世界漫遊 (新字新仮名) / ヤーコプ・ユリウス・ダビット(著)
銭形平次捕物控:103 巨盗還る (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
所が午頃から激烈な疼痛がやってきた。床の上に身をねじって苦しんだ。痛みが去るとねっとり汗をかいていた。それが頻繁にやってきた。夕方になって少し遠のいた。
同じ話がまた、前夜其場に行合せた農夫が、午頃何かの用で小川家の臺所に來た時、稍詳しく家中の耳に傳へられた。老人達は心から吉野の義氣に感じた樣に、それに就いて語つた。
お美代の死骸の見付けられた後では、——今日の午頃、お照が何んの用事ともなく二た刻ほど家をあけました。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
利家は、同日の午頃には、早やこの辺を通過し、陽もまだ高いうちに、子息利長の居城府中に、全軍を引揚げていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
午頃になっても帰らないので、これもどうしたかと案じていると、九つ半——今の午後一時頃だそうでございます——頃になって、伊助ひとりが青くなって帰って来ました。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはきょうの午頃のことで、お直はそれぎり自分の店へも戻らないのであった。
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あれほどな足利勢も午頃には洛中のくまぐまにさえ一兵も影をみせず、遠く丹波境の山波の彼方へ没し去っていたことだけはたしかであり、さらには
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして翌る日も、主人の書斎で何事かひそかに話しこんでいたが、午頃、召使いがそこへ来客の刺を通じた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「婆めの弔いのときには藻も来て手伝うてくれたが、その明くる日に、都から又お使いが来たそうで、すぐに御奉公にあがることに決まって、きのうの午頃にいそいそして出て行ったよ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)