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一言
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いちげん
ふりがな文庫
“
一言
(
いちげん
)” の例文
鹿島さんの再び西洋に遊ばんとするに当り、活字を以て
一言
(
いちげん
)
を
餞
(
はなむけ
)
す。あんまりランプ・シエエドなどに感心して来てはいけません。
田端人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
も
默
(
もく
)
して
一言
(
いちげん
)
なく、
稻妻
(
いなづま
)
は
終夜
(
よもすがら
)
吠
(
ほ
)
え
通
(
とう
)
しに
吠
(
ほ
)
えたので
餘程
(
よほど
)
疲
(
つか
)
れたと
見
(
み
)
え、
私
(
わたくし
)
の
傍
(
かたわら
)
に
横
(
よこたは
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そうしてその力が私にお前は何をする資格もない男だと
抑
(
おさ
)
え付けるようにいって聞かせます。すると私はその
一言
(
いちげん
)
で
直
(
すぐ
)
ぐたりと
萎
(
しお
)
れてしまいます。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
凡
(
およ
)
そ学問の道は、
六経
(
りくけい
)
を治め
聖人
(
せいじん
)
の道を身に行ふを主とする事は
勿論
(
もちろん
)
なり。
扨
(
さて
)
其
(
その
)
六経を読み
明
(
あきら
)
めむとするには必ず其
一言
(
いちげん
)
一句をも
審
(
つまびらか
)
に研究せざるべからず。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
天明時代の役者絵を論ずるに先立ちてここに
一言
(
いちげん
)
すべきは劇場内外の光景を描ける風俗的
景色画
(
けいしょくが
)
のこととす。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
一言
(
いちげん
)
にして
尽
(
つ
)
くせば、自分の
昵近
(
じっこん
)
な人の間に何か不吉なことがあると、それが必らず前兆になって現われる。いかなる前兆となって現われるかというに叩く音!
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
この
際
(
さい
)
一言
(
いちげん
)
して
置
(
お
)
く
必要
(
ひつよう
)
のあることは
地震
(
ぢしん
)
の
副原因
(
ふくげんいん
)
といふことである。
即
(
すなは
)
ち
地震
(
ぢしん
)
が
起
(
おこ
)
るだけの
準備
(
じゆんび
)
が
出來
(
でき
)
てゐる
時
(
とき
)
、それを
活動
(
かつどう
)
に
轉
(
てん
)
ぜしめる
機會
(
きかい
)
を
與
(
あた
)
へるところの
誘因
(
ゆういん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
之
(
これ
)
を
一言
(
いちげん
)
すれば——西洋日進の書を読むことは日本国中の人に出来ない事だ、自分達の仲間に
限
(
かぎっ
)
て
斯様
(
こんな
)
事が出来る、貧乏をしても難渋をしても、粗衣粗食、一見
看
(
み
)
る
影
(
かげ
)
もない貧書生でありながら
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
書房
(
ふみや
)
は
透
(
すか
)
さずこの船人の
脇艪
(
わきろ
)
を押す事を許されたりとて、
自己
(
おのれ
)
をして水先見よと乞うて止まねば、久しく採らぬ
水茎
(
みずぐき
)
の
禿
(
ちび
)
たる
掉
(
さお
)
を
徐
(
やお
)
ら採り、ソラ当りますとの
一言
(
いちげん
)
を
新版発兌
(
しんぞおろし
)
の船唄に換えて序とす。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):01 序
(新字新仮名)
/
条野採菊
(著)
彼の
為人
(
ひととなり
)
を説明するのがこの話しの目的ではないから、別に深入りはしないが、例えば上田秋成の「
雨月
(
うげつ
)
物語」の内で、どんなものを彼が好んだかということを
一言
(
いちげん
)
すれば、彼の人物がよくわかる。
百面相役者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一言
(
いちげん
)
あたかも百雷耳に
轟
(
とどろ
)
く心地。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一言
(
いちげん
)
でそれは述べられる。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
ここにちょっと敵の策略について
一言
(
いちげん
)
する必要がある、敵は主人が
昨日
(
きのう
)
の
権幕
(
けんまく
)
を見てこの様子では今日も必ず自身で出馬するに相違ないと察した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕のこの
言
(
げん
)
を
倣
(
な
)
す
所以
(
ゆゑん
)
は、
渋沢
(
しぶさは
)
子爵の
一言
(
いちげん
)
より、
滔滔
(
たうたう
)
と
何
(
なん
)
でもしやべり得る僕の才力を示さんが為なり。されどかならずしもその為のみにはあらず。同胞よ。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ここに
一言
(
いちげん
)
すべきはゴンクウルが遺品競売の全金額はその遺書に基き親族の反対ありしにもかかはらずやがてゴンクウルアカデミイ(私立文芸院)設立の基本財産となりぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
决
(
けつ
)
して
他國
(
たこく
)
には
渡
(
わた
)
すまじき
此
(
この
)
朝日島
(
あさひじま
)
の
占領
(
せんりよう
)
をば、
今
(
いま
)
より
完全
(
くわんぜん
)
に
繼續
(
けいぞく
)
して、
櫻木大佐等
(
さくらぎたいさら
)
の
立去
(
たちさ
)
つた
後
(
あと
)
と
雖
(
いへど
)
も、
動
(
うご
)
かし
難
(
がた
)
き
確證
(
くわくしよう
)
を
留
(
とゞ
)
め、
※一
(
まんいち
)
他國
(
たこく
)
の
容嘴
(
ようし
)
する
塲合
(
ばあひ
)
には、
一言
(
いちげん
)
の
下
(
した
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一言
(
いちげん
)
で云えば、
Autonomie
(
オオトノミイ
)
である。それを公式にして見せることは、イブセンにも出来なんだであろう。とにかくイブセンは求める人であります。現代人であります。新しい人であります
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それから
断頭吏
(
だんとうり
)
の歌をうたって
斧
(
おの
)
を
磨
(
と
)
ぐところについて
一言
(
いちげん
)
しておくが、この趣向は全くエーンズウォースの「
倫敦塔
(
ロンドンとう
)
」と云う小説から来たもので
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
されど多士
済々
(
せいせい
)
たる日本文壇、
未
(
いまだ
)
この人が等身の著述に
一言
(
いちげん
)
の紹介すら加へたるもの無し。文芸
豈
(
あに
)
独り北欧の天地にのみ、オウロラ・ボレアリスの盛観をなすものならんや。(一月二十五日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれど、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
の
今
(
いま
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
に
就
(
つ
)
いては、
一言
(
いちげん
)
も
問
(
とひ
)
を
發
(
はつ
)
しなかつた。
差當
(
さしあた
)
つて
尋
(
たづ
)
ねる
必要
(
ひつよう
)
も
無
(
な
)
く、また
容易
(
ようゐ
)
ならざる
大佐
(
たいさ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
をば、
輕率
(
けいそつ
)
に
問
(
と
)
ひかけるのは、
却
(
かへつ
)
て
禮
(
れい
)
を
失
(
しつ
)
すると
思
(
おも
)
つたからで。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私がKに向って新しい
住居
(
すまい
)
の心持はどうだと聞いた時に、彼はただ
一言
(
いちげん
)
悪くないといっただけでした。私からいわせれば悪くないどころではないのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一口
(
ひとくち
)
でいうと、彼らは本当の母子ではないのである。なお誤解のないように
一言
(
いちげん
)
つけ加えると、本当の母子よりも
遥
(
はる
)
かに仲の好い
継母
(
ままはは
)
と
継子
(
ままこ
)
なのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二王子幽閉の場と、ジェーン所刑の場については有名なるドラロッシの絵画がすくなからず余の想像を助けている事を
一言
(
いちげん
)
していささか感謝の意を表する。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何だか、構えている向うの体面を、わざと
此方
(
こっち
)
から
毀損
(
きそん
)
する様な気がしたからである。その上金の事に付いては平岡からはまだ
一言
(
いちげん
)
の相談も受けた事もない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
貴方
(
あなた
)
は
人
(
ひと
)
に
對
(
たい
)
して
濟
(
す
)
まない
事
(
こと
)
をした
覺
(
おぼえ
)
がある。
其
(
その
)
罪
(
つみ
)
が
祟
(
たゝ
)
つてゐるから、
子供
(
こども
)
は
決
(
けつ
)
して
育
(
そだ
)
たない」と
云
(
い
)
ひ
切
(
き
)
つた。
御米
(
およね
)
は
此
(
この
)
一言
(
いちげん
)
に
心臟
(
しんざう
)
を
射拔
(
いぬ
)
かれる
思
(
おもひ
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あなたは人に対してすまない事をした
覚
(
おぼえ
)
がある。その罪が
祟
(
たた
)
っているから、子供はけっして育たない」と云い切った。御米はこの
一言
(
いちげん
)
に心臓を射抜かれる思があった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども斯う単簡に聞かれたときに、
何
(
ど
)
うして此複雑な経過を、
一言
(
いちげん
)
で答へ得るだらうと思ふと、返事は容易に
口
(
くち
)
へは
出
(
で
)
なかつた。
兄
(
あに
)
は封筒の
中
(
なか
)
から、手紙を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれどもこう
単簡
(
たんかん
)
に聞かれたときに、どうしてこの複雑な経過を、
一言
(
いちげん
)
で答え得るだろうと思うと、返事は容易に口へは出なかった。兄は封筒の中から、手紙を取り出した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎には此
一言
(
いちげん
)
が非常に嬉しく聞えた。女は
光
(
ひか
)
る
絹
(
きぬ
)
を
着
(
き
)
てゐる。
先刻
(
さつき
)
から
大分
(
だいぶ
)
待
(
ま
)
たしたところを以て見ると、応接
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
る
為
(
ため
)
にわざわざ奇麗なのに着換へたのかも知れない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こちらでは
喋舌
(
しゃべ
)
らないつもりに、腹の中できめてかかったのであるが、婆さんのこの
一言
(
いちげん
)
に、ぼんやりした自分の頭が、相手の声に映ってちらりと姿を現わしたような気がしたので
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それだから吾輩はこの運動を称して松滑りと云うのである。最後に
垣巡
(
かきめぐ
)
りについて
一言
(
いちげん
)
する。主人の庭は竹垣をもって四角にしきられている。
椽側
(
えんがわ
)
と平行している
一片
(
いっぺん
)
は八九間もあろう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎にはこの
一言
(
いちげん
)
が非常にうれしく聞こえた。女は光る絹を着ている。さっきからだいぶ待たしたところをもってみると、応接間へ出るためにわざわざきれいなのに着換えたのかもしれない。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何だか、
構
(
かま
)
へてゐる向ふの体面を、わざと
此方
(
こつち
)
から毀損する様な気がしたからである。
其上
(
そのうへ
)
金
(
かね
)
の事に
付
(
つ
)
いては平岡からはまだ
一言
(
いちげん
)
の相談も受けた事もない。だから
表向
(
おもてむき
)
挨拶をする必要もないのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“一言”の意味
《名詞》
一つの言葉。
短い言葉。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“一言”で始まる語句
一言半句
一言二言
一言主
一言葉
一言毎
一言居士
一言坂
一言句
一言々々
一言観音