拜見はいけん)” の例文
新字:拝見
幾度いくたび幾通いくつう御文おんふみ拜見はいけんだにせぬれいかばかりにくしと思召おぼしめすらん、はいさば此胸このむね寸斷すんだんになりてつね決心けつしんえうせん覺束おぼつかなさ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「さうですな、拜見はいけんてもうがす」とかる受合うけあつたが、べつつた樣子やうすもないので、御米およねはらなかすこ失望しつばうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
能々拜見はいけんしてさて申やう此御短刀は私しのぞみ御座なく候何卒君の常々つね/″\手馴てなれし方をいたゞき度むね願ひければ君も御祕藏ごひざうの短刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
使つかひ口上こうじやうちがひまして、ついれませぬこと下根げこんのものにわすれがちにござります、よく、拜見はいけんしておぼえますやうに。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『わたしはおてら拜見はいけんにあがりました。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わざ慇懃いんぎん應接あしらうて、先生せんせい拜見はいけんとそゝりてると、未熟みじゆくながら、御覽下ごらんくださいましとて、絹地きぬぢ大幅たいふくそれひらく。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
是非ぜひ吾助ごすけ拜見はいけんたければ、此頃このごろ姉樣ねえさまにおねがひなされ、おてをいたゞきてたまはれ、かならず、屹度きつと返事へんじ通路つうろ此處こヽにをしへ、一日いちにち二日ふつか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昨夕ゆうべ折鞄をりかばんまた丁寧ていねいわきけて、ゆつくり卷烟草まきたばこかしながら、宗助そうすけふことを、はあ/\といてゐたが、どれ拜見はいけんいたしませうと御米およねはうなほつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御奉書ごほうしよ拜見はいけん仕つり候御預りの者有之候由別紙べつし御書付のとほり家來共けらいども評定所迄爲請取差出し申候恐惶謹言きようくわうきんげん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さる二日書状しよじやう到來たうらいいたし委細ゐさい拜見はいけん致し候偖々さて/\其方にても段々不如意ふによいとのおもぶ蔭乍かげなが案事あんじ申候みぎに付御申こし娘儀むすめぎ出府しゆつぷ致されべく候吉原町にも病家も有これあり候間よろしき先を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いへ何處どこまでも奇麗きれいにてこみのければ、のうちには二人ふたり三人みたり拜見はいけんをとてるものもきにはあらねど、敷金しきゝん三月分みつきぶん家賃やちん三十日限さんじふにちかぎりのとりたてにて七圓なゝゑん五十錢ごじつせんといふに
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴方あなたはな、とそれ、かつる。あのまぶたくれなゐふものが、あたかもこれへる芙蓉ふようごとしさ。自慢じまんぢやないが、外國ぐわいこくにもたぐひあるまい。新婚當時しんこんたうじ含羞はにかんだ色合いろあひあたらしく拜見はいけんなどもおやすくないやつ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しか御心配ごしんぱいになることはありません。場合ばあひに、もしわる結果けつくわおこるとすると、屹度きつと心臟しんざうなうをかすものですが、いま拜見はいけんしたところでは双方共さうはうとも異状いじやうみとめられませんから」と説明せつめいしてれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのての反古ほごにてもへてたば本望ほんまうなるべく、めて一ふで拜見はいけんねがひたきなり、されども下賤げせんれ、いかやうおもふともおよびなきことにて、無禮ぶれいものとおしかりをければそれまで
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よく拜見はいけんしておぼえますやうに。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
拜見はいけんしましたよ。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)