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いなづま
ふりがな文庫
“
電
(
いなづま
)” の例文
不図したら今日締切後に宣告するかも知れぬ、と云ふ疑ひが
電
(
いなづま
)
の様に心を刺した。其顔面には例の
痙攣
(
ひきつけ
)
が起つてピクピク顫へて居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その脊は
覆
(
くつがへ
)
りたる舟の如し。忽ち彼雛鷲は
電
(
いなづま
)
の撃つ勢もて、さと
卸
(
おろ
)
し來つ。
刃
(
やいば
)
の如き
利爪
(
とづめ
)
は魚の背を
攫
(
つか
)
みき。母鳥は喜、色に
形
(
あらは
)
れたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と
叫
(
さけ
)
んで、
大音
(
だいおん
)
に
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
ふと
斉
(
ひと
)
しく、
空
(
そら
)
を
指
(
さ
)
した
指
(
ゆび
)
の
尖
(
さき
)
へ、
法衣
(
ころも
)
の
裙
(
すそ
)
が
衝
(
つ
)
と
上
(
あが
)
つた、
黒雲
(
くろくも
)
の
袖
(
そで
)
を
捲
(
ま
)
いて、
虚空
(
こくう
)
へ
電
(
いなづま
)
を
曳
(
ひ
)
いて
飛
(
と
)
ぶ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かうしてレコードを
選
(
よ
)
るときは、きつと彼がそばにゐたからなのであらう。が、その弘の幻が、突然、
電
(
いなづま
)
のやうに頭をかすめた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
き
恐
(
おそろ
)
しさは
電
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
閃
(
ひらめ
)
き
渡
(
わた
)
って、二十
有余年
(
ゆうよねん
)
の
間
(
あいだ
)
、どうして
自分
(
じぶん
)
はこれを
知
(
し
)
らざりしか、
知
(
し
)
らんとはせざりしか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
いままで五時五十分を指してゐた長い針が
俄
(
には
)
かに
電
(
いなづま
)
のやうに飛んで、一ぺんに六時十五分の所まで来てぴたっととまりました。
耕耘部の時計
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それと同時に、
電
(
いなづま
)
のやうに、彼の心にある悪魔的な考へが思ひ浮かんだ。その考へは、電のやうに消えないで、徐々に彼の頭に喰ひ入つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
御眉のあたりにはびく/\と
電
(
いなづま
)
が走つて居りますし、まるで良秀のもの狂ひに御染みなすつたのかと思ふ程、唯ならなかつたのでございます。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
年
(
とし
)
ちゃんは、お
母
(
かあ
)
さんや、
妹
(
いもうと
)
のたつ
子
(
こ
)
さんと
汽車
(
きしゃ
)
の
窓
(
まど
)
から、
青々
(
あおあお
)
とした
外
(
そと
)
の
景色
(
けしき
)
をながめていますと、
遠
(
とお
)
い
白雲
(
はくうん
)
の
中
(
なか
)
で、ぽかぽかと
電
(
いなづま
)
がしていました。
古いてさげかご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
丁度道ばたに
藁小屋
(
わらごや
)
がありましたので、みなその中へ
駈
(
か
)
けこみました。雷は鳴りひゞく、
電
(
いなづま
)
はピカリ/\とひらめく、大へんな空もやうになりました。
狐に化された話
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
そのとき船が急に
取柁
(
とりかぢ
)
の方へ半分ほど廻つて、
電
(
いなづま
)
のやうに早く、今までと変つた方角へ走り出しました。
うづしほ
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
果
(
はて
)
しなき
今昔
(
こんじやく
)
の感慨に、瀧口は柱に
凭
(
よ
)
りしまゝしばし茫然たりしが、
不圖
(
ふと
)
電
(
いなづま
)
の如く胸に感じて、想ひ起したる小松殿の言葉に、
顰
(
ひそ
)
みし眉動き、沈みたる
眼閃
(
ひら
)
めき
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
閃
(
きらめ
)
くは
電
(
いなづま
)
か、
轟
(
とゞろ
)
くは
雷
(
いかづち
)
か。
砲火
(
ほうくわ
)
閃々
(
せん/\
)
、
砲聲
(
ほうせい
)
殷々
(
いん/\
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
電
(
いなづま
)
は
槃荼婆山
(
はんだばせん
)
の岩に墜つ我も坐らむその電を
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
青玉
(
せいぎよく
)
の
電
(
いなづま
)
の
瀑
(
たき
)
。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
電
(
いなづま
)
を閃めかす
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
堪
(
た
)
へ
難
(
がた
)
き
恐
(
おそろ
)
しさは
電
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
に
閃
(
ひらめ
)
き
渡
(
わた
)
つて、二十
有餘年
(
いうよねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
奈何
(
どう
)
して
自分
(
じぶん
)
は
是
(
これ
)
を
知
(
し
)
らざりしか、
知
(
し
)
らんとは
爲
(
せ
)
ざりしか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
黒雲
(
くろくも
)
を
捲
(
ま
)
いて、
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、
電
(
いなづま
)
のやうに、
鐵
(
てつ
)
の
門
(
もん
)
、
石
(
いし
)
の
唐戸
(
からと
)
にも、
遮
(
さへぎ
)
らせず、
眞赤
(
まつか
)
な
胸
(
むね
)
の
炎
(
ほのほ
)
で
包
(
つゝ
)
んで、
弱
(
よわ
)
い
婦
(
をんな
)
に
逢
(
あ
)
ひました。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御眉のあたりにはびく/\と
電
(
いなづま
)
が走つて居りますし、まるで良秀のもの狂ひに御染みなすつたのかと思ふ程、唯ならなかつたのでございます。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女は、ふと気が付いて、窓から入らうと、
電
(
いなづま
)
のやうに、ヴェランダへ走つて出た。が、ヴェランダに面した窓には、丈夫な鎧戸が掩はれてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
不意に打出した胸太鼓、若き生命の轟きは
電
(
いなづま
)
の如く全身の血に波動を送る。震ふ指先で引き出したのは一枚の半紙、字が大きいので、文句は無論極めて短かい。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それもまるきり
電
(
いなづま
)
のやうな計算だ。
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鋭
(
するど
)
き
山颪
(
やまおろし
)
が
颯
(
さ
)
と
来
(
く
)
ると、
舞下
(
まひさが
)
る
雲
(
くも
)
に
交
(
まじ
)
つて、
漂
(
たゞよ
)
ふ
如
(
ごと
)
く
菫
(
すみれ
)
の
薫
(
かほり
)
が
𤏋
(
ぱつ
)
としたが、
拭
(
ぬぐ
)
ひ
去
(
さ
)
つて、つゝと
消
(
き
)
えると、
電
(
いなづま
)
が
空
(
くう
)
を
切
(
き
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時として、
電
(
いなづま
)
のほとばしる
如
(
ごと
)
く
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「やあ、やあ、かしが、」と
呟
(
つぶや
)
きざま
艫
(
とも
)
を左へ
漕
(
こ
)
ぎ開くと、
二条
(
ふたすじ
)
糸を引いて
斜
(
ななめ
)
に描かれたのは
電
(
いなづま
)
の
裾
(
すそ
)
に似たる
綾
(
あや
)
である。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
石
(
いし
)
を
其處
(
そこ
)
へ
打
(
う
)
たれましたら、どんなでせう。
電
(
いなづま
)
でも
投附
(
なげつ
)
けられるやうでせう。……
最
(
も
)
う
私
(
わたし
)
、
此處
(
こゝ
)
へ
兵隊
(
へいたい
)
さんの
行列
(
ぎやうれつ
)
が
來
(
き
)
て、
其
(
そ
)
の
背後
(
うしろ
)
から
參
(
まゐ
)
るのだつて
可厭
(
いや
)
な
事
(
こと
)
でございます——
歸
(
かへ
)
りますわ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
柱
(
はしら
)
のやうに
立
(
た
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、ちやうど
箕
(
み
)
の
大
(
おほき
)
さに
見
(
み
)
えました、
爪
(
つめ
)
が
電
(
いなづま
)
のやうな
掌
(
てのひら
)
を
開
(
ひら
)
いて、
女
(
をんな
)
たちの
髮
(
かみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
仙人
(
せんにん
)
の
足
(
あし
)
を
釣上
(
つりあ
)
げた、と
見
(
み
)
ますと、
天井
(
てんじやう
)
が、ぱつと
飛散
(
とびち
)
つて、あとはたゞ
黒雲
(
くろくも
)
の
中
(
なか
)
に
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
電
常用漢字
小2
部首:⾬
13画
“電”を含む語句
電鈴
電光
電燈
電気
電灯
電火
電車
電報
電柱
閃電
電球
雷電
無電
無線電信
電閃
毎日電報
電髪
電流
電纜工場
逐電
...