郊外こうがい)” の例文
その谷にそそぐ川はビエーヴル川であるから、この谷はパリの郊外こうがいではいちばんきたない陰気いんきな所だと言いもし、しんじられもしていた。
今からおよそ五十余年のむかし普仏戦争ふふつせんそうの起こるすこし前、フランス陸軍省の主催しゅさいでパリーの郊外こうがいに射的大会が開催かいさいされました。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そのころ、僕たち郊外こうがいの墓場の裏に居を定めていたので、初めの程は二人共みょう森閑しんかんとした気持ちになって、よく幽霊ゆうれいゆめか何かを見たものだ。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
だが、ついにおそれた、そのがきました。せめてものおもにと、年子としこは、先生せんせいとおわかれするまえにいっしょに郊外こうがい散歩さんぽしたのであります。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
今頃いまごろ馬車ばしゃにでもって、郊外こうがいったらさぞいいでしょう。』と、イワン、デミトリチはあかこすりながらう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
場所ばしょは、岡山市おかやまし郊外こうがいちかいMまちで、被害者ひがいしゃは、四ねんほどまえまで質屋しちやをやつていて、かたわら高利貸こうりかしでもあつたそうだが、目下もっか表向おもてむ無職むしょくであつて
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
んだそらつきながらながめる、ひといきれからのがれた郊外こうがいたのしみは、こゝにとゞめをす……それがられない。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
郊外こうがい散歩や乗馬までも、やめてしまった。まるで足に糸をつけられたカブト虫みたいに、わたしはなつかしい傍屋はなれのまわりを、絶えずぐるぐる回っていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
ツルゲーネフは一八八三年の夏、パリの郊外こうがいくなりました。その死後やがて七十周年になるわけです。
「はつ恋」解説 (新字新仮名) / 神西清(著)
もうもうと、焼け灰を煙のようにかきまわしながら、源一ののった車はどんどん郊外こうがいの方へ走っていった。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ルーヴルのほかにパリで有名ゆうめいなのは、歴史れきしかんするものをならべたクルニー博物館はくぶつかん郊外こうがいますと、サン・ジェルマンの博物館はくぶつかんといふ考古學こうこがく博物館はくぶつかんがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
わたしは『墓場通り』といわれている郊外こうがいにいました。そこには美しい記念碑きねんひがいくつか立っています。
名づけ親は、この男を郊外こうがいの森のなかへつれこむと、なんですか、そこにはえてる薬草やくそうを教えて
サンフラスシスコの郊外こうがいにささやかな道場を開いて、アメリカ人に日本の柔道じゅうどうを教えていたのは、富田常次郎とみたつねじろうだんであった。講道館長こうどうかんちょう嘉納かのうろう先生の最初の弟子でしだ。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
ほんとうは、それはまだ、東京の郊外こうがいの、ちょっとした新開地しんかいちにしかすぎません。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
そしてお二人は町の広場を通りけて、だんだん郊外こうがいに来られました。すながずうっとひろがっておりました。そのすなが一ところふかられて、沢山たくさんの人がその中に立ってございました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
手近てぢかな例として挙げられるのは、江戸叢書の中にも採録せられた『嘉陵紀行かりょうきこう』、是は村尾嘉陵という江戸の小吏が、勤務のいとまあるごとに郊外こうがいの各処に日返りの旅行をした日記を集めたもので
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それよりも去年の暮、出征しゅっせいしていた頃、北京ペキン郊外こうがい豊台駅前のカフェに入った処が、高知県出身の女給さんばかりが多くいて、あなたのうわさが、偶然オリムピックの話から出たのには驚きました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
三味線は郊外こうがいできくものになり
艶色落語講談鑑賞 (新字新仮名) / 正岡容(著)
郊外こうがいに移し令嬢れいじょうたちもまたスポーツに親しんで野外の空気や日光にれるから以前のような深窓の佳人かじん式箱入娘はいなくなってしまったが現在でも市中に住んでいる子供たちは一般に体格が繊弱せんじゃくで顔の色などもがいして青白い田舎いなか育ちの少年少女とは皮膚ひふえ方が違う良く云えば垢抜あかぬけがしているが悪く云えば病的である。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
行く道みち食べ物を買う金を取るために、足を止めなければならなかったから、やがてパリの郊外こうがいへ着くまでは五日間かかった。
また、まち郊外こうがいには、花園はなぞのがありました。そして、そこには、かつてたことのないような、うつくしいはなみだれいました。
すももの花の国から (新字新仮名) / 小川未明(著)
白い橋がかかっている。その橋の向うは、郊外こうがいらしい安料理屋が軒を並べていて、法華寺ほっけじがあると云う事であった。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
トロッコにしても(彼は一度郊外こうがいで、赤土あかつちを一杯積んだトロッコにかれそこなったことがある)
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人ふたりはこのみなと郊外こうがいにも、やしのが、ところどころにかげくろく、らされてっているのをたのであります。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちは郊外こうがいへ出ていた。もう往来おうらいの人も巡査じゅんさ街燈がいとうも見えない。ただ窓明まどあかりがそこここにちらちらして、頭の上には黒ずんだ青空に二、三点星が光っているだけであった。
それは東京の郊外こうがいの焼けのこった町の岡の上にある広い邸宅ていたくであった。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まち郊外こうがいには、おかうえに、はたけなかに、オレンジが、うつくしく、西日にしびかがやいていました。青黒あおぐろい、あつみのあるあいだから、黄色きいろ宝石ほうせきつくられたたまのようにられました。
気まぐれの人形師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
東京の郊外こうがいきぬたといえば畑と野原ばかりのさびしいところである。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なぜこんなところへきて、はなさがすのだ。もっと郊外こうがいほうんでゆけば、ひろ野原のはらや、はたけがあるじゃないか。そして、そこには、いろいろのはないているだろう。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
郊外こうがい
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここは、まちちか郊外こうがいでした。ある長屋ながやの一けんでは、ちちかえりをっている少年しょうねんがありました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみ、それよりか、鉱石こうせきりにいかない? そのほうが、よほどおもしろいぜ。磁鉄鉱じてつこうも、黄銅鉱おうどうこうも、きんもあるのだよ。」と、郊外こうがいほうから通学つうがくする西山にしやまが、いいました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、このおおきなごみばこをのせたくるまは、あるさびしい郊外こうがいのくぼくと、そこのところでとまりました。そして、たくさんのごみといっしょくたに、くぼなかへあけられました。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
やはり、まちから郊外こうがいへのがれる、人々ひとびとれとまじって、げたのでした。
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)