“反歯”のいろいろな読み方と例文
旧字:反齒
読み方割合
そっぱ56.3%
そつぱ43.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梯子段はしごだんを、足音をぬすむようにして、青年が一人のぼってきた。眼と口とがキワだって大きい。少し反歯そっぱの男だった。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
奥山の話は榛野はんのという男の事に連帯して出るのが常になっている。家従どもは大抵菊石あばたであったり、獅子鼻ししばなであったり、反歯そっぱであったり、満足な顔はしていない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
『お誂へは?』と反歯そつぱの女中に問はれて、「天麩羅」と云はうとしたが、先刻の若い男の顔がチラと頭に閃いたので
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そのはしやいだ賑やかな笑ひ、笑ふたびの三角な眼、鼻の頭の小皺、反歯そつぱなどが一ト時ひとみの先に映り動いた。私は相手の幻影に顔をあからめてにつこり笑ひかけた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)