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輩
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ともがら
ふりがな文庫
“
輩
(
ともがら
)” の例文
が、私はさっきからナナヴァティやシャシカントらの
輩
(
ともがら
)
と話はしながらも、眼だけはすこぶる変った人の上に注いでいたのであった。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
これをかのピューリタンの
輩
(
ともがら
)
が、人種の純潔を保ちつつその高尚なる理想を子孫に伝えたのに比すれば、もとより同日の談ではない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
(待てよ、そうして、自分の
為体
(
ていたらく
)
を見、ひいては、源氏の
輩
(
ともがら
)
が、どんな士風か、どんな者の寄合か、試みておられるのかもしれない)
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
... 企て候
輩
(
ともがら
)
これあるに於ては、たとへ有司の人たりとも、
聊
(
いささか
)
用捨なく譴責仕り
度
(
た
)
き一統の
赤心
(
せきしん
)
に御座候」(朝廷への「浪士組」建白書)。
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
官吏ともあろうものが
夷狄
(
いてき
)
の
輩
(
ともがら
)
を引いて皇帝陛下の謁見を許すごときは、そもそも国体を汚すの罪人だというような言葉を書きつらね
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
又はご当家の御代となって取り潰された加藤、福島の、遺臣の
輩
(
ともがら
)
、徳川家を怨んで乗ずべき隙もあれかしと虚を狙っているに相違ござらぬ。
正雪の遺書
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
武具、馬具、金銀財宝まで蔵に満ち、
籠
(
こも
)
るところの兵十万騎、いずれもすぐったる武勇絶倫の
輩
(
ともがら
)
なれば、何十万の大軍を以て
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なれど親の代から「ぜんちよ」(異教徒)の
輩
(
ともがら
)
であらなんだ事だけは、手くびにかけた
青玉
(
あをだま
)
の「こんたつ」(念珠)を見ても、知れたと申す。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
時
(
とき
)
の
鼠
(
ねずみ
)
の
憎
(
にく
)
さは、
近頃
(
ちかごろ
)
、
片腹痛
(
かたはらいた
)
く、
苦笑
(
くせう
)
をさせられる、あの
流言蜚語
(
りうげんひご
)
とかを
逞
(
たくま
)
しうして、
女小兒
(
をんなこども
)
を
脅
(
おびや
)
かす
輩
(
ともがら
)
の
憎
(
にく
)
さとおなじであつた。……
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
並
(
ならび
)
に是れ自ら詩人たる人にしあれば、いづれも
阿堵中
(
あとちゆう
)
の味えも知らざる
輩
(
ともがら
)
とは、日を同うして論ずべからざる
由
(
よし
)
あらむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
かの
輩
(
ともがら
)
は貧き人に逢ふときは物取らせて
吝
(
をし
)
むことなし。かの輩は債あるときは期を
愆
(
あやま
)
たず額をたがへずして拂ふなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
銀行も有價證劵もなかつた時代は、打ち續く戰亂と、盜難から免れる爲には、金持長者といはれる
輩
(
ともがら
)
はその財産の保護と隱匿に
畢生
(
ひつせい
)
の知識を絞つたものです。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この間に華美なる姿して金縁の眼鏡かけたる Blue-Stocking の
輩
(
ともがら
)
二人三人淡紅の梅花のもとをゆく。肉色のクリームの如き梅の花は厭ふべし。
春の暗示
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
表面はともあれ、故
桂
(
かつら
)
侯などは正夫人なみにあつかわれたという、その余の
輩
(
ともがら
)
にいたってはいうまでもない事であろう。すれば事実は公爵夫人貞子なのである。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そこで世間無知の
輩
(
ともがら
)
は、早くもいっさい万事これ金なりと心得、義理も人情も打ち捨てて互いに金をつかみ合うさま、飢えたる獣の腐肉を争うがごときに至る。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
つぐのひ給ふ事初り今是
過料金
(
くわれうきん
)
といふなり大に
益
(
えき
)
ある
御仁政
(
ごじんせい
)
然るに
賢君
(
けんくん
)
の御心をしらず
忠臣
(
ちうしん
)
の奉行をしらざる
輩
(
ともがら
)
は
此過料金
(
このくわれうきん
)
の御
政事
(
せいじ
)
を
難
(
なん
)
していはく人の
罪
(
つみ
)
を金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先生の疲労のことなどかまわずに、少しでもたくさんお話を聞き出そう、少しでもたくさん病を癒してもらおうという、身がってな乞食のような根性の
輩
(
ともがら
)
であります。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
過去封建時代の遺物たる博徒顏役の
輩
(
ともがら
)
は已に現代に於ては無用の遊民であらうとは云へ、猶ほ犯罪者搜索の一便宜として、國家行政の機關が其の存在の意義を認めてゐる。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
銀の
猫
(
ねこ
)
捨
(
すて
)
た所が
西行
(
さいぎょう
)
なりと喜んで
誉
(
ほ
)
むる
輩
(
ともがら
)
是も
却
(
かえっ
)
て雪のふる日の寒いのに気が
付
(
つか
)
ぬ
詮義
(
せんぎ
)
ならん。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我々のような平和を喜ぶ
輩
(
ともがら
)
はこの車に乗っているのがすでに苦痛である。御者はもちろんチャンチャンで、油に
埃
(
ほこり
)
の食い込んだ
辮髪
(
べんぱつ
)
を振り立てながら、時々満洲の声を出す。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてそのまま
猟奇
(
りょうき
)
の
輩
(
ともがら
)
の
口端
(
くちは
)
に上って、色々な臆説の種になっているばかりである……という事実を、先生は多分、何かの雑誌か、新聞で御覧になった事でしょう。ハハア。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さて当日
新婚
(
しんこん
)
ありつる家に、
神使
(
じんし
)
たるべき人は百姓の内
旧家
(
きうか
)
門地の
輩
(
ともがら
)
神使を
務
(
つとむ
)
べき家定めあり、その中にて
服忌
(
ぶくき
)
はさら也、
寡
(
やもめ
)
なる
者
(
もの
)
、家内に病人あるもの、
縁類
(
えんるゐ
)
に
不祥
(
ふしやう
)
ありしもの
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あるいは武士大名と言われたものの中にも、この
輩
(
ともがら
)
から出たものがないとは言われません。その代りに新たにできた落伍者の、この群に流れ込んだものもむろんたくさんにあります。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
棚
(
たな
)
から
落
(
お
)
ちる
牡丹
(
ぼた
)
餅
(
もち
)
を
待
(
ま
)
つ
者
(
もの
)
よ、
唐様
(
からやう
)
に
巧
(
たく
)
みなる
三代目
(
さんだいめ
)
よ、
浮木
(
ふぼく
)
をさがす
盲目
(
めくら
)
の
亀
(
かめ
)
よ、
人参
(
にんじん
)
呑
(
の
)
んで
首
(
くび
)
縊
(
く〻
)
らんとする
白痴
(
たはけ
)
漢
(
もの
)
よ、
鰯
(
いわし
)
の
頭
(
あたま
)
を
信心
(
しん/″\
)
するお
怜悧
(
りこう
)
連
(
れん
)
よ、
雲
(
くも
)
に
登
(
のぼ
)
るを
願
(
ねが
)
ふ
蚯蚓
(
み〻ず
)
の
輩
(
ともがら
)
よ
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「然る処、氏直天道の正理に
背
(
そむ
)
き、帝都に対して奸謀を企つ。
何
(
いずくん
)
ぞ天罰を蒙らざらんや。古諺に曰く、巧詐は拙誠に如かずと。所詮普天の下勅命に逆ふ
輩
(
ともがら
)
は、早く
誅伐
(
ちゅうばつ
)
を加へざるべからず云々」
小田原陣
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
尻軽娘はカインの
輩
(
ともがら
)
の中に鎖じ込められ、
猶太人
(
ジュウ
)
は難問の中にて嘲笑う。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
善人の住む習ひなりし僧院は惡人の巣となり、不徳の
輩
(
ともがら
)
身に法衣を纏ふ
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
意氣抛ちてよからむや?
他
(
ほか
)
の卑怯の
輩
(
ともがら
)
の
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
われを、いざ、
蹈
(
ふ
)
みて立て。
烏許
(
をこ
)
の
輩
(
ともがら
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
迷惑の
輩
(
ともがら
)
。目を覆う
巾
(
きん
)
を去れ。2320
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
し
よ
(
ママ
)
うこともない
輩
(
ともがら
)
のため!
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
凡俗なる
狐狸
(
こり
)
の
輩
(
ともがら
)
を友と
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「百姓たちはどうしたか。妻子従者の
輩
(
ともがら
)
も、一人も見えぬは如何にせしぞ。たとい木石の
木偶
(
でく
)
なりと、これが悲しまずにおられようか」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人の
医師
(
くすし
)
に任せて置いて、
己
(
おのれ
)
はあちこちの建物へ行き、
阿諛
(
あゆ
)
の
輩
(
ともがら
)
と一つになり、乱倫の真似するであろう、そこを狙って、そこを狙って……
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
されば一
皿
(
べい
)
の菓子、一
盞
(
さん
)
の
珈琲
(
コオヒイ
)
に、一円、二円と
擲
(
なげう
)
ちて、なおも冥加に余るとなし、我も我もと、
入交
(
いりかわ
)
り、立替る、随喜の
輩
(
ともがら
)
数うるに
勝
(
た
)
うべからず。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
現
(
げ
)
に類想、個想、小天地想の別だに知らで、批評の業に從ふ
輩
(
ともがら
)
は、かく
叱咜
(
しつた
)
せられむも可なるべし。然れども彼三派に優劣なしと見よといはばいかに。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ましてその前身は、「ぜんちよ」の
輩
(
ともがら
)
にはゑとりのやうにさげしまるる、天主の御教を奉ずるものぢや。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、これにも
仔細
(
しさい
)
のあることだろう。例えば、山脇玄内は義賊といった
輩
(
ともがら
)
かも知れぬではないか」
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤原
仲成
(
なかなり
)
を殺したり、又、左大臣
頼長
(
よりなが
)
の死骸を掘りおこしたりなどして評判を落した事を覚えておいででしょうが、昔からよく、「死罪を行なえば海内に謀叛の
輩
(
ともがら
)
絶えず」
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
この不信仰の
輩
(
ともがら
)
に対しては、さすがのイエス様も何の奇蹟をもなすことができませんでした。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
悔悟
憤発
(
ふんぱつ
)
して国家に尽くす志あるの
輩
(
ともがら
)
は寛大の思し召しをもって御採用あらせらるべく、もしまた、この時節になっても大義をわきまえずに、賊徒と
謀
(
はかりごと
)
を通ずるような者は
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「文藝春秋」できかれた「
姐御
(
あねご
)
ぶり」といふものは、勢ひさうした見方からいつて、およそ、わたしのきらひなものだ。姐御とは、さうした
輩
(
ともがら
)
の細君を敬稱したものかと思ふ。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
公道を宮と鈴鹿の方面にとられてしまって、
蜀山
(
しょくさん
)
や一九の
輩
(
ともがら
)
をしてすら、ふわふわの関と歌わしめたほどの荒涼たる廃道になっているから、この月夜を
彷徨
(
さまよ
)
う
何人
(
なんぴと
)
といえども
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし現代日本の西洋式
偽文明
(
ぎぶんめい
)
が森永の西洋菓子の如く女優のダンスの如く無味拙劣なるものと感じられる
輩
(
ともがら
)
に対しては、東京なる都会の興味は
勢
(
いきおい
)
尚古的
(
しょうこてき
)
退歩的たらざるを得ない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ところが、これらの長吏の
輩
(
ともがら
)
は、多くは自分の勢力にまかせて、その縄張り内にできた死牛馬を独占して、皮革その他の利益を
壟断
(
ろうだん
)
し、他の落伍者仲間には触らせないようにしました。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
と上人が下したまふ鶴の一声の御言葉に群雀の
輩
(
ともがら
)
鳴りを
歇
(
とゞ
)
めて、振り上げし拳を
蔵
(
かく
)
すに
地
(
ところ
)
なく、禅僧の問答に有りや有りやと云ひかけしまゝ一喝されて腰の
折
(
くだ
)
けたる如き風情なるもあり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
いづれにしても禁断の邪教、
切支丹
(
キリシタン
)
婆天蓮
(
バテレン
)
の
輩
(
ともがら
)
に相違あるまじと云ひ放つ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
相憎む
輩
(
ともがら
)
がうへに思ひいたりしみじみとあり日の照る庭に
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
面澁
(
おもしぶ
)
る
唖
(
おし
)
の
羊
(
ひつじ
)
の
輩
(
ともがら
)
は
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
輩
(
ともがら
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
輩
常用漢字
中学
部首:⾞
15画
“輩”を含む語句
吾輩
奴輩
朋輩
儕輩
年輩
徒輩
傍輩
彼輩
若輩
同年輩
児輩
友輩
我輩
手輩
末輩
同輩
此輩
汝輩
所化輩
前輩
...