
(
おも
)
はずして
筆費
(
ふでづひ
)
え
紙費
(
かみづひ
)
え
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
他人と他人に
刃傷沙汰
(
にんじょうざた
)
はねえと見てきたようなことをご
披露
(
ひろう
)
したが、お駒音蔵、音蔵お駒と一本道にふたりのつながりばかりねらうから
右門捕物帖:38 やまがら美人影絵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
懇意な友人の新婚
披露
(
ひろう
)
に招かれて
星
(
ほし
)
が
岡
(
おか
)
の
茶寮
(
さりょう
)
に行った時も、着るものがないので、袴羽織とも
凡
(
すべ
)
て兄のを借りて間に合せた事もあった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「けさから私はこんなに生まれ代わりました御覧なさい」といってだれにでも自分の喜びを
披露
(
ひろう
)
したいような気分になっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
市蔵
(
いちぞう
)
というんだ。市蔵とな。いい名だろう。そこで、名前を変えるには、改名の
披露
(
ひろう
)
というものをしないといけない。いいか。
よだかの星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その年の秋が冬に変ろうという十一月の候、例の某大国は日本国民の前にびっくりするような大きな贈物をするというニュースを
披露
(
ひろう
)
した。
東京要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、早速奥へ
披露
(
ひろう
)
します。歌舞伎座の狂言なども、出し物の変る度びに二三度立ち見に出かけ、直きに
芝翫
(
しかん
)
や
八百蔵
(
やおぞう
)
の
声色
(
こわいろ
)
を覚えて来ます。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、この座敷で
披露
(
ひろう
)
したことは、宮のお心をさらに苦しくさせたことであった。少将はすぐにそれを手もとへ取ってしまった。
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「猫の鳴き声なんか、
陰気
(
いんき
)
じゃありません? それよりか、ここには友愛塾
音頭
(
おんど
)
というのがありますから、あたしそれをご
披露
(
ひろう
)
しますわ。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
殆
(
ほと
)
んど高品さんの炉端にいて、頭のあったかいところを
披露
(
ひろう
)
しながら、炉端に集まる人たちに愛されたり笑われたりしていた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は、あらゆる手段で、朝野の名流を、その
披露
(
ひろう
)
の式場に
蒐
(
あつ
)
めようとした。彼は、あらゆる縁故を
辿
(
たど
)
って、貴族顕官の列席を、頼み廻った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「私横浜の叔母のところへ行けば、少しは相談に乗ってくれますよ。」お銀は
燥
(
はしゃ
)
いだような調子で、
披露
(
ひろう
)
のことなどをいろいろに考えていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
○さて口上いひ出て寺へ
寄進
(
きしん
)
の物、あるひは役者へ
贈物
(
おくるもの
)
、餅酒のるゐ一々人の名を
挙
(
あげ
)
、
品
(
しな
)
を
呼
(
よび
)
て
披露
(
ひろう
)
し、此処忠臣蔵七段目はじまりといひて
幕
(
まく
)
開
(
ひらく
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
するとこの地の長官たる百川は、それが彼の最大の義務であるように、自ら進んで倭舞を
披露
(
ひろう
)
した。舞の手はさして巧くはなかったが、その神妙さ。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
トランプの手品を次から次へと
披露
(
ひろう
)
したが、あげくの果てにカードをよく切ってから、札を四人に配る時、切札を全部わが手に収めてしまったので
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
(お千賀どのを、妻に
娶
(
もら
)
う)と、かなり前
披露
(
ひろう
)
してしまったし、庄左衛門もつい当座の嘘に嘘がかさんで、退っぴきならない板挾みになってしまった。
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本妻みたいにはして居るが、仲人が立ったわけでも、祝言をしたわけでも、親類達に
披露
(
ひろう
)
したわけでもありません。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
子供の初節句、結婚の
披露
(
ひろう
)
、還暦の祝い、そういう機会はすべて村のバッカスにささげられる。そうしなければその土地には住んでいられないのである。
田園雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
が、
大御所
(
おおごしょ
)
吉宗
(
よしむね
)
の内意を受けて、
手負
(
てお
)
いと
披露
(
ひろう
)
したまま
駕籠
(
かご
)
で中の口から、平川口へ出て引きとらせた。
公
(
おおやけ
)
に死去の届が出たのは、二十一日の事である。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「島原通いの金に困って、預かりの金を
費
(
つか
)
い果した、その申しわけに腹を切る——隊中へはそのように
披露
(
ひろう
)
する」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
親しき友にも八重との婚儀は改めて
披露
(
ひろう
)
せず。
祝儀
(
しゅうぎ
)
の心配なぞかけまじとてなり。物堅き親戚一同へはわれら
両人
(
ふたり
)
が身分を
省
(
かえり
)
みて無論披露は遠慮致しけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、
最早
(
もは
)
や御近所へ
披露
(
ひろう
)
してしまった後だから泣寝入りである。後略のまま
頓首
(
とんしゅ
)
。大事にしたまえ。萱野君、旅行から帰って来た由。早川俊二。津島君。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これは何かの間違ひであらうといふので、
表向
(
おもてむき
)
は牢中病死と
披露
(
ひろう
)
して、實は生かして置いて下すつたのだ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それで面目なさに、わたくしと子息のイワン・フョードロヴィッチにことづけまして、心からの遺憾と悔恨と
懺悔
(
ざんげ
)
を尊師様のお前に
披露
(
ひろう
)
して欲しいと申しました……。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
そのようにじみな姿の花嫁ではあったが、
披露
(
ひろう
)
の宴に連った人々は、二十年の野村の作家生活に心をつなぎ合った、社会的にも知名の作家や画家たちが顔を並べていた。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
あれはみんなこの地震の来る知らせでしたわい。なにしろ、吉左衛門さん、
吾家
(
うち
)
じゃ仙十郎の
披露
(
ひろう
)
を済ましたばかりで、まあおかげであれも
組頭
(
くみがしら
)
のお仲間入りができた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
香具師
(
やし
)
がそばから
披露
(
ひろう
)
をするのはいいが、自分で呼んでじぶんでこたえるのだから世話はない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いよいよそうと
定
(
き
)
まれば、知り合いの待合や芸者屋に
披露
(
ひろう
)
して引き幕を贈ってもらわなければならないとか、披露にまわる
衣服
(
きもの
)
にこれこれかかるとか、かの女も寝ころびながら
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それも
己
(
うぬ
)
一個
(
ひとり
)
で鼻に掛けて、
己
(
うぬ
)
一個
(
ひとり
)
でひけらかして、
己
(
うぬ
)
と
己
(
うぬ
)
が
愚
(
ぐ
)
を
披露
(
ひろう
)
している分の事なら空家で棒を振ッたばかり、当り触りが無ければ文三も黙ッてもいよう、立腹もすまいが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
が
玄竹
(
げんちく
)
を
愛
(
あい
)
したのは、
玄竹
(
げんちく
)
が
岡部美濃守
(
をかべみののかみ
)
の
頓死
(
とんし
)
を
披露
(
ひろう
)
するに
最
(
もつと
)
も
必要
(
ひつえう
)
な
診斷書
(
しんだんしよ
)
を、
何
(
なん
)
の
求
(
もと
)
むるところもなく、
淡白
(
たんぱく
)
に
書
(
か
)
き
與
(
あた
)
へたといふ
心
(
こゝろ
)
の
潔白
(
けつぱく
)
を
知
(
し
)
つたのが
第
(
だい
)
一の
原因
(
げんいん
)
である。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と
披露
(
ひろう
)
したら、ふだん遊女の心理には
通暁
(
つうぎょう
)
していると自称する朋輩の一人から
朴歯の下駄
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
妾も心中この人ならばと思い定めたる
折柄
(
おりから
)
とて、直ちに承諾の
旨
(
むね
)
を答え、いよいよ結婚の約を結びて、母上にも事情を告げ、彼も公然その友人らに
披露
(
ひろう
)
して、それより
同棲
(
どうせい
)
することとなり
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
自転車で
岡持
(
おかも
)
ちを運んで来る若者は遠路をぶつぶつ
叱言
(
こごと
)
いったが、小初の美貌と、父親が
宛
(
あ
)
てがう心づけとで、この
頃
(
ごろ
)
はころころになって、何か新らしく仕込んだ
洒落
(
しゃれ
)
の一つも
披露
(
ひろう
)
しながら
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その上に口が大変物である。俺は自信のある雄弁家だとそう
披露
(
ひろう
)
でもしているように、やけに大きく薄いばかりか
反歯
(
そっぱ
)
でさえもあるのである。年はそちこち二十八、九か、色浅黒く肥えている。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして、チンドン
屋
(
や
)
などがまわって、
開店
(
かいてん
)
の
披露
(
ひろう
)
をしたのであります。
海が呼んだ話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
つぐんだぜ。そしたら新宿の新歌舞伎座で、大々的襲名
披露
(
ひろう
)
の看板を
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
其れから
衛生委員
(
えいせいいいん
)
の選挙、消防長の選挙がある。テーブルが持ち出される。
茶盆
(
ちゃぼん
)
で集めた
投票
(
とうひょう
)
を、
咽仏
(
のどぼとけ
)
の大きいジャ/\
声
(
ごえ
)
の仁左衛門さんと、むッつり顔の
敬吉
(
けいきち
)
さんと立って投票の結果を
披露
(
ひろう
)
する。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
君は来るたんび引越しの
披露
(
ひろう
)
をして行くね。
一利己主義者と友人との対話
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
披露
(
ひろう
)
のとき呼んで
御馳走
(
ごちそう
)
するです。シャンパンを飲ませるです。君シャンパンを飲んだ事がありますか。シャンパンは
旨
(
うま
)
いです。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
披露
(
ひろう
)
は帝国ホテルで行うこと、御牧側では、
子爵
(
ししゃく
)
は老体のことであるから、
嗣子
(
しし
)
の正広夫妻が代理を勤めるであろうこと、等々の話をした。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
相違
仕
(
つかま
)
つり候ては御役儀も
輕
(
かろ
)
く
相成
(
あひなり
)
候故私しの内意仕つり候に付私再吟味御免を
蒙
(
かうむ
)
り其後病氣と
披露
(
ひろう
)
仕つり
引籠
(
ひきこも
)
り
中
(
ちう
)
家來
(
けらい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女連は大方は一度か二度以上口を
利合
(
ききあ
)
った人達であったが、それが
孰
(
いずれ
)
も、式のあとの
披露
(
ひろう
)
の席に、酌や給仕をするために
僦
(
やと
)
われて来たのであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あるものは演説
口調
(
くちょう
)
で郷土の
偉人
(
いじん
)
や、名所
旧蹟
(
きゅうせき
)
や、
特殊
(
とくしゅ
)
の産業などを
紹介
(
しょうかい
)
し、あるものは郷土の
民謡
(
みんよう
)
や
舞踊
(
ぶよう
)
を
披露
(
ひろう
)
した。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
○さて口上いひ出て寺へ
寄進
(
きしん
)
の物、あるひは役者へ
贈物
(
おくるもの
)
、餅酒のるゐ一々人の名を
挙
(
あげ
)
、
品
(
しな
)
を
呼
(
よび
)
て
披露
(
ひろう
)
し、此処忠臣蔵七段目はじまりといひて
幕
(
まく
)
開
(
ひらく
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『神妙な仕方である。すぐ登城いたして、老中方へ
披露
(
ひろう
)
に及び、お沙汰を仰ぐ事にするであろう。両所にはその間、
緩々
(
ゆるゆる
)
当家に於いて休息あるがよい』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お供をして来た役人たちの姓名の
披露
(
ひろう
)
される時にも、だれがいる、かれも来ていると、女王は深く耳にとまる気がした。高官たちも多数に来ていたのである。
源氏物語:41 御法
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
奸黠
(
かんきつ
)
な小田切久之進がことば巧みにその名笛を巻きあげて、まんまとそれを自分のくふうのごとくによそおいながら、将軍家に
披露
(
ひろう
)
しましたものでしたから
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
秘
(
ひそ
)
かに自任しているよりも、低く自分の徳を
披露
(
ひろう
)
して、控目という徳性を満足させておきながら、欲念というような実際の弱点は、
一寸見
(
ちょっとみ
)
には見つからない程
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
披
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
“披露”で始まる語句
披露目
披露宴
披露式
披露文
披露旁馳走