“ひるごろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
午頃77.6%
正午頃6.0%
昼頃4.5%
晝頃3.0%
午時頃3.0%
年頃1.5%
昼飯頃1.5%
正午前後1.5%
正午比1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「好いかい。待つてゐるんだぜ。午頃ひるごろまでにやきつと帰つて来るから。」——彼は外套をひつかけながら、かう信子に念を押した。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
蒸しものの菓子を紙に包んで、ちょっと頂いた処は慇懃いんぎんで却って恐縮。納めた袋の緒を占めるのがかぶとを取ったようで、おごそかに居直って、正午頃ひるごろまでに、見舞う約束が一軒。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風はおさまったけれど、朝はどんより曇って昼頃ひるごろちょっと雨が降り、それから、少しずつ晴れて来て、夜は月が出た。今夜は、まず、きのうの日記を読みかえしてみて、そうして恥ずかしく思った。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それはたしか去年きよねん春頃はるごろ池谷いけのやしんらううちでのことで、前日ぜんじつ晝頃ひるごろはじめて翌日よくじつ夕方過ゆふがたすぎまで八圈戰けんせんを五くわいぐらゐかへしたやうにおもふが、をはりにはあたま朦朧もうろうとしてからだはぐたぐたになつてしまつた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
次の日の午時頃ひるごろ、浅草警察署の手で、今戸の橋場寄りの或露地ろじの中に、吉里が着て行ッたお熊の半天はんてん脱捨ぬぎすててあり
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
音もなく夜の間に降出して、朝戸をあけると真白になっているということもあれば、朝から曇っている空が年頃ひるごろに至ってちらちら雪を降らしはじめることもある。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
引取人が来てくれるまでは心配です。何しろ、このお客さんはお昼飯頃ひるごろに着いて、夕方にはもう冷たくなっていたんでね。宿帳を
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
ときに午後一時。元来登山は、麓を朝の中に立って、遅くも正午前後ひるごろまでには、頂上に達するようにせねばならぬとは、かねて聞いて居ることだが、見たところでは、武甲山はそれほど恐ろしい山ではない。
武甲山に登る (新字新仮名) / 河井酔茗(著)
その生れた子供は毎日のようにじょちゅうの手に抱かれて、正午比ひるごろと夕方家の前へ出ていた。子供はひいひい泣いている時があった。通りかかった知己しりあいの者がくと
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)