ちう)” の例文
店の奧から我慢のならぬちうを入れたのは、年上らしい女房のお秋でした。これは頑強で、眞つ黒で、牝牛めうしのやうな感じの女です。
ちうつて三百年さんびやくねんといふ古家ふるいへひとつがこれで、もうひとつが三光社前さんくわうしやまへ一棟ひとむねで、いづれも地震ぢしんにびくともしなかつた下六番町しもろくばんちやう名物めいぶつである。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
歐文おうぶん日本歴史にほんれきしくとき、便宜上べんぎじやう日本年紀にほんねんきとも西歴せいれきちうして彼我ひが對照たいせう便べんするは最適當さいてきたう方法はうはふであり、歐文おうぶん歐洲歴史おうしうれきしくとき、西歴せいれきしたがふは勿論もちろんである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
其所そこへ、周布神奈川縣知事すふかながはけんちじる。橋本警務長はしもとけいむちやうる。田中代議士たなかだいぎし樋口郡長ひぐちぐんちやういはなにいはなにういふときには肩書かたがき必用ひつようえる。高等野次馬かうとうやじうまかず無慮むりよ餘名よめいちうせられた。
口傳相承くでんさうしようの事は、此辨公このべんこうちう使僧日昭しそうにつせう)にくはしく申ふくめて候。すなはち如來使によらいのつかひなるべし。返々かへす/″\も信心候べし。天照大神はたまをそさのをのみこにさづけて、たまごとくのをまふけたり。
あへちうするにおよばないが、くるまうへ露呈あらは丸髷まるまげなり島田しまだなりと、散切ざんぎりの……わるくすると、揉上もみあげながやつが、かたんで、でれりとしてく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次は珍らしく八五郎を褒めて、斯うちうを添へます。腕にも袖にも何んの異状もなく、脇の下へ眞つ直ぐに刀を突つ込むといふことは、餘程の偶然の機會でも掴まなければ出來さうもないことです。
紅花べにばななへや、おしろいのなへ——とくちうするにおよぶまい、苗賣なへうりこゑだけは、くさはながそのまゝでうたになること、なみつゞみまつ調しらべにあひひとしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ガラツ八はさうちうを入れて、自分の額をピタリと叩くのでした。
おほきはまぐりウばかり。(ちう、ほんたうは三個さんこ)として、しゞみ見事みごとだ、わんさらもうまい/\、とあわてて瀬戸せとものをかじつたやうに、おぼえがきにしるしてある。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
平次の問ひの眞意を覺つて、お勢はちうを入れました。
おしろはうしろのなまりとるべし。るゐあまたあり。茸狩たけがりのうたに、(まつみゝ、まつみゝ、おや孝行かうかうなもんにあたれ。)まつみゝにまたちうして、松茸まつたけとあり。んだ間違まちがひなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちうを入れるには及ばない——で、樣子は解つたかい」
しかるべき民謠集みんえうしふなかに、金澤かなざは童謠どうえうしるして(とんびのおしろに鷹匠たかじよる、あつちいてさい、こつちいてさい)としたるはきが、おしろにちうして(おしろ)としたには吃驚びつくりなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ガラツ八の八五郎は説き了つてかうちうを入れました。
かけにしてばん口説くどいた一升入いつしよういり貧乏徳利びんぼふどくりたれかが外套ぐわいたうちう。おなじく月賦げつぷ……這個このまつくろなのを一着いつちやくして、のそ/\と歩行あるやつを、先生せんせいあざけつて——月府玄蝉げつぷげんせん。)のしたしのばしたいきほひだから
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
若旦那の宗太郎は父親の言葉にちうを入れました。
高野聖かうやひじりのことについて、あへべつちうしてをしへあたへはしなかつたが、翌朝よくてうたもとわかつて、雪中せつちう山越やまごしにかゝるのを、名残なごりしく見送みおくると、ちら/\とゆきるなかを次第しだいたか坂道さかみちのぼひじり姿すがた
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次の獨り言に八五郎のちうが入ります。
其處そこには、金澤かなざはひと多人數たにんずう移住いぢうしたるゆゑ、故郷こきやうにて、(加州金澤の新堅町の云々うんぬん)とふのが、次第しだいになまりて(かしや、かなざものしんたてまつる。)るべし、民謠みんえうちう愈々いよ/\不可ふかなること。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鹽辛聲のお角はちうを入れるのでした。
……其處そこで、道順みちじゆんだから、やすいゑんタクでおさそまをさうかと、もし、もし、電話でんわちう。おとなりのをりる)をけると六丁目ろくちやうめ里見氏宅さとみしたくで、はあ、とうけて、婀娜あだ返事へんじが——幹事かんじ支度したくがありますから
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
町役人は更にちうを入れました。
平次はちうを入れてやりました。
ちう
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
番頭の宗助はちうを入れました。
お常は妙にちうを入れるのです。
ちうを入れたのは八五郎でした。
與吉はそんなちうを入れます。
平次は一應ちうを入れました。
吉五郎はちうを入れました。
新吉はちうを入れました。
太吉はちうを入れます。
平次はちうを入れます。