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突込
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つっこ
ふりがな文庫
“
突込
(
つっこ
)” の例文
女は、帯にも
突込
(
つっこ
)
まず、一枚
掌
(
たなそこ
)
に入れたまま、黙って、一帆に
擦違
(
すれちが
)
って、角の
擬宝珠
(
ぎぼしゅ
)
を廻って、本堂正面の階段の方へ見えなくなる。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三「えゝ、成程……お母さんちょいと手を私の袂の中へ
突込
(
つっこ
)
んで下さい、これが
流行物
(
はやりもの
)
だから何うでげしょう、このくらいでは」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この話は最近読んだばかりだから、まだ
記臆
(
きおく
)
には新しい方だ。色や光や臭いという方面から
突込
(
つっこ
)
むのも面白いが、この話は音の怪に属する。
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
こういわれて、
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
が
函
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
へ
頭
(
あたま
)
を
突込
(
つっこ
)
んだ
途端
(
とたん
)
に、ガタンと
蓋
(
ふた
)
を
落
(
おと
)
したので、
小児
(
こども
)
の
頭
(
あたま
)
はころりととれて、
赤
(
あか
)
い
林檎
(
りんご
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
何
(
な
)
んとの、じゃァござんせんぜ。あの
期
(
ご
)
に
及
(
およ
)
んで、
垣根
(
かきね
)
へ
首
(
くび
)
を
突込
(
つっこ
)
むなんざ、
情
(
なさけ
)
なすぎて、
涙
(
なみだ
)
が
出
(
で
)
るじゃァござんせんか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
そこまで
突込
(
つっこ
)
み得ていないために、探偵小説の本来の使命を見失い、どうしていいか解からないまま
間誤間誤
(
まごまご
)
しているだけの話ではないか……と……。
探偵小説の真使命
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
邪魔になるお客さんは、遠慮なく突きとばしてよろしいのである。お客さんは、突きとばされて
丼
(
どんぶり
)
の中に顔を
突込
(
つっこ
)
もうと、誰も怒るものはいないであろう。
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
で、学者も学問の種類によっては、学問が深くなれば是非骨董の世界に頭を
突込
(
つっこ
)
み手を突込むようになる。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
橋本と余は、勢いよく
浴衣
(
ゆかた
)
を
抛
(
な
)
げて、競争的に
毛脛
(
けずね
)
を
突込
(
つっこ
)
んで、急に顔を見合せながら
縮
(
ちぢ
)
んだ事がある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
左の胸に
突込
(
つっこ
)
んだるナイフの木の
柄
(
え
)
現われおる。この男舞台の
真中
(
まんなか
)
に立ち留まり主人に向いて語る。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
突込
(
つっこ
)
んで行くと同じことで、
爪先下
(
つまさきさが
)
りに富士川まで出てしまうんでございますから楽なもので
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此方
(
こっち
)
は
流石
(
さすが
)
に生理学者で、動物を殺すに
窒塞
(
ちっそく
)
させれば
訳
(
わ
)
けはないと云うことを
知
(
しっ
)
て居る。幸いその牛屋は
河岸端
(
かしばた
)
であるから、
其処
(
そこ
)
へ
連
(
つれ
)
て
行
(
いっ
)
て四足を
縛
(
しばっ
)
て水に
突込
(
つっこ
)
で
直
(
す
)
ぐ殺した。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と太郎右衛門は
間抜
(
まぬけ
)
な顔をして、二人の立っている間へ顔を
突込
(
つっこ
)
んでやりました。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
志津子が思わず叫んだ、——千之はずいと一歩進んで鋭く
突込
(
つっこ
)
んだ。
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
若紳士は何かにつけて中川を
突込
(
つっこ
)
まんと
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
押えられて、手を
突込
(
つっこ
)
んだから、脚をばったのように、いや、ずんぐりだから、
蟋蟀
(
こおろぎ
)
のように
掙
(
もが
)
いて、頭で
臼
(
うす
)
を
搗
(
つ
)
いていた。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この紋がねえ、三蓋松に実の花菱が、そっくり
象嵌
(
ぞうがん
)
で出て居るってんだ、こいつア妙じゃアございませんか、これが
突込
(
つっこ
)
んだ
儘
(
なり
)
で有るんでがすが
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
水夫
(
デッキ
)
連中は沖へ出次第に小僧を餌にして
鱶
(
ふか
)
を釣ると云っているそうだし、機関室の連中は
汽鑵
(
ボイラ
)
に
突込
(
つっこ
)
んで石炭の足しにするんだと云ってフウフウ云っている。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうして湯屋の
留桶
(
とめおけ
)
を少し深くしたような
小判形
(
こばんなり
)
の桶の底に、
硝子
(
ガラス
)
を張ったものを水に伏せて、その中に顔を
突込
(
つっこ
)
むように押し込みながら、海の底を
覗
(
のぞ
)
き出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さっきから幾度もそういっているじゃないか。係員にそういってくれ。ぐずぐずしているようなら勝手にこっちが綱を切ってとびあがるぞと、きびしく一本
突込
(
つっこ
)
んでおいてくれ」
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夜具の
袖
(
そで
)
に首を
突込
(
つっこ
)
んで居たりけりさ、今の世の
勝頼
(
かつより
)
さま、チト
御驕
(
おおご
)
りなされ、アハヽヽと笑い
転
(
ころ
)
げて
其儘
(
そのまま
)
坐敷
(
ざしき
)
をすべり
出
(
いで
)
しが、跡は
却
(
かえっ
)
て
弥
(
いや
)
寂
(
さび
)
しく、今の話にいとゞ恋しさまさりて
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
雑所は前のめりに
俯向
(
うつむ
)
いて、一服吸った後を、口でふっふっと吹落して、
雁首
(
がんくび
)
を取って返して、吸殻を丁寧に灰に
突込
(
つっこ
)
み
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
草苅に小さい子や何かゞ
秣
(
まぐさ
)
を苅りに出て、帰り
掛
(
がけ
)
に草の中へ
標
(
しるし
)
に鎌を
突込
(
つっこ
)
んで置いて帰り、翌日来て、
其処
(
そこ
)
から其の鎌を出して草を苅る事があるもので
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
同時にアラスカ近海の難航海に堪え得るだけの食料や
石炭
(
すみ
)
を、船が割れる程
突込
(
つっこ
)
む訳だが、その作業は
平生
(
いつも
)
の通り二三日がかりで遣るのでさえ相当
忙
(
せわ
)
しいのに
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
千代子はまた首を
突込
(
つっこ
)
んだ。彼女の
被
(
かぶ
)
っていたへなへなの
麦藁帽子
(
むぎわらぼうし
)
の
縁
(
ふち
)
が水に
浸
(
つか
)
って、船頭に
操
(
あや
)
つられる船の勢に
逆
(
さか
)
らうたびに、可憐な波をちょろちょろ起した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
といいながら、指を函の中に
突込
(
つっこ
)
んで、ぼくたちをかきまわした。ぼくはしばらく運動しなかったので、
彼
(
か
)
の若い男の指でがらがらとかきまわされるのが、たいへんいい気持ちだった。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その鍋の前へ立つと、しゃんと伸びて、
肱
(
ひじ
)
を張り、湯気のむらむらと立つ中へ、いきなり、くしゃくしゃの顔を
突込
(
つっこ
)
んだ。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右の死骸を藁小屋へ
突込
(
つっこ
)
みまして、それから
有合
(
ありあわ
)
した着替の衣類に百五六十両の金を引出して、逃げる支度をしている
中
(
うち
)
に、門前には百姓が一杯黒山のように
群
(
むらが
)
り寄り
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その時不意にがらがらと開けられた
硝子戸
(
ガラスど
)
の音が、
周囲
(
あたり
)
をまるで忘れて、自分の中にばかり頭を
突込
(
つっこ
)
んでいた津田をはっと驚ろかした。彼は思わず首を上げて入口を見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし奴さん、うまい工合に傷の
箇所
(
かしょ
)
に、血どめのガーゼ——ガーゼじゃないが、きれを
突込
(
つっこ
)
んで、器用にその上を巻いてある。奴さんにとっては、これはうちの頭目以上の幸運だったんだ
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
突込
(
つっこ
)
んで行くと遂には
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
突然
(
いきなり
)
、
年増
(
としま
)
の
行火
(
あんか
)
の中へ、
諸膝
(
もろひざ
)
を
突込
(
つっこ
)
んで、けろりとして、
娑婆
(
しゃば
)
を見物、という澄ました顔付で、当っている。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし一度この社会に首を
突込
(
つっこ
)
んで、
獰猛組
(
どうもうぐみ
)
の一人となりすましたら、一月二月と暮して行くうちには、この男くらいの勢力を得る事はできるかも知れない。できるだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それで
往
(
い
)
けば宜しいのに、先へ行って腹が空ってはならんから二つ三つ用意に持って行こうと、
右袂
(
こちら
)
へ二つ
左袂
(
こちら
)
へ三つ懐から背中へ
突込
(
つっこ
)
んだり何かして、盗んだなりこう
起
(
た
)
つと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、私は
大袈裟
(
おおげさ
)
に
呆
(
あき
)
れてみせて、ひとのいい博士の、急所に
一槍
(
ひとやり
)
突込
(
つっこ
)
んだ。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
御手洗
(
みたらし
)
は清くて冷い、すぐ洗えばだったけれども、神様の助けです。手も清め、口もそそぐ。……あの手をいきなり
突込
(
つっこ
)
んだらどのくらい人を
損
(
そこな
)
ったろう。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此畜生奴
(
こんちきしょうめ
)
、本当にお前や己は、
尻尾
(
しっぽ
)
が生えて四つん這になって
椀
(
わん
)
の中へ面ア
突込
(
つっこ
)
んで、
肴
(
さかな
)
の骨でもかじる様な因果に二人とも生れたのだから、お賤
手前
(
てめえ
)
も本当にお経でも覚えて
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と初さんが、
勝栗
(
かちぐり
)
のような親指を、カンテラの孔の中へ
突込
(
つっこ
)
んだ。
旨
(
うま
)
い具合にはまる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
燻精師長は、さすがに醤の信任があついだけに、するどく博士に
突込
(
つっこ
)
む。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もとへ
突込
(
つっこ
)
んで、革鞄の口をかしりと
啣
(
くわ
)
えさせました時、フト柔かな、滑かな、ふっくりと美しいものを、きしりと
縊
(
くび
)
って、
引緊
(
ひきし
)
めたと思う
手応
(
てごたえ
)
がありました。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
腹掛
(
はらがけ
)
へ
突込
(
つっこ
)
んで帰りましたが、悪い事は出来ないもので、これが紀伊國屋へ
誂
(
あつら
)
えた胴乱でございます、それが為に
後
(
のち
)
に蟠龍軒が庄左衞門を
殺害
(
せつがい
)
したことが知れます。これは
後
(
のち
)
のことで。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
給仕がその
裾
(
すそ
)
を動かして、竹の洋杖を
突込
(
つっこ
)
んだ時、大きな模様を抜いた
羽二重
(
はぶたえ
)
の裏が敬太郎の眼にちらついた。彼は
蛇
(
へび
)
の頭がコートの裏に隠れるのを待って、そらにその持主の方に眼を転じた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金博士はにやりと笑って立上ると、冷蔵庫の中へ頭を
突込
(
つっこ
)
んだ。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
といった
工合
(
ぐあい
)
で、呑込むと、
焼火箸
(
やけひばし
)
を
突込
(
つっこ
)
むように、
咽喉
(
のど
)
を貫いて、ぐいぐいと胃壁を刺して下って行く。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
臍
(
へそ
)
の奥だよ」と云った。神さんは手を細い帯の間に
突込
(
つっこ
)
んだまま
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
課長は、最も重大なるところを
突込
(
つっこ
)
んだ。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と中腰に立って、煙管を
突込
(
つっこ
)
む、
雁首
(
がんくび
)
が、ぼっと大きく映ったが、吸取るように、ばったりと紙になる。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
煙管
(
きせる
)
を
突込
(
つっこ
)
んで、ばったり置くと、
赤毛氈
(
あかもうせん
)
に、ぶくぶくして、
擬
(
まがい
)
印伝の煙草入は古池を泳ぐ
体
(
てい
)
なり。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「久しぶりで、私が洗って差上げましょう。」と、脱いだ上衣を、井戸側へ
突込
(
つっこ
)
むほど
引掛
(
ひっか
)
けたと思うと、お妙がものを云う
間
(
ひま
)
も無かった。手を早や金盥に突込んで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、やけに
突立
(
つった
)
つ膝がしらに、麦こがしの椀を炉の中へ
突込
(
つっこ
)
んで、ぱっと立つ白い粉に、クシンと
咽
(
む
)
せたは
可笑
(
おかし
)
いが、
手向
(
たむけ
)
の水の
涸
(
か
)
れたようで、見る目には、ものあわれ。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突出
突飛
突如
突兀
突伏
突張
突嗟