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騎
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の
ふりがな文庫
“
騎
(
の
)” の例文
尾の房々と長く垂れた白馬にまたがった一人の将校を先頭に黒馬に
騎
(
の
)
った十余人の一団が、猟人広場の方から赤い広場へ入って来た。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
不意に陽がかげって頭の上へ
覆
(
おおい
)
をせられたような気がするので、
南
(
なん
)
三
復
(
ふく
)
は
騎
(
の
)
っている
驢
(
ろば
)
から落ちないように注意しながら空を見た。
竇氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「なるほど、北人はよく馬に
騎
(
の
)
り南人はよく舟を走らすと世俗の
諺
(
ことわざ
)
にもありましたが、実に、呉人は水上を行くこと平地のようですね」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあたりは
険岨
(
けんそ
)
で馬に
騎
(
の
)
っていくことができないので、馬を下男にわたして帰し、独りになって、うねりくねった山路を越えていった。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
しかるに魔
悛
(
あらた
)
めず物を乞い続けてやまず、上帝耐え兼ねて天人多く集め各々好馬を与えある朝早くこれに
騎
(
の
)
りて魔と戦わしめた。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
高靴の
踵
(
かかと
)
の
尖
(
とが
)
りを見ると、そのままポンと
蹴
(
け
)
て、馬に
騎
(
の
)
って、いきなり窓の外を、棟を飛んで、避雷針の上へ出そうに見える。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
友を迎えにやったのであろう、一人の童子が大きな牛に
騎
(
の
)
り、笛をふきながら水を
渉
(
わた
)
って帰ってくる。すべてが自然の中に溶けこんでいる。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
誰でも、夜なかのこの時刻に、わたしたちふたりがこんなに
疾駆
(
しっく
)
するのを見たらば、悪魔に
騎
(
の
)
った二つの妖怪と間違えたに相違ありますまい。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
かのフアビアニの君のやうなる、美しき軍服に身をかためて、羽つきたる
鍪
(
かぶと
)
を戴き、長き劍を
佩
(
は
)
きて、法皇のみ車の傍を
騎
(
の
)
りゆかんとやおもふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これに
騎
(
の
)
りて須坂を出ず。足指漸く
仰
(
あお
)
ぎて、遂につづらおりなる山道に入りぬ。ところどころに清泉
迸
(
ほとばし
)
りいでて、野生の
撫子
(
なでしこ
)
いと
麗
(
うるわ
)
しく咲きたり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「何、死にやしません。ああ見えたつて、ありや
普賢文殊
(
ふげんもんじゆ
)
です。あの友だちの
豊干
(
ぶかん
)
禅師つて大将も、よく虎に
騎
(
の
)
つちや、銀座通りを歩いてますぜ。」
寒山拾得
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その大将め、はるか
対方
(
むこう
)
に
栗毛
(
くりげ
)
の逸物に
騎
(
の
)
ッてひかえてあったが、おれの働きを心にくく思いつろう、『あの
武士
(
さむらい
)
、打ち取れ』と金切声立てておッた
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
シャロットの入口に渡したる石橋に、蹄も砕けよと乗り懸けしと思えば、馬は何物にか
躓
(
つまず
)
きて前足を折る。
騎
(
の
)
るわれは
鬣
(
たてがみ
)
をさかに
扱
(
こ
)
いて前にのめる。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小松さんは遙る/″\馬に
騎
(
の
)
つて迎へに来て、お龍さん足が傷むだらうと私の鞋を解いて石でたゝひて呉れました。
千里駒後日譚
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
馬に乗っているなら、試みにその気高い動物を波に向かって
騎
(
の
)
り入れ、おそろしさに
足掻
(
あが
)
くのを見るもよかろう。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
それを纏い馬に
騎
(
の
)
り数千騎を率いて走り来るところを信昌公にはただ一騎樹蔭にかくれて待ちかけ給い、矢頃を計って切って放てばその矢誤たず胸にあたり
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ル氏は毎日馬に
騎
(
の
)
つて役所に出掛けたものだが、
農夫爺
(
ひやくしやうおやぢ
)
の
家
(
うち
)
はその途中にあるので、馬に
騎
(
の
)
り
倦
(
あ
)
いたル氏は、時々鞍から下りて爺さんの家で休んだりしたものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
レジナにて
驢
(
うさぎうま
)
を雇ひ、
葡萄圃
(
ぶだうばたけ
)
、貧しげなる農家など見つつ
騎
(
の
)
り行くに、
漸
(
やうや
)
くにして草木の勢衰へ、はては
片端
(
かたは
)
になりたる小灌木、半ば枯れたる草の茎もあらずなりぬ。
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
老人と老馬は安全を得るということに就ては賢いものであるから、大抵の場合に於て老人には従い、老馬には
騎
(
の
)
るのが危険は少い。けれども其は無事の日の事である。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あの馬の
騎
(
の
)
り手はこの夜更けに何のためにこの王宮のまわりを駈けめぐるのであろう。あんな疾い馬がこの世に在るか知らん。
騎
(
の
)
り
人
(
て
)
は俺の知らぬ魔者ではないか知らん。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
……マーキューシオーの
親戚
(
しんせき
)
のパリス
殿
(
どの
)
ぢゃ!
馬
(
うま
)
に
騎
(
の
)
って
來
(
く
)
る
途中
(
とちゅう
)
、
家來
(
けらい
)
めが
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
うた
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
従者の一人が繖をさしかけていた。見ると、この人たちの着物には縫い目がなく、
鱗
(
うろこ
)
のような五色の
斑
(
ふ
)
があって、毛がなかった。やがて雨を催して来ると、男は馬に
騎
(
の
)
った。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
おれは今まで
畠
(
はたけ
)
にいたが、
餅草
(
もちぐさ
)
どころじゃあらすか。きょうのお通りは
正五
(
しょういつ
)
つ
時
(
どき
)
だげな。殿様は下町の
笹屋
(
ささや
)
の前まで馬に
騎
(
の
)
っておいでで、それから御本陣までお
歩行
(
ひろい
)
だげな。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから七年に一度ずつ、軍馬に
騎
(
の
)
った太公がキルデーアの革船と呼ばれている山の廻りを騎り廻します。太守がいなくなった時、その軍馬の銀の蹄鉄は半
吋
(
インチ
)
の厚さがありました。
二つの短い話
(新字新仮名)
/
ダグラス・ハイド
、
パトリック・ケネディ
(著)
屑拾いの風体を怪しんで
押取囲
(
おっとりかこ
)
んで吠付いたりした事も無いではないが、是れは皆友達を見よう見真似に其の尻馬に
騎
(
の
)
って、訳も分らずに唯騒ぐので、ポチに
些
(
ち
)
っとも悪意はない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『ええ、宅の方へ廻診に来る時は、大抵自転車よ。でなけや馬に
騎
(
の
)
つて来るわ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
用意がすでに整うと、第一番の射手が馬を乗り出しました。三たび馬を
回
(
めぐ
)
らした後、日の丸の扇を開いて、笠の端を三度繕い、馬を
驀然
(
まっしぐら
)
に
騎
(
の
)
り出しながら、その開いた扇を中天に
抛
(
なげう
)
つ。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なにを存じて
居
(
お
)
ろうが、お
父様
(
とっさま
)
がお
逝去
(
かくれ
)
前からある
大白月毛
(
おおしろつきげ
)
の馬、
彼
(
あ
)
れは歳を
老
(
と
)
っては居るが、癖のない
好
(
よ
)
い馬で、あれを遣ろう、荒く
騎
(
の
)
らずに歳をとって居るからいたわって乗るよう
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そんな風に、馬に
騎
(
の
)
つたままで、いつも日が暮れるのだつた。或る日もさうやつて暮れていつた。人びとはまた默りあつてしまつたが、明るい
語
(
ことば
)
が身にしみてゐた。そのとき侯爵が兜をぬいだ。
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
着
(
ちやく
)
し
本繩
(
ほんなは
)
に掛り
襟
(
えり
)
には
水晶
(
すゐしやう
)
の
珠數
(
ずず
)
を掛け馬に
騎
(
の
)
りて口に
法華經
(
ほけきやう
)
普門品
(
ふもんぼん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
街から西の渡し場迄行って、マターファ側の村々の様子を見ようと、馬に
騎
(
の
)
る。ヴァイムスまで行くと、路傍の家々に人々がごたごた立騒いでいたが、武装はしていない。川を渡る。三百
碼
(
ヤード
)
で又、川。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ヤクに
騎
(
の
)
る 夜が明けるとその息子はいそいそしくお婆さんの言付けを聞いてヤクを連れて来た。そのヤクという獣はまず日本の牡牛よりよほど大きいものです。また小さな奴は牝牛位のものもある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
あるは、また、馬に
騎
(
の
)
りて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おまへに
騎
(
の
)
つて
行
(
い
)
かう
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
驢に
騎
(
の
)
りて桟路に
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
ミ翁また若返り、二術士を二
驢
(
ろ
)
に化し、自らその一に
騎
(
の
)
り、
後
(
のち
)
山より投下す。今一の驢に
豕脂
(
しし
)
を負わせ、報酬として鼠どもに贈るとある。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
牛に乗った武士と訊いても、牛馬に
騎
(
の
)
って行く旅人は多い。それに又八は、武蔵一人と思っていたが、武蔵には、お通、城太郎の道連れがあった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
殿
(
しんがり
)
で敵に向いなさるなら、
鹿毛
(
かげ
)
か、
葦毛
(
あしげ
)
か、月毛か、栗毛か、馬の太く
逞
(
たくま
)
しきに
騎
(
の
)
った大将を打ち取りなされよ。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
寧
(
むし
)
ろ
死
(
し
)
せざるを
怪
(
あやし
)
むのみと。
令史
(
れいし
)
驚
(
おどろ
)
いて
言
(
い
)
ふやう、
我
(
わ
)
が
此
(
こ
)
の
馬
(
うま
)
はじめより
厩
(
うまや
)
を
出
(
いだ
)
さず
祕藏
(
ひざう
)
せり。
又
(
また
)
家
(
いへ
)
に
騎
(
の
)
るべきものなし。
何
(
なん
)
ぞ
千里
(
せんり
)
を
行
(
ゆ
)
くと
云
(
い
)
ふや。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
点呼に応ずる兵卒の正服つけて、黒き毛植ゑたるバワリア
鍪
(
かぶと
)
戴
(
いただ
)
ける、警察吏の馬に
騎
(
の
)
り、または
徒立
(
かちだち
)
にて
馳
(
は
)
せちがひたるなど、
雑沓
(
ざっとう
)
いはんかたなし。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
冷なる學校の
榻
(
たふ
)
に坐して、
黴
(
かび
)
の
生
(
は
)
えたるハツバス・ダアダアが講釋に耳傾けんは、あまりに甲斐なき事ならずや。見よ、我が馬に
騎
(
の
)
りて
市
(
まち
)
を行くを。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし、この驢馬はね、消え得るもので、ぐるりの光のつよさと熱度に応じて総体が縮少しつつある。昔から驢馬には女が
騎
(
の
)
りました。白い驢馬だったそうです。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
段〻と左へ
燈光
(
ともしび
)
を移すと、大中小それぞれの民家があり、
老人
(
としより
)
や若いものや、
蔬菜
(
そさい
)
を
荷
(
にな
)
っているものもあれば、
蓋
(
かさ
)
を張らせて
威張
(
いば
)
って馬に
騎
(
の
)
っている
官人
(
かんじん
)
のようなものもあり
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
隴西
(
ろうせい
)
の
李徳逢
(
りとくほう
)
という男は当年二十五歳の青年で、馬に
騎
(
の
)
り、弓をひくことが上手で、大胆な勇者として知られていましたが、こういう人物の癖として家業にはちっとも頓着せず
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ベンヂヤミン・フランクリンがある冬馬に
騎
(
の
)
つて田舎に旅行をした事があつた。雪の多い頃で、
夕方
(
ゆふかた
)
田舎の
旅籠屋
(
はたごや
)
に着いた頃には、馬も人も砂糖の塊のやうに
真白
(
まつしろ
)
になつてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると
騎
(
の
)
っていた馬の足が
疾
(
はや
)
くなって下男は
随
(
つ
)
いていくことができなかった。馬は飛ぶようにいってやがて一本の樹の下に止った。そこには黄巾氅服の道士がたくさん往来していた。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
口約束だけで間に合わせて行く。しかも
然諾
(
ぜんだく
)
を重んずる。子供の頃には羊に
騎
(
の
)
る。弓をひいて鳥を射る。青年になると馬に騎って、弓をひいて
狐兎
(
こと
)
を射る。食い物といえば肉ばかりだ。
沙漠の美姫
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それに日本語では、「読み手」、「書き手」、「聞き手」、「
騎
(
の
)
り
手
(
て
)
」などの如く、ほとんど凡ての動詞に「手」の字を添えて、人の働きを示しますから、手に因む文字は大変な数に上ります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
宮「
騎
(
の
)
り潰してはいかんよ、別になにも云う事はないか…これ/\金吾」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
騎
(
の
)
りつつ、騎りつつ、騎りつつ、日ねもす、夜もすがら、日ねもす。
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
騎
常用漢字
中学
部首:⾺
18画
“騎”を含む語句
騎手
騎士
竜騎兵
一騎打
六騎
騎打
騎馬武者
一騎
騎射
騎兵大隊長
騎乗
騎虎
騎馬
騎兵
槍騎兵
騎都尉
騎西
車騎将軍
近衛騎兵
驃騎兵
...