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ひい
ふりがな文庫
“
秀
(
ひい
)” の例文
お舎弟様は文武の道に
秀
(
ひい
)
で、お智慧も有り、
先
(
ま
)
ず大殿様が御秘蔵の
御方
(
おんかた
)
度々
(
たび/\
)
お
賞
(
ほ
)
めのお言葉も有りました事は、父から聞いて居ります
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
瑠璃子の前には、小姓か何かのように、力のないらしい青年は、極度の当惑に口を
噤
(
つぐ
)
んだまま、その
秀
(
ひい
)
でた
眉
(
まゆ
)
を、ふかく
顰
(
ひそ
)
めていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
此の一事を以ても、敦忠の死が人々に惜しまれたこと、又敦忠が和歌ばかりでなく、管絃の道にも
秀
(
ひい
)
でゝいたことが
偲
(
しの
)
ばれるのである。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一種の迷信めいたものを持つてゐるS君はその鋭い
秀
(
ひい
)
でた眼を少しとろりとさせ、白い小作りな顔をぽつとさせて、首を
傾
(
かし
)
げ/\云つた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
體術と
据物斬
(
すゑものぎり
)
に
秀
(
ひい
)
でたといふ、お菊殺しの下手人は誰? どう
頸
(
くび
)
を
捻
(
ひね
)
つたところで、ガラツ八には解りさうもなかつたのです。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
看護員は
犇々
(
ひしひし
)
とその身を
擁
(
よう
)
せる
浅黄
(
あさぎ
)
の
半被
(
はっぴ
)
股引
(
ももひき
)
の、雨風に
色褪
(
いろあ
)
せたる、
譬
(
たと
)
へば囚徒の幽霊の如き、
数個
(
すか
)
の物体を
眴
(
みま
)
はして、
秀
(
ひい
)
でたる
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めつ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一 鴎外先生若き頃バイロンの詩を訳せらるるに何の苦もなく漢字を以て
韻
(
いん
)
を押し
平仄
(
ひょうそく
)
まで合せられたり。一芸に
秀
(
ひい
)
づるものは必ず百芸に通ず。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
花瀬は次第に
窶
(
やつ
)
るるのみにて、今は肉落ち骨
秀
(
ひい
)
で、
鼻頭
(
はなかしら
)
全く
乾
(
かわ
)
きて、この世の犬とも思はれず、頼み少なき身となりけり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
藩を浪人して諸国を修行し、武術に限ることはなく、およそ一芸一道に
秀
(
ひい
)
でた者は
洩
(
も
)
れなく訪ねて練り上げたもので、流儀の根本は
直心陰
(
じきしんかげ
)
です。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これはほとんど病苦と云うものの経験のない、
赭
(
あか
)
ら顔の大男で、文武の両道に
秀
(
ひい
)
でている点では、
家中
(
かちゅう
)
の侍で、彼の右に出るものは、幾人もない。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
繰り
反
(
かえ
)
しを彼らは迷う事なく選ぶ。進展がないと
謗
(
そし
)
る人があるかも知れぬが、その代りあの
秀
(
ひい
)
でた初期の作物に並び得るものを今も無造作に造る。
苗代川の黒物
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その容貌は人の眼を惹きつける。それは希臘人の顏に似て輪廓が非常に正しい。まつたく
鼻梁
(
はなすぢ
)
の
秀
(
ひい
)
でた古典的な鼻と、アゼンス人その儘の唇と顎。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
若いうちは常に先鋒隊に置かれ、相当、勇名を鳴らしたが、それも当時の織田軍全体に破竹の勢いがあったからで、何も彼が
秀
(
ひい
)
でていたわけじゃない
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唯、その場合
秀
(
ひい
)
でたる作者は地下の部分を連想すべく地上の部分を叙する。また、秀でたる鑑賞家は、地上の部分を見て直ちに地下の部分を想像する。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
またいと
秀
(
ひい
)
づる
家系
(
いへがら
)
と二の冠とを辱めたるその叔父と兄弟との惡しき
行
(
おこなひ
)
は何人にも明らかなるべし 一三六—一三八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
赤地にしきの
直垂
(
ひたたれ
)
に
緋縅
(
ひおどし
)
のよろい着て、頭に
烏帽子
(
えぼし
)
をいただき、弓と矢は従者に持たせ、
徒歩
(
かち
)
にて
御輿
(
みこし
)
にひたと
供奉
(
ぐぶ
)
する三十六、七の男、鼻高く
眉
(
まゆ
)
秀
(
ひい
)
で
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
頼長は夢から醒めたように眼を見据えて、その
秀
(
ひい
)
でたる眉をすこし皺めたが、忽ちに肩をそらせてあざ笑った。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ウヽ、
芳賀
(
はが
)
君の
今日
(
こんにち
)
あることを、わしは
夙
(
つと
)
に知つとつた。芳賀君は
尤
(
もつと
)
も頭脳も
秀
(
ひい
)
でてをつたが、彼は山陽の言うた、才子で無うて真に刻苦する人ぢやつた」
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
知力
秀
(
ひい
)
でた強固な政府があって、ユダヤ人らをその本来の地位にすえ得るならば、フランスを偉大ならしむるもっとも有用な道具の一つと彼らをなすだろう。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
やがて立出でて南をむきて行くに、路にあたりていと大きなる山の頭を圧す如くに
峙
(
そばだ
)
てるが見ゆ。問わでも
武甲山
(
ぶこうさん
)
とは知らるるまで姿雄々しくすぐれて
秀
(
ひい
)
でたり。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
扨は瀧口殿が事思ひ給うての事か、武骨一
途
(
づ
)
の瀧口殿、文武兩道に
秀
(
ひい
)
で給へる重景殿に
較
(
くら
)
ぶべくも非ず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
酔
(
よ
)
へば
蒼白
(
あをじろ
)
くなる顔は
益々
(
ます/\
)
蒼白
(
あをじろ
)
く
秀
(
ひい
)
でた
眉
(
まゆ
)
を寄せて口を一文字に結んだのを見ると
房
(
ふさ
)
は
可恐
(
こはい
)
と思つた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
とにかく一つの技能に
秀
(
ひい
)
でるということは、それが不正なものでない限り、
至
(
いた
)
ってよいことだ。それでわしは今まで、お前が一生懸命になってるのを黙って見ていた。
彗星の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
舞踊にも
秀
(
ひい
)
で、容貌は立並んで
一際
(
ひときわ
)
美事
(
みごと
)
であったため、若いうちに大橋氏の夫人として入れられた。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その縁側のところへ来て、お仙が父の達雄に
彷彿
(
そっくり
)
な、額の広い、眉の
秀
(
ひい
)
でた、面長な顔を出した。彼女は何を見るともなく庭の方を見て、復た台所の方へ引込んで了った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
側
(
かたわら
)
に坐したるは。前の
嬢
(
むすめ
)
にくらべては。二ツばかり年かさにやあらん。鼻たかくして眉
秀
(
ひい
)
で。目は少しほそきかたなり。常におさんには健康を害すなどいいてとどめたまう。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
抑
(
そも/\
)
燧山は岩代国に
属
(
ぞく
)
し
巍峩
(
ぎが
)
として天に
秀
(
ひい
)
で、其麓
凹陥
(
おうかん
)
して尾瀬沼をなし、沼の三方は低き山脈を以て
囲繞
(
ゐげう
)
せり、翻々たる
鳧鴨
(
ふわう
)
は
捕猟
(
ほりやう
)
の至るなき為め
悠々
(
いう/\
)
として水上に飛
翔
(
しやう
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
T夫人の客間においては、皆
秀
(
ひい
)
でた階級の人々であったから、花やかな礼容の下に、趣味は
洗煉
(
せんれん
)
されまた尊大になっていた。習慣は無意識的なあらゆる
精緻
(
せいち
)
さを含んでいた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
山が
秀
(
ひい
)
で清水のさらに豊かなる大きな島を目ざすのは自然だが、すでに第二第三の灌漑方式の可能なることを知っておりながら、わざわざ(一)の道しかない小島へ渡って
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
尾張
源敬公
(
げんけいこう
)
に仕え、門弟多く取り立てしうち、長屋六兵衛、杉山三右衛門、もっとも業に
秀
(
ひい
)
でました
由
(
よし
)
——大坂両度の合戦にも、尾張公に従って出陣し、一旦
致仕
(
ちし
)
しさらに出で
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
湿気を含んだ空気は、
沈鬱
(
ちんうつ
)
に
四辺
(
あたり
)
を落着かせた。高く
秀
(
ひい
)
でた木の枝が、風に
撓
(
たわ
)
んで、伏しては、また起き上り、また打ち伏していた。他の低い木の枝は、右に泳ぎ、左に返っていた。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
最初蝦夷松椴松の
翠
(
みどり
)
に
秀
(
ひい
)
であるいは白く
立枯
(
たちか
)
るゝ峰を過ぎて、障るものなき
辺
(
あたり
)
へ来ると、軸物の大俯瞰図のする/\と解けて落ちる様に、眼は今汽車の下りつゝある
霜枯
(
しもがれ
)
の
萱山
(
かややま
)
から
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
李徴は
漸
(
ようや
)
く
焦躁
(
しょうそう
)
に駆られて来た。この
頃
(
ころ
)
からその
容貌
(
ようぼう
)
も
峭刻
(
しょうこく
)
となり、肉落ち骨
秀
(
ひい
)
で、眼光のみ
徒
(
いたず
)
らに
炯々
(
けいけい
)
として、
曾
(
かつ
)
て進士に
登第
(
とうだい
)
した頃の
豊頬
(
ほうきょう
)
の美少年の
俤
(
おもかげ
)
は、
何処
(
どこ
)
に求めようもない。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それは物のいい振りや起居と同じように柔和な表情の顔であったが、白い額に、いかつくないほどに濃い一の字を描いている
眉毛
(
まゆげ
)
は、さながら
白沙青松
(
はくさせいしょう
)
ともいいたいくらい、
秀
(
ひい
)
でて見えた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
私の
容貌
(
ようぼう
)
のことを、眉
秀
(
ひい
)
で、目もと涼しく、鼻筋とおり、口もと尋常、と云った工合で、典型的な美少年のように書いてあり、これで家の者も誰一人怪しむ者もいなかったのかと思ったら
遁走
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
こめかみのところが非常に
濃
(
こ
)
く、そして白くなっていて、うしろへなでつけてある髪の毛が、深いしわのたくさんある、いわばきずあとでもついているような、
秀
(
ひい
)
でたひたいをふちどっている。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「完全な個人」とは平凡に平均した人間という意味でもなければ、万能に
秀
(
ひい
)
でたという伝説的な天才の意味でもありません。人間は何事にせよ、自己に適した一能一芸に深く達してさえいれば宜しい。
文化学院の設立について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
老いたる太陽の夫婦は、自分たちよりも、また大仏よりも気高く
秀
(
ひい
)
でた女神の光と勢いの張りの鋭さを見出して満足する。二人の仕事は完成したのだ。三代の女帝の必死の祈りはつつがなく果された。
安吾史譚:02 道鏡童子
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
松五六本、ひょろひょろと
崖
(
がけ
)
より
秀
(
ひい
)
でて、斜めに海をのぞけり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
風貌
(
ふうぼう
)
の
秀
(
ひい
)
でた藩公の銅像の立っている公園をも散歩した。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その技芸において頗る
秀
(
ひい
)
でたものであると信じている。
活動写真
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
あはれかの
眉
(
まゆ
)
の
秀
(
ひい
)
でし少年よ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
古来
(
こらい
)
山河
(
さんが
)
の
秀
(
ひい
)
でたる
県歌 信濃の国
(新字新仮名)
/
浅井洌
(著)
おそらくここほど容易に
秀
(
ひい
)
でた品物を将来産み出し得る可能性のある所はないであろう。この村を守る者に課せられた大きな
悦
(
よろこ
)
ばしい責任である。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
秀
(
ひい
)
でた眉、高い鼻、少し大きいが紅い唇、
謠
(
うたひ
)
の地があるらしい
錆
(
さび
)
を含んだ聲、口上も江戸前でハキハキして居ります。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれ程立派な
秀
(
ひい
)
でた青年が、宣教師として立つ計畫をしたことを、彼は、同情を持つて話した——それは、まつたく、貴重な人生を投げ捨てるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
地勢上、博多町人は、進取の
気宇
(
きう
)
と、
呑海
(
どんかい
)
の豪気に
秀
(
ひい
)
で、堺町人は経営の才と、文化性に富み、またこれを政治に結ぶことを忘れない特性をもっていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その恐ろしく長く切れた眼、立派な建築物のように
秀
(
ひい
)
でた鼻、鼻から口へつながっている
突兀
(
とっこつ
)
とした二本の線、その線の下に、たっぷり深く刻まれた
紅
(
あか
)
い唇。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
花ありてこそ吾人は天地の美を知る、英雄ありてこそ人間の
偉
(
い
)
なるを見る、人類の中にもっとも
秀
(
ひい
)
でたるものは英雄である、英雄は目標である、
羅針盤
(
らしんばん
)
である
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
後者は
秀
(
ひい
)
でた歌手だった。三人の老人連中は、いっしょにクリストフの
噂
(
うわさ
)
をしたことがしばしばあった。そして彼の音楽を見当たる限りことごとくやってみた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“秀”の意味
《名詞》
(シュウ)成績や品質などの評価において、最も優れていること。
(出典:Wiktionary)
“秀(飾り職人の秀)”の解説
飾り職人の秀(かざりしょくにんのひで)は、必殺シリーズに登場した仕事人の一人。初登場作は『必殺仕事人』。三田村邦彦が演じた。
(出典:Wikipedia)
秀
常用漢字
中学
部首:⽲
7画
“秀”を含む語句
秀麗
秀才
俵藤太秀郷
閨秀
香取秀真
秀真
優秀
清秀
秀吉
秀忠
眉目秀麗
正秀
秀調
菅秀才
俊秀
文屋康秀
秀哉
白柳秀湖
藤原秀衡
秀枝
...