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りょうがん
ふりがな文庫
“
両眼
(
りょうがん
)” の例文
旧字:
兩眼
そして
両眼
(
りょうがん
)
を閉じた。それは人造人間エフ氏をうごかす電気のスイッチを切ったのである。エフ氏の耳がスイッチだったのである。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二
度
(
ど
)
、三
度
(
ど
)
この
祈
(
いの
)
りを
繰
(
く
)
りかえして
居
(
い
)
る
内
(
うち
)
に、
私
(
わたくし
)
の
胸
(
むね
)
には
年来
(
ねんらい
)
の
命
(
みこと
)
の
御情思
(
おんなさけ
)
がこみあげて、
私
(
わたくし
)
の
両眼
(
りょうがん
)
からは
涙
(
なみだ
)
が
滝
(
たき
)
のように
溢
(
あふ
)
れました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
鬼は、
手拭
(
てぬぐい
)
で堅く
両眼
(
りょうがん
)
を閉められて、その石の間に立たされた。
而
(
そ
)
して
他
(
あと
)
のものは、足音を立てずに
何処
(
どこ
)
へか隠れてしまった。
過ぎた春の記憶
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その方法を見ていると、
両眼
(
りょうがん
)
の
上瞼
(
うわまぶた
)
を上から下へと
撫
(
な
)
でて、主人がすでに眼を
眠
(
ねむ
)
っているにも
係
(
かかわ
)
らず、しきりに同じ方向へくせを付けたがっている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かれは
両眼
(
りょうがん
)
になみだをいっぱいうかべて、わたしを見ていた。わたしはかれに合図をして、また二人でうちを出た。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
彼は
吃驚
(
びっくり
)
してふり返ってみると、左の肩に添うて自分の
家
(
うち
)
の主婦が
両眼
(
りょうがん
)
を彼の顔に物凄く釘づけして立っている。
幸福な家庭
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
あるものは
更
(
さら
)
に
智慧
(
ちえ
)
を出して、草紙の黒いところを丸く切りぬいて、
膏薬
(
こうやく
)
のやうに娘の
両眼
(
りょうがん
)
に貼りつけた。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
(私はいまもその
銃
(
じゅう
)
を記念として大事にしている)
両眼
(
りょうがん
)
は
憎
(
にく
)
しみといかりに青く
燃
(
も
)
え、私をにらんで底うなりを発したとき、私の乗馬は
震
(
ふる
)
えてあとずさりした。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
才蔵は
槍
(
やり
)
をひくめにつけて
慈音
(
じおん
)
に
迫
(
せま
)
らんとし、慈音の
両眼
(
りょうがん
)
は中段にとった
枇杷刀
(
びわとう
)
のミネにすわっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愈々
(
いよ/\
)
狂人の取扱いにしようと致しますと、長二は案外に立腹をいたしまして、
両眼
(
りょうがん
)
に血を
濺
(
そゝ
)
ぎ、額に青筋を現わし拳を握りつめて、白洲の隅まで響くような鋭き声で
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
過去
(
かこ
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
すものは、
両眼
(
りょうがん
)
を
抉
(
くじ
)
ってしまいましょう。リュバフキン!』と、
彼
(
かれ
)
は
大声
(
おおごえ
)
で
誰
(
たれ
)
かを
呼
(
よ
)
ぶ。
郵便局
(
ゆうびんきょく
)
の
役員
(
やくいん
)
も、
来合
(
きあ
)
わしていた
人々
(
ひとびと
)
も、一
斉
(
せい
)
に
吃驚
(
びっくり
)
する。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「ぼくはね、兄さん」次郎はなにかいわんとしてくちびるを動かしかけたが、すぐ
両眼
(
りょうがん
)
にいっぱいの涙をたたえ、「ごめんなさい兄さん、ぼくが悪いんです。ぼくが悪いんです」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
両眼
(
りょうがん
)
真黄色
(
まっきいろ
)
な絵具の光る、巨大な
蜈蜙
(
むかで
)
が、赤黒い雲の如く
渦
(
うず
)
を巻いた真中に、
俵藤太
(
たわらとうだ
)
が、弓矢を
挟
(
はさ
)
んで身構えた
暖簾
(
のれん
)
が、ただ、男、女と上へ割って、
柳湯
(
やなぎゆ
)
、と白抜きのに
懸替
(
かけかわ
)
って
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
刀は額の真中から鼻の上にかけて
真向
(
まっこう
)
に入ったが、すこしも血が出なかった。女は
両眼
(
りょうがん
)
を
静
(
しずか
)
に開けて太郎左衛門を見た。彼はその顔を見定める間もなく、二の刀で乳母の首に切りつけた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その時君の
両眼
(
りょうがん
)
は、新しく額縁に入れたゴルドン将軍の絵の上にじっとそそがれていたろう。そして君の顔を見ると、たしかに何か瞑想しているらしい表情の流れのあるのに気がついたんだ。
入院患者
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
というのは、伯爵の
両眼
(
りょうがん
)
は、くわッと大きくむかれていた。まばたきもしない。前方の一つところを、じいッと見つめているのだった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
がとがって、
両眼
(
りょうがん
)
が
落
(
お
)
ちくぼんで、
手
(
て
)
ぬぐいで
向
(
む
)
こうはち
巻
(
ま
)
きをして、きっと
口
(
くち
)
をむすんでいます。
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しばらくして先生は「あけるなら開いて御覧なさい。とうていあけないから」と云われる。「そうですか」と云うが早いか主人は普通の通り
両眼
(
りょうがん
)
を開いていた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
尊
(
みこと
)
のお
身代
(
みがわ
)
りとして
入水
(
にゅうすい
)
された
時
(
とき
)
の
姫
(
ひめ
)
のお
心持
(
こころも
)
ちはどんなであったろう……。』
祠前
(
しぜん
)
に
額
(
ぬかづ
)
いて
昔
(
むかし
)
を
偲
(
しの
)
ぶ
時
(
とき
)
に、
私
(
わたくし
)
の
両眼
(
りょうがん
)
からは
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
がとめどなく
流
(
なが
)
れ
落
(
お
)
ちるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
仰向けに胸へ
緊乎
(
しっか
)
と手を組んで、
両眼
(
りょうがん
)
を
押睡
(
おしつむ
)
って、気を鎮めようとしたのです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
熱い膏薬を
両眼
(
りょうがん
)
に貼り付けられて、
俄盲
(
にわかめくら
)
になつた上に、相手は
兎
(
と
)
もかくも侍ふたりである。善吉は
唯
(
ただ
)
おめ/\と身を
竦
(
すく
)
ませてゐると、彼等は帳場の
金箱
(
かねばこ
)
を引つかゝへてばた/\と逃げ出した。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大佐はホッとして、手で
両眼
(
りょうがん
)
を拭き払いながら
白銀の失踪
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
彼は
両眼
(
りょうがん
)
をカッと見開き、この一見意味のない
台辞
(
せりふ
)
を
嘔
(
は
)
きちらしていたが
軈
(
やが
)
てブルブルと
身震
(
みぶる
)
いをすると、パッと身を
飜
(
ひるがえ
)
して駈け出した。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私
(
わたくし
)
は
直
(
ただ
)
ちに
統一
(
とういつ
)
を
止
(
や
)
めて、
急
(
いそ
)
いで
滝壺
(
たきつぼ
)
の
上
(
うえ
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ますと、
果
(
はた
)
してそこには一
体
(
たい
)
の
白竜
(
はくりゅう
)
……
爛々
(
らんらん
)
と
輝
(
かがや
)
く
両眼
(
りょうがん
)
、すっくと
突
(
と
)
き
出
(
だ
)
された二
本
(
ほん
)
の
大
(
おお
)
きな
角
(
つの
)
、
銀
(
しろがね
)
をあざむく
鱗
(
うろこ
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
高柳君は自分の心が自分の
両眼
(
りょうがん
)
から、外を
覗
(
のぞ
)
いていたのだなと急に気がついた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
呻
(
うめ
)
くやうに言つて、ぶる/\と、ひきつるが如く首を
掉
(
ふ
)
る。
渠
(
かれ
)
は、四十ばかりの
武士
(
さむらい
)
で、黒の
紋着
(
もんつき
)
、
袴
(
はかま
)
、
足袋跣
(
たびはだし
)
で居た。
鬢
(
びん
)
乱れ、
髻
(
もとどり
)
はじけ、
薄痘痕
(
うすあばた
)
の
顔色
(
がんしょく
)
が
真蒼
(
まっさお
)
で、
両眼
(
りょうがん
)
が血走つて赤い。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
両眼
(
りょうがん
)
を
失
(
うしな
)
って、ここまで
上
(
のぼ
)
ってくるのに、
二人
(
ふたり
)
の
看護婦
(
かんごふ
)
の
肩
(
かた
)
に
助
(
たす
)
けられなければならぬ
人
(
ひと
)
もあったが、その
人
(
ひと
)
もやがて
腰
(
こし
)
をかけると、じっとして、
同
(
おな
)
じように
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
っているのでありました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして両手をしずかに肩のところまであげたかと思うと、
両眼
(
りょうがん
)
をかッと見開いて、自分の前の青年をはったとにらみつけ
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なに、卵が空……」博士はカッと
両眼
(
りょうがん
)
を開くと、怪物を見直した。そして気が変になったように
喚
(
わめ
)
きたてた
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
果してその効果がありたると見え、金博士は
両眼
(
りょうがん
)
さえ閉じ
呼吸
(
いき
)
もつかずに、
残余
(
ざんよ
)
のノクトミカ・レラティビアをフォークの先につきさして喰うわ喰うわ……。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
床の上には、幾野捜査課長が土のような顔色をし、
両眼
(
りょうがん
)
を
剥
(
む
)
きだし、口を大きく開けて仆れていた。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのくせ一層大きくなったように見える血走った
両眼
(
りょうがん
)
を、クワッと見ひらいて私の方を
凝視
(
ぎょうし
)
しているのだった。私の顔付から何事かを読みとろうというような風だった。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頭髪
(
とうはつ
)
も
髭
(
ひげ
)
ものびっぱなしで、顔の中から出ているのは色の悪いソーセージのような大きな鼻だけだった。
両眼
(
りょうがん
)
の
所在
(
ありか
)
は、
煙色
(
けむりいろ
)
のレンズの入った眼鏡に
遮
(
さえぎ
)
られて、よくは見えない。
見えざる敵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老婦人は、一つ
寝返
(
ねがえ
)
りをうちました。そのときに
両眼
(
りょうがん
)
を天井の方に大きく開きました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
博士がX号に
誘拐
(
ゆうかい
)
せられて、この研究所へもどって来、そしてその
両眼
(
りょうがん
)
がはっきり見えるようになって以来、博士はたいへん元気になったけれど五少年には親しみにくいものとなってしまったのだ。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは全く飛ぶという言葉のあてはまったような恰好でした。私は何か
見違
(
みちが
)
いをしたのだろうと思いかえして、
両眼
(
りょうがん
)
をこすってみましたが、確かにその人間はフワリフワリと空中を飛んでいるのです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
亀の子束子ほどの蠅が、
草履
(
ぞうり
)
ほどの大きさになり、やがてラグビーのフットポールほどの大きさになった。電球ぐらいもある
両眼
(
りょうがん
)
はギラギラと輝き、おそろしい羽ばたきの音が、私の頬を強く打った。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老人は
悦
(
よろこ
)
びのあとで、また
両眼
(
りょうがん
)
をうるませた。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
両
常用漢字
小3
部首:⼀
6画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“両”で始まる語句
両
両親
両人
両手
両方
両肱
両側
両国
両掌
両膝