“一言居士”の読み方と例文
読み方割合
いちげんこじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一言居士いちげんこじ、——およそそうした人たちは、自分では人一倍世の中の役に立つという自信をもっている人ですが、実は、白痴やなまけ者以上に世の中の害になるものです。
青年の思索のために (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そして必ず附言する——英人は片言隻句へんげんせっくにも、本名を記すことを忘れないと。ジョンブル気質礼讃かたぎらいさんである。しかり、匿名での一言居士いちげんこじは、卑怯でもあり、罵詈雑言ばりぞうごんは慎しまなくてはならぬ。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
またこれと反対にいわゆる一言居士いちげんこじと称するのもある。これはもちろん自分の一言の真と美を信ずるからのことであろう。しかし、自分の「我」に固執する点ではどちらも似たものである。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)