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突
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つゝ
ふりがな文庫
“
突
(
つゝ
)” の例文
踊
(
をどり
)
を
見
(
み
)
ながら
輪
(
わ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
村落
(
むら
)
の
女等
(
をんなら
)
は
手
(
て
)
と
手
(
て
)
を
突
(
つゝ
)
き
合
(
あ
)
うて
勘次
(
かんじ
)
の
容子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
てはくすくすと
竊
(
ひそか
)
に
冷笑
(
れいせう
)
を
浴
(
あび
)
せ
掛
(
か
)
けるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
腹切
(
はらきり
)
の形も最初は
真中
(
まんなか
)
へ
棒差
(
ぼうざし
)
に
突
(
つゝ
)
込んで
直
(
す
)
ぐ
後
(
うしろ
)
へ倒れるのであつたが、最後の稽古の日に徳永柳洲が教へて遣つたので
何
(
ど
)
うにか見られる様に成つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
夫人が
編
(
あみ
)
さしの韈を膝の上に引伸ばしてじつと良人の足と見比べてゐると、後から右肩をちよい/\
突
(
つゝ
)
くものがある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
引寄
(
ひきよ
)
せても
遁
(
に
)
げないから、
密
(
そつ
)
と
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れると、
尻尾
(
しつぽ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
ひねつて、二つも三つも
指
(
ゆび
)
のさきをチヨ、チヨツと
突
(
つゝ
)
く。
此奴
(
こいつ
)
と、ぐつと
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れると、スイと
掌
(
てのひら
)
に
入
(
はい
)
つて
来
(
く
)
る。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お定はすぐ起きて、
寢室
(
ねま
)
にしてゐる四疊半許りの板敷を出た。手探りに
草履
(
ざうり
)
を
突
(
つゝ
)
かけて、表裏の入口を開けると、厩では
乾秣
(
やた
)
を
欲
(
ほ
)
しがる馬の、破目板を
蹴
(
け
)
る音がゴトゴトと鳴る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
細卷きの
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
の
尖端
(
さき
)
で、白く
孱弱
(
かよわ
)
い嫁菜の花をちよい/\
突
(
つゝ
)
ついてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
地中海に面した港の口に運河の設計者レセツプスが地図を手にして
突
(
つゝ
)
立つて居る銅像を左舷に見ながら
愈
(
いよ/\
)
欧洲に一歩踏み
入
(
い
)
る
旅客
(
りよかく
)
となつた。(十二月廿三日)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
狗が外から帰つて来ると、嬉しさうに我鳴り立てるし、狗が日向ぼつこでもすると、自分もその前に
蹲踞込
(
しやがみこ
)
んで、太い
嘴
(
くちばし
)
で相手の鼻つ先を
突
(
つゝ
)
き廻したりする。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
客
(
きやく
)
は
私
(
わたし
)
のほかに
三人
(
さんにん
)
あつた。
其
(
そ
)
の
三人
(
さんにん
)
は、
親子
(
おやこ
)
づれで、
九
(
こゝの
)
ツばかりの、
絣
(
かすり
)
の
羽織
(
はおり
)
に
同
(
おな
)
じ
衣服
(
きもの
)
を
着
(
き
)
た
優
(
おとな
)
しらしい
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
。——
見習
(
みなら
)
へ、
奴
(
やつこ
)
、と
背中
(
せなか
)
を
突
(
つゝ
)
いて
遣
(
や
)
りたいほどな、
人柄
(
ひとがら
)
なもので。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
崖腹
(
がいふく
)
にある二箇所の
停車場
(
ステエシヨン
)
には
赤布
(
せきふ
)
を頭に巻いた
印度
(
インド
)
巡査が黙つて白い眼を光らせながら
突
(
つゝ
)
立つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
演壇の上には尾崎行雄氏が
衝立
(
つゝた
)
つて、物に
怯
(
おび
)
えた魚のやうな表情をしてゐる。議場は蜂の巣を
突
(
つゝ
)
ついたやうな騒ぎだ。大臣席には寺内伯の尖つた頭がてか/\光つてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に、
火箸
(
ひばし
)
の
尖
(
さき
)
で
突
(
つゝ
)
いた、
疵
(
きず
)
がポツツリ
見
(
み
)
える、ト
確
(
たしか
)
に
覺
(
おぼ
)
えて
忘
(
わす
)
れぬ、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
しゆく
)
はづれで、
飯屋
(
めしや
)
の
縁側
(
えんがは
)
の
下
(
した
)
から
出
(
で
)
た
畜生
(
ちくしやう
)
を、
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
でくらはしたのが、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
左
(
ひだり
)
の
目
(
め
)
の
下
(
した
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
博士はその
折
(
をり
)
鯛の塩焼を
突
(
つゝ
)
ついてゐたが、
吃驚
(
びつくり
)
して箸を持つた儘女中の顔を見た。女中は笑つたら所得税でも掛るやうに、両手を膝の上に重ねて、ちやんと済ましてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三百
人
(
にん
)
ばかり、
山手
(
やまて
)
から
黒煙
(
くろけぶり
)
を
揚
(
あ
)
げて、
羽蟻
(
はあり
)
のやうに
渦卷
(
うづま
)
いて
來
(
き
)
た、
黒人
(
くろんぼ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづき
)
で、
濱
(
はま
)
に
倒
(
たふ
)
れて、
呻吟
(
うめ
)
き
惱
(
なや
)
む
一人々々
(
ひとり/\
)
が、
胴
(
どう
)
、
腹
(
はら
)
、
腰
(
こし
)
、
背
(
せ
)
、コツ/\と
突
(
つゝ
)
かれて、
生死
(
いきしに
)
を
驗
(
ため
)
されながら
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兄弟の一人にどうかすると Marion のこの性質をなぐさみにして、何かの拍子に彼を
突
(
つゝ
)
ついては怒らせてみようとするのがありました。その度に彼の気象は爆発しました。
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
それ
)
も
突
(
つゝ
)
かけに
夜昼
(
よるひる
)
かけて
此処
(
こゝ
)
まで
来
(
き
)
たなら、まだ/\
仕事
(
しごと
)
の
手前
(
てまへ
)
、
山
(
やま
)
にも
水
(
みづ
)
にも
言訳
(
いひわけ
)
があるのに……
彼方
(
あつち
)
へ
二晩
(
ふたばん
)
此方
(
こつち
)
へ
三晩
(
みばん
)
、
泊
(
とま
)
り
泊
(
とま
)
りの
道草
(
みちくさ
)
で、——
花
(
はな
)
には
紅
(
くれなゐ
)
、
月
(
つき
)
には
白
(
しろ
)
く、
処々
(
ところ/″\
)
の
温泉
(
をんせん
)
を
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女はきい/\した声で
突
(
つゝ
)
かゝつて来た。露西亜の労働者は
呻
(
うめ
)
くやうに言つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
コツ/\、
炭
(
すみ
)
を
火箸
(
ひばし
)
で
突
(
つゝ
)
いて
見
(
み
)
たつけ、はつと
止
(
や
)
めて、
目
(
め
)
を
一
(
ひと
)
つ
瞬
(
またゝ
)
いて
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
針
(
はり
)
のやうな
茸
(
きのこ
)
が
洒落
(
しやれ
)
に
突
(
つゝ
)
いたのであらうと
思
(
おも
)
つて、もう
一度
(
いちど
)
身
(
み
)
ぶるひすると
同時
(
どうじ
)
に、
何
(
ど
)
うやら
其
(
そ
)
の
茸
(
きのこ
)
が、
一
(
ひとつ
)
づゝ
芥子
(
けし
)
ほどの
目
(
め
)
を
剥
(
む
)
いて、ぺろりと
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して、
店賃
(
たなちん
)
の
安値
(
やす
)
いのを
嘲笑
(
あざわら
)
つて
居
(
ゐ
)
たやうで
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子供はわざと戯けたやうに、指先で和尚を
突
(
つゝ
)
つく真似をした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
私
(
わたし
)
がいふと、
同伴
(
つれ
)
は
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
のさきで
爪皮
(
つまかは
)
を
突
(
つゝ
)
きながら
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
箸
(
はし
)
の
先
(
さき
)
で
突
(
つゝ
)
いて
見
(
み
)
て
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
“突”を含む語句
衝突
突立
突込
突掛
突出
打突
突然
突張
突切
突懸
唐突
突伏
突貫
突端
突放
突刺
突支棒
猪突
突入
頭突
...