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陳
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の
ふりがな文庫
“
陳
(
の
)” の例文
初は『自作自評』と題して旧作の一篇ごとに執筆の来由を
陳
(
の
)
べ、これによって半面はおのずから自叙伝ともなるようにしたいと考えた。
正宗谷崎両氏の批評に答う
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
祭神は倉稲魂神となっているが、之は式内社の伊氐波神社であるから、前に
陳
(
の
)
べたようにイチハノ神を祀ったものと思うのである。
二、三の山名について
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
この書に
輯
(
あつ
)
めたものは私が従来しばしば
陳
(
の
)
べ来ったものをまた言を改めて繰り返したものに過ぎぬ。私の俳句に対する所信に変りはない。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
木島が中央委員でなく、ピケにすぎなかったのに様々に見ないことを
陳
(
の
)
べていることの不合理を指摘。大泉がスパイ関係を自白したこと。
日記:27 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
さあそこで、君は、この家の主人をどうして毒殺して去ったか、それについて実行した通りを
陳
(
の
)
べなければならない。さあどうだ
地獄の使者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
其の話や其の後私の仕た事を
陳
(
の
)
べれば、幾等貴方が疑い深くとも疑う事は出来ません、成るほど夏子と秀子とは同人だと信じます
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
マントといへり、多くの國々をたづねめぐりて後わが生れし處にとどまりき、されば請ふ少しくわがこゝに
陳
(
の
)
ぶることを聞け 五五—五七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
その時虹汀、大勢に打ち向ひて
慇懃
(
いんぎん
)
に一礼を施しつゝ、
咳一咳
(
がいいちがい
)
して
陳
(
の
)
べけるやう、
這
(
こ
)
は御遠路のところ、まことに御苦労千万也。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「一代男」其他で、諸国の女や、色町の知識を
陳
(
の
)
べてゐるのは、季題や、故事の解説を述べ立てるのと、同じ態度なのである。
女房文学から隠者文学へ:後期王朝文学史
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「君の
厚志
(
こうし
)
なくば、
豈
(
あに
)
、今日の事あらんや。いまその功を口に
陳
(
の
)
べ、労を謝せんとするも、思い
極
(
きわ
)
まって、いわんと欲するも語極まる……」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると妓夫ではなくて此の家の亭主が側へ来て、文明な露国ではとても聞かれぬ
尾陋
(
びろう
)
千万な事を野蛮な日本人だから平気で
陳
(
の
)
べて遊興を勧める。
露都雑記
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
やはりカリフォルニア・シナ間の汽船定期航路を開始するためには米日間に通商条約を締結する必要があるゆえんを
陳
(
の
)
べ
汽船が太平洋を横断するまで
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
会の趣が趣であるから、
故
(
わざ
)
と遠慮をしたらしい。が、ちょうど発起人を代表して、当夜の人気だった
一俳優
(
あるやくしゃ
)
が開会の辞を
陳
(
の
)
べ終った処であった。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曲
畢
(
をは
)
りて姫は衆人に向ひて謝辭を
陳
(
の
)
べ、再びこゝに來んことを約せり。姫はこよひもあまたゝび呼出されぬ。歸途に人々の車を挽けるも亦同じ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それより情死の事由を
列
(
つら
)
ね、更に一転してその苦痛と応報とを
陳
(
の
)
ぶ。「あやなき闇に
凄然
(
すさま
)
じや、
閻羅
(
えんら
)
と見ゆる夏木立」。
「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
前にも
陳
(
の
)
べた通り私は体が至って健康な故に、別に養生訓というものに、ついぞ注意を向け心を労した事がありません。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
『二年前生捕られて散々なぶりものにされた上、役人に引渡された
怨
(
うら
)
みを
陳
(
の
)
べ、此の
妄執
(
まうしふ
)
を晴らすため、成瀬屋の者を一人々々、殘らず殺してやる』
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
急ぎ礼にゆかんとて、
些
(
ちと
)
ばかりの
豆滓
(
きらず
)
を携へ、朱目が
許
(
もと
)
に行きて、全快の由
申聞
(
もうしきこ
)
え、言葉を尽して
喜悦
(
よろこび
)
を
陳
(
の
)
べつ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
翌朝
御託
(
おわび
)
に出て昨夜は誠に失礼
仕
(
つかまつ
)
りましたと
陳
(
の
)
べる
訳
(
わ
)
けにも行かず、
到頭
(
とうとう
)
末代
(
まつだい
)
御挨拶なしに
済
(
すん
)
で仕舞た事がある。是ればかりは生涯忘れることが出来ぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
且
(
か
)
つ十五周年の祝典をも同時に挙行するというこの喜ぶべき式場に臨んで、卒業生諸君に向って一言
陳
(
の
)
ぶることを得るは私の大いに喜ぶところであります。
学問の独立と東京専門学校の創立
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
還
(
かえ
)
りてその師に向い、具さにこの事を
陳
(
の
)
ぶるに、この薬満ち足りて七十種あり、名字・両数皆その方のごとし。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人々は巨勢に向ひて、はるばる
来
(
き
)
ぬる人と
相識
(
あいし
)
れるよろこびを
陳
(
の
)
べ、さて、「大学にはおん
国人
(
くにびと
)
も、をりをり見ゆれど、美術学校に来たまふは、君がはじめなり。 ...
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
青年は
陳
(
の
)
べ終ると、近眼鏡をはずして涙を拭いた。汗の雫が顔を伝わり、歯の根ががたがたふるえた。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
世間並のお世辞上手な利口者なら町内の
交際
(
つきあい
)
ぐらいは格別
辛
(
つら
)
くも思わないはずだが、毎年の元旦に
町名主
(
まちなぬし
)
の玄関で
叩頭
(
おじぎ
)
をして
御慶
(
ぎょけい
)
を
陳
(
の
)
べるのを何よりも辛がっていた
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
思想ある者は必ず之を正当に言顕はすべき言語を求めずんばあらず。上来
陳
(
の
)
べ来りしが如き新日本に生じ来れる思想は数年間之を発表すべき文学を求めつゝありしなり。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
彼らは大統領が教書を以てする場合の外に全然議会に出てその意見を
陳
(
の
)
べる事すら許されてない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
逃
(
に
)
げもせず
隱
(
かく
)
られもせず、
欲
(
よく
)
かしらねど
盜
(
ぬす
)
みましたと
白状
(
はくぜう
)
はしましよ、
伯父樣
(
おぢさま
)
同腹
(
ひとつ
)
で
無
(
な
)
きだけを
何處
(
どこ
)
までも
陳
(
の
)
べて、
聞
(
き
)
かれずば
甲斐
(
かひ
)
なし
其塲
(
そのば
)
で
舌
(
した
)
かみ
切
(
き
)
つて
死
(
し
)
んだなら
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
四つの
椅子
(
いす
)
が、それぞれ前脚を中心にして前後に揺れる。議論をしているのだ。で、にんじんは、ルピック夫人がそこにいない間に、自分一個の意見を
陳
(
の
)
べるのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
倉皇
(
そうこう
)
土倉氏の寓所に到りて、その恩恵に浴するの謝辞を
陳
(
の
)
べ、旅費として五十金を贈られぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
煩悶している間に今日の場合は寧ろ潔く事実を
陳
(
の
)
べ、妻子が無関係であるのに再三再四裁判所へ呼出されて迷惑する事のないようにした方が宜しいと決心がつきましたから
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
この点もなお詳しく考えてみたいのだが、資料も整わず、且つあまりに長々しくなったので、始めの計画をかえて、ただ大体の輪廓を
陳
(
の
)
べ、残りを次の機会に譲ろうと思う。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
通辞がいないとすれば、
潜
(
ひそ
)
かに乗り付けて、事情を
陳
(
の
)
べて、便乗することは、絶対に不可能である。二人は、ペリーが乗っている将艦が入港するのを待つよりほかはなかった。
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
他の二つの場合(前に
陳
(
の
)
べたるものを
斥
(
さ
)
す)も今
憶
(
おも
)
ひ出だし候てだに心
跳
(
をど
)
りせらるゝ一種の光明、
慰藉
(
ゐしや
)
に候へども、先日御話いたしし実験は、最も神秘的にして
亦
(
また
)
最も明瞭に
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
いふまでもなく孫生、快生へ当てた第二便なので今度は恨みを
陳
(
の
)
べた後に更に何か別に良手段はあるまいか、もし余の身にかなふ事ならどんな事でもするが、とこまごまと書いて
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
などゝ、
真
(
まこと
)
しやかに
陳
(
の
)
べて、検使の方は済みましたが、今年五十八になります、指物屋の岩吉が飛んでまいり、船上忠平という二十三になる若党も、織江方から飛んでまいりました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
右エナ大学植物学研究室へ御
寄贈
(
きそう
)
下さつたに就きましては厚くお礼を
申
(
まを
)
し
陳
(
の
)
べます。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
則ちしかいうといえども、国王の忠告誠意に至っては、則ち我もまた深く感銘し、敢て疎外せざるなり。因って今、臣らをして具さに
陳
(
の
)
べしむ。言は意を尽くさず、千万諒察せよ。不備。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
『僕は又、高橋君が何とか意見を
陳
(
の
)
べてくれるぢやらうと思うとつた。』
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
余いずくんぞ一言なきを得んや。古人初めて
陳
(
の
)
ぶるに臨まば奇功多からざらんを欲す。その小成に安んずるをおそるるなり。今君は弱冠にして奇功多し。願わくは他日
忸
(
な
)
れて初心を忘るるなかれ。
将来の日本:02 序
(新字新仮名)
/
田口卯吉
(著)
平ヶ岳に関しては前章に於て長々と
陳
(
の
)
べたが、まだ
嫌焉
(
あきたら
)
ぬからこの章の前叙としてもう少し記する、この山は深山中の深山であって普通の道路から見えぬから、容易に
瞻望
(
せんぼう
)
することが出来ないし
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
不幸にしてお
沙汰
(
さた
)
に接しないとしたならば、そのときこそ最後の奉公に
起
(
た
)
たねばならぬと思った。家臣こぞって、主家百年の安泰のため、死を
賭
(
と
)
してこの情を
陳
(
の
)
べねばならぬと
敦圉
(
いきま
)
くのであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
(八〇)
事
(
こと
)
に
順
(
したが
)
ひ
意
(
い
)
を
陳
(
の
)
ぶれば、
則
(
すなは
)
ち
怯懦
(
けふだ
)
にして
盡
(
つく
)
さずと
曰
(
い
)
ひ、
事
(
こと
)
を
慮
(
はか
)
ること
(八一)
廣肆
(
くわうし
)
なれば、
則
(
すなは
)
ち
(八二)
草野
(
さうや
)
にして
(八三)
倨侮
(
きよぶ
)
なりと
曰
(
い
)
ふ。
(八四)
此
(
こ
)
れ
説
(
ぜい
)
の
難
(
かた
)
き、
知
(
し
)
らざる
可
(
べ
)
からざる
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
あだかも我名の出でしままに、男はこれより替りて
陳
(
の
)
べぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
迷亭は何喰わぬ顔で
陳
(
の
)
べ続ける。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
狭き書斎に
陳
(
の
)
べたる
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
序
(
ついで
)
に水源地の林相を
陳
(
の
)
べて見ると、この地方では秩父などで見るように喬木帯が闊葉、針闊混淆、針葉という順序に判然と認められない。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
写生文の三つであった事は前回に
陳
(
の
)
べた通りであったが、その他居士は
香取秀真
(
かとりほずま
)
君の
鋳物
(
いもの
)
を見てから盛にその方面の研究を試み始めたり
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
後期の優美歌になると、具通の美と官覚とは
陳
(
の
)
べられてゐるけれど、個性の影は技巧の片隅に窺はれるばかりになつた。
短歌本質成立の時代:万葉集以後の歌風の見わたし
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
大塔ノ宮の旗上げ、その吉野城と、金剛山との結びつき、四国九州にわたる宮方の危険な
兆
(
きざ
)
し、それらを、茂時は事務口調で、
吶々
(
とつとつ
)
と申し
陳
(
の
)
べた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
予は始め世界の竹類を四族に大別すべきを
陳
(
の
)
べたり。今刺竹属、メダケ属、マダケ属ならびに麻竹属を取って以てこれに配せばすなわち次の如し。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
陳
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
“陳”を含む語句
陳謝
陳列場
陳腐
陳列
陳弁
陳套
陳述
陳立
新陳代謝
陳勝呉廣
陳情
陳辯
陳套語
陳勝呉広
陳者
陳列棚
開陳
陳皮
具陳
陳武
...